在宅医療向け電子カルテの比較・選定で以下のようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
本記事では、そういったお悩み・ニーズを持つ方向けに訪問診療・在宅医療でおすすめの電子カルテの機能や価格、特徴を紹介していきます。
当サイトでは、訪問診療・在宅医療クリニックの電子カルテ選定時に重要な以下の4項目を軸に各製品を選出しています。
選定ポイント | 具体的な内容 |
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①価格 |
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②使いやすさ |
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③訪問診療に必要な機能が搭載されているか |
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④保守・サポート力 |
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製品名 | エムスリーデジカル | セコムOWEL | 在宅医療用クラウド型電子カルテ homis |
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初期費用 | 0円 | 500,000円~ | 約300,000円(ORCA導入費用込み) |
月額費用 | 9,800円~ | 35,000円~ | 算定患者数の従量課金制 |
導入形態 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 |
導入実績 | クラウド電子カルテ5年連続シェアNo.1 | 要お問い合わせ | 中・大規模の在宅医療クリニックを中心に150以上のクリニック |
タブレット対応 | ○ | ○ | ○ |
ここからは、訪問診療・在宅医療におすすめの電子カルテ8選を比較紹介していきます。各製品の特徴を見比べながら、自院に適したものを探してみてください。
エムスリーデジカルは、導入件数5,000件を超えるクラウド電子カルテです。m3.comでの調査(2024年1月)によると、7年連続クラウド電子カルテシェアNo.1、4年連続新規電子カルテシェアNo.1となっており利用施設が拡大しています。
最新AIによる自動学習とシンプルな画面設計でカルテ記入時間を大幅に削減出来ます。また、iPhone/iPadでいつでもどこでも、過去の処置行為や患者さんの情報を確認可能です。
エムスリーデジカルの比較ポイント
製品情報
価格 | レセコン一体型プラン:初期費用0円(基本料金)月額24,800円 ※端末費用、電子カルテ/レセコンの初期利用設定等は別途料金が発生します。 サポート内容により料金が異なります。詳しくはお問合せください。 |
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導入形態 | クラウド型 |
導入実績 | 5,000件以上 |
タブレット対応 | ○ |
訪問スケジュール作成 | 要お問い合わせ |
医療文書作成 | 要お問い合わせ |
請求書作成 | 要お問い合わせ |
セコムOWELは、在宅クリニックと無床診療所に特化した電子カルテシステムです。訪問診療向けの機能が充実しており、往診スケジュールが簡単に作成できたり介護費用も含めた請求書を発行することが可能です。シンプルな画面構成になっており、簡単な操作であることを重視しています。
病院、薬局への診療情報提供書や処方箋のFAXをPC上からボタン一つで送信ができ、これまでいちいちFAXで送信していた手間を削減することができます。在宅医療に必要な文書の作成が可能です。
同社のユビキタス電子カルテに比べると、機能を制限し在宅医療を重視した電子カルテとなっています。
セコムOWELの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | クラウド型 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
タブレット対応 | ○ |
訪問スケジュール作成 | ○ |
医療文書作成 | ○ |
請求書作成 | ○ |
特徴 | 要お問い合わせ |
在宅医療用クラウド型電子カルテhomisは、首都圏最大級の在宅医療専門のクリニック「医療法人社団悠翔会」の医師チームとともに開発された製品です。診療現場での課題や気づきを、実際の業務にあたっている医師の目線でシステムにフィードバックしているのが特徴です。
在宅医にとって使いやすい作りになっているほか、介護保険の算定が可能で、医療と介護の算定・保険請求をワンストップで行えます。また、開発元のメディカルインフォマティクス株式会社は日医IT認定サポート事業所でもあります。レセコン「ORCA」の導入からサポートまでをワンストップで対応可能な点も、homisが支持される理由の一つです。
在宅医療用クラウド型電子カルテ homisの比較ポイント
製品情報
特徴 | 医師目線でつくられている、医療と介護の算定・保険請求をワンストップで行える |
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価格 |
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導入形態 | クラウド型 |
導入実績 | 中・大規模の在宅医療クリニックを中心に150以上のクリニック |
タブレット対応 | ○ |
訪問スケジュール作成 | 要お問い合わせ |
医療文書作成 | ○ |
請求書作成 | ○ |
Medicom-HRf Hybrid Cloudは、診療をスピーディーに行える操作性を追求したクラウド型電子カルテです。直感的に理解でき、すぐに使いこなせるよう工夫された画面デザインや連携機器の豊富さが特徴です。予約や受付、検査など170社の機器と連携可能です。ノートパソコンやタブレットからもカルテを起動できるため、訪問診療にも対応できます。
Medicom-HRf Hybrid Cloudの比較ポイント
製品情報
価格 | 初期費用:200万円~ 月額24,000円~ |
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導入形態 | ハイブリッド型 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
タブレット対応 | ○ |
訪問スケジュール作成 | 要お問い合わせ |
医療文書作成 | 要お問い合わせ |
請求書作成 | 要お問い合わせ |
特徴 | レセプトチェックソフトが標準装備 |
モバカルネットは在宅医療専門クリニックと共同開発された、在宅医療に特化したクラウド型電子カルテです。カルテや医事文書の作成を簡単に行なえるのが特徴で、電子カルテに入力するだけで同時に診療レポート(居宅療養管理指導書)が自動作成されるようになっています。また、医事文書はインターネットFAXに連携してボタンを押せば、ケアマネージャーなどにFAX送信が可能です。タブレット端末でも見やすい画面構成になっているため、出先でのカルテ作成も手軽に行なえます。
ORCA、給官鳥と連携しており請求書の一括作成も可能となっており、事務の手間を大きく削減することが可能です。未収金管理用の管理表も機能として搭載しており、各種収納代行サービスのフォーマットも搭載しており、医師だけでなく事務の側にも立った電子カルテとなっています。
モバカルネットの比較ポイント
製品情報
価格 | 初期費用200,000円・月額50,000円 ※基本5ユーザー ※アカウント追加:1ユーザー2,000円/月 |
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導入形態 | クラウド型 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
タブレット対応 | ○ |
訪問スケジュール作成 | ○ |
医療文書作成 | ○ |
請求書作成 | ○ |
特徴 | 診療レポート自動作成機能、タブレット端末でも見やすい |
CLIUS(クリアス)は、約17万人の医師会員を持つ『日経メディカル開業/経営サポート』内の、電子カルテ・ICTカテゴリにて2019年の問い合わせ・資料請求数1位を獲得しています。事前カルテの記入や訪問スケジュールの管理が可能です。訪問診療に必要な機能だけでなく、有料オプションでは後払い会計機能が利用可能です。個人情報の管理は徹底されており「ISO27001」の認証取得した情報保護管理体制が整っています。そのため、患者の大切な個人情報を入念な保護のもと管理可能です。
CLIUSの比較ポイント
製品情報
価格 | 初期費用200,000円~・基本月額12,000円~(※ID数が6つ以降は別途料金発生) |
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導入形態 | クラウド型 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
タブレット対応 | ○ |
訪問スケジュール作成 | ○ |
医療文書作成 | ○ |
請求書作成 | 要お問い合わせ |
特徴 | 多くのクリニックに興味を持たれている、情報管理を徹底している |
Zaitak Karteは在宅医療・外来診療に対応したクラウド型の電子カルテです。在宅医療専門のクリニックはもちろん外来診療も合わせて電子カルテ化したい方にもおすすめです。インターネット環境があれば時間と場所を問わずさまざまなデバイスから操作が可能です。紹介状や処方箋、緊急を要する文書などをインターネットFAXで送信できます。
Zaitak Karteの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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導入形態 | クラウド型 |
導入実績 | 要お問い合わせ |
タブレット対応 | ○ |
訪問スケジュール作成 | 要お問い合わせ |
医療文書作成 | ○ |
請求書作成 | 要お問い合わせ |
特徴 | 在宅医療・外来診療どちらにも対応 |
CLINICSカルテは、「患者とつながる」を目的とし、多彩な機能で患者さんの利便性を向上させるクラウド型電子カルテです。クラウド型であり、在宅医療でも有効に活用できます。
CLINICSカルテの比較ポイント
製品情報
価格 | 初期費用:要問い合わせ 月額:40,000円 |
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導入形態 | クラウド型 |
導入実績 | 利用医療機関数約3,000件 |
タブレット対応 | 要お問い合わせ |
訪問スケジュール作成 | ○ |
医療文書作成 | ○ |
請求書作成 | ○ |
特徴 | 安心のセキュリティ |
はじめに、訪問診療・在宅医療向け電子カルテとはなにか、定義や主な機能、導入するメリットを解説します。
訪問診療・在宅医療向け電子カルテとは、在宅医療専門のクリニックおよび、外来と訪問診療を行うクリニック向けの機能を備えた電子カルテを指します。
訪問診療・在宅医療を標榜するクリニックが電子カルテを導入する際、通常の製品ですと「訪問先で記録ができない」という課題が発生します。
そこで、訪問診療・在宅医療向けの電子カルテでは、外出先での診療情報の記録やタブレット入力に対応しており、訪問先でいつでもカルテを確認・入力することが可能です。
また、カルテ機能以外にも、訪問スケジュールの管理や、レセプトとの連携、オーダーシステムとの連携といった各種機能を搭載しているので訪問診療・在宅医療クリニックの業務効率を向上させます。
ここでは、訪問診療・在宅医療向け電子カルテを選ぶ際に気を付けるべきポイントを説明します。導入を検討する際は、以下の点を注意して見るようにしてください。
訪問診療において、出先での記録は必須です。
導入する際は、インターネット環境さえあればどこでもアクセス可能なクラウド型のものを選びましょう。訪問診療向け電子カルテは、サーバーやパソコンの専門知識がなくても簡単に導入できます。
なお、今回紹介する製品はすべてクラウド型です。
ほとんどの訪問診療向け電子カルテは、タブレット記入に対応しています。
ノートパソコンを訪問先に持っていく運用でも訪問診療は可能ですが、利便性を考えればタブレットが望ましいでしょう。たとえば、モバカルネット(NTTエレクトロニクステクノ株式会社) は、タブレット端末に適した画面設計を実現しています。訪問先に紙カルテを持参し、院内に戻って電子カルテに記入する手間から解放されます。
タブレット対応の電子カルテについてはiPadで使える電子カルテメーカー5選|導入メリットも解説 でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
電子カルテの導入費用は、初期費用+月額費用の料金体系が一般的です。クラウド型の電子カルテは初期費用が抑えられる傾向にありますが、使用ID数に応じて月額料金が変わる製品もあり、外部機器との連携費用やカスタマイズなどにより、導入時の費用は変動します。
導入する際は、自院の予算と相談して必要な機能をはっきりさせた上で検討するようにしましょう。
電子カルテの価格については電子カルテ導入費用の相場はいくら?運用コストを抑える方法もでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
電子カルテは、自院で利用しているレセコンと連携させればより便利になります。受付や会計作業の時間短縮も期待できるので、活かさない手はありません。
しかし、メーカーのホームページを見ても自院で利用しているレセコンと連携できるかわからないケースもあります。その場合は、導入後のトラブルを避けるためにも、レセコン連携の有無を問い合わせて詳細を確認しておきましょう。
訪問診療・在宅医療向け電子カルテの選び方で重要なポイントの最後は、訪問記録入力のしやすさや文書入力支援機能の使いやすさです。
訪問記録入力はPCで入力しやすいかだけでなくタブレットで利用した際にも入力しやすいかどうかという観点でチェックしてみてください。文書入力支援機能では、文章テンプレート登録やオーダーテンプレート登録機能に加えて、AI自動学習機能が搭載されている製品もあります。
AI自動学習機能では、良く入力する文書をAIが学習し、文書を提案してくれるので大幅に入力時間が削減可能です。本記事で紹介している製品ですと「エムスリーデジカル」にはAI自動学習機能が備わっています。
訪問診療において、電子カルテの導入はさまざまなメリットがあります。以下で紹介する4つのメリットが現実になれば、きっと今よりも働きやすい環境になるでしょう。
訪問先で電子カルテに入力した内容は、自動で請求書類に反映されます。そのため、転記の手間がかかりません。
また、カルテや各種文書の作成が簡単に行えるようになるため、大幅な時間短縮が可能です。月末の業務も軽減されて、院内全体の業務効率アップを期待できます。
電子カルテには、チャット機能が備わっているものが多いです。院内の事務から、訪問に出ている医師に連絡する際はチャット機能が役立ちます。
クラウド上で入力内容がすぐに反映されるため、迅速な情報共有が可能です。正確かつ速やかな情報伝達は、業務効率アップを図る上でも欠かせません。
訪問診療の際、タブレットやスマートフォンで撮影した画像データは、電子カルテシステムへ取り込み可能です。
そのため、医師や他のスタッフとスムーズに画像データを共有できます。紙カルテや口頭での報告と比べて、床ずれや治療の様子などが鮮明に分かるのでより的確な診療ができるようになるでしょう。
クラウド型電子カルテは、クラウド上で顧客データを管理できます。
インターネット環境さえあれば、いつでも患者情報を確認できるため災害時でも安心して利用可能です。電子カルテのデータは、国内の拠点に保存されるのでバックアップ体制も整っています。
バックアップ等の情報セキュリティ対策については電子カルテの情報セキュリティを解説|情報漏洩の原因や対策まで でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
訪問診療・在宅医療クリニックにとってメリットの多い電子カルテですが、デメリットはないのでしょうか。主な導入デメリット以下が挙げられます。
電子カルテの導入には、導入費用・導入後の月額利用料、保守費用など、何かとコストがかかります。製品選定を間違えるとコストに見合った効果を享受できないので、慎重に検討しましょう。
電子カルテは訪問診療・在宅医療クリニックに限らず、医療機関におけるシステムの中心に位置します。ほとんどのツールは電子カルテと連携しして利用することになるので、電子カルテを新規導入・入れ替え導入することにより業務フローの変更や連携ツールの調整が必要になります。
現在、紙カルテを利用していて新たに電子カルテを導入する場合、紙カルテデータの電子カルテへの移行作業が必要です。電子カルテをリプレイスする場合でも移行作業は必要になります。その他、自院の利用方法に合わせたテンプレートの設定、製品選定など、導入までそれなりにて手間がかかり大変です。
訪問診療や在宅医療という言葉は、よく耳にすると思いますが、概要をここで復習しておきましょう。
訪問診療(在宅医療、在宅診療)とは、医療機関に通うことが難しい患者に対し、医師が定期的に自宅を訪問して経過観察や治療を行う医療行為のことです。在宅医療と訪問診療は同じ意味で使われることも多いです。正確に分類すると、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリの総称を在宅医療と呼びます。
なお、計画的に訪問スケジュールを立てて診察しており、突発的な事態に対応する「往診」とは意味が異なります。
訪問看護でおすすめの電子カルテについては【2024最新】電子カルテ徹底比較|選び方やおすすめメーカーまで でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
国内で少子高齢化が急激に進む中、訪問診療のニーズは高まっています。以下のグラフは、厚生労働省が公表しているものです。
在宅医療を受けた外来患者数の推計値は、2017年(H29年)で約180万人。1996年(H8年)と比べると、2倍以上になっていることがわかります。
高齢者の数が増え続け、身体に不調を抱える高齢者が増えても、その全員が病院で診察を受けられるわけではありません。病床数にも限りがあります。 そのため、医療機関に行くことなく診療を受けられる在宅医療のニーズは、今後も高まることが予想されます。
訪問診療向け電子カルテを導入すれば、大幅に業務を効率化できるでしょう。
クラウド型電子カルテの最大の魅力は、スマートフォンやタブレットを持っていくだけでどこでも簡単に記録ができる点です。導入のメリットや電子カルテを選ぶポイントをおさえた上で、それぞれの訪問診療向け電子カルテを比較してみてください。
きっと自院に適した訪問診療向け電子カルテが見つかるでしょう。
クラウド型電子カルテについては【2024最新】電子カルテ徹底比較|選び方やおすすめメーカーまで でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。