「きりんカルテって有名だけど、どんな機能があるんだろう?」
「実際に使っている人の評判が知りたい」
このように思っているクリニックや診療所の経営者は多いでしょう。そこで今回の記事では、きりんカルテの概要をはじめ、ユーザーの口コミ・料金など、なかなか見つからない情報を深掘りしましたので導入を検討する際の参考にしてください。
目次
会社名 | ウィーメックス株式会社 |
---|---|
初期費用 | 300,000円(レセコン導入費) |
月額利用料 | 22,800円(レセコン利用料) |
おすすめの診療科 | すべての医科診療科に対応 |
施設規模 | 無床クリニック向け |
提供形態 | クラウド型 |
レセコン | 分離型(WebORCA連携) |
連携可能な機器・システム | 画像ファイリングシステム、エコー、検査データビューアソフト、オンライン診療システム、予約システム、PHRシステム、外注検査連携 |
推奨環境 | Google Chromeの最新バージョン WindowsとMacどちらも対応 |
サポート体制 | 遠隔・訪問サポート(代理店によるサポート) |
クラウド型電子カルテサービスのきりんカルテは、電子カルテとしての基本的な機能の他、予約システムや在宅医療に適した機能を搭載しています。初期費用はレセコン導入費として300,000円で、月額利用料は22,800円と高すぎず安すぎずの価格設定なので、比較的導入しやすいです。
タブレット端末と電子ペンを活用することでカルテに手書き入力ができ、紙カルテのような書き心地を実現しています。なお、手書き入力した文字はテキスト変換されるのでコピー&ペーストや訂正も簡単です。
このように、きりんカルテはタイピングより手書き入力のほうが楽な方や在宅医療や訪問診療を行っている方など、幅広いクリニックに適しています。
ここでは、きりんカルテのメリットを以下の3点に絞って解説していきます。
きりんカルテは電子カルテ自体は無料で利用できますが、レセコンの利用料がかかります。システム利用料とチャットサポート費用も無料で、初期費用はレセコン導入費用、ランニングコストは保守・サポート費用のみです。オプションで導入サポートや機器連携設定など、さまざまなサービスを提供しているので状況に応じて利用するといいでしょう。
きりんカルテは予約機能を標準搭載しているため、追加費用は発生しません。 来院した患者の次回の予約を取ったり、電話などで直接受け付けた予約を登録可能です。
また、患者向け予約ツール『診察予約ZERO』では、24時間いつでもオンラインで予約を受け付けることができます。電話での予約対応の煩雑さを軽減したい方や、オンライン予約の導入を検討している方におすすめです。
きりんカルテでは、自由診療と保険診療を切り替えてカルテを作成可能です。自由診療カルテ・保険診療カルテの切り替えはワンクリックで完了します。
ただし、自由診療のみを提供しているクリニックでもシステムの構造上、WebORCAを導入しなければなりません。 また、専用の画像撮影アプリを使えば、画像をきりんカルテへ簡単に取り込むことが可能です。
続いて、きりんカルテのデメリットを以下の2点に絞って解説していきます。
先述したように、きりんカルテは自由診療のみでも利用できますが、システムの構造上WebORCAの導入が必要です。また、オンプレミス型のORCAを使用している場合は、データ移行が必要になります。そのため、自由診療のみのクリニックの場合は、よく検討してから導入するようにしましょう。
きりんカルテは、無床クリニック向けのシステムのため入院機能は備えていません。入院機能が必要な場合は、他の電子カルテを検討したほうがいいでしょう。しかし、無床クリニック向けの電子カルテとしては、非常におすすめです。
ここでは、きりんカルテの料金プランを以下の表で紹介します。
きりんカルテは、レセコンの利用料のみで電子カルテシステム+レセコン・電子カルテの保守・サポートまで利用可能です。
初期費用 | きりんカルテ システム利用料 | 無料 |
WebORCA 初期設定費用 | 100,000円~ | |
WebORCA 導入サポート費用 | 200,000円 | |
月額利用料 | ||
きりんカルテ システム利用料 | 無料 | |
きりんカルテ チャットサポート費用 | 無料 | |
WebORCA 保守・サポート費用 | 22,800円~ |
※価格は税抜きです。
きりんカルテはなぜ無料で使えるの?とあやしく思う方もいるかもしれませんが、レセコンの利用料は必要です。きりんカルテは、電子カルテの利用料を無料にすることで全体のコストを抑えて導入できるようになっています。
以下の表は、オプションサービスの料金プランです。
初期費用 | きりんカルテ 導入サポート対応 | 100,000円~ |
患者頭書きデータ移行対 | 別途見積り | |
機器連携設定(1機器につき | 50,000円/機器 | |
外注検査結果取込設定(1社につき) | 30,000円/社 | |
外注検査オーダー連携(1社につき) | 50,000円/社 | |
月額利用料 | ||
きりんカルテ 保守・サポート対応 | 5,000円/月 | |
訪問による保守・サポート対応 | 別途見積り |
※価格は税抜きです。
ここからは、きりんカルテはの評判・口コミを紹介していきます。
機能が一通り揃っていて、カスタマイズもできる
医療機関
最低限の機能を備え、あとは自分で設定できます。端末選択の自由度もポイントが高いです。パソコンを使える人なら直感的に使えて、導入も電話サポートのみで実施できます。アップデートは自動で行ってもらえ、追加費用や設定もなく、いつでも快適に使うことができます。手持ちのパソコンでも利用可能なので、浮いた費用で医療機器を導入しました。
出典:ストラテ
レセ時期の煩雑さもサポートで解消。丁寧な対応に感謝
美容外科・形成外科・美容皮膚科
レセプトの提出関連で分からない部分が時折出てきます。そんな時は毎回、『カルテZERO』サポート窓口へ連絡し、会計の修正の仕方など操作方法を丁寧に教えてもらっています。時には、こんな質問は私しかしないのではないか、と思えるような初歩的な質問も出てくるのですが、全て丁寧に対応してくださるので、本当に感謝しています。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic021/
シンプルな操作性が一番の魅力
放射線科
「きりんカルテ」に連携している画像撮影アプリケーション「カルテZEROアプリ」を利用しています。患者さんの病変部をカメラで撮影して、アップロードするだけで画像をカルテに貼り付けられるシンプルさが魅力です。経過観察に重宝しています。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic029/
訪問診療や自由診療にも対応できる機能
耳鼻咽喉科・リハビリテーション科・小児科
当院は、⼀部で⾃由診療を扱っているので、「⾃由診療カルテ」や「⾃費マスタ」の機能を⽇々使っています。特に「⾃由診療カルテ」は「保険診療カルテ」と1クリックで切り替えができ、作成・管理できる点がとても便利ですね。最初は操作がわからないこともありましたが、使い慣れてしまえば個別にマスタ登録できる「⾃費マスタ」も使いこなせるようになりました。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic026/
アップデートも自動。追加費用や設定もなく、いつでも快適に使える
形成外科・外科
サーバー型はアップデートするために追加費用が発生したり、そうでなければ自分で対応しなければならないことが普通です。一方で、クラウド型である『カルテZERO』は頻繁にアップデートされ、更新も自動でどんどん使いやすくなっていく。いつでも最良の状態で使えることは、大きなメリットだと思います。その反面か、「クラウド型は反応が遅いから使いづらい」という話も聞きますが、『カルテZERO』に関しては僕はそんなに気になりません。
こちらの要望に応えようとしてくれているところもありがたいですね。「これは無理かな?」ということを言うと、普通であれば「それはできません、対応していません」で終わりだと思います。しかし、カルテ上のチャット機能を使って色々な相談をしてみると、「他の先生からも同様の意見をいただいているので改良します」「何とか考えてみます」と返答してくれることも多いのです。ドクターからの細かな要望を、すぐに開発要件に取り込んでいくところに、企業努力を感じますね。
どうしても電話やチャットでは解決しない時は、遠隔指示もありますし、土曜日でも17時まで対応してもらえる。サポートもしっかりしているなあ、と思います。大手メーカーに比べて、小回りが利く印象です。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic022/
どのメーカーのパソコンを何台使用しても「費用ゼロ」がありがたい
内科・外科・消化器科
以前は在宅診療先から医院に帰って来てカルテを整理していましたが、『カルテZERO』はクラウド型なので、ノートパソコンを持って診療に行き、出先で入力できます。また、予想した処方箋を手書きで書いておくこともありましたが、プリンタを持参すれば、処方箋もその場で出力してお渡しできるのでとても便利です。医院に電話で「ご家族の方が会計に行くから」と連絡しておけば、事務がカルテを開いて見ることもできます。何台で使っても費用がかからないので、経営的にも非常に助かります。
細かいところでは、2018年8月のリリースでカルテ記入画面から直接病名が記入できるようになったため、病名整理が楽になったのは良いですね。きりんカルテさん、よく無料で対処しているなぁ、と思います。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic018/
ランニングコストが無料
内科・循環器科・胃腸科・リハビリテーション科・小児科
ランニングコストが本当に無料、機器構成の自由度が高い、リモートではあるがサポート体制がしっかりしている、この3つですね。また、院外であっても、パソコンにクライアント証明書を入れさえすれば、『カルテZERO』を閲覧できる環境を創り出せるので、休日でも必要な時にカルテが見られるのは便利だと感じています。将来的にはレセプト請求手続きなどの際にも、融通が利かせられそうだと思っています。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic005/
続いて、きりんカルテの悪い評判・口コミを紹介していきます。
サポート窓口とのチャットのやり取りを別端末でも見れるようにしてほしい
放射線科
きりんカルテ サポート窓口とのチャットのやり取りが端末に依存しているため、別の端末からはそのやり取りを確認することができません。ログインIDに紐付けされたほうがやりとりを全体で共有できて、より良いものになるのではないかと感じています。また、フレキシブルな時間枠設定できる予約機能、診療情報提供書など、テンプレートとして備わっている文書の文字サイズや行間の設定ができると「きりんカルテ」を最大限に活用できそうです。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic029/
カルテのレセプトチェックの精度をさらに上げていただけると嬉しい
心療内科、精神科、神経内科
カルテのレセプトチェックの精度をさらに上げていただけると嬉しいです。今も薬剤名や病名の記入漏れのチェック機能はあるのですが、精度は他社製品に比べて少し弱いように感じています。この点が改善されれば、他に欠点は思いつかないほど満足しています。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic027/
ORCAとのデータ連携に時間がかかって会計処理で患者さまを待たせてしまうことがありました
整形外科
いざ使ってみるとORCAとのデータ連携に時間がかかってしまい、会計処理で患者さまを待たせてしまうことが多々ありました。しかし、後々のリプレイス費用が発生しないことやカルテが無料でPDF保存できること、全端末で使えるのでどこにいてもリアルタイムの患者さまの情報が得られるなど、デメリットを補っても余りあるメリットを感じています。
出典:https://xirapha.jp/case/clinic025/
きりんカルテは「全て丁寧に対応してくださるので、本当に感謝しています。」「アップロードするだけで画像をカルテに貼り付けられるシンプルさが魅力です」「リモートではあるがサポート体制がしっかりしている」など、高評価が目立ちます。一方、「文書の文字サイズや行間の設定ができると『きりんカルテ』を最大限に活用できそう」「カルテのレセプトチェックの精度をさらに上げていただけると嬉しいです」などといった声もありました。
文字サイズや行間の設定ができるとさらに使いやすくなるでしょう。また、レセプトチェックの精度についても今後の改善に期待したいところです。
少なからず改善してほしい点の声がありますが、全体的にきりんカルテは非常に評判がよく、さまざまなクリニックで重宝されています
ここでは、きりんカルテの機能をそれぞれ紹介していきます。
きりんカルテは、在宅医療に対応可能です。往診スケジュール作成や事前オーダー入力など、在宅医療に特化した機能が充実しています。
ノートパソコンを使用して訪問先でカルテを閲覧したり、データを入力したりすることができるため、往診先でメモなどに記入した内容をクリニックへ持ち帰った後にカルテに記録するという手間を省くことが可能です。
また、きりんカルテはiPadからのカルテ閲覧・入力にも対応しているので、訪問先での業務をより効率的に行えます。
「カルテZEROアプリ」はきりんカルテに直接連携でき、スマートフォンで撮影した画像をそのまま電子カルテにアップロードできます。
アプリに表示される患者一覧から患者を選択し、起動したカメラで撮影するだけです。その他、問診票や紹介状などといった書類の管理にも利用できます。
外来に関する機能は以下の通りです。
上記の機能で受付状態・来院情報・カルテ履歴情報・来院履歴情報などを確認できます。
予約に関する機能は以下の通りです。
時間予約もしくは順番予約どちらかの予約機能を利用でき、予約票の印刷も行えます。
在宅に関する機能は以下の通りです。
上記のように、在宅に特化した機能が充実しています。
カルテに関する機能は以下の通りです。
上記の機能は、カルテの記載・管理に関する機能となります。
その他、以下のような便利な機能が備わっています。
以下では、きりんカルテの導入・稼働までの流れをそれぞれ解説していきます。
ここでは、きりんカルテに関するよくある質問に回答していきます。
きりんカルテのメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
【デメリット】
代理店による遠隔・訪問でのサポートに対応しています。
既存のレセコンから患者の頭書きデータを移行可能です。なお、所見・オーダーなどのカルテ2号用紙の内容は、電子カルテ導入当初は紙カルテを確認しながら対応する必要があります。
他社製品から、きりんカルテへ患者頭書きデータを移行可能です。他社電子カルテからデータの出力さえできれば、患者の氏名・住所・保険情報・病名などのデータを移行できます。所見・オーダーなどの2号用紙に該当するデータは、紙媒体またはPDF形式で出力し保存するのがおすすめです。
自由診療のみでも利用できます。ただし、会計や患者登録にレセコンを使用するので自由診療のみ利用する場合でも必ずWebORCAの導入が必要です。
きりんカルテはすべての医科診療科に対応しています。具体的には、以下の医科診療科に対応可能です。
内科、消化器内科、アレルギー科、感染症科、血液内科、健診・予防医学、膠原病科、呼吸器内科、在宅医療、腫瘍内科、神経内科、循環器内科、総合診療、代謝・内分泌科、リウマチ科、老年内科、外科、血管外科、口腔外科、呼吸器外科、腫瘍外科、消化器外科、循環器外科、乳腺・内分泌外科、脳神経外科、泌尿器科、産婦人科、小児科、小児外科、形成外科、美容・アンチエイジング、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、緩和医療、麻酔科、放射線科、放射線腫瘍科、心療内科、精神科、産業医
きりんカルテは、万が一のトラブルなどに備えて万全のバックアップ体制を整えています。データ暗号化のhttpsという技術を用いており、最新の暗号化技術でデータのやり取りを保護しているため、データの抜き取りや改ざん・なりすましを防止可能です。
また、安全性の高いデータセンターを利用し、データ保護の対策を行っています。データセンターのデータについても定期的にバックアップをとっているため、万が一の場合も最新のデータを確保できます。
きりんカルテは、iPadまたはsurfaceで利用できます。
同じクリニック向けの電子カルテとして、「エムスリーデジカル」「Medicom-HRf」「BrainBoxCloud」もおすすめです。これらの電子カルテについては、以下の比較表を参考にしてください。
より多くの電子カルテが知りたい方は【2024最新】電子カルテ徹底比較|選び方やおすすめメーカーまで でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
きりんカルテはコストを抑えて導入でき、さまざまな便利な機能が備わっている電子カルテです。自由診療にも対応しているので、さまざまなクリニックで導入できます。実際に利用しているユーザーからの評価も高いので、非常におすすめです。
今回の記事の内容を参考に、きりんカルテの導入を検討してみてください。