クリニック開業時に集患、増患できるクリニックというのは、外観も大事にしています。
しかし、どのような外観であれば集患、増患できるのかわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、クリニックの外観を考える上で必要な基本知識と外観デザインのポイントについて紹介していきます。本記事を読めばクリニックの立地や外観が与える影響度合いがわかり、外観設計に取り組めるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ここではクリニックの外観を考える上で必要なことがらをまとめました。 まずは、以下3点について考えながらクリニックの外観を考えていきましょう。
クリニック建設時や開業直後、地域の人は「新しい建物ができている」と気付きます。そして地域の人がクリニックと認識し、行ってみようと思うには外観が重要になってきます。いかにも病院といった無機質な冷たい外観であれば、患者様に入りにくい印象を与えてしまいます。その場合、敏腕医師が開業していたとしても、新規患者を増やすことは容易ではないでしょう。
なお、飲食店や小売店ではひきつけられる外観を大事にしています。クリニックは医療施設のため過度なデザインは求められませんが、クリニックのイメージに合わせた魅力的な外観にすると良いでしょう。
クリニックは体調不良やケガをしている方、精神的に不安定で気を病んでいる方が来院します。そのため、内装は緊張がほぐれて安心できる空間作りに努めましょう。
内装に合わせて外観も、安心感のある建物にできればクリニック全体の雰囲気を出せるようになります。内装と外観のコンセプトが異なると来院した患者が戸惑ってしまいますので、コンセプトを統一させることが重要です。
クリニックの内装デザインについてはクリニック内装デザイン解説|診療科ごとのポイントや実例まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
次に、診療科ごとの外観・内装イメージを紹介していきます。来院する目的や年齢によって好まれる立地やデザインが異なりますので、ぜひ参考にしてみてください。
内科系のクリニックは高齢者が多く通院するため、テナントで開業する場合は1階もしくはエレベーター付きであることが望まれます。また、交通量が少なく、タクシーや送迎車が一時的に停められるスペースのある場所が良いでしょう。他のテナントの看板に埋もれてしまわぬよう、クリニックとわかるような大きな文字やデザインが必要です。
一方、戸建ての外観は自由度が高く認知されやすい傾向があります。そのため広い玄関や階段が少ない造りにすると良いでしょう。
テナント・戸建てに共通するのは、杖をつく人や車いすの人に優しいデザインということです。玄関以外にも、待合室や診察室も同様に広々とした造りが求められます。
ベビーカーで来院する方のために1階やエレベーター付きのテナントが好まれます。なお、「ベビーカー + 大人1人 + 子供2人」が入れるエレベーター付きのテナントが良いでしょう。初診の場合、お父さんやお母さんはしっかり下調べして来院するため、「ベビーカーの置き場があるか」「キッズスペースがあるか」は集患につながります。
また内装に関して、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症対策として隔離待合室があると安心です。
小児科クリニックの内装については小児科クリニックが得意な内装業者13選|失敗しないためのポイントまででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
美容外科や心療内科に通院する方のなかには、「クリニックに入るところを見られたくない」と思う方もいらっしゃいます。そのため2階以上のテナントが良いでしょう。
しかし、人気のお店が入っているビルや、同じフロアに出入りの多いお店がある場合は要注意です。なぜなら、見知らぬ人とエレベーターに乗ってしまうと気を遣ってしまうからです。
人の出入りが多いお店と同じビルにする場合は、階段もついたテナントを選ぶと良いでしょう。なお、内装は患者同士のプライバシーに配慮し、診察室の声が待合室に聞こえないよう防音壁にするなどの対応が必要です。
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ここではクリニックの外観をデザインする際のポイントをお伝えします。 内容は以下3点です。
病院やクリニックというと白い壁のコンクリート建築をイメージします。 しかし、このような一昔前の病院やクリニックの外観では、待合室に入ったらビニール製の長い椅子が並べられ、床は冷たくスリッパ必須といった印象になるでしょう。これでは、いかにも病院と思わせてしまいます。
そこで患者様が安心できる外観にするために、カフェのような木を基調とした温かみのある空間にしたり、ホテルのような高級感のある空間にしたりします。 患者様が再来院したいと思える環境は内装だけに限らず、内装とギャップのない外観も重要になるのです。
2006年に施行されたバリアフリー新法により、駅や役所、病院の利用されるルートや場所にバリアフリー化が原則義務付けられました。
あらゆる患者様を受け入れるクリニックの外観として、自動ドアやスロープ、手すりの設置が例として挙げられます。外観を決める際は、高齢者や小さな子ども、障がい者に配慮した造りを考えましょう。
地域の人にクリニックを認識してもらうためには、まずクリニック名と診療科を知ってもらわなければなりません。そのため、外観に看板を設置して認知させましょう。さらに、診療日や診療時間がわかるようにすれば効果的に集患できます。
また、医療機関はピンクや白、薄い黄色の外観が多く、クリニックと伝わりやすい色合いにするのもポイントです。
外観を決める際、業者から参考デザインを提示されると思います。デザインは参考にしても良いのですが、周辺のクリニックと外観が似ている場合はデザイン変更をしましょう。 周辺のクリニックと被らない外観にするためにも、実際に自分の足で近隣施設を見に行くことをおすすめします。
また、医療機関のイメージや景観を壊すような奇抜な建物にならないよう、注意が必要です。
クリニックの外観について説明をしていきましたが、外観と同時に内装工事も検討することになると思います。ここからは、内装工事にかかる費用について説明していきます。事例も紹介していますので、参考にしてみてください。
クリニックの内装工事にかかる費用は、設計から施工管理を含めて500万円〜1,000万円程度です。これは25坪の内装工事を施工した場合を想定しています。なお、新築とリフォームでは費用に差が出るため、ここでは新築の場合で紹介しました。
ここでは、25坪の内装工事を施工した場合の費用事例を下記の表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
内装工事費用の事例内訳 | 25坪のクリニック内装工事にかかる費用 |
---|---|
仮設・解体工事費 | 約20万円 |
建具工事費 | 約130万円 |
軽量鉄骨・ボード工事費 | 約120万円 |
内装仕上げ工事費 | 約140万円 |
造作工事費 | 約55万円 |
家具・什器 | 約150万円 |
給排水衛生設備工事費 | 約80万円 |
電気設備工事費 | 約140万円 |
空調設備工事費 | 約110万円 |
防災設備工事費 | 約80万円 |
その他 | 約100万円 |
総額 | 約1,125万円 |
クリニックの内装工事を始める前に、設計図を作製します。設計事務所や工務店にお願いした場合、設計図作成にかかる目安費用は「工事費用の10%〜20%」もしくは「工事面積あたり5〜8万円/坪」です。
また、クリニック内装工事の坪単価は一般的に「約40万円〜/坪」になります。施工面積やレントゲン室やCT・MR室といった医療設備には放射線防護工事が必要なため、内装工事の坪単価が高くなる傾向があります。
なお、診療科によって必要な設備が変わるため目安としてください。
クリニックの外観・内装工事は数千万円かかるため、少しでも安く済ませる方法を紹介します。具体的には以下の2つです。
分離発注とは、内装デザイン設計と施工を別々の専門業者に依頼することです。 分離発注にすると、取りまとめている元請け業者の利益を削減できます。 しかし、各業者との見積もりや調整を自身で行わなければならず、施工スケジュールの管理や安全管理、品質管理など専門知識が必要になるため自身の負荷が大きくなります。
一方、一括発注とは、内装デザイン設計と施工を1つの会社に依頼することです。現場を安心して任せられ、急な設計変更にも迅速に対応できるところがメリットでしょう。 一括発注のコストは割高に感じますが、内装工事のみであれば分離発注よりも一括発注の方が割安になります。
クリニックの外観・内装工事を安くするには相見積もりが必須です。適正価格を把握するためにも3社~5社程度は相見積もりを取りましょう。
また、相見積もりを取っていく中で業者の特性や相性がわかってきます。ただ安いだけではなく、高品質で安心して任せられる業者を見つけるためにも複数社の見積もりが必要です。 価格や品質面以外にも、実績やアフターフォローがある業者を選ぶポイントにしましょう。
クリニックの外観・内装工事について説明してきました。実際に対応できる会社について、以下記事で紹介しているので、外観や内装工事を検討している方はぜひご覧ください。
クリニックの外観・内装工事に対応できる業者についてはクリニックの内装を基本を解説|設計時の注意点まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クリニックの外観は認知、集患のための大切な要素になります。集患から再来院につなげるためには医師の腕のほかにも、外観・内装で患者が心地いいと感じることが欠かせません。 今回紹介した内容をおさらいすると、患者が来院したくなるクリニックとは以下3点になります。
上記のポイントを押さえて、クリニックの設計をしてみましょう。外観・内装の業者選びに迷っている方は、ご紹介した業者から複数見積もりしてみるのをおすすめします。