電子カルテの導入をする場合、システムを比較検討し、ニーズに合うより良い電子カルテを選ぶことが重要です。本記事では、ダイナミクス(Ⅾynamics)がどんな電子カルテかという概要はもちろん、ユーザーの口コミ、料金などなかなか見つからない情報を深掘りしています。電子カルテの導入にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
会社名 | 株式会社ダイナミクス |
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初期費用 | 222,000円(税込) |
月額利用料 | 11,000円(税込) |
おすすめの診療科 | 内科、精神科・心療内科、小児科、眼科、整形外科、消化器科など |
施設規模 | クリニック向け |
提供形態 | オンプレミス型 |
レセコン | 一体型 |
連携可能な機器・システム | 診察券発行システム、画像ファイリング、心電図システム、検査システム、予約システム |
推奨環境 | Windows 10 Pro |
サポート体制 | 電話・メール・FAX |
「ダイナミクス」とは、診療業務全般を一元的に管理するための、レセコン一体型電子カルテです。カルテの記入と同時に会計処理が完了し、医師は診療中に会計情報を確認できます。その上、自動算定やチェック機能により、入力ミスを減らし業務の効率化も可能です。
一律月額11,000円(税込)のランニングコストで利用でき、パソコン台数やユーザー数の変動や更新料もありません。無料のスマホアプリなど多数のオプションもあります。院内設置型なので、動作が安定していて、通信障害の心配はなく、カルテ情報の漏洩や流出の心配もありません。
この章では、ダイナミクスがどんな人におすすめかということと、ダイナミクスのメリットについて解説していきます。
ダイナミクスは、月額11,000円(税込)と低コストで利用可能です。月額にはバージョンアップや診療報酬改定への対応、ヘルプデスクの利用も含まれ、パソコン増設による追加料金もありません。
訪問診療や携帯カルテ、オンライン資格確認接続用プログラム、特定健診対応はすべて無料です。導入時には、44,000円で導入時インストラクションを受けることができます。
有料オプションの価格も、自治体総括表と労災・自賠責対応がそれぞれ月額1,100円~3,300円など良心的な価格設定です。
※初期費用は220,000円(税込)かかります。また、複数の診療所を経営されている場合は、それぞれの診療所ごとの契約となります。
ダイナミクスは、医師自らが診療しながら、会計やレセプトを把握できます。カルテ入力と同時に会計が完了するので、診療業務に余計な手間や時間をかけずにすみ、患者さんの待ち時間も減らすことができます。
さらに、自動算定やチェック機能で入力ミスを削減することができ、業務を効率化することと患者さんに余計な負担をかけずにすみます。院内設置なので通信障害による診療停止や、サイバー攻撃によるカルテ情報の漏洩・流出のリスクを軽減できます。
ダイナミクスならではのユーザーコミュニティがあり、医師同士の情報交換ができます。クリニックの運営方法などの経営にまつわる情報などがメーリングリストで入手できるので、開業時の不安解消にも役立つでしょう。また、製品に対する要望もできるので、ユーザーのニーズを反映して機能を拡充しています。
ダイナミクスは院内にサーバーを設置するオンプレミス型の電子カルテですが、院外で入力・閲覧できます。インターネットや電話回線を使わずにデータを直接保存しているため、外出先や災害時でも、データ参照が可能です。
訪問診療先でもデータを取り出して入力でき、スマホやiPadでも閲覧できます。無料で提供されており、災害時の備えとしても活用できるでしょう。
低コストで業務効率化がはかれるダイナミクスですが、デメリットについても項目ごとに説明していきます。
他社のスタイリッシュなデザインのものと比べると「目がチカチカする」、「見栄えが悪い」との声もあります。一方で、「見栄えは悪いが使いやすく、数年使っても困ることがない」という声があることも事実です。
ただし、使っていくうちに便利になり、ボタンを一つ押すだけで、ショートカットを利用して、必要なページにアクセスできますし、ファンクションキーも利用できるので、非常に便利と言えるでしょう。
サポートは電話・メール・FAXで行っています。ダイナミクスからの訪問サポートはありませんので、パソコンの設定など実地でのサポートが必要な場合は地域サポート業者に依頼する必要があるでしょう。 サポート業者とは、年間契約の他に、スポット契約(必要なときだけ作業を依頼)も可能です。
この章では、低コストと評判のダイナミクスの料金について詳しく解説していきます。
ダイナミクスの料金は、他の電子カルテと比較してもリーズナブルで分かりやすい料金体系になっています。パソコン台数や、ユーザー数、データ量に応じた課金や数年ごとの更新料がかからないので、良心的な価格と言えるでしょう。
初期費用 | 222,000円(税込) |
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月額使用料 | 11,000円(税込) |
こちらの章では、導入時のオプション・有料オプション・無料オプションについてそれぞれ表にまとめました。
こちらは導入時オプション一覧表です。
導入時インストラクション | 44,000円(交通費別) |
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スタート支援パック<2日間コース> | 121,000円(交通費別) |
スタート支援パック<3日間コース> | 176,000円(交通費別) |
データ移行① ※移行対象:レセプトの患者保険情報・病名・薬・検査 |
33,000円(3ヶ月分)~ ※6か月分無料キャンペーン中 |
データ移行② ※移行対象:全患者の保険情報 |
55,000円(1000患者)~ |
データ移行③ ※移行対象:PDF・検査画像・デジカメ写真等 |
無料 |
こちらは有料オプションの一覧表です。
自治体総括表 | 月額1,100円 |
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労災・自賠責対応 | 月額1,100〜3,300円 |
有床診療所対応 | 月額5,500〜11,000円 |
他社機器・ソフト連携 | 無料〜55,000円 |
処方箋二次元バーコード | 220,000円 ※薬局支払可 |
連動型写真付き薬情印刷システム | 定価55,000円 → 特別価格53,020円 |
こちらは無料オプションの一覧表です。
訪問診療対応 | 無料 |
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携帯カルテ | 無料 |
オンライン資格確認接続用プログラム | 無料 |
特定健診対応 | 無料 |
また、以下の料金は月額使用料に含まれます。
ダイナミクスはどんな電子カルテなのでしょうか。この章では、実際にダイナミクスを利用したことのある医療関係者の評判や口コミをご紹介します。ダイナミクスを利用するか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
ダイナミクスの導入シェアは、複数のデータから独自に算定した結果、シェア4位でした。
このデータは「m3.com」「ITトレンド」「日経メディカル」で公表している電子カルテのシェアランキング結果を統合し、独自に算定したものです。
より詳しく電子カルテのシェアランキングが知りたい方は【2023年最新版】電子カルテのシェアランキング|上位製品を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
眼科クリニックの口コミ/総合力についての評判1
ダイナミクスを導入した結果、月々の電子カルテのコストが70%削減され、紙カルテも併用しています。眼科なので、紙カルテにシェーマを書く習慣があり、紙カルテにはシェーマを書き、電子カルテはオーダー用として使っています。電子カルテの検索機能がスムーズで、パソコン操作が苦手でも使いやすいと感じました。電子カルテを使いながらコストを削減し、最適な診療方法を構築したい医師におすすめです。
出典:自分の規模にあう使い方ができる電子カルテを見つけました
こどもクリニックの口コミ/総合力についての評判2
ダイナミクスは、表示画面に多くの情報があるように見えますが、使っていくうちに便利になり、ボタンを一つ押すだけで、ショートカットを利用して、必要なページにアクセスできますし、ファンクションキーも利用できるので、非常に便利です。
メーリングリストに質問を投稿すると、登録されている先生方やダイナミクスのサポートスタッフが回答してくれますので、困ったことはあまりありません。
そして何より、患者データを取り出す自由度が高いことと、安全性が確保されているので助かっています。ダイナミクスに愛着を持った先生が多いので、ダイナミクスをプラットフォームとして、他の先生方とつながりたい先生におすすめです。
出典:ユーカリが丘アレルギーこどもクリニック 松山 剛先生 愛着をもって一緒に歩んできた電子カルテです インタビューを読む
医院の口コミ/総合力についての評判3
2016年に発生した熊本地震で被災したとき、避難先で、サーバーコンピューター本体を持ち込むと、電子カルテデータを簡単に取り出せました。震災が発生した翌々日から診療を再開できたのは、ダイナミクスを用いてタブレットにデータを移行して閲覧できたからです。 訪問診療でも、電子カルテ情報をiPhoneで持ち歩き、患者さんのデータをすぐに見せられるので、救急の患者さんに遭遇したときも、スムーズな対応ができています。
診療所の口コミ/総合力についての評判4
PCは初心者で、保険請求の知識はありませんでしたが、ダイナミクスは医師だけで入力しています。診察しながら所見入力し、画像などがあれば保存、診察が終わったら、院内用薬剤あるいは院外処方箋と、領収書をプリントし、スタッフに手渡しする流れです。
スタッフは調剤し、代金清算します。診察終了後から、薬受領までの待ち時間は数分間です。患者さんは診察終了後、数分で薬を受け取っています。
出典:ダイナミクスは、開業医にとって、単なる診療ツールではなく、一生の友です。
診療所の口コミ/総合力についての評判5
親友が導入して快適に使っているのを見て、価格は大手企業の1/10くらいと格安で驚きました。ユーザーのコミュニティは相互扶助の精神で成り立っていて、見学受け入れなどもあります。
ダイナミクスとの連動ソフトや便利なカスタマイズも多くのヘビーユーザーの先生方から無償で提供されていて、通常の電子カルテとは一味も二味も違うと感じました。
出典:ダイナミクスを使い始めたのが2003年ですから、もう19年くらい使ってます。
整形外科クリニックの口コミ/総合力についての評判6
ダイナミクスはちゃんとシステムを構築してくれて便利です。最初は補助金制度があるからと思って申請しましたが、マイナカードを持ってきてもらえると初診の方のカルテ作りがとても楽になりますし、再診の方でも保険証が有効かどうかがわかり、毎月初めの保険証確認がいらなくなります。
眼科クリニックの口コミ
ダイナミクスの悪い評判1
使い勝手が悪そうで、見た目もあまり良くない印象がありました。ダイナミクスを利用している全ての医師が参加している「メーリングリスト」では、活発な意見交換が行われていますが、一方で、メーリングリストが苦手だ、という声もあります。
また、訪問診療を主に行っている医師には不向きですが、ダイナミクスを使用することで、更新作業が他社の電子カルテに比べて大幅に短く、1時間程度で済むようになり、休日出勤する必要がなくなりました。メーリングリストには貴重なコメントがあり、保険診療に関する情報やパソコンに関する情報など、参考になっています。
「ダイナミクス」は「月々の電子カルテのコストが大幅に削減された」「パソコン操作が苦手でも使いやすいと感した」「ユーザーのコミュニティで他の先生方とつながりがもてた」「避難先でも電子カルテデータを簡単に取り出せた」など、よかった口コミが目立ちました。
一方で「最初は使い勝手が悪そうに感じる」「画面の見栄えがよくない」などといった声もあります。電子カルテを導入している人に改善してほしい点を聞くと、「更新作業を短い時間で済ませたい」という人も多いので、電子カルテでは更新作業の短さも重要です。「ダイナミクス」では、更新作業が他社の電子カルテに比べて大幅に短く1時間程度で済むという人もいるので、更新作業でお悩みの人には特におすすめと言えます。
また、導入時にしっかりサポートしてもらいたい人は、オプションサービスの導入時インストラクションやデータ移行①がおすすめです。データ移行①は6か月分無料キャンペーン中なので、ダイナミクスのお問い合わせ窓口へ相談してみてください。
この章では、ダイナミクスの機能についてくわしく解説していきます。
令和3年3月から、医療機関・薬局にてマイナンバーカードまたは健康保険証を利用し、保険資格情報の確認をオンラインでできるようになりました。
ダイナミクスではオンライン資格確認のための連携機能を無償で提供しています。オンライン資格確認端末とダイナミクスを連携することで、自動で電子カルテに情報を反映可能です。
ホームページでは資格確認端末の用意や現地での機器・ネットワーク設定作業についてご相談が可能な地域サポート業者の一覧を公開しています。
この章ではよくある質問について回答していきます。
ダイナミクスのメリットとデメリットをそれぞれまとめました。
サポートは、電話・メール・FAXで対応しています。また、Dynamicsのメーリングリストで、他の利用者からの有用な回答も得られることもあるでしょう。訪問サポートは対応していないので、パソコンの実地サポートが必要な場合は地域のサポート業者に依頼する必要があります。サポート業者とは、年間契約の他に、必要に応じて作業を依頼するスポット契約も可能です。
不要です。ダイナミクスでは、サーバーパソコンを含め、すべてのパソコンについて市販のパソコン(Windows10等)で、院内ネットワークを構築しています。
レセプトデータを活用して移行すると、患者の頭書きや処方、検査結果などを移行することができ、Do入力もできます。診療録は、ご利用の電子カルテにPDF化機能があれば移行が可能です。
台数が増えても追加料金は発生しませんし、申請の必要もありません。ご自身の医院の運用に合わせて、自由に台数を増やすことができます。
ダイナミクスは、プログラムのカスタマイズが可能で、オリジナル機能を自分で作成することができます。また、他の医師が作成した機能をWIKIで公開しているので、編集が難しくてもダウンロードして使うことができるでしょう。自分に合った使いやすいカスタマイズができるので、大変好評です。
ダイナミクス(Ⅾynamics)以外に同じクリニック向けのおすすめ電子カルテとして、「エムスリーデジカル」「Medicom-HRf」「BrainBoxCloud」があるでしょう。
より多くの電子カルテが知りたい方は【2023年最新】電子カルテ徹底比較|おすすめのメーカー・選び方を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
この記事では、ダイナミクス(Ⅾynamics)の概要とユーザーの口コミ、料金などなかなか見つからない情報についても説明しました。
電子カルテにはたくさんのメーカーがありますが、それぞれ対応機能や得意分野が異なり、まずは情報を集めて比較検討をすることが重要です。
電子カルテでどのメーカーに依頼するか迷った際には、今回紹介したおすすめの中から問い合わせてみてはいかがでしょうか。
自院に最適な電子カルテを選び、よりスムーズな医療業務を実現しましょう。
豊田 裕史|中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://twitter.com/toyoda_2ndLabo
セカンドラボ株式会社の社員。前職では都内近郊の医療機関を中心に医療機器の営業。日々、医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。
カケル
フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152
元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。