診療予約システムの普及率はどのくらい?

投稿日 2022.04.15 / 更新日 2023.01.11
投稿者:豊田 裕史

国は医療のICT化を推進しており、今後、医療機関でICT機器の導入が増加していくことが予想されます。電子カルテに代表されるICT機器ですが、効率よく円滑に診療を進めるためには、診療予約システムが有効な手段です。国が進める医療介護分野でのICT活用、新規開業など他の医療機関での気になるICT普及率の現状などについて解説していきます。

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診療予約システムの普及率は?

診療予約システムの普及率について、公的な機関が出した正確な統計はありませんが、民間調査のデータから、おおよそのイメージを掴むことができます。

日経メディカル開業サポートが2021年に実施した調査では、診療予約システムを既に導入していると回答した開業医は14.3%。一方、m3.comのアンケートでは、34%の開業医が予約システムを導入していると回答しています。

また、新規開業クリニックの62%が診療予約システムを導入しているとの調査結果も2020年に出ています。

参考:電子カルテ 増患に有効な診療予約システムとは|m3.com開業・経営

参考:第13回 【開業医286人に聞いた】コロナ禍で注目のICTツール意識調査(後編)

参考:新規開業クリニックに関する法人アンケート調査を実施(2019年)


診療予約システムの普及が進まない理由は?

予約システムに限ったことではないのですが、紙カルテの運用が長いために電子カルテの導入が進まないケースが多いのが現状です。

誰しも新しいことを始めるのは不安も多く、億劫なものです。ネット経由では、高齢患者の足が遠のいてしまうとの不安もあるかもしれません。

しかし、新型コロナウイルス感染症により私たちの生活様式は大きく変化し、リモートワークという新しいワークスタイルの概念が生まれました。医療現場においても、3蜜を避けるなど、適切な感染対策が必要になった今だからこそ、診療方法を一度見直してみるのも良いかもしれません。


40代、50代の開業医で高い導入率

前述しました日経メディカル開業サポートの調査では、調査に応じた開業医のうち、40代で27.3%、50代で21.9%が診療予約システムを導入済と回答しています。ネットに触れてきた30代は「導入しようと思っている」が20%と導入意欲が高めである一方、60代以降では導入を検討している層は多くないとの結果でした。

参考:第13回 【開業医286人に聞いた】コロナ禍で注目のICTツール意識調査(後編)


65歳以上の約7割がネット利用|年代別のインターネット普及率

総務省の2021年調査によると、世帯主年齢別では、20代~50代のすべてで95%以上が「インターネット利用経験がある」と回答しています。懸念されている高齢患者の来院については、65歳以上の回答者のうち69.6%と実に7割近くが「インターネット利用経験がある」と回答しています。

一概には言えませんが、予約システムを導入したとしても、高齢患者に使い方を説明したり、一部で電話予約の運用を残したりすることで、大きな混乱に繋がることは少ないのではないでしょうか。

インターネットの利用経験のある世帯の状況の推移
出典:令和2年 通信利用動向調査報告書 (世帯編) 総務省 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202000_001.pdf

参考:令和2年 通信利用動向調査報告書 (世帯編) 総務省


他ICT機器の導入率は?

現状として、新規開業時、6割の施設で診療予約システムが導入されています。他のICT機器の導入率はどうなっているのでしょうか。

電子カルテ95%に対し、ウェブ問診システムは9%と低い結果でした。新型コロナウイルス感染症が流行する前の調査であることを割り引いても、電子カルテほどの普及率ではないのが現状です。

主要医療機器の導入率
出典:新規開業クリニックに関する法人アンケート調査を実施(2019年) https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2328

参考:新規開業クリニックに関する法人アンケート調査を実施(2019年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所


国が進めている医療のICT化

健康・医療・介護分野における ICTの活用についてによると、厚生労働省は「地域の医療機関等の間で、患者の情報をICTを活用して共有するネットワークを構築し、医療サービスの質の向上や効率的な医療の提供を実現する。」と目的を明示しています。

医療情報連携ネットワークにより、患者に関する豊富な情報が得られ、患者の状態に合った質の高い医療を提供することができます。患者の情報を共有することで、二重検査や過剰投薬を避けることができ、患者への負担も軽減できます。また、急性期医療から回復期医療、在宅・介護への移行も円滑に実施することが期待されています。今後、より広域・多数の医療機関による情報共有により標準規格の確立を行い、異なるシステムでも情報共有ができるよう、在宅医療・介護の情報共有の標準化を国として推進していく方針となっています。中長期的には全国で導入が進んでいくことが予想され、導入していない医療機関は、予約システムなどのICT化を検討してみてはいかがでしょうか。


まとめ

国は医療のICT化の推進に取り組んでいるが、なかなか普及しない背景には、長きにわたり使用してきた紙カルテや、ネット導入による高齢患者の患者離れへの懸念がありました。しかし、40代、50代の新規開業で診療予約システムは20%を超える導入率であり、65歳以上の高齢者の7割にネット利用の経験がありました。今後、医療分野におけるICTの活用は更に普及することが予想され、ICT機器の導入について検討してみてはいかがでしょうか。

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セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.

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セカンドラボ株式会社の社員。病院・介護施設のDX&業務効率化オタク。実は中小企業診断士です。毎日医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。

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