ナースコールは患者様とスタッフを結ぶ大切な機器です。
ベッドに設置されているナースコールは、病院や診療所などの医療機関や介護施設でよく見かけます。
ナースコールの種類はさまざまあり、呼び出しボタンは高齢者の方や介護が必要な方、障害で身体が不自由な方が使いやすいように設計されているのです。
今回は、呼び出しボタンの種類とどのような商品が販売されているかを解説します。
患者様の状態に合わせた呼び出しボタンの選び方も紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
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目次
ナースコールは患者様が異常時や緊急時に、看護師やスタッフに連絡を行うものです。ベッドの横などに設置されたボタンを患者さまが押すことで、関係者に通知を行うことが可能です。
ナースコールは医療機関や介護施設では必需品で欠かせないツールとなっています。ここではナースコールの概要や使い方、どのくらい使えるかを説明します。
ナースコールについては【2023】ナースコール12選を徹底比較|選び方のポイントも紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールが導入される以前は、病室から看護師などスタッフを呼び出す行為は呼び鈴などで行われていました。
システム化されてからは、ベッド横などに設置されたボタンなどを押すことで、ナースステーションや事務室に連絡する仕組みとなりました。
今では患者様にとって利便性の高い呼び出し機器であるのはもちろんのこと、管理者側からも緊急通報や見守りに必要なものとなっています。
ナースコールは、基本的にはボタンを押すことによって患者様が看護師やスタッフを呼び出すものです。基本的な使い方は次のとおりです。
ナースコールに税法上の法定耐用年数はありませんので、設置者の判断により運用を行っています。実際の耐用年数は、設置場所や使用頻度などの状況により異なるのが実情です。
また、備品としての電子機器ではなく、建物の付属設備として扱われている場合もあります。その場合は固定資産台帳に記載されないので、更新が必要なもののチェックが遅れて更新が滞る場合があるかもしれません。
ナースコールの利用可能期間についてメーカー側では、8〜12年を推奨しているところが多いようです。
毎日24時間稼働していることから、破損や消耗は避けられない製品であることは誰の目にも明らかでしょう。入れ替えの際には、使い勝手が良く長く使えるシステムかどうかの検討が必要です。
ナースコールの耐用年数についてはナースコールは何年使える?|気になる「耐用年数」をご紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールの仕組みは、簡略化すると子機と制御機能のある親機との構成です。病室等から通報があると、親機側のPHSなどで受信されます。受信した後、現場へ行くか通話により患者様の状態確認を行う手順です。
基本的な流れは以上ですが、制御方法や端末の違いにより4種類の方式があるので順に説明します。
システムの中心に制御装置を設置し、端末と接続する方法となります。 ナースセンターに装置を設置しておいて、患者様のベッド横からの通知を受信すると、施設内の内線電話やPHSなどにも転送するイメージです。
内線電話やPHS、携帯電話などと連携させるには、別途施設内にあるPBX(構内交換機)や施設全体のネットワークの設定が必要となる場合があります。
ナースコール専用PHSなどビジネスフォンを制御装置として使う場合は、最初から仕様として標準装備されているので、すぐに導入することができます。
PHSなどの端末との通信を別途ソフトウェアで制御する場合は、制御装置と端末との通信は無線で行うことが多くなります。端末からの距離が長すぎて受信できない場合は、アンテナや中継器を設置します。
このことにより制御装置と子機としてのPHSの接続の長距離化が可能です。後日、レイアウトの配置換えがあっても無線なら簡単ですし、持ち運びも容易になります。
一般向けのPHSの公衆無線接続が終了しましたが、法人向けのPHSは今でも継続されてはいます。 病院内や施設内では構内PHS網設備を整備するなどして延命を図っているところもあります。
ただし、構内基地局やPHS端末の価格が高騰する傾向があるうえに、機能面でも向上は見込めないでしょう。 しかも、今の医療現場ではPHSとスマートフォン、ナースコール端末の3台を常時携帯している現場もあります。
PHSの将来性が見込めない中、スマートフォンに機能を集中しようとする動きが活発になっています。 単なるナースコール端末ではなく、公衆無線にも接続でき、WiFiに接続できれば大きなメリットです。 他のアプリも複数使用できるなどの利点が多く、注目されているのです。
ナースコールの種類については無線型、電話設備一体型の違いは?|ナースコールの種類別の特徴を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールを設置するのはベッドの横だけではありません。 トイレやお風呂場など、医療機関や介護施設内のさまざまな所に設置されています。 ベッド横にある押しボタン式のナースコールでは、ナースセンターや事務所、PHSへの通話が可能なものが多いです。 押しやすい呼び出しボタンがあれば、円滑にコミュニケーションを取ることができます。
また、トイレやお風呂では防水式となっており、紐を引くタイプのものもあります。 ほかにも首からかけるペンダント型など身につけるタイプもあり、移動しながらの見守りも可能です。
以下では、具体的に設置場所ごとのナースコールの呼び出しボタンについて3種類をご紹介します。
ベッドの横に設置するナースコールボタンには、ただ呼び出すだけでなく機種によっては相互通話が可能なものがあります。
例えば、アイホン株式会社のナースコールシステム Vi-nurse(ビーナース)は呼び出し後に相互通話も可能です。
呼び出しボタンの種類には、押しボタン式と握るボタン式があります。 押しボタンは色つきで大きく押しやすいのですが、握る方式が適した方もいます。 小型で持ちやすく、大きな声に反応するセンサーがついているのも特徴です。
ベッドの横に設置するナースコールボタンには、ただ呼び出すだけでなく機種によっては相互通話が可能なものがあります。
トイレやお風呂場など水周りには防水型のタイプが設置されています。 押しボタンも使えますが、紐を引っ張ることで呼び出すタイプのものが多いです。
例えば、名電通株式会社の無線式ナースコール(ナースエコール)では、紐とボタンの両方に対応しています。電源は電池式で約5年動作。 無線の届く範囲は約100mですが、中継器を使用すればさらに伸ばすこともできます。
車いす用では、丸パイプの手すりに取り付けることのできる呼び出しボタンもあります。
株式会社ケアコムの車いすトイレ用押しボタンでは、車いすの手元部分に直接ボタンを取り付けるので、利用者は車いすから手を離すことなく手元ですぐにボタンを押すことが可能です。
ここからは、利用者の容体に応じて対応できるよう設計された呼び出しボタンを具体的に説明しましょう。
ナースコールには、手でボタンを押すことが困難な患者様(重症患者、重度な障害を持つ方)向けに、身体のわずかな動きで呼び出しができる機器もあります。 以下では、具体的に5種類を順に紹介します。
手で押すことが難しい方には、足やひじ、頭など手以外の体の部位で押すタイプの呼び出しボタンがあります。 ボタンを握る力がない方でも、確実にナースコールで呼び出しが出来るのが特徴です。
アイホン株式会社のナースコールシステム Vi-nurse(ビーナース)は、ひじで押したり、つま先で蹴ったり押したりすれば、ボタンを押すのと同様の通知を発することができます。患者さんの状態に合わせて設置場所が選べるうえに、形状も大きな呼出ボタンとなっています。送信機(呼び出しボタン)は自己発電方式を採用しているので、電池が不要なことも特徴です。
棒状の呼び出しボタンもあります。
株式会社ケアコムのフレキコールでは、曲げる・握るなど患者さんの押しやすい方法で呼び出しができます。四肢に障害がありボタンを押すことが困難な方でも、軽い力で呼び出すことができるのが特徴となっています。
筋ジストロフィーやALSなどの患者さま向けのものです。 この製品の例として、株式会社ケアコムのソフトタッチボタンを紹介します。
ソフトタッチボタンは板の上に大きなボタンがついているので安定感があります。ボタンが大きく、軽い力で作動するので使いやすくなっています。
また、手で押すだけではなくセンサー部に指先や頬、舌などを軽く触れるだけで感知してくれるので、身体を上手く動かせない重度の方でも呼び出しが可能です。
アイホン株式会社のマルチハートコールは、息を吹きかけたり、手をかざしたりすることで呼び出しができるタイプです。
これには手足などを動かすことが不自由な患者様の状態に合わせて使える1台4役の特殊呼出スイッチが備えられています。息を吹きかける、手を近づける、声を出す、舌などに触れるなど、可動できる部分に合わせてさまざまな動作に対応してくれるものです。
そのほかにも患者様の状態に合わせて、センサーが反応する感度を調節できるのがうれしい仕様となっています。さらに夜間でもセンサーの位置が分かる常夜灯も付いているので安心です。
施設内を移動するなど自立した患者様向けに、常時携帯できるペンダント型呼び出しボタンもあります。 株式会社平和テクノシステムのYuiコール無線押しボタン型ナースコールは、患者様の自由を確保しながら緊急時の対策をはかれるので、見守りに便利です。
どこにいてもスタッフを常に呼び出し可能なうえに、徘徊を検知するセンサーが装備されています。 無線タイプなので、どこにいても呼び出すことが可能です。
株式会社平和テクノシステムのYuiコールについては、 「第3のナースコール『Yuiコール』の評判は?価格や特徴も解説」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
ここでは介護認定を受けた方におすすめのナースコールボタンを紹介します。 患者様の状態は、介護認定を受けたときの介護度によりさまざまです。 ナースコールを検討する際は、患者様の状態に応じたものを選択することが肝要ですが、要介護度1〜3であれば身体機能はそれほど低下していないので、通常のボタン式で十分でしょう。 次から要介護1〜3程度の方におすすめな、3種類の呼び出しボタンを紹介します。
医療機関や介護施設でよく見かける押しボタンタイプのものです。着色がわかりやすくボタンも大きめになっていて押しやすいものです。押す動作が難しい方には、握って押すタイプのボタンもあります。
トイレや浴室には防水型の呼び出しボタンが適しています。ボタン端末は乾電池式やバッテリー内蔵式なので、水回りの場でも設置が簡単です。トイレにはボタンが複数あってわかりにくいこともあるので、紐を引くタイプで対応することもできます。
身体的機能が低下していない方には、ペンダント型などの持ち運びできる呼び出しボタンも有効です。 患者様の行動を制限することがないので、趣味やリハビリ活動に励むことができます。 緊急時にはナースコールも可能なうえ、看護師やスタッフ側からの通話も可能なので安心です。
要介護度が4〜5程度であれば、通常の押しボタンでのナースコールは難しくなります。
症状に合わせて細かく工夫されたボタンやセンサー式のものもあるので、さまざまな種類の中から患者様の状態に合わせて適切なものを選択することが必要です。 いろいろな種類のものがあるので参考にしてください。
握力が足りない場合や四肢に障害があり手で押すことが難しい場合には、ボタンを足の近くに設置する方法があります。
ボタンの大きさや感度を調整することにより、足でも確実にボタンを押すことができます。 場合によっては、肘で押すことも可能です。
手や足でも押すことが難しい場合には、棒状の呼び出しボタンを曲げたり握ったりして呼び出すことができます。 押す動作が苦手でも、棒状のものを使えれば軽い力でも呼び出せるのが特徴です。
筋力が弱い方のために、触れるような軽いタッチで呼び出しができるセンサーがあります。 しっかりとした設置場所を確保することで、ボタンに安定感を持たせることが必要です。 手でなくても指先や頬、舌、足、ひじなどを使って軽く触れて作動させることができます。
ボタンを直接押さなくても、センサーが反応してくれるタイプもあります。
息を吹きかける、手を近づける、声を出す、舌などに触れるなど、可動可能な身体部位を活用することでセンサーが反応します。 あらゆる障害のある方にも幅広く対応が可能です。
車いすの取っ手部分の丸パイプに取り付けることで押しやすくなります。 取っ手部分から腕を余り動かさずにボタンを押すことができると、患者様にとって利便性が高く円滑なコミニュケーションを図ることができます。
身体機能の低下はそれほど低くなく自力で移動が可能な患者様でも、徘徊など認知症の症状が顕著な方に適した種類もあります。
目を離した隙に所在がわからなくなったり、施設外へ出てしまったりすることがあると、患者様の管理に多大な負担が生じます。 認知症対応のナースコールボタンを導入すれば、そんな負担も軽減されるでしょう。
ペンダント型で持ち運びができるボタンであれば、患者様の所在を常に把握可能です。持ち運びが可能なので患者様の自由な行動を制限することなく、安心して見守りを行うことができます。
ボタンだけではなく、マイクがついていてスタッフを音声で呼び出すことができる機能があるものもあります。緊急時の安否確認や意思疎通に役立つでしょう。
単純なボタンではありませんが、センサーで検知してナースコールを行う方法もあります。 徘徊が心配される場合、感謝様の普段の行動範囲で要注意と想定される箇所にセンサーを設置しておいて、その箇所に移動が検知されれば通知する方法です。 具体的な設置場所は患者様の部屋の出入り口、施設の窓、患者様のベッドの周辺などが有効です。
ベッド周辺に設置する離床センサーであれば、ベッドサイドや足下など患者様の状態に合わせて設置場所を工夫することで、ベッドからの転落や徘徊を防止できます。
患者様の異常検知や見守りに必要不可欠なナースコールですが、事情により押せない要因があります。 「物理的・身体的に押せない」ケースと「心理的に押せない」ケースの2つに分けて考えてみましょう。
身体機能に障害があり、ナースコールのボタンを押せない場合があります。 押せない理由は障害の程度や身体の部位によってさまざまです。 身体の一部に麻痺が残っていたり握力が弱かったりして、通常型のボタンを押せないことが理由です。
対策としては、足や肘、頭など手以外の体の部位で軽く押せば反応するソフトタッチなボタンや、押すのではなく曲げたりする棒状のボタンの採用も可能です。 ただし、機器だけに頼るのではなく、巡回の頻度を増やすなどの対策も必要となります。
身体機能には異常はなくても、人に迷惑をかけたくない、などと思うことにより心理的に押せない場合があります。介護が必要な高齢者でも、ナースコールを躊躇する方がいるのです。こんなことで呼んでいいのか、巡回してくるまで我慢しよう、などと思う方がいます。人に頼ることをよしとしない性格の方への対応は注意が必要です。
緊急性がなくて呼ばないのは良いのですが、心身に異常があって呼ぶ必要がある場合にも助けを呼ばないのは問題があります。 このように身体的に衰えがあるのに心理的に押せない方には、ボタンを押してくれるのを待つこと以外のアプローチが必要です。
対策は、巡回を頻繁に行うこととセンサーによる見守りを行うことです。巡回に来て声をかけるまで我慢する方には、巡回回数を増やすのが有効となります。なかには巡回に来ても身体の不具合や気になるところを訴えない方もいるので、巡回のたびに様子を尋ねることが必要です。自分から困っている点を伝えない方には、より頻繁に声かけを行う必要があります。
次にセンサーによるナースコールを説明します。センサーによる見守りにはいくつかの方式があります。呼吸や心拍数など生体情報を常にモニターしておき、なんらかの異常が検知されれば対応する方法です。
モニターの数値が普段と違う値を示すことがあれば、スタッフの方から赴くアプローチです。これなら異常が発生した際に、ナースコールが押されなくても気づくことができます。ただしこれもモニターからの通知に頼ることなく、巡回を増やすなど注意を払う必要があります。
ナースコールは患者様との意思疎通や見守りに無くてはならないものです。 患者様の状態はさまざまですので、それそれの状態にあわせた呼出しボタンの設置を検討しましょう。
患者様が呼びやすい環境を作ることができれば、事故を未然に防ぐことにつながります。見守りシステムとの連携など、ただスタッフを呼び出すための用途から、利用者の安全を見守るための使い方も増えてきています。さまざまな種類の呼び出しボタンがあるので、患者様の状態に合わせて最適なものを選びたいものです。
ナースコールや呼び出しボタンの買い替え、見直しを検討される場合は、改善BOXに相談してみましょう。
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