電子カルテの普及率は、2008年の調査開始から現在まで、毎年上昇を続けています。
しかし、2020年の普及率は一般病院では57.2%、一般診療所では49.9%と約半数という結果でした。なかなか導入が進まない背景のひとつとして、電子カルテ導入後のサポートに対し、不安があるという点が挙げられます。
何かトラブルがあると、診察が滞ってしまう可能性が高いということから、導入へのハードルが高くなってしまうのも事実です。今回は、電子カルテのサポート体制を確認する際には、どのような視点で何に注目すればよいのかを詳しく解説します。
また、実際にサポート体制が手厚いメーカーについても、その特徴や比較ポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
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目次
電子カルテのサポート体制は、クリニックのスムーズな運営において、大きな影響を及ぼす可能性が高いものです。この章では、サポート体制の重要性について解説します。
病院経営をスムーズにおこなうためにも、サポート体制の確認はとても重要です。 電子カルテ導入前のヒアリングや操作説明、デモンストレーションをおこなうなど事前の準備に関してもメーカーによって対応に差があります。
また、診療報酬改定時の更新やトラブルが起きた際の対応の仕方や、サポートの範囲などもきちんと確認し、慎重な検討が必要です。 メーカーによっては、別なサポート業者と契約しなければならなくなったというパターンもありますので、ご注意ください。
実際に、電子カルテに不満を感じている医師も多いようです。 日経メディカルの開業医に向けたアンケート調査では、電子カルテに関する不満として、操作性や機能面を抑えて、サポート体制が1位となりました。
トラブル時にすぐ対応してもらえなかったり、メールや電話でのサポートが追いつかない場合や、訪問を希望しても対応が難しいケースもあるようです。 電子カルテトラブルへのサポートは、通常の診察にもダイレクトに影響を与えるため、医師としても慎重にならざるを得ない項目になります。
電子カルテを導入して運用していくにあたって、さまざまなトラブルが想定されます。 サイバー攻撃やサーバー障害、インターネットトラブル、機材に関するトラブルや停電、災害などその種類はさまざまです。
これらはいつ起こるか想定ができないものが多く、また、一度起きてしまうと業務に支障が出やすくなってしまいます。 電子カルテをスタッフに浸透させ、長く運用していくためには、トラブルへのサポート体制がきちんと整っていることが大切です。
電子カルテのトラブルについては電子カルテでのトラブルは?考えられるリスクとその対策を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
電子カルテに関するトラブルが発生した際に、質問や復旧作業などに対応してくれる契約を保守契約といいます。この保守契約におけるサポートは、各電子カルテメーカーによって内容が異なることが多い項目です。
具体的にどのようなことを確認しておくといいのか、その内容をまとめました。
保守契約の内容を確認する際、どこまでが無償の範囲内で、どこからが有償になるのかきちんと確認しておきましょう。
訪問でのサポートの場合は出張費や技術料が別途発生するのか、新人スタッフへの追加指導が含まれているかなども、メーカーによって異なります。
電子カルテにトラブルが発生した際、現地訪問での解決(オンサイト対応)やリモート対応(リモートメンテナンス)が可能かどうかも比較ポイントです。 オンサイト対応では電子カルテ自体の部品交換や修理を、リモートメンテナンスでは操作や運用に関するトラブルをオンラインや電話で解決します。
また、災害時の対応も重要なポイントですので、どのような対応ができるのか確認するようにしましょう。
電子カルテに関する不具合の問い合わせ可能時間や、曜日も併せてチェックしましょう。 病院によっては、診察時間が夜間や休日になる場合もあります。 その際は必ず事前に伝え、診察時間や曜日に問い合わせが可能なのか確認が必要です。
診療報酬改定時の更新についても、追加料金が発生するのか、元々の保守料金内でどこまで対応ができるのか確認しましょう。
また、ソフトウェアのバージョンアップ方法や頻度についてもチェックしておくことで、その後の安心感につながります。
電子カルテのサポートが重要になるのは、導入後だけでなく機種選定時や導入時も同様です。各タイミングでどのようなサポート内容となるのか、何をチェックすればよいのか見ていきましょう。
機種選定時には自院に合った機種や機能、使い方が分かりやすいかなど、それぞれのニーズに応じた対応が可能か確認しましょう。 その際、こちらの要望をきちんと汲み取り丁寧な説明があるのか、相談がしやすいかなどもチェックしておきます。
電子カルテを使ったことがないスタッフからある程度経験のあるスタッフまで、それぞれのニーズに合わせてサポートが受けられるかどうかもポイントです。 また、操作に関する質問にもその都度対応が可能か、遠隔での操作ができるかどうかも確認しておきましょう。
忙しい業務の中で、スタッフが電子カルテを使いこなすことができる状態までサポートしてくれるか否かは、病院経営においてもとても重要です。
導入後は突然の不具合や災害、システム障害などにどう対応してくれるのか、またその範囲もチェックしましょう。 日常的な操作に関する困りごとにも対応が可能であれば、業務に支障をきたすリスクを最小限に減らすこともできます。 また、保守サポートの有効期限や更新についても、きちんと確認するようにしてください。
ここからは、サポート力に定評のある電子カルテメーカーをご紹介します。それぞれの特徴や比較ポイントを挙げていますので、ぜひ参考にして下さい。
ウィーメックス株式会社(Medicom-HRf)は、一般診療所向け電子カルテにおいてシェアNO.1であり、40年以上の実績があります。 導入までに、どんな目的で電子カルテを導入するのかなど、しっかりとしたヒアリングをおこない、それぞれの医院に合った設定が可能です。
操作説明や開院の立会い確認、定期的に訪問をおこなうなどして、細かいニーズへの対応ができます。 また、導入後は法改正などに迅速に対応でき、リモートサポートや代理店を通してトラブルの解決を図るなど、的確な対応が魅力です。
ウィーメックス株式会社の比較ポイント
富士通Japan株式会社(HOPE Cloud Chart)は、国内病院の電子カルテにおいて高いシェアを誇り、30年以上支持されています。 製品としての機能や性能、高いメンテナンス性で専任の管理者がいなくても、安心して使うことが可能です。
サポートに関しても万全の体制を備えており、電子カルテの勉強会をおこなったり、導入前にはヒアリングから具体的な運用の相談にも対応しています。 導入後は専門の問い合わせ窓口が用意されているので、リモートや訪問でのサポートなどと連携を図ることで、確実なトラブルの解決が可能です。
富士通Japan株式会社の比較ポイント
株式会社メディサージュ(HAYATE/NEO)は、操作が簡単で見やすく、他部署との連携や地域連携システムにも対応可能なシステムです。 さまざまな機能の中がある中でも、特にサポート体制に力をいれています。
専任スタッフによるサポートセンターを備えており、直接診察に影響を及ぼすような緊急事態に対しては、曜日を問わず24時間対応が可能です。 必要に応じて、オンサイト対応をメーカーのエンジニアがおこなってくれるなど、万全の体制となっています。
株式会社メディサージュの比較ポイント
株式会社ビー・エム・エル(Qualis)は、医療現場で実績のあるBMLが開発した電子カルテで、使いやすくセキュリティの高さも魅力です。 導入前にはデモンストレーションをおこなったり、操作方法の説明、研修、初回レセプト時の立ち合いなどもしてくれます。
サポート体制も充実しており、リモートアクセス方式を採用しているため、システム上のトラブルに関しても素早く的確に対応することが可能です。 また、全国に約100箇所の営業拠点があり、オンサイト対応に関してもそれぞれの地域に応じたサービスを利用できます。
株式会社ビー・エム・エルの比較ポイント
電子カルテの導入において、実際の調査結果でも不満のトップに挙げられるなど、各メーカーのサポート体制はとても重要なポイントです。リモートサポートや電話による対応が可能か、現地訪問が必要なトラブルへの対応方法もきちんと確認しましょう。
問い合わせの時間帯や、サポートに関する有償・無償の範囲、緊急時や災害時の対応なども事前の確認が必要です。各メーカーで、導入前の研修やヒアリングの手厚さ、操作説明や導入後のサポート体制にも違いがあります。
今回は電子カルテの中でもサポートに力を入れているメーカーをご紹介しましたので、比較しながら自院に最適なサービスをご検討ください。
おすすめの電子カルテについては電子カルテ31選比較|施設別のおすすめ商品、メリットも解説!【徹底解説】でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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