レセプト業務は医療機関の経営の根幹をなす重要な業務です。
専門的な知識も必要とされ、医療事務の業務において大きなウェイトを占めています。
医療行為に見当たった、正当な対価を受け取るためにもレセプトの正確性が求められます。
しかし、レセプト業務でこんなことにお困りの医療機関も多いのではないでしょうか?
本記事では、そういったお悩みを持つ方向けにおすすめレセプトチェックソフトの機能や特徴を紹介していきます。また、レセプトチェックソフトの選び方についてもわかりやすく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
それでは、さっそくおすすめレセプトチェックソフトメーカー7社を紹介します。
レセプトチェックソフトメーカーでトップシェアを誇るマイティチェッカーシリーズの最新モデルが「Mighty Checker EX」です。当月のレセプトと過去のレセプトを一画面に並べて参照することができる「マルチレセプトチェック機能」があり、当月のレセプトと数か月前のレセプト記録と突き合わせる「縦覧点検(じゅうらんてんけん)」ができる優れものです。
これまで導入を進めてきたMighty Checker PROの返戻分析機能も利用可能。チェックソフトが査定の可能性があると認識したレセプトのうち、高単価なレセプトを優先して確認する運用ができます。
診療報酬の取りこぼしを防ぎ、収益アップにつなげたいクリニックには最適の製品となっています。各社のレセコンでも、ORCAレセコンにも対応している点も安心です。
Mighty Checker EXの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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病名チェック | ○ |
縦覧点検 | ○ |
算定漏れ確認 | ○ |
独自ルール設定 | ○ |
デモ期間 | あり |
本社住所 | 東京都文京区小石川2丁目23番11号 常光ビル |
Mighty Checkerについてはレセプトチェックソフト『マイティーチェッカー』とは?メリットや特徴まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
医薬品・検査の適応病名の有無を「文字列」でチェックするのが特徴です。判定の幅が広がり、医師の薬理学的判断に基づいてつけられた病名に対しても柔軟に対応・判定が可能。ワープロ病名もそのまま判定してくれます。
病名の入力漏れで不合格判定されたレセプトは、自動点検した情報をもとにAIが候補の病名を表示してくれます。医療機関の方では、候補にあがった中から実際に漏れていた病名を選ぶだけです。
レセプトチェッカーLSの比較ポイント
製品情報
価格 |
|
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病名チェック | ○ |
縦覧点検 | ○ |
算定漏れ確認 | ○ |
独自ルール設定 | ○ |
デモ期間 | あり |
本社住所 | 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号 |
総合病院からクリニック・歯科など、医療機関の規模や特徴に合わせて4タイプのソフトから選べます。操作画面が分かりやすく設計されており、誰でも簡単にレセプトチェックが可能です。
確認作業を効率化するための査定返戻管理機能が、どのソフトにも標準搭載されています。過去の返戻・査定項目がマスタ化され、再発防止ができるのです。その他にも高精度なチェック機能を備えており、適応病名チェック、回数チェック、包括・背反チェックや禁忌チェックなど複数の項目からチェックしてくれます。
チェックまでの工程も簡単です。上記3ステップに従って操作すれば、誰でも点検することができます。点検結果の出力方式も複数種類の中から選ぶことができます。
DPC病院・DPC準備病院を対象とした「レセプト博士PREMIUM」、慢性期病院や有床診療所を対象とした「レセプト博士NEO STANDARD」、無床診療所向けの「レセプト博士NEO ForClinic」、そして歯科をもつ病院向けの「レセプト博士NEO Dental」のラインナップがあります。
レセプト博士の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
---|---|
病名チェック | ○ |
縦覧点検 | ○ |
算定漏れ確認 | ○ |
独自ルール設定 | ○ |
デモ期間 | あり |
本社住所 | 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル |
べてらん君の特徴はなんといってもスピード力。12ヶ月分の履歴データを含み、レセプト1万件が8分で処理できるのです。退勤後もあらかじめ設定した分類・項目に基づいて、複数のチェックや出力を自動で行ってくれます。
レセプトデータを1日単位でチェックできる機能も搭載しています。チェック結果も分かりやすいように工夫されており、エラーを一覧にして表示。チェック業務に伴う拘束時間が大幅に削減できます。
出力画面のレイアウトの見やすさもポイントです。この画像のように、実際の紙レセプトと同じ形式で見られるので、ベテランのスタッフも抵抗感なくソフトを使うことができるでしょう。
えにわ病院(北海道)や近畿大学医学部付属病院(大阪府)など、各地の病院で導入されています。入院レセプト2,300件、外来レセプト36,000件のレセプト点検をしていた近大付属病院では、月120万円程度の病名漏れによる査定が減少したそうです。
べてらん君コラボPlusの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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病名チェック | ○ |
縦覧点検 | ○ |
算定漏れ確認 | ○ |
独自ルール設定 | ○ |
デモ期間 | あり |
本社住所 | 東京都港区赤坂9丁目7-3 |
レセチェッくんProは、診療所向けに開発されたソフトです。誰もが直感的に使えるよう、操作性にこだわっています。パソコンに不慣れな方でも、スピーディなチェックが可能となるでしょう。
都道府県ごとのルールや、過去の返戻情報をデータベースとしています。さらに、実際のチェック結果を見ながら医療機関独自のルールを簡単に作成可能。使用するごとにオリジナルのチェックソフトができあがります。
レセチェッくんProの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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病名チェック | ○ |
縦覧点検 | ○ |
算定漏れ確認 | ○ |
独自ルール設定 | ○ |
デモ期間 | あり |
本社住所 | 大阪府大阪市中央区徳井町1-4-7 |
メディコムの電カル・レセコンに搭載されている機能です。入力中や入力済みのレセプトデータが正しいか自動的にチェックして、ミスや訂正候補を表示。ベテランの事務員さんと同じレベルのレセプト点検作業が、ワンタッチで完了できます。
病名開始日が初診日の後になっていないかなど、診療日に関するチェックも自動的に行います。同じ薬でも年齢や病気により、投与する量・必要な期間は違うもの。点検アシストでは、処方した薬についてもチェックをしてくれるのです。
点検アシスト機能の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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病名チェック | ○ |
縦覧点検 | 要お問い合わせ |
算定漏れ確認 | 要お問い合わせ |
独自ルール設定 | 要お問い合わせ |
デモ期間 | あり |
本社住所 | 東京都港区⻄新橋2丁⽬38番5号 |
RE:View(レビュー)はどのレセコンメーカーでも利用できるレセプトチェックソフトです。使いやすさにこだわって設計されており、矢印キーとエンターキーのみで簡単かつ直感的な操作が可能です。特に重点的にチェックしたい病名や診療内容は抽出条件で設定すると優先的にチェックできます。また、差分チェックにも対応しています。例えば月に3回チェック業務があるクリニックの場合、2回目以降のチェックでは追加の医療行為が発生しないかぎり、チェック済みのレセプトをスキップすることが可能です。
RE:View(レビュー)の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
---|---|
病名チェック | ○ |
縦覧点検 | 要お問い合わせ |
算定漏れ確認 | 要お問い合わせ |
独自ルール設定 | 要お問い合わせ |
デモ期間 | あり |
本社住所 | 山形県酒田市錦町5丁目4-5 |
医療機関で毎月行う業務に「レセプト点検」があります。医療機関の収入に直結する業務ですが、正しく記載できていないとレセプトが返戻されてしまいます。自院で発行するレセプトの内容に誤りや漏れがないかを発見できて、返戻の数を最小限にしてくれるツールが「レセプトチェックソフト」です。
レセプト点検は一部の職員にまかせっきりで、職員間で知識の共有ができていないケースも多いのではないでしょうか?かつての医療機関では、知識と経験の豊富なベテラン職員が目視でレセプトを点検し、医療機関の収益を守っていましたが、現在はそうした人材を抱えておくことは困難です。
レセプトチェックソフトを使えば、レセプトに詳しい職員が退職・休職している場合でも、一定以上のクオリティでのレセプト点検が可能になります。内科、耳鼻科、小児科や精神科はもちろん、眼科でレセプトチェックソフトを使っているクリニックもあります。
人手不足が進む中、医療機関の業務効率化と経営改善を実現できるツールといえるでしょう。
では、レセプトチェックを導入して具体的にどのようなことが出来るのかご紹介します。
レセプトに病名の記載がない時には、エラー表示にして知らせてくれます。また、長年通院しており多数の病名がつけられている場合、抽出して一覧に表示してくれるのです。類似の病名がつけられている場合や、長年にわたる疑わしい病気等も同様に抽出してくれます。
薬剤の投与量や投与期間に関する間違い、医薬品に対する禁忌病名などもチェックが可能です。
併算定が出来ない算定項目や、重複で算定してしまっている項目に対してもエラーを表示してくれます。
診療行為に対してコメントが必要なものに対してコメントが漏れている場合、返戻の対象となってしまいます。レセプトチェックソフトを用いることで、コメント漏れに気づくことが出来ます。
医療機関の経営において、保険診療の報酬点数を漏れなく請求することはとても大切です。本来は高額点数となる処置を行ったにもかかわらず、医療事務の知識不足などにより病名の記載が漏れて点数が算定されない場合があります。レセプトチェックソフトでは、漏れをチェックして算定候補を表示してくれるのもメリットと言えるでしょう。
当月分と直近数か月のレセプトを照合して、診療行為の回数が適切であるかチェックします。診療が過去から現在までの経緯において、つじつまが合っているかも同時に確認してくれるのです。
来院する頻度が長い患者さんなどはカルテの記載をしっかりしておかないと、思わぬミスが生じます。ソフトを利用することで事前にミスを防げますし、審査委員会からの返戻も激減するでしょう。
レセプトチェックソフトでレセプトの間違いに気付くことが出来ても、レセプト業務に不慣れな方ではどうレセプトの修正をすればよいのか迷ってしまう事でしょう。
そんな時に点検ポイントの解説機能の付いたレセプトチェックソフトがあると便利です。どうすれば、保険請求をすることが出来るのかを教科書的に調べることができ、知識の習得にも繋がります。
レセプト枚数の多い医療機関では、大なり小なりレセプトの間違いも出てくることでしょう。レセプトに間違いが多く発生している場合は、月末・月初の限られた時間の中でやみくもに修正していくのでは非効率です。
点検結果の分析機能が充実したレセプトチェックソフトを用いれば、優先順位をつけてレセプトの修正作業にあたることができます。
査定・返戻が発生した場合も、査定・返戻分析機能のついたレセプトチェックソフトを用いれば、「増減点連絡書」、「返戻内訳書」の内容の集計や分析が簡単に行えます。
レセプトチェックソフトを導入するメリットとしては、以下の3点があげられます。
請求時期が迫った月末になると、残業が増えるクリニックはとても多いです。SNS上では、その効率の悪さに愚痴をこぼす医療従事者もいるほど。レセプトチェックは、それだけ時間がかかる作業と言えます。
レセプトチェックソフトは確認作業をシステム化することにより、効率的に短時間で完了することが可能です。完璧とはいかないので最終確認は必要になりますが、かなりの時間短縮につながるでしょう。
時間をかけてレセプトをチェックしたのに、整合性がなく返戻で差し戻されてしまったという経験はないでしょうか?返戻率が高くなると、レセプトチェックにかけていた時間がほぼ無駄になってしまいます。
また、同じ作業を繰り返さなくてはならないとなると、憤りを感じることでしょう。レセプトチェックソフトを利用すれば記入漏れやミスも確認してくれるので、レセプトを正確に作成することができます。レセプトの正確性が向上することにより、返戻率が劇的に低下するでしょう。
レセプトチェックソフトを使うことによって、院内スタッフの誰がレセプトチェックをしても同等の点検をすることができます。従来の目視点検では、どうしても経験のあるスタッフの業務負荷が高くなってしまいますが、チェックソフトを使えばその負担を平準化することができ、働き方改革にもつながります。
スタッフの退職やライフイベントに伴う求職などで人手の確保が難しくなるケースも多いと思いますが、レセプトチェックソフトを使う体制を院内で整えておくことは、そうした場合のリスクヘッジにもなります。
レセプトチェックソフトの利用イメージ、流れは下記の通りです。ポイントとして、レセプトチェックソフトから出力される警告帳票を見てミスの傾向を学習することで、より効率を高めることができます。
<導入初月>
2ヶ月目以降
レセプトチェックソフトを選ぶ際には4つのポイントがあります。以下について、それぞれ詳しく説明していきます。
レセプトは、医療機関によってチェックする項目が異なります。例えば、中大規模病院ではDPCレセプトチェック機能が必須ですが、クリニックでは不要な機能となります。レセプトチェックソフトを選ぶ際には「ご自身の医療機関に必要な分野を点検してくれるソフトはどれか」という観点で探していくと良いでしょう。
ちなみに株式会社NTTデータアイの『レセプト博士』では、病院規模ごとに必要な機能を細分化しているのが特徴です。
レセプトチェックソフトは機能でもご説明した通り、スピーディー・効率的に作業を進めることが可能です。その反面、システムに頼りきりになってしまい、医療事務の能力が育たないという新たな悩みが生じてしまうことも。
ソフトの中にはレセプト点検はもちろん、請求した後の査定・返戻の状況も確認できる優れたものがあります。株式会社エーアイエス『Mighty Checker EX』は「レセプト点検・分析ソフト」が搭載されているのが特徴です。
請求後の状況が確認できるソフトを利用すれば、レセプトごとに振り返りを行うことができ、医療事務のスキル向上に役立ちます。
レセプトチェックソフトを導入するにあたり、最も大切なのがサポート体制でしょう。特に、導入してしばらくは操作方法に戸惑う事が多いです。問い合わせた際のレスポンスの早さや丁寧さにより、今後の作業効率に強く影響します。
そのため、試験運用期間や運用開始後に、設定をサポートしてくれる体制が整っているかどうかをチェックしましょう。また、システムと医療事務の両方を理解した担当者かどうかも大事なポイントです。
医療現場では、どのくらいレセプトチェックソフトが導入されているのでしょうか。
レセプトチェックソフトを扱っている主要メーカーである株式会社エーアイエス、株式会社NTTデータアイ、ウィーメックスヘルスケアシステムズ株式会社の3社のうち、エーアイエスがトップシェアを占めます。
2020年3月末時点の数字で、病院(20床以上)の約38.8%(3,212施設)、クリニック(19床以下)の約13.3%(13,602施設)、合計約16,800施設が導入するトップシェア製品であることを公表しています。
政府は電子レセプトの普及を進めており、医療機関が提出するレセプトのほとんどが電子レセプトとなっています。コンピュータ経由での提出が広まったので、次は、点検もコンピュータで完結させようという動きがあります。
出典:審査事務集約化計画工程表について(社会保険診療報酬支払基金)
医療機関がレセプトを提出する「審査支払機関」では、全国の医療機関からあがってくるレセプトの9割をコンピュータチェックで完結させる方針を示しています。これまでは支払機関の職員が目視で点検していましたが、この人員の定員を800人程度削減する代わりに、コンピュータで点検させるというわけです。
レセプトは各地域で審査基準にばらつきがあるとも言われていますが、2024年度までには全国統一のルールでチェックが可能になると想定しています。
職員が目視で点検していたり、レセプト点検代行業者に依頼している医療機関も多いでしょう。ただ、人が目視で確認する場合と、過去のレセプトデータを蓄積したコンピュータが点検する場合を比較すると、コンピュータが点検したレセプトの精度の方が高くなることは明らかです。
つまり、審査支払機関のコンピュータの精度に、クリニックの点検の精度を近づけていくことが必須となります。今後はクリニックでも電子カルテのレセプトチェック機能を使ったり、レセプトチェックソフトを導入するなどして、コンピュータによるレセプト点検の体制を整える必要があります。
レセプトチェックソフト導入を検討するにあたり、事務職員がどんな流れでレセプト点検を行っているかを理解しておくことも大切です。業務フローを説明したあとで、チェックソフト導入でどこが変わるのかを説明していきます。
レセプト業務は、大まかに以下の流れで進めていきます。
通常の外来患者の場合、日々の診療を終えて生産する度にレセプトを入力します。 診療内容ごとに割り振られた英数字コードを入力すれば、自動的に診療報酬の点数を計算してくれます。
入院患者のレセプトは精算時にレセコンに入力することになります。入院患者の場合は毎日入力するのではなく、月に何度か入力するのが一般的です。レセコン一体型の電子カルテの場合は、カルテに入力した診療情報が自動的にレセコンにも反映されます。
日々入力していたレセプト情報の積み重ねで、1か月分の診療報酬額がまとめられた電子レセプトが作成されます。それを出力するだけなので、作成業務自体はほとんど時間がかかりません。
レセプト業務で最重要なフローで、毎月1日~10日頃に行います。患者情報に誤りはないか、病名と診療行為、処方薬の整合性はとれているか、といった内容を確認していきます。医療事務がレセプト点検を担当した場合、内容をドクターが確認する必要があります。
従来は、出力したすべてのカルテを紙で印刷し、職員が目視で点検する運用が一般的でした。今も続けている医療機関は少なくありません。入力内容に誤りのないカルテを含め全てのカルテを目視で点検しているクリニックは多く、この「レセプト期間」に残業が発生する医療機関は多いです。
院内で点検したレセプトを審査支払機関に提出します。現在は、レセプトを電子媒体に保存してオンラインで提出する運用が普及しています。支払機関に提出した内容に不備があると、審査機関は医療機関に対し、請求額よりも少なく修正(減額、減点)した額で支払うケースがあります。これを査定と呼んでいます。
査定であれば一定の収入が入りますが、審査支払機関が医療行為を判断できず、レセプトを医療機関に差し戻す「返戻」もあります。一度提出したレセプトがもう一度自院に戻ってくるので、医院としては返戻でもどってきたレセプト分の診療報酬を獲得できないことになってしまいます。
レセプト請求の基礎についてはレセプト請求とは?請求の流れや請求時の注意点まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
スタッフが目視で点検する運用の場合は、1人の職員が点検しただけで提出せず、事前にダブルチェックをする体制を整備するなどの対応が必要です。 とはいっても、レセプトの知見のあるスタッフを何人も抱えている医療機関は多くないでしょう。その場合は、レセプトチェックソフトを導入するという選択肢もあります。
レセプト点検のコツについてはレセプト点検のコツを解説!返戻を防ぐためのポイントを紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
レセプトの査定についてはレセプトの査定とは?返戻との違いや査定を減らす方法を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
レセプトチェックソフトに似たサービスに「レセプト代行」があります。レセプトチェックソフトがソフトを使って自動で点検を行うのに対して、レセプト代行は外部のスタッフが人の目で確認するサービスです。事務スタッフの負担を減らすためにレセプト代行を検討する先生も多いですが、代行業者もすべての希望にこたえられるわけではありません。
レセプトチェックソフト | レセプト代行 | |
導入の容易さ | 契約すればすぐに利用可能 | 代行業者も医療事務の人材不足 |
職員の育成 | 院内にレセプト業務を行える職員が育つ | 業者任せでは職員が育たない |
レセプトチェックの正確性 | システムによるミスの検出 | 外部のプロに任せられる |
費用対効果 | ミスが減り増収につながる | |
業務時間の短縮 | レセプト業務を行うのは自分達 | レセプト業務をまるっと任せられる |
総合評価 | ☆☆☆ | ☆☆ |
レセプトチェックソフトはシステムの操作に慣れる必要はありますが、導入しようと思えばすぐに導入することが出来ます。お使いの電子カルテ・レセコンによる縛りもほとんどなく導入はしやすいと言えるでしょう。
一方でレセプト代行サービスは実際に人が動くことになりますので、利用したい時にすぐに利用できる訳ではありません。医療事務の人材不足にお困りの医療機関様は多いかと思いますが、レセプト代行の業界においても同様のことが言えます。新規申込みを断っているレセプト代行業者もあり、利用したく利用できないケースも聞きます。
これまでレセプトチェックを担当してくれていた職員が、急に退職してしまったような場合に、「スポットでレセプト代行を利用したい」という相談をよくいただきます。実情としてスポットでの利用は難しいです。
レセプト代行業者も長く契約を結んでもらえるクリニックとお付き合いしたいと考えることが多く、単発での利用は難しいケースが多いです。
ここ数年で新しくリモートでのレセプト代行サービスも登場しています。遠隔で医療機関のPCに入り、レセプト作成やレセプトチェックを代行してくれるサービスです。
離れた地でレセプト代行業者がレセプト業務を行ってくれる新しい形となりますが、ここで障壁となるのが電子カルテ・レセコンです。基本的にクラウド型の電子カルテを利用していることが前提となり、メーカーによっては利用できないケースも多いです。
興味がある方はこちらの記事でリモート医事サービスを紹介しているので参考にしてみてください。
レセプトチェックソフトは職員の育成という観点でもおすすめです。レセプトチェックの結果、エラーがある場合は保険ルールについて分かりやすく解説してくれる機能のついたソフトもあります。レセプトチェック業務の経験が浅い人も学びながら業務を行うことができ、院内でレセプトチェック業務が出来る職員が育っていく点がレセプトチェックソフトの良い所です。
一方でレセプト代行サービスはプロにレセプト業務を任せることが出来る点では安心ですが、業者に依存しすぎないように注意が必要です。いつまでも職場でレセプトチェック業務が出来る職員が育たず、問題の本質的な解決にはなりません。レセプト代行業者の中には、職員の教育まで協力してくれるところもあるので、事前に確認しておくといいでしょう。
レセプトの正確性については、どちらのサービスを利用しても問題ないでしょう。プロの目で見てもらった方が安心に感じる方もいるかもしれませんが、レセプトチェックソフトでも問題なくミスの検出が出来ます。
レセプトチェックソフトを利用することで、レセプトの記載内容に対する正誤判定をしてくれますが、「算定漏れ」を警告してくれるかどうかは各社の性能によります。70点のカルテからは70点のレセプトしか作成できません。どんなにレセプトチェックの精度が高くても、本来算定出出来るはずの項目が漏れている可能性があるので注意が必要です。
マイティチェッカーEXでは、算定漏れの可能性もある項目についても指摘してくれる機能が備わっています。レセプトチェックソフト『マイティーチェッカー』とは?メリットや特徴まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
レセプトチェックが原因で残業時間が発生している場合や、レセプト返戻の件数が多い場合、算定が漏れが発生している場合には、レセプトチェックソフトを導入することのメリットは大きいです。十分に投資以上の効果が得られます。その上、職員の教育にもつながるため費用対効果は高いと言えるでしょう。
業務時間の短縮という点では、レセプト業務の全て(もしくは一部)を業者に任せることのできるレセプト代行の方が効果は大きいです。
レセプトチェックソフトは、システムがレセプトチェックをサポートしてくれますが、あくまで業務を行う主体は職員です。
レセプトチェックソフトに関してよくある質問をQ&A形式で解説します。あなたが気になる質問をチェックしてみてください。
株式会社エーアイエスの「Mightyシリーズ」がトップシェア製品です(2022年3月末時点)。豊富な機能が評価されており、20床以上の病院の約42%・19床以下のクリニックの約14%に導入されています。
中には無料で使えるフリーソフトのレセプトチェックソフトもあります。しかし、機能や使いやすさ、サポート面などを考えると信頼できる会社が提供しているレセプトチェックソフトを使用するのがおすすめです。自院に必要な機能を絞って導入することでコストを抑えることができます。
電子カルテのレセプトチェック機能を使って問題なくレセプト業務を行なえている医療機関であれば、無理にレセプトチェックソフトを導入する必要はありません。
レセプトチェックの精度や、算定漏れがないか不安に感じている方は、一度メーカーから話を聞いてみることをおすすめします。電子カルテのレセプトチェック機能よりも、この記事でご紹介したようなレセプトチェックソフトの方が使いやすさや分析機能に優れています。
レセプトチェックソフトは施設の規模や病床数によって価格が変わってくるため、具体的な金額を公開している製品は少ないです。オンプレミス型で運用する場合は40万円~と初期費用がかかります。クラウド型で運用する場合は、月額数千円~1万円以下で利用できるシステムが多いです。
オンプレミス型には、過去のレセプトデータと突き合わせて算定誤りを発見する「縦覧点検」や、売上分析を詳細に行える機能などが含まれています。クラウド型の場合、そうした分析機能はありませんが、病名と処方薬の対応を自動で点検してくれます。
これからのレセプト点検は、一部の職員の知見に任せるのではなく、電子カルテやレセプトチェックソフトを活用することが大切になってきます。医療事務のスタッフが定着しないことにお悩みの医院は多いと思いますが、院内でレセプトチェックソフトを使う体制が整っていれば、急な退職者が出た場合でも慌てることなく精度の高いレセプト点検が可能になります。
自院にあったレセプトチェックソフトを決めるために、各社に気軽に話を聞いてみると良いでしょう。価格相場などが気になる方は、ぜひコンシェルジェへご相談ください。