精神科向け電子カルテの比較・選定で以下のようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
本記事では、そういったお悩み・ニーズを持つ方向けに精神科でおすすめの電子カルテの機能や価格、特徴を紹介していきます。
当サイトでは、訪問診療・在宅医療クリニックの電子カルテ選定時に重要な以下の4項目を軸に各製品を選出しています。
選定ポイント | 具体的な内容 |
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①価格 |
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②使いやすさ |
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③精神科に必要な機能が搭載されているか |
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④保守・サポート力 |
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まずは精神科病院向けの電子カルテを紹介します。製品によって特徴が違うので、それぞれ比較した上で、自院が求める機能やサポートなどがあるものを選びましょう。
Warokuホスピタルカルテは、精神科病院向け電子カルテシェアNo.1の「Alpha」を開発したメーカーが作った精神科病院向けクラウド型電子カルテです。現場での課題、また地域での繋がりやデータの利活用など、この先の社会を見据えて開発されています。国が推進する電子カルテの標準規格にも準拠しております。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | クラウド |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 要お問い合わせ |
精神科向け機能・その他特長 | ・地域カルテ構想 ・標準規格 HL7 FHIRに準拠 ・3省2ガイドラインに準拠 ・二要素認証に標準対応したゼロトラストセキュリティを完備 |
blancは『いつでも・どこでも・だれでも』をコンセプトにした一般病院・精神科病院向けの電子カルテシステムです。前身のオンプレミスの電子カルテ「Ecru」「Psyche」の機能はそのままに、より使いやすいレイアウトとなりました。遠隔診療や訪問医療・看護・介護といったシチュエーションにもご利用いただけます。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | クラウド |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 要お問い合わせ |
精神科向け機能・その他特長 | ・東日本、西日本それぞれでデータを保管 ・運用センターSMACが24時間365日体制で安定稼働を支援 ・訪問診療・看護・介護においても使用可能 |
MI・RA・Isシリーズは全国900件以上の施設で導入実績のある電子カルテです。MI・RA・Is Vでは療養病棟や精神病棟を有した病院様向けパッケージも提供しています。療養から精神まで、包括的にサポートします。治療、手術、術後のケア、そしてリハビリまで、病院のあらゆるニーズに幅広く対応します。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス / クラウド |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 要お問い合わせ |
精神科向け機能・その他特長 | ・3省2ガイドラインに準拠 ・スマートフォンを利用して電子カルテを表示したり、メモや記事の追加も可能 ・豊富なデータの集計・分析機能 ・介護オプション |
HAYATE NEO(ハヤテネオ)は「ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2019 ASP・SaaS部門」で、委員会賞を受賞している病院向けクラウド型電子カルテです。クラウド型の電子カルテのため、システムの導入・運用のトータルコスト(TCO)を抑制できます。入院形態登録や行動制限オーダー、等価換算計算といった精神科特有の業務にも対応しています。充実した専用機能で精神科医療をサポートします。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | クラウド |
対象施設 | 病院 |
レセコン | ·自社医事会計システム『HAYATE/ML-A』 ·日医標準レセプトソフト『ORCA』 |
精神科向け機能・その他特長 | <精神科機能> ・総合患者一覧 ・日程チャート ・入院形態登録 ・ケースワーカー登録 ・精神療法等オーダー(外来/入院) ・心理テストオーダー ・行動制限オーダー ・隔離/身体拘束記録 ・等価換算 ・精神科デイケア診察/実施/記録 ・精神科作業療法実施/記録 ・GAF尺度一覧 |
ALICE NEOは、チーム医療を実現するために作られた精神科向け電子カルテです。診察室と各部門をネットワーク化して、迅速な情報伝達ができる仕様になっています。 チーム医療に特化したつくりになっているため、各部門で閉鎖的になりがちな情報の共有性も高いです。インテーク記録や精神科作業療法など精神科特有の記録簿が備えられており、病院全体でのグループ診療を円滑に行なえます。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 要お問い合わせ |
精神科向け機能・その他特長 | <精神科特有の治療形態に対応> ・通院精神療法 ・入院精神療法 ・医療保護入院 ・措置入院 ・32条、33条提出書類 ・隔離、拘束開始、解除 <精神科特有の記録簿装備> ・インテーク記録 ・精神科デイケア ・精神科作業療法 ・集団精神療法記録 ・ケース記録 ・認知症デイケア |
精神科向け電子カルテシステムLiveは、院内のスタッフ全員で利用するのを前提に作られています。必要な情報がひとつの画面に集約されているので、余計な操作が必要ありません。患者の基本情報や食事歴はもちろん、院内で独自に作成した任意情報も一目でわかるようになっています。メディコムの病院用医事コンピューター「Medicom-HSi f」との連携も可能です。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 病院用医事コンピューター「Medicom-HSif」と連動 |
精神科向け機能・その他特長 | ・精神保健福祉資料(630調査帳票)の作成を支援 ・カルテ画面は1ページで分かりやすい |
MOMACEは、精神科病院に必要な機能を網羅した精神科病院向け電子カルテシステムです。精神科に特化した機能が豊富で医師、看護師、薬剤師、PSWなど多職種間の情報を共有しチーム医療を推進します。サポートは24時間365日対応できる体制が整っているため、突然のトラブルにも対応してもらえます。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 要お問い合わせ |
精神科向け機能・その他特長 | <精神科に特化した豊富な機能> ・隔離拘束 ・家族歴情報(ジェノグラム) ・定期一括発行 ・看護計画・看護問題 ・文書作成・管理 |
MEDIC EHR/Pは、精神科において質の高いチーム医療を可能にするWEB型電子カルテシステムです。精神療法や入院形態、隔離・拘束などの対応に加え、相談室など精神科病院に必要な部門機能を装備しています。また、豊富なチェック機能も特長です。精神療法・適応病名・処方・書類作成期限などのチェックを自動化することで、算定や届け出の漏れを軽減できます。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | クラウド |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 要お問い合わせ |
精神科向け機能・その他特長 | <精神科医療に特化した機能> ・精神療法や入院形態、隔離・拘束などの対応 ・相談室業務の支援 ・精神療法の算定をサポート ・デイケア、作業療法などスケジュール、プログラム管理や実施記録も可能 |
「MALL 精神科」ではGAF入力/行動制限指示/長期経過表はもちろんのこと、医療文書作成/管理機能も装備しています。部門システムを内包しているため、すべての機能を1つのシステムで完結することができます。年2回の大型アップデートを約20年間重ねてきたことで、約3,000の設定項目を実装しています。職種・ユーザーごとに設定可能なので、個別ニーズに合った運用が可能です。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス / クラウド |
対象施設 | 病院 |
レセコン | ・Medicom-MC(ウィーメックス株式会社) ・ORCA(日本医師会) ・ML-A(株式会社ナイス) |
精神科向け機能・その他特長 | <精神科向け機能> ・行動制限 ・精神科関連の各種文書類を作成・管理 ・相談内容の記録 ・評価記録 |
HAL9フリー(ハルクフリー)は、クラウド型とオンプレ型があるので用途に合わせて選択できます。システム料金が無料なので、導入にかかる費用は初期導入費用と月額使用料金だけです。導入後のトラブルに関しては電話、メール、チャットのほか遠隔接続サポートにも対応しています。リモート接続によってアクセス中の画面を確認しながら対応してもらえるので、早期の問題解決が期待できるでしょう。オプション機能も豊富で、訪問看護システムを追加すれば専用タブレットでの診察が可能です。なお、macOSには対応していません。導入する際はその点にご注意ください。
製品情報
料金 | システム利用料金:0円 ※標準機能のみでご利用の場合。 月額利用料金:50,000円/月~ ※レセコンは日本医師会ORCAを使用。初期費用、サポート費用等別途かかります。 |
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導入形態 | オンプレミス / クラウド |
対象施設 | 病院 |
レセコン | ORCA(日本医師会) |
精神科向け機能・その他特長 | <精神科向け機能> ・インテーク機能 ・書類管理機能 ・デポ剤管理機能 ・心理検査オーダー ・デイケア機能 等 |
INDIGO NOTEは国のガイドライン(3省2ガイドライン)と、グローバル標準規格(HL7 FHIR)に準拠した精神科病院向けのクラウド型電子カルテ電子カルテです。今後の遠隔診療や地域医療連携を見据えて、拡張性の高いシステム設計となっている点も特長です。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | クラウド |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 要お問い合わせ |
精神科向け機能・その他特長 | ・厚労省等のガイドラインに準拠したクラウドを採用 ・グローバル標準データ規格 HL7 FHIR を採用 ・精神科病院監修・設計 |
ラポルテは、医事会計や調剤などの周辺システムへの接続が可能な、精神科病院・慢性期病院向け電子カルテシステムです。精神科で必要な機能が搭載されており、自院の導入目的に合わせた機能をカスタマイズできます。心理検査や心理療法、生活指示、行動制限、不穏時・不眠時処方、継続指示など精神科に特化したオーダー発行機能を搭載し、オーダーの一括発行機能により業務効率が大幅にアップします。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス |
対象施設 | 病院 |
レセコン | 要お問い合わせ |
精神科向け機能・その他特長 | <精神科病院・慢性期病院のニーズに対応> ・精神科の診療に必要な大量の患者情報を7つの情報ドメインに整理・統合 ・書類作成時間を減らす公的書類作成支援機能 ・通時的な閲覧性を持たせたプロブレムによるSOAP記録形式に対応 ・看護経過録、心理カウンセリング記録、デイケア記録、集団精神療法記録などをサポート ・保護者選任の有無や福祉関係者の連絡先など精神科病院特有の管理項目に対応 ・生活指示、行動制限、デイ・ナイトケア、心理オーダーなどの発行をサポート ・外来、デイ・ナイトケア、訪問看護に対応した受付業務をサポート ・精神科病院特有の算定項目に完全対応 ・生活支援員などの福祉職の業務をサポート ・個別支援計画の作成や評価などの業務をサポート ・ショートステイ利用の業務をサポート |
ML-R Kirariは、電子カルテシステムと医事会計システムを自社開発している、株式会社ナイスが提供している精神科向け電子カルテです。精神科医療の現場で求められる機能性を有しています。また、医療DX令和ビジョン2030で示された「全国医療情報プラットフォーム」「電子カルテ情報の標準化」への対応も積極的に進めています。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス |
対象施設 | 病院 |
レセコン | ・自社医事会計システム『HAYATE/ML-A』 ・日医標準レセプトソフト『ORCA』 |
精神科向け機能・その他特長 | ・情報共有機能(チーム医療推進) ・メンタルヘルスウィザード機能 ・期限管理機能 ・使いやすい画面構成 |
次は精神科・メンタルクリニックにおすすめの電子カルテを紹介します。クリニックの場合、他科でも使用する汎用型の電子カルテを選択することも多いです。
Warokuクリニックカルテは、Alphaと同じ株式会社レスコが提供している精神科に特化したクラウド型電子カルテです。2020年には「ASPIC IoT・AI クラウドアワード2020」の、社会業界特化型部系ASP・SaaS部門で「ベスト社会貢献賞」を受賞した業界からの評価が高い電子カルテです。Alphaで培ったノウハウを詰め込んでおり、読みやすさ・書きやすさ・手軽さが魅力です。クラウド型のため、インターネット環境さえあれば訪問診療の際にも利用できます。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | クラウド |
対象施設 | クリニック |
レセコン | ORCA(日本医師会) |
精神科向け機能・その他特長 | ・入力補助機能 ・ワンクリックオーダー ・心理検査オーダー ・文書管理機能 ・デイケア機能(オプション) ・処方チェック機能(オプション) |
エムスリーデジカルは30万人の医師に寄り添ってきたクラウド型電子カルテです。AI自動学習機能やiPadへの手書きをそのままカルテとして保存できるなど、入力を楽にする機能が搭載されています。また、カルテ情報から文書を作成できるため、手書きによる文書作成の手間を減らすことができます。精神科クリニック様での導入実績もあります。
製品情報
料金 | 初期費用:0円~ 月額費用: ・ORCA連動型プラン11,800円 ・レセコン一体型プラン24,800円 |
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導入形態 | クラウド |
対象施設 | クリニック |
レセコン | ORCA(日本医師会) |
精神科向け機能・その他特長 | 要お問い合わせ |
ウィーメックス株式会社の「Medicom-HRf Hybrid Cloud」は効率化を徹底的に追求した画面設計となっています。医師一人ひとりに合わせた画面設計をご提案します。全国140拠点、網羅性の高いサポート体制により、トラブルが発生した際にも迅速かつ確かなサポートを実現します。精神科クリニック様での導入実績もあります。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス / クラウド |
対象施設 | クリニック |
レセコン | レセコン一体型 |
精神科向け機能・その他特長 | 要お問い合わせ |
「SUPER CLINIC」は医療現場の多様なニーズに対応できるクリニック向け電子カルテです。カルテ2号用紙のレイアウトを踏襲したシンプルなデザインで全体を簡単に把握でき、ほぼクリックだけで入力できる直感的な操作性が評価されています。テンプレートで基本的な所見を入れ込んだり、事前に登録しておいた処方や検査データから一括入力でカルテを作成したりといった入力の負担を軽減する機能が豊富です。精神科クリニック様での導入実績もあります。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | オンプレミス |
対象施設 | クリニック |
レセコン | レセコン一体型 |
精神科向け機能・その他特長 | 要お問い合わせ |
「きりんカルテ」はシンプルで使いやすい画面設計と導入しやすい価格が魅力のクラウド型電子カルテです。カルテ自体の利用は無料で、日レセクラウドの「利用料+保守サポート費用」のみで利用することができます。低コストながら豊富な機能が標準搭載されており、患者さんからの予約がカルテに連動する予約機能や、自由診療カルテにも対応しています。タブレットからの手書きカルテ入力にも対応しているので、紙カルテのように使いたい方にもおすすめです。精神科クリニック様での導入実績もあります。
製品情報
料金 | きりんカルテ利用料:0円 WebORCA利用料 +保守・サポート費用 初期費用:300,000円~ 月額費用:22,800円~ |
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導入形態 | クラウド |
対象施設 | クリニック |
レセコン | ORCA(日本医師会) |
精神科向け機能・その他特長 | 要お問い合わせ |
精神科の電子カルテでは数値化しにくい情報が多く、文章量も多くなりがちです。ここでは文字情報を整理・分析できる「MENTAT」をご紹介します。
MENTATは既存の電子カルテのデータを分析して、治療の過程で起きがちなスタッフ間での患者に対する認識のズレを防げるデータ分析ソリューションです。最先端のテキストマイニング技術によって、電子カルテに蓄積された膨大なテキストをデータ化します。これにより、業務の時間短縮・負担軽減が実現し、必要な情報を瞬時に抽出可能です。過去のあらゆるデータをグラフ化して、患者に必要な治療を導けるつくりになっているのも注目すべきポイントでしょう。
製品情報
料金 | 要お問い合わせ |
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精神科向け電子カルテとは、精神科で必要となる機能を備えた電子カルテを指します。生活歴の記録機能や公的書類の作成支援機能など精神科の特殊なシーンに対応した機能が搭載されています。その他、患者さんとのコミュニケーションが重要な精神科の診療において、電子カルテの入力にばかり気を取られることのないように、文書作成のアシスト機能がある電子カルテが多いです。
精神科が導入する電子カルテは、大きく分けると「精神科特化型の電子カルテ」と「他の診療科でも使える汎用型電子カルテ」の2種類に分類されます。精神科特化型は機能が充実していますが比較的価格が高く、反対に汎用型は機能充実度は劣りますが、その分価格が安くなる傾向があります。
電子カルテの選定を行うにあたり、多種多様な製品があり「そもどう選んだらいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。電子カルテ選びのスタンダードな方法として、まずは電子カルテの種類で選ぶ方法です。精神科向け電子カルテには精神科に特化した「専用型タイプ」と複数の診療科とあわせて使える「汎用型タイプ」の2種類があります。以下でそれぞれのタイプの特徴やメリットについて説明します。
「専用型」は精神科に特化して作られた電子カルテです。精神科で提出することの多い公的書類の作成支援機能やカルテ入力を効率化するためのアシスト機能など豊富な機能が揃っています。また、これまでの治療歴が時系列で表示されるなど精神科の診療にあわせた画面設計が採用されていることが多いです。
「汎用型」はクリニックや、複数診療科がある医療機関におすすめです。導入にかかるコストが抑えられることが多く、規模の小さいクリニックでも導入しやすいのがメリットです。書類作成のためのテンプレート作成など、精神科にあわせてカスタマイズすることでより使いやすくすることができます。
まずは「専用型タイプ」か「汎用型タイプ」、どちらにするのか決めたうえで以下のような、電子カルテ選びの重要チェックポイントを確認し製品を絞り込んでいく方法がおすすめです。
ここでは、精神科向けの電子カルテを選ぶ際に注意すべきポイントを紹介していきます。
施設の規模によって選ぶべき電子カルテは変わってきます。各製品を「クリニック向け」「病院向け」の2つに分類したので参考にしてみてください。
精神科クリニック向け | Warokuクリニックカルテ、エムスリーデジカル、Medicom-HRf Hybrid Cloud、SUPEE SONIC、きりんカルテ |
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精神科病院向け | Warokuホスピタルカルテ、blanc(ブラン)、MI・RA・Is V(ミライズ ファイブ)、ALICE NEO、精神科病院向け電子カルテシステムLive等 |
電子カルテの導入形態は「クラウド型」と「オンプレミス型」に分けられます。
クラウド型の電子カルテはインターネット上のサーバーにデータを保存します。院内にサーバーを設置する必要がなく、導入費用を抑えられる傾向にあります。更新やメンテナンスは自動で行われるため、医療機関側での作業が発生しないのも魅力です。オンプレミス型と比べるとカスタマイズ性が低い点がデメリットです。
一方、オンプレミス型の電子カルテは院内にサーバーを設置します。院内のネットワークで完結するためセキュリティ性やカスタマイズ性が高いですが、かかる費用も大きくなる傾向にあります。
本記事で紹介している電子カルテをクラウド型とオンプレミス型に分類しました。ぜひ参考にしてください。
クラウド型 | Warokuクリニックカルテ、blanc(ブラン)、INDIGO NOTE、HAYATE/NEO(ハヤテネオ)、エムスリーデジカル、きりんカルテ、 |
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オンプレミス型 | Warokuホスピタルカルテ、ALICE NEO、精神科病院向け電子カルテシステムLive、MOMACE(モムエース)、MEDIC EHR/P、ラポルテ、ML-R Kirari |
どちらでも選択可能 | MI・RA・Is V(ミライズ ファイブ)、精神科病院向け電子カルテ「MALL精神科」、HAL9フリー(ハルクフリー) |
他の診療科であれば記載する必要がなくても、精神科で重視される項目として、
などがあります。患者様それぞれのストーリーと向き合うことが求められる精神科においては、以上の内容は無視できません。こうした記載に対応できる電子カルテかどうかが、精神科向け電子カルテを選定する際のポイントになります。精神科向け電子カルテトップシェアのAlpha(株式会社レスコ)も、患者ごとの生活歴を見やすく閲覧できる点を強調しています。
精神科病院やメンタルクリニックでは公的書類も多く発生するため、そうした書類作成が楽になる機能もあります。精神保健福祉資料(630調査帳票)などの対応が必要です。精神科病院向け電子カルテシステムLive(ウィーメックス株式会社)では、診療行為に応じて、作成が必要な書類を自動でリストアップしてくれる機能があります。
精神科向けの電子カルテは、自院に必要な機能を考えた上で判断しましょう。患者の家族構成や治療歴を、一目で理解できれば診療がスムーズになります。また、精神科特有の資料作成や管理を洩れなく行えるかどうかは、重要なポイントです。精神科向けの電子カルテには、さまざまな種類があります。「自院に必要な機能は何か?」をひとつずつピックアップしていくと、最適な電子カルテが見つかるはずです。
いくら機能性に優れていても、使いづらければ業務に支障がでてしまう可能性があります。電子カルテは、医師だけが扱うわけではありません。診療に関わるすべてのスタッフが扱います。そのため、操作性の高さはしっかりと見極めなければなりません。まずは、気になる電子カルテのカタログを請求してみるのが、第一歩です。無料でデモンストレーションを行える電子カルテもあるので、実際に使用してから判断をすれば導入後のリスクを減らせます。
電子カルテは自院で利用している既存のシステムと連携すれば、より便利になります。受付や会計作業の時間短縮も期待できるので、活かさない手はありません。
しかし、ホームページを見ても自院で利用しているシステムと連携できるかわからないケースもあります。その場合は導入後のトラブルを避けるためにも、システム連携の有無をしっかりと問い合わせて詳細を確認しておきましょう。
電子カルテを導入するうえで、サポート体制の充実度も欠かせないポイントです。導入前はもちろん、導入後に問題が発生した際、迅速なサポートを受けられるかどうかを聞いておくと安心して利用できます。
など、気になることは導入前に確認しておきましょう。
ここからは精神科が電子カルテを導入するメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。
精神科で電子カルテを導入するメリットとしては以下が挙げられます。
電子カルテを導入することで、患者さんに関する様々なデータが蓄積されます。今後の病院・クリニック経営において、データの活用がますます重要になってくる中、データの蓄積ができることは電子カルテ導入のメリットと言えます。蓄積したデータは630統計など各種統計データに活用していくことができます。
電子カルテを導入することで、診療記録などの患者情報を院内でスムーズに共有することができます。人出不足がますます深刻化する医療業界において業務効率化は必須タスクです。電子カルテを導入することで時間の捻出が期待できることも大きなメリットのひとつと言えます。
長年診療を続けていると紙カルテはどんどん増えていき、その分管理も大変になってしまいます。電子カルテを導入することで膨大な量の紙カルテを保管するスペースが不要になり、院内スペースを有効に活用できるようになります。
メリットとあわせて、電子カルテのデメリットについても事前に把握しておきましょう。
精神科では特に患者とのコミュニケーションが重視されるため、電子カルテに入力しながらの診察は「ちゃんと目を見て話を聞いてくれていない」と患者に思わせてしまう可能性があります。簡単に入力ができるアシスト機能や音声入力に対応している製品もあるので検討してみましょう。
電子カルテを導入するには当然費用がかかってしまいます。初期費用や月額費用に加え、電子カルテを使用するためのパソコン等の機器も用意する必要があります。導入の際には必要な機能をリストアップしておき、必要以上の機能やシステムを追加しないよう注意しましょう。
厚生労働省が発表している「電子カルテシステム等の普及状況の推移」によると、電子カルテの普及率は令和2年の段階で400床以上の病院では90%以上です。しかし、精神科においてはあまり普及がすすんでいない状況です。精神疾患を患っている患者様に向き合う精神科では、パソコンでカルテを記入しながらでは、患者様としっかり向き合うことができないと考え、紙カルテの運用を続けている医療機関が多いことが理由にあげられます。
しかし、長引く不況や労働環境の悪化により精神疾患を抱える患者数は増加しています。厚生労働省によると、精神疾患を発症した総患者数は約419万人(2017年)でした。日本人の30人に1人が精神疾患になっている計算です。2011年から3年ごとに行われている調査では、320万人、390万人と大幅に増加していることがわかり、今後も精神科を受診する患者数は増えていくと考えられます。
出典:厚労省 精神保健医療福祉政策の動向と精神障害にも対応した地域包括ケアシステム
患者さんが増えていくにあたって業務の効率化が必要になりますが、精神科において丁寧に患者さんの話を聞き診察を行うことは非常に重要です。精神科向けの電子カルテには入力をアシストする機能や音声入力などが搭載されており、丁寧なカウンセリングと入力作業を両立できます。また、精神科では提出すべき関係書類が多いため、電子カルテの文書テンプレート機能を利用することで文書作成の時間を短縮することができます。このような精神科の診療にあわせた機能を活用することで、患者さんにしっかりと向き合いながら業務を効率化できるでしょう。
電子カルテはより多忙になっていく精神科での業務をあらゆる面からサポートしてくれるため、今後ますます重要な存在になっていくと考えられます。
精神科においては電子カルテ導入のデメリットを無くし、メリットを最大化させるためには書き方が重要になってきます。
精神科が電子カルテを書くときにおさえておきたいポイントは以下の3点です。
それぞれ解説していきます。
精神科の電子カルテの書き方のポイント一つ目は、診療でヒアリングした情報や自身の判断など、電子カルテに記載すべき項目を抜け漏れなく記載することです。電子カルテに記載すべき項目は以下の通りです。
精神科のカルテは、他の診療科に比べて特殊であり、特に「住所」「家族構成」「病前性格」「嗜好」や「外観」「病識」「希死観念」といった情報も網羅的に電子カルテに入力しましょう。
精神科の電子カルテの書き方のポイント二つ目は、SOAPに従って記載することです。SOAPとは、「Subject(主観的情報)」、「Object(客観的情報)」、「Assessment(評価)」、「Plan(計画)」を意味しており、診療記録方法として幅広く活用されています。各項目に沿って入力するようにしましょう。なぜSOAPに沿うとよいのか、理由は後から見る人がわかりやすくなることにあります。
ある程度SOAPという形式に電子カルテの書き方を統一することで、他社が見ても考察の流れがわかりやすくなります。特に若手医師はSOAPで書くことを意識して、習慣化していきましょう。
精神科の電子カルテの書き方のポイント三つ目は、電子カルテの入力に集中しすぎないことです。電子カルテの入力を頑張りすぎて、患者さんに目線や体を向けず聞いてしまっては本末転倒です。コミュニケーションでは当たり前に重要な目を見て聞く、相槌をする、最後まで話を聞くといったことを心がけましょう。
電子カルテの入力に慣れないとついつい画面に集中してしまいがちです。定型文の登録や音声入力機能などがあり、操作性が高い電子カルテを選ぶことでも解決可能なので当記事の製品紹介を参考にしてみてください。
精神科では患者とのコミュニケーションが重要視されているため、電子カルテの普及が思うように進んでいません。しかし、現在各メーカーが提供している精神科向け電子カルテは、その問題点を可能な限り解決できるよう設計されています。業務の効率が上がるだけではなく、より多くの患者とコミュニケーションがとれるように工夫されているのです。精神科向け電子カルテを提供している各メーカーは、今も精神科病院の問題点を解決すべく新たな機能の開発に取り組んでいます。今回紹介した製品を参考に、一度自院への導入を検討してみてはいかがでしょうか?きっと自院に適した精神科向け電子カルテが見つかるはずです。
電子カルテについては【2024最新】電子カルテ徹底比較|選び方やおすすめメーカーまででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。