自動精算機や自動釣銭機を導入することで、会計時の待ち時間の短縮や業務効率化を実現できます。しかし、自動精算機や自動釣銭機導入には最低でも100万円以上かかるため、補助金がないかお探しの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、人手不足や会計の待ち時間に課題を感じている医療機関を主な対象として、自動精算機・自動釣銭機を導入する際に活用できる補助金や助成金を紹介しています。また、2024年7月に迫った新札発行への対応に使える補助金もあります。
自動精算機の各メーカーとやり取りして知識が豊富なコンシェルジュにご相談いただくこともできます。「導入を検討しているが、日々の診療で忙しくて詳しく調べている時間がない」という方はコンシェルジュにご相談いただけますと幸いです。
目次
この記事は2024年3月時点の情報に基づいて編集しています。最新情報は公式HPなどをご確認ください。
補助金や助成金について紹介する前に、自動精算機と自動釣銭機の価格相場をご紹介します。
自動精算機の価格相場は初期費用200万円〜450万円、月間のランニングコストは5万円程度が相場。
また、自動釣銭機の価格相場は100万円~300万円、月間のランニングコストは2万円程度です。自動釣銭機は単独では動かず、POSレジと接続して使います。
ここからは自動釣銭機、自動精算機に使える補助金を紹介してきます。自動精算機と自動釣銭機の違いがあまり分からない方は、自動精算機と自動釣銭機の違いを確認してみてください。
自動精算機の価格については自動精算機の価格はどれくらい?|費用相場・各メーカーの価格比較まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
自動釣銭機の価格については自動釣銭機の価格はどれくらい?|主要メーカーの参考価格比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
「補助金・助成金」と聞いて、言葉は知っていてもどのような制度なのかはあまり理解していない方も多いのではないでしょうか。ここでは、知っているようで知らない補助金と助成金の定義を解説していきます。
ただし、公的機関も「補助金」と「助成金」という言葉を明確に使い分けているわけではなく、それぞれの制度内容をよく確認した上で利用する必要があります。
POSレジ・自動釣銭機導入に活用できる補助金については【2024】POSレジ導入時に活用できる補助金5選まとめでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
補助金とは、国や自治体が目指す姿に合わせてさまざまな募集がされており、事業者がその分野にマッチした場合、資金の一部を給付してくれる返済不要の給付金制度です。
補助金は誰でも受けられるわけではなく、申請から審査が必要になり、採択件数が決まっているため誰でも受給できるとは限りません。また、複数の事業者が応募し、その中から事業計画書などを比較され採択が決まるため、採択までの難易度は高めです。さらに、審査に通過し採択されても事業の全額が補助されるとは限らないので注意しましょう。
助成金は補助金と同じく、返済不要の給付金制度です。補助金とは違い、主な目的は雇用や労働環境などの整備・改善を支援するためにあります。また、助成金は一定の条件を満たすことでほぼ給付されるため、補助金よりも難易度は低いです。
このように一見区別されているように思える「補助金」と「助成金」ですが、助成金の中には補助金の要素が強い制度もあります。自動精算機や自動釣銭機の導入にあった制度の内容を選び、活用するようにしてください。
補助金や助成金は、国や自治体ごとに目指す政策があり、さまざま募集内容があるとお伝えしてきました。
補助金や助成金が適用されるためには、補助金ごとの目的や趣旨を理解し、自院の取り組みや機器の導入の目的が合致する必要があります。
例えば、下記のような目的や趣旨です。
自動精算機や自動釣銭機も上記の項目に該当することも多く、補助金・助成金が適用される可能性が高いでしょう。
補助金の探し方は理解したけど、具体的にどのような制度が利用できるのか知りたい方もいらっしゃるはずです。ここでは、自動精算機・釣銭機を導入したい方向けに利用できる補助金(助成金)を5選ご紹介します。
※2024年3月段階の情報です。申請期限が締め切られている補助金もあるので、最新情報は公式HPなどをご確認ください。
概要 | IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者などの業務効率化や売上アップをサポートする目的として、需要に合ったITツールの導入コストの一部を支援する。 |
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24年度実施有無 | 実施 |
助成額 |
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申請期間 |
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注意事項 | 自動精算機、釣銭機の機器(ハードウェア)に対してではなく、ソフトウェアに適用(通常枠の場合) |
WEBサイト | IT導入補助金 |
概要 | 中小企業や小規模事業者の生産性向上や業務効率化を支援し、事業所内で最も低い賃金の引き上げにかかる費用と、生産性向上のための設備の導入に対する費用の一部を助成する制度。 |
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24年度実施有無 | 未定 |
助成額 | 補助上限600万円 |
申請期間 | ※2024年度の実施は未定 |
注意事項 | 予算の範囲内で交付されるため、申請期間内に募集が終了する可能性がある |
WEBサイト | 業務改善助成金 |
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が新たな製品やサービスを開発する際に、国から一部の費用を補助してもらえる制度を指します。
ただ、医療法人が運営主体となっている医療機関は、モノづくり補助金の対象外です。医療法人でない個人クリニックはものづくり補助金を申請する権利があります。
自院で診療予約システムを自作したクリニック等で受給実績があります。
概要 | 中小企業・小規模事業者等が相次ぐ制度変更に対応するため、生産性を向上させるための設備投資等を支援する。 |
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24年度実施有無 | 未定 |
助成額 |
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申請期間 | 18次締切:2024年3月27日(水) |
注意事項 | 「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要 |
WEBサイト | ものづくり補助金 |
概要 | 中小企業に時間外労働の上限規制が適用されているのが背景。生産性を向上させ、時間外労働の削減、年次有給休暇取得の促進に向けた環境整備などに取り組む中小企業事業主を支援する。 |
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24年度実施有無 | 未定 |
助成額 | 未定 |
申請期間 | 未定 |
注意事項 |
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WEBサイト | 働き方改革推進支援助成金 |
「会社および会社に準ずる営利法人」「個人事業主(商工業者であること)」「一定の要件を満たした特定非営利活動法人」が対象になる補助金です。医師、歯科医師、助産師、医療法人などは対象にならないためご注意ください。
概要 | 小規模事業者が持続的な経営に向けて作成した経営計画に基づく、販路開拓や業務効率化の取り組みに要する経費の一部を支援するもの。 |
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24年度実施有無 | 実施。交付決定の日から2023年2月28日までに取組を実施する。 |
助成額 |
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申請期間 |
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注意事項 | 事業支援計画書(様式4)の発行に時間を要する場合があるため、余裕をもって申請 |
WEBサイト | 小規模事業者持続化補助金 |
2024年7月から、新紙幣が発行されます。新紙幣導入により、レジや周辺機器の入替が発生する場合もあります。この章では、補助金の中でも新紙幣対応に使える補助金を紹介します。
レジの新紙幣対応に使える補助金として、IT導入補助金を紹介します。
新紙幣に対応したレジについてはレジ・券売機の新紙幣対応はどうする?費用や補助金まで徹底解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が導入するITツール経費の一部を補助する支援事業。ITツールの導入を支援することで、中小企業・小規模事業者が業務を効率よくこなせるようになり、生産性を向上させることが目的です。2024年2月に要項が発表されたIT導入補助金2024の概要を表にまとめました。
支援枠 | 概要 | 対象となるITツール |
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通常枠 | 自社の課題にあったITツールを導入し、業務効率化・売上アップをサポート | 生産性向上ITツール(ソフトウェア・サービス等) |
インボイス枠(インボイス対応類型) | インボイス制度に対応した会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトに特化し労働生産性の向上をサポート |
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インボイス枠(電子取引類型) | インボイス制度に対応した受発注システムを商流単位で導入する企業を支援 | インボイス制度に対応した受発注システム |
セキュリティ対策推進枠 | サイバー攻撃の増加に伴う潜在的なリスクに対処するため、サイバーインシデントに関する様々なリスク低減策を支援 | セキュリティ対策ソフト・サービス |
複数社連携IT導入枠 | 業務上つながりのある「サプライチェーン」や、特定の商圏で事業を営む「商業集積地」に属する複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツールを導入し、生産性の向上を図る取り組みを支援 | 生産性向上ITツール(ソフトウェア・サービス等) |
IT導入補助金には、1年間で複数回申請のタイミングがあり、採択の結果は各締め切り日の約1ヶ月後です。以下、通常枠とインボイス枠(電子取引類型)の、2024年内の締切と交付決定日をまとめた表を作成しました。
締め切り日 | 交付決定日 | 事業実施期間 | |
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1次締切分 | 2024年3月15日 (金) | 2024年4月24日 (水) | 交付決定~2024年10月31日 (木) |
2次締切分 | 2024年4月15日 (月) | 2024年5月27日 (月) (予定) | 交付決定~2024年11月29日 (金) |
3次締切分 | 2024年5月20日 (月) | 2024年6月26日 (水) (予定) | 交付決定~2024年11月29日 (金) |
締め切り日 | 交付決定日 | 事業実施期間 | |
---|---|---|---|
1次締切分 | 2024年3月15日 (金) | 2024年4月24日 (水) | 交付決定~2024年10月31日 (木) |
2次締切分 | 2024年4月15日 (月) | 2024年5月27日 (月) (予定) | 交付決定~2024年11月29日 (金) |
3次締切分 | 2024年5月20日 (月) | 2024年6月26日 (水) (予定) | 交付決定~2024年11月29日 (金) |
補助金・助成金の概要はわかっても、数多くある中からどこをどう探せばいいのかわからない方もいらっしゃると思います。ここでは、業務効率化や感染症対策に係る補助金の探し方を紹介します。
注意点として、補助金や助成金を申請して審査する場合、事務処理が増える点は理解しておきましょう。また、対象の補助金に全て応募し、補助金頼みの意識で制度を利用することはおすすめしません。
一般的な探し方も紹介しているので、補助金や助成金の探し方がわからない方は参考にしてください。
「J-Net21」は中小企業ビジネスを支援するサイトで、独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営しています。
J-Net21のサイト内にある「支援情報ヘッドライン」の項目から、国や都道府県の補助金・助成金の情報を検索することができます。
補助金・助成金の検索手順を簡単に説明すると、
上記の手順で進むと、簡単に補助金・助成金の情報取得が可能です。複数のWebサイトから探す手間がなくなるため、効率的に検索したい方にはおすすめといえます。
前述したJ-Net21のネット検索で探してもわからないという方には、各地の商工会議所に直接問い合わせる方がいいでしょう。商工会議所は経営相談や経営支援活動をしており、補助金や助成金の案内もしています。そのため、自院の状況に合っている補助金などを相談、紹介してもらうことが可能です。わざわざ出向く必要がなく、電話でも問い合わせることができるので、J-Net21の検索でわからない方は利用してみてください。
補助金・助成金の検索は、各自治体のホームページを確認することで探すことも可能です。J-Net21の情報は全て掲載しているとは限らず、各自治体のホームページで探すことによって情報の正確性ではメリットがあります。
しかし、補助金に特化したサイトではないため、自身に合った補助金や助成金を探すのに手間がかかり、申請方法がわかりにくいといったデメリットもあります。
自身の事業にマッチした補助金が見つかったものの、申請の手順について不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。ここでは、補助金・助成金の申請までの手続き方法を解説します。申請までの手続きで抑えたいポイントをお伝えしますので、参考にしてください。
補助金・助成金の申請手続きは多くの場合、実施主体のHPに申請フローやスケジュールが掲載されています。例えば、IT導入補助金であればHPに図を使用し申請フローがわかるようになっていますし、ものづくり補助金のHPでは、交付申請手続きの流れを動画で説明しています。
申請したい補助金・助成金のHPで、申請までの手続きの流れやスケジュールの詳細などを確認するといいでしょう。
申請したい補助金・助成金が見つかったら、HPから公募要領や申請書を確認し自分で対応する方法があります。税理士や会計士などの専門家にアドバイスを仰ぎつつ、審査に通過するようポイントを抑えながら作成します。しかし、この自前で対応すると申請に時間がかかる上、記載漏れによる再提出などが起こるケースが多いです。そのため、以下でご紹介する代行業者に依頼するのがおすすめです。
補助金の数も多く、申請が複雑で自分ではなかなか難しいと感じる方は代行業者に依頼する方法があります。補助金の申請を代行できる専門家を一部挙げると、
など、補助金申請を代行できる専門家は決まっているため、事前に確認する必要があります。
※2ndLaboでは、補助金・助成金の申請代行は行なっておりません。
また、補助金・助成金情報のリストは2ndLaboが調べたものです。そのため、早期終了や募集要項の変更などがある場合がございます。
それぞれの受給条件や審査があり、必ず補助金・助成金を受給できるわけではありません。
そもそも、自動精算機と自動釣銭機の違いがよく分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか?この章では自動精算機やセルフレジなどの用語の違い、メリットやデメリットを整理していきます。
レジについて調べていると、「自動精算機」「自動釣銭機」「セルフレジ」など似た意味の用語が出てきます。セカンドラボでは、次のようにそれぞれの言葉を定義しています。
自動精算機 | 患者様1人で会計業務を完結することができる機械。クリニックではレセコンや電子カルテの情報と連携しているため、製品やレシートのバーコードを読み込む手間も省ける。ゴルフ場やホテル、駐車場でも使われている。 |
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自動釣銭機 | 紙幣や硬貨などを投入すると、自動で釣銭を計算して払い出ししてくれる機械。釣銭機単体で使うことはできず、POSレジと連動させて使う「セミセルフレジ」の運用が一般的。 |
セルフレジ | 自動精算機、自動釣銭機を使って、自動で釣銭・札を計算することができるレジ。自動精算機、セミセルフレジも含む呼び方。 |
自動精算機のメリットとデメリットを整理しましょう。
自動釣銭機のメリットとデメリットを整理しましょう。
主なメリットは以下の通りです。自動精算機で得られるメリットとほとんど同じです。
自動釣銭機のデメリットは以下の通りです。会計業務の完全自動化はできませんが、会計窓口でスタッフが対応してくれることで安心感を感じる患者様もいらっしゃいます。
今回は、感染症対策や職員の負担軽減になる自動精算機と自動釣銭機の導入に活用できる補助金・助成金を5つ解説してきました。
上記の補助金・助成金は自動精算機と自動釣銭機の導入に利用できるものです。
申請したい補助金があれば、専門家のアドバイスを受けながら自前で申請書などを作成できますが、時間がかかる上に記載漏れによる再提出が頻発します。そのため、補助金申請の代行業者などに依頼するのがおすすめです。ぜひ、自院に合った補助金・助成金を見つけ活用し、自動精算機を導入して業務効率化を図ってください。
自動精算機についてはクリニック向け自動精算機おすすめメーカー20選|価格や選び方まで【徹底比較】でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
自動釣銭機については【2024年版】自動釣銭機メーカー10社比較|価格や機能、運用方法を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。