メディコムの電子カルテ「Medicom-HRf」は操作が簡単で、ペーパーレス化を期待できる製品です。多くの外部機器・サービスと連携でき、カスタマイズも自由に行えます。その利便性の高さから、多くの医科で導入されているのです。
今回は「Medicom-HRf」の概要はもちろんユーザーの口コミや料金など、なかなか見つからない情報を深堀りしていきます。これから電子カルテの導入を検討されている方の参考にしていただければ幸いです。
目次
会社名 | ウィーメックス株式会社 |
---|---|
初期費用 | 要お問い合わせ |
月額利用料 | 要お問い合わせ |
おすすめの診療科 | 内科、外科・整形外科、小児科、耳鼻咽頭科、皮膚科、循環器内科、レディースクリニック、精神科など |
施設規模 | クリニック向け |
提供形態 | ハイブリッド型(※サーバー障害時などクラウドに切り替え運用) |
レセコン | 一体型 |
連携可能な機器・システム | モダリティ・PACS、検査機器、予約・再来受付システム、問診システム、透析管理システム、自動精算機など |
推奨環境 | Windows、iOS、その他 |
サポート体制 | リモートサポート対応、全国120拠点にサポート体制 |
「Medicom-HRf」とは、正確でスピーディな操作が可能な電子カルテです。カルテ入力時にリアルタイムでチェックし、レセプトエラーもワンクリックで修正してくれます。算定アシスト機能を標準搭載しており、月末月初にかかる業務負担の大幅軽減が可能です。入力用のシートをあらかじめ作成することができ、スムーズに診察をすすめられます。連携できる機器やサービスは約170社となっており、カスタマイズ次第で利便性をさらに上げられるでしょう。Medicom-HRfの概要について、以下の表でまとめました。
ここからは、Medicom-HRfを導入することで得られるメリットについて解説します。
多くの医療機関ではレセプトチェックのため、月末月初は特に残業が発生してしまいます。診察終了後でないとできない業務なので、どうしても時間がかかってしまうのです。Medicom-HRfであれば、カルテ入力時にリアルタイムで自動チェックを行ってくれます。
不明点があればその場で修正ができるので、後から確認する必要がありません。レセプトチェック後はエラーリストの一覧表示が可能です。一覧からワンクリックで該当カルテを表示・修正ができるので、効率よく業務をすすめることができます。
操作がしやすい点も、Medicom-HRfの特徴です。所見・病名・処方・検査など、1画面でカルテ入力をすべて完結できます。記載の内容をリアルタイムでチェックでき、入力ミスも防止できるでしょう。
また、疾患ごとや投薬用など施設の用途に合わせて入力用のシートを自由にカスタマイズできます。さまざまな診療パターンに対応できるので、スムーズな運用が可能です。運用開始後のシート修正や項目の追加もできます。
Medicom-HRfは、約170社のさまざまな機器と連携できます。以下は連携できるサービス・機器の一部です。
施設の業務に応じて自由にカスタマイズでき、組み合わせ次第で効率化も期待できます。以下は「内科系標ぼう科」でメディコム社の電子カルテと連携運用されることの多い企業様の一例です。
内科系標ぼう科
モダリティ、PACS | コニカミノルタジャパン株式会社 他 |
---|---|
検査機器・システム(POCT、検査管理システム、検査センター) | アークレイ株式会社、株式会社三和化学研究所、日本光電工業株式会社、フクダ電子株式会社 他 |
予約・再来受付システム | 株式会社アイアコス、ドクターキューブ株式会社 他 |
窓口自動精算機 | 株式会社アルメックス、株式会社寺岡精工、株式会社メディコムエイド、島津メディカルシステムズ株式会社 他 |
問診システム | 株式会社ユー・アイ・エス 他 |
医療経営ダッシュボード | 株式会社エムティーアイ |
続いて、Medicom-HRfのデメリットについて解説します。
Medicom-HRfはメリットが非常に多く、デメリットはほとんどないといえます。その中でも唯一のデメリットとして考えられるのがシステムアップデートに時間がかかるというユーザーの声があることです。
アップデートにかかる時間は、データの内容や使用している端末によっても変動するため一概には断定できません。一度アップデートを開始してしまえは業務も止まってしまうので、診察後など時間に余裕がある時に行いましょう。
Medicom-HRfを実際に利用している施設は、どのような評価をしているのでしょうか。ここでは、Medicom-HRfのさまざまな評判・口コミを紹介します。
まずは「m3.com」「ITトレンド」「日経メディカル」で公表している電子カルテのシェアランキングの結果を統合しました。その結果、独自に算定した推定データではMedicom-HRfはシェア1位となっています。基本的にどのランキングでも上位に位置しており、多くの医療機関から支持されている電子カルテです。
より詳しく電子カルテのシェアランキングが知りたい方は【2023年最新版】電子カルテのシェアランキング|上位製品を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ここからは、Medicom-HRfのさまざまな評判や口コミを紹介します。まずは、良い評判・口コミを見ていきましょう。
操作がシンプルで未経験者でも覚えやすい
医療関係からの口コミ
他の電子カルテは操作が難しいものも多く医療事務未経験者だと覚えるのが大変ということがあるが、こちらの製品は基本的に操作がシンプルなので未経験者でも覚えやすいしこちらも教えやすいと思いました。
出典:操作がシンプルなので未経験者でも覚えやすい|Medicom-HRf|ITトレンド
疾患・薬効ごとの処方や検査テンプレートの作成が簡単
医療関係からの口コミ
疾患や薬効毎の処方、検査テンプレートが簡単に作成でき、見やすく、使いやすい。分院展開する時に、専門科に関わらず均一化した診療を提供できる。新入職員へのオリエンテーションの時間も省略できた。
出典:カスタマイズしやすい電カル|Medicom-HRf|ITトレンド
使う頻度の高い処置や処方をショートカット登録できる
医療関係からの口コミ
ある程度パターン化して、同じ処置や同じ処方を登録してるので、画面上で右から左の用にペースト出来るので、処理の速さが早くなり、患者さんの待ち時間が短くなったと思います。
ペーパーレス化が可能になった
医療関係からの口コミ
紙カルテでの5年保管(場所の確保、管理状態等)の問題がなくなりとても便利になりました。手書きでは残しづらいメモなどもカルテに気軽に入れられ、見直しもしやすく診察スピードが大幅に上がりました。
出典:適切なアップデートと保証あり|Medicom-HRf|ITトレンド
在庫管理が容易に
医療関係からの口コミ
これまで医薬品発注を紙ベースで行っており、膨大な時間と手間がかかっていたのが、レセコンと連動した当ソフトを利用することにより、在庫管理が非常に容易になった。
出典:レセプト送信に加えて在庫管理ソフトとしても優秀|Medicom-HRf|ITトレンド
マニュアルによりスピーディーな問題解決
医療関係からの口コミ
日々の業務で使っていますが、使い方も複雑なことはあまりなく、簡単に使えています。使い始める時にはカラーのマニュアルも頂き、不明な点はそのマニュアルを見ればすぐ解決できます。
出典:いつもお世話になっております。会計の待ち時間が短縮された。|Medicom-HRf
ワンタッチでのオーダーセットが可能
医療関係からの口コミ
カルテ記載、頻用処方セット、病名、各種オーダーをセットにすることが可能である。 頻度の多い疾患、精査については、自分でセットを作成することにより、カルテ記載や病名入力、オーダー、処方までワンタッチで完結することが可能である
続いて、Medicom-HRfの悪い評判・口コミを紹介します。
カスタマイズ方法のレクチャーは必要
医療関係からの口コミ
実際に使ってみると、カスタマイズのやり方をあまり丁寧に教えてもらえないまま、作り込みも半端なまま開院してしまい、かなり使いにくく半年経ってもなお問題山積みです。また、他の業者のソフトとの相性が悪いのか、データのやり取りが上手くいかなかったり、思った通りの動きをしないことも多々あり、かなり困っています。
出典:値段が安い割にカスタマイズも出来るようだがサポートがいまいち|Medicom-HRf|ITトレンド
システムアップデートが遅い
医療関係からの口コミ
システムのアップデートに、とても時間がかかるように思います。たまにですが、画面動作が停止することもあります。
出典:比較的分かりやすく使いやすいと思う|Medicom-HRf|ITトレンド
集計作業に時間がかかる
医療関係からの口コミ
こちらのPCの性能のせいかもしれませんが、集計作業に時間がかかります。ソフト変更も時間がかかり残業になるのが嫌です。もっと早くしてほしいです。
出典:入力ルールが分かれば誰でも使える|Medicom-HRf|ITトレンド
Medicom-HRfは「操作がシンプルで扱いやすい」「状況に合わせたオーダーセットが簡単」との声が多くありました。同時に「紙媒体が不要なのでペーパーレス化が実現できた」といった高評価も得ています。
一方「動作の動きが遅いことがある」「システムアップデートに時間がかかる」との声もありました。アップデートについては業務終了後など、時間に余裕がある時に行うことで対処できます。
操作性のしやすさについては、メリットが大きい製品といえるでしょう。それでも操作方法に不安がある場合は、メーカーに納得いくまで問い合わせるのをおすすめします。
「Medicom-HRf」の口コミまとめ
ここまでで、Medicom-HRfにはメリットが大きいことが分かりました。そもそも、Medicom-HRfにはどのような機能が搭載されているのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。
・オンライン資格確認
オンライン資格確認機能をレセコン端末で行えます。新たに機器を導入する必要がないので、省スペースでも設置でき受付業務の簡略化が可能です。
・予約
来院時や電話などで受け付けた患者様の予約内容を、登録・管理することができます。部門・診療科・医師だけでなく検査や診察など、目的に応じたカテゴリ分けが可能です。
・カルテ画面のカスタマイズ
カルテの入力画面を施設ごとにカスタマイズできます。視認性をアップすることができ、より直感的に操作を行えるでしょう。
・検査
カルテで入力した検査項目を、院内外問わず各検査機関へ情報を送信できる機能です。検査項目はチェックをつけるだけで完結できるので、オーダー漏れの心配がありません。
・診察時チェック
診察時に入力した項目に対し、厚生労働省が公開している算定ルールに沿っているのかをチェックする機能です。チェック箇所にはポップアップで詳細が表示されるので、簡単に修正ができます。
・文書作成
紹介状・計画書・診断書・指示書などの文章テンプレートを標準搭載しています。出力形式はWord・Excel・PDFの全てに対応しており、カスタマイズも可能です。
・訪問診療
訪問先に通信端末を持ち出すことで、いつでもカルテの内容を確認できます。カルテの入力や帳票の出力もでき、施設スタッフとの情報共有もスムーズです。
・会計チェック
会計時に、厚生労働省が公開している算定ルールに沿っているかを都度チェックしてくれる機能です。「算定回数」「背反」「包括」などさまざまな角度からチェックし、ミスを未然に防止します。
・会計でレセプト表示
会計時にワンクリックでレセプトを表示し、その場で算定に対するチェックを行うことができます。毎日行われる会計中にチェックが行えるので、月末月初に業務が集中しません。
・レセプトチェック
レセプト請求前の点検を一括で行える機能です。修正したいカルテにはワンクリックで移動できるので、簡単に業務をすすめることができます。
・オンライン請求
Medicom-HRfからワンクリックでオンライン請求が行えます。オンライン請求の専用回線への切り替えはボタン操作のみで行えるので、非常に簡単です。保険請求はもちろん、労災や介護保険の請求にも対応しています。
・経営分析
レセプト情報を活用し、施設の経営や来院患者の状況をダッシュボードで可視化する機能です。今後の経営方針を立てる際の資料に役立つでしょう。
・集計/検索
日報・月報はもちろん、指定した検索条件に合った患者様一覧を出力できます。来院される患者様の傾向を把握したり、DM送付などへの活用も可能です。
・電子カルテ/レセコン一体型
電子カルテとレセコンが連動しているシステムなので、一度の入力で両方のシステムに反映できます。重複入力の必要がなく打ち間違いも防止できるため、業務負担の軽減が可能です。
・オンプレ×クラウド
Medicom-HRfはオンプレ型となっています。「Medicom Cloud Connect API」を活用することで、自社・他社のクラウドサービスとの連携が可能です。
・ファイアーウォール
ファイアウォールにより、外部のインターネットからの不正アクセスを防止します。各カテゴリーで必要なURLを登録することで、それ以外のサイトへのアクセスを防ぐことができます。
・ウィルス対策ソフト
ウィルス感染の予防や、実際に感染してしまった場合に駆除できる機能を標準搭載しています。
Medicom-HRfの注文から本格稼働までは3ヶ月程度です。最初の1ヶ月程度は、どのように運用していくかを数回に分けてヒアリングしていきます。その後データ移行を含めた機器の設置や操作レクチャーを経て本格稼働していくため、非常に安心です。
専門スタッフによる稼働日の立ち合いや定期的に訪問をしており、万が一の時もすぐに対応してくれるでしょう。
メディコムでは「Medicom-HRf」の他にも施設規模や診療科にあわせた電子カルテを取り揃えています。以下で、メディコムが取り扱っている製品を見ていきましょう。
クラウドの利便性と診療の質を上げる機能性を両立させた、医事一体型の「ハイブリット電子カルテシステム」です。パソコン・タブレットを使って、場所を選ばずカルテの閲覧や編集ができます。今後はスマホにも対応予定です。
通常時は施設内サーバーで運用しますが、災害時や通信障害発生時にはクラウドへスムーズに切り替えてくれます。どんな状況でも安定した医療サービスを届けられるのが、ハイブリッド型のメリットといえるでしょう。
一般・療養型中小規模病院に必要な機能やシステムを搭載した製品です。欲しい機能や情報以外をなるべくそぎ落とすことで、画面設計をシンプルにして操作性を向上させています。診療中に患者様の情報確認をする際にもスムーズです。
必要な患者様の情報は一画面にまとめられているため、画面切り替えや操作時のクリック数を最小限に抑えられます。Medicom-CKも端末を限定することなく利用でき、それぞれのサイズに対応した見やすい画面設計が特徴です。
カルテを電子化し、部門へは紙での支持せんで運用するシステムです。これまで紙カルテで運用していた施設でも大きな運用変更は不要なので、ストレスがありません。スムーズな移行を実現できるでしょう。
医薬品・診療行為などのマスターを一元管理しており、法令改正時などにおけるメンテナンスも簡単です。指でタップするだけでよく使う所見や処方を入力できる「ワンタッチセット入力」機能を搭載しています。
複雑かつ多様化する医療現場の声をもとに、必要な機能を搭載した製品です。治療に必要不可欠な、スタッフ同士の連携をスムーズに行うための機能にも特化しています。病棟状況まで簡単に把握できるため、病院での運用に最適です。
搭載している注射カレンダーでは、患者様ごとの投与予定や実績を簡単に把握できます。コミュニケーションフォルダでは、患者様のカルテを添付してメールできるのも特徴です。チームの目的に合わせた情報共有で、チーム医療をサポートしてくれます。
精神科病院での医療チームに必要な機能を備えた製品です。精神科医療に特有の行為や文章が中心となるカルテの記載に標準対応しています。診療後へのスタッフ間の情報共有もでき、風通しの良い医療をサポートしてくれるのです。
医療保護入院届など提出書類の文例や作成支援機能も搭載しているので、簡単・スピーディに完結できます。システム内の情報はSSLを使った暗号化により、プライバシー保護対策も万全です。
以下では、Medicom-HRfのよくある質問をまとめています。
Medicom-HRfのメリットとデメリットは、次の通りです。
メリット
デメリット
Medicom-HRfでは、次の3つの運用サポートを利用できます。
・定期的なデータベースの更新
法令改正や点数・薬価の変更などがあった際には、随時最新の状態にアップデートしてくれます。複雑な操作は必要なく、常に最新の状態で業務が可能です。
・全国約120箇所のサポート拠点
全国各地にあるサポート拠点により、アフターサービスやメンテナンスを定期的に行ってくれます。施設によっては、より最適な提案もしつつ施設に寄り添ったサポートを提供してくれるのです。
・リモートサポート
クリニックのPCに直接接続して、遠隔サポートをしてくれます。内容の説明が難しいトラブル発生時にも、スムーズな問題解決が期待できるでしょう。
Medicom-HRfは、オンプレミスとクラウドを融合させたハイブリット型電子カルテシステムです。通常時は、施設内サーバーを利用したオンプレミス型でスピーディにスタッフ同士の情報共有を行います。
万が一施設内サーバーの障害時には、クラウド上のアプリケーションに切り替えが可能です。通信環境に影響することなく患者様へ安定したサービスを提供でき、スタッフも扱いやすい製品となっています。
Medicom-HRfのようなクリニック向け電子カルテとしておすすめの製品は、次の3つです。
より多くの電子カルテが知りたい方は【2023最新】電子カルテメーカー比較|選び方や導入メリットまででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
数多くの電子カルテを取り扱っているメディコムですが、その中でもMedicom-HRfはクリニックでの運用に最適です。簡単で直感的な操作ができ、未経験や転職したてのスタッフでもスムーズに操作を覚えられます。
利用できる機能も豊富でありながら約170社の外部サービスと連携でき、自由なカスタマイズ性も魅力です。今回の記事を参考にしつつ、クリニックに最適な電子カルテを検討していきましょう。
豊田 裕史|中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://twitter.com/toyoda_2ndLabo
セカンドラボ株式会社の社員。前職では都内近郊の医療機関を中心に医療機器の営業。日々、医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。
カケル
フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152
元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。