診療予約システムは、クリニックや歯科で効率的な診療時間を実現するために導入が進んでいます。しかし、どのようなシステムを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、無料で使えるおすすめの診療予約システムを紹介します。また、導入のメリットや注意点も解説しますので、参考にしてください。
無料予約システムは、機能制限があるものも少なくありません。それでは、どのような部分に着目すれば良いのでしょうか。具体的に無料システムを選ぶポイントを解説します。それでは見ていきましょう。
すぐに、無料で使える診療予約システムを知りたい方はこちらをご覧ください。
まず、最初に気をつけたいのが件数制限です。無料で利用できる予約システムの中には、月間で受けられる予約件数に制限のあるケースがあります。
もし制限を知らずに予約システムを導入すると、予約できない患者が出てきます。顧客満足度と売上の低下に繋がるため、利用者の多いクリニックなどは注意が必要です。
しっかり件数制限を確認して、無料の予約システムを入れるようにしましょう。たとえば、STORES予約はフリープランでは月間50人までの予約が上限です。すでにそれ以上の患者を受け入れている場合は、他の予約システムを検討する必要があるでしょう。
診療予約システムは、医療機関にとって重要なシステムです。しかし、セキュリティに問題があると、患者さんの個人情報が漏洩する可能性があります。そのため、診療予約システムを導入する際には、セキュリティに配慮したシステムを選ぶことが大切です。無料で使える予約システムもありますが、セキュリティ観点から問題がないかどうか、確認する必要があります。
例えば、以下の認証を満たしているか確認するようにしましょう。
ISMSの認証は、第三者機関の証明です。この認証を取れているとセキュリティ機能が高いと言えるでしょう。
予約システムに広告が入ると、病院も患者も使いにくくなる可能性があります。そのため、広告の有無や出現する位置は確認するようにしましょう。
また、無料で広告を非表示できるシステムもあります。もし他の機能で問題がなければ、導入する選択肢の1つになると言えるでしょう。
無料で利用できる予約システムには、オンライン決済機能が有料のものもあります。想定以上のコスト発生を防ぐため、無料決済機能の有無は確実に確認するようにしましょう。
無料で使えるクリニックの予約システムの多くは、別途有料プランも持っています。無料プランのままだと、月間予約件数に制限があったり、予約患者にリマインドメールを送る機能に制限があるなど機能制限があります。自社の患者数が増えた際は、無料利用から有料プランでの利用に切り替えることになるはずなので、有料プランにした際にどんな機能があるかも事前に理解しておけると良いでしょう。
上記で5つの無料予約システムを紹介しました。それでは、具体的な差異はどのような点にあるのでしょうか。以下に、表でまとめてみました。
予約件数制限 | セキュリティ面 | 広告非表示設定 | 無料決済機能 | |
Air RESERVE | 無制限 | SSL | 広告なし | なし |
SELECTTYPE | 50件 | キャプチャ認証 | なし | あり |
STORES 予約 | 100件 | SSL ISMS認証取得 | なし | あり |
RESERVE Reservation | 100件 | SSL ISMS認証取得 | なし | あり |
EDISONE | 30件 | SSL ISMS認証取得 | なし | なし |
予約件数や決済機能の有無が大きな違いと言えそうです。無料で予約システムを導入する際には、店舗の規模と会計の考慮が重要と言えるでしょう。
予約システムには多数の無料のものがあります。それでは、どのようなシステムがあるのでしょうか。ここでは、代表的な5つのシステムについて比較します。それでは見ていきましょう。
Air RESERVEは、リクルート社が提供している予約システムです。
直感的な操作がしやすく、カレンダーも見やすくなっています。無料(フリープラン)で使う場合でも、予約管理・顧客管理・予約確認メール配信・SSL化に対応できる点は魅力的です。
フリープランの場合でも、月間の予約数が無制限である点はうれしいです。STORES予約の場合、無料で使えるのは月間予約件数50件までとなっています。まずは予約システムを試したい、ネットや電話、直接来店といった複数の予約形態を一元管理したいニーズがある場合は、Airリザーブの無料機能から始めてみるのも良いでしょう。
Air RESERVEの比較ポイント
製品情報
機能・特徴 | インターネット予約・電話予約、仮予約機能、顧客管理機能、予約履歴管理、予約時のメール自動配信、リマインドメール、予約フォームのカスタマイズなど |
---|---|
連携 | ー |
提供形態 | クラウド |
価格 | フリープラン0円、ベーシックプラン¥5,500/月、プレミアムプラン(要お問い合わせ) ※ベーシック・プレミアムの場合は初期費用が発生します。 |
SELECTTYPEは、ホームページ作成などを手がけるSelect Type社が提供する予約システムです。病院向けに特化しています。
ウェブ系の会社が手掛けてるだけあって、デザイン性やユーザビリティ性に強みがあると言えそうです。
無料プランでは、100人までの顧客情報をストックできます。診療科目や担当医ごとに予約カレンダーを分けることができ、事前問診機能もついています。
そのため、医療機関におすすめの予約システムと言えるでしょう。
SELECTTYPEの比較ポイント
製品情報
機能・特徴 | インターネット予約・電話予約、診療科目・担当医ごとの予約カレンダー、事前問診、豊富なデザインテーマ、マルチデバイス対応など |
---|---|
連携 | ー |
提供形態 | ー |
価格 | フリープラン¥0 ベーシック¥1,500/月 プロフェッショナル¥3,000/月 プレミアム¥10,000/月 |
STORES予約は、店舗支援システムを手がけるヘイ社の手がける予約システムです。様々なクラウドサービスで培った経験から現場の意見を収集し、システムに反映させています。
5つの料金形態があり、無料で使えるフリープランから、大規模ビジネスでも活用できるエンタープライズプランまで幅広く対応しています。
フリープランでは、月間予約件数が50件まで、予約ページ公開数も2件までに限定されています。 ただ、予約受付・キャンセル・日程変更、SEO対策、お客さま向け会員アプリ、月額課金・回数券、オンライン決済といった充実した機能を利用することができます。
有料プランでは、月間予約件数が200件~5000件まで増やすことができます。また、上位プランではセキュリティ対策が施されたプランもあるため、将来的にサービスの拡大をお考えの方は、そのままSTORES予約を使うことができるでしょう。元々、ECサイト構築を支援していたため、予約から決済までを一気通貫で行いたい場合も相談に乗ってもらえるでしょう。
STORES 予約の比較ポイント
製品情報
機能・特徴 | 予約カレンダーの埋め込み、予約忘れないでねメール、個人情報の保護、予約者情報カスタマイズなど |
---|---|
連携 | ー |
提供形態 | ー |
価格 | フリープラン¥0 ライトプラン¥8,778~(税込) スタンダードプラン¥26,378~(税込) プラチナプラン¥66,000~(税込) |
診療予約2022については「診療予約2022」その評判は?特長や価格も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
FAST LISTは、PUGZ web design社の提供するパッケージ型の予約管理システムです。初期費用と試用期間の2週間は無料で使用できます。
FAST LISTの特徴は、シンプルな予約システムにあります。というのも、事前予約ではなく順番予約だからです。当日に予約して、当日に来院できるシステムかつ待ち時間がわかるため、混雑を解消することができます。予約システムは入れたいけど、「当日来た方を診察したい」という方におすすめのシステムと言えるでしょう。
FAST LISTの比較ポイント
製品情報
機能・特徴 | インターネット・電話予約、複数人予約、予想待ち時間表示、医師の氏名、リマインドメール、予想待ち時間表示など |
---|---|
連携 | ー |
提供形態 | クラウド |
価格 | ベーシックプラン¥93,600/年 初期費用無料 ドメインプラスプラン¥117,600/年 初期費用無料 HPプラスプラン¥189,600/年 初期費用無料 |
FAST LISTを含むその他の予約システムはこちらでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
予約システムを導入するクリニックや歯科が増えています。これまで電話や診療時に予約しても業務は回っていたはずですが、なぜ求められるのでしょうか。予約システムのメリットを見ながら、必要とされている理由を解説していきます。
予約システムとは、患者の予約をアプリやウェブで完結させるシステムのことです。従来、電話や口頭で調整した上で、システムやツールに反映させていた予約をひとつのソフトで完結させることができます。情報の操作と管理が一元的にできるため、業務効率化に繋がるツールと言えるでしょう。
業務効率化につながる診療予約システムですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下、病院側と患者側両方の視点から、具体的な3点を見ていきましょう。
予約システムは、予約業務をクラウドやウェブで行います。従来の予約は口頭で行っていました。対応の時間を拘束され、さらに別のシステムやノートで管理するため、手間も少なくありません。
予約システムを導入すると、対面ではなくウェブでの入力になります。患者の情報や予約日時などすべての情報をその場で入力もしくは入力してもらうため、省力化が可能です。予約ツールを導入することで業務効率アップに繋がると言えるでしょう。
口頭予約のときは、その場で前後のスケジュールが分からないことも少なくありません。結果、ある日は患者数が多いのに、ある日は少ないという事態に陥ります。
予約システムは、病院側で診療時間を設定できます。口頭で受ける際も、その場でスケジュールを見ながら予約可能です。そのため、ダブルブッキングや時間に余裕のない予約も減らせます。無理な診療時間をなくし、患者の平準化を実現できると言えるでしょう。
電話での予約は患者からすると心理的な負担が少なくありません。というのも、時間が拘束されるからです。予約システムの場合、空いた時間ですぐに予約ができます。精神的なハードルが低くなるため、患者が予約を取りやすいと言えるでしょう。
電子化の波が徐々に波及しつつある医療業界ですが、新規開業クリニックではさらに導入が加速しています。従来から普及している電子カルテの導入率はもとより、予約システムの導入率も60%を超えているのです。導入率が上がってる理由は、以下2点と考えられます。
効率の良い業務を行うため、予約システムの導入が当たり前になりつつあると言えそうです。
患者の待ち時間短縮や受付業務の効率化に繋がる予約システム。メリットの大きさ、急速な普及の仕方を見ると、導入した方がいいと言えるでしょう。一方で、予約システム導入で問題になるのがコストです。有料プランが多いため、導入をためらう方も少なくありません。
そんな「コストをかけたくない」という方には、無料で手軽に導入できる予約システムがあります。以下では、無料の予約システムを見ていきましょう。
様々なメリットがある予約システムですが、無料で導入する方法があります。それでは、導入をどのように行えばいいのでしょうか。ここからはその具体的な方法を解説します。
まず、コストのかからない方法に自分で作るというものがあります。具体的には、ウェブサイト構築サービスを利用する方法です。自分で作成する場合、次の3つの方法があります。
Wrodpressとは、シンプルで使いやすいウェブ構築サービスのことです。ウェブの43%がこのシステムで作られており、ホームページやブログなどで使用されることが多いシステムになります。
導入にはサーバーが必要ですが、作業としては30分もかかりません。クリニックのホームページをWordpressで構築し、予約ページをホームページの中に作成するという使い方も可能です。手軽に導入できるウェブシステムと言えるでしょう。
Wordpressで予約システムを導入するには、主に2つの方法があります。
まず、ひとつ目は、予約システムツールを利用する方法です。Wordpressで作成したページ上に、埋め込むだけで予約できるようになります。代表的なツールは、以下の通りです。
シンプルかつ設置作業に時間がかかりません。コストを抑えたい方におすすめと言えるでしょう。
ふたつ目は、Wordpressのプラグインをインストールする方法です。プラグインとは、Wordpressの機能を拡張するソフトウェアのことです。インストールすると様々な機能を使えるようになります。代表的なプラグインは、以下の通りです。
デメリットは、カスタマイズを自分で行わなければいけない可能性があることです。トラブル発生時には、プログラミングが必要になるかもしれません。導入は簡単なため、「とりあえず予約システムを試してみたい」方におすすめと言えるでしょう。
ホームページ作成ツールのWixを利用して、予約システムを入れる方法もあります。
具体的には、Wix ブッキングというアプリを入れる方法です。オンライン決済は有料プランになりますが、システムは無料で入れることが可能です。24時間予約可能で、予約前日には自動でリマインドを送る機能もついています。手軽に導入できる予約システムと言えるでしょう。
予約システムは、基本的にはパッケージで提供されています。有料プランが多い中、機能を制限した上で、無料になっているシステムも少なくありません。「機能が足りなくなるのでは?」と不安になる方もいると思いますが、多くの機能を必要としないクリニックにとっては、無料プランで十分な場合も多々あります。
コストをかけるか迷っている方は、まずパッケージの無料プランを導入するのがおすすめと言えるでしょう。
業務効率化と顧客満足度アップに繋がる予約管理システムには、無料で使用できるものもあります。機能に制限があるものは多いですが、小規模なクリニックであれば、無料利用枠内でも十分に活用できるでしょう。ただ、機能には一長一短があります。医療機関の規模や解決したい課題によって選ぶべき製品は変わります。この記事の内容を参考に、しっかり検討するようにしましょう。