クリニック開業の物件探しは、開業後の集患・増患に関わる重要な要素です。一般的な物件探しとは異なるため、専門知識がないまま物件探しをすると時間と労力を無駄にしてしまいます。さらに、クリニック開業後に残念な結果になりかねません。
そこで、クリニック開業を目指す方に向けて、物件探しの際の必要な知識について解説しています。
本記事を読めば、物件探しに戸惑うことがなくなります。また、「自分1人では物件探しはできない」と思っている方にサービスを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
クリニック開業のための物件探しを始める前に、「診療圏」について知っておかなければなりません。診療圏とは、1つのクリニックに対して患者が通いやすいエリアを指します。クリニックを中心に半径約0.5km圏内を一次診療圏、半径約1km圏内を二次診療圏と呼びます。
例えば、風邪や体調不良で受診する回数の多い内科は一次診療圏です。また、耳鼻科や皮膚科など、受診頻度の少ない診療科は二次診療圏となり、患者の通いやすい距離のクリニックが集患・増患のポイントになります。
診療圏調査とは、ある地域でクリニックを開業したときの「1日あたり来院推定患者数」を把握する調査です。クリニック開業の物件探しをしている方にとって診療圏調査結果は、物件選定のカギになります。来院推定患者数を算出する計算式があるため、自分で計算できるように感じますが、実は正確なデータを導き出すのは難しいのです。
理由は、エリア人口が昼と夜に変わるからです。ターゲットとなる患者の年齢層、来院時間帯、来院時間帯のエリア人口を細かく設定して算出しなければならないため、素人には難しい調査となります。信用できるデータを出すためにも、診療圏分析をサービス提供するプロに頼りましょう。なお、診療圏分析についての詳細は、下記のページを参考にしてください。
診療圏分析については診療圏分析ツールおすすめ8選|メリットや選定時のポイントを紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クリニック開業では、以下3つの物件から選ぶことになります。
それぞれのメリット・デメリットがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
新築でクリニックを建てる場合には、以下の2種類があります。
新築で建てるメリットは、スタッフが働きやすい間取りにできたり、患者に配慮した待合室を作れたりする点です。内装や外装デザインにこだわれるのは最大のメリットとなります。 また、建築中に地域住民の方が通りかかれば、「新しい建物ができている」と開業場所を認知してもらえるため、宣伝効果にもなるでしょう。
一方、デメリットは建物完成までに時間がかかる点と資金面です。建物完成まで仕事をどうするか、資金繰りをどうするかなど考えることが多くなります。
医院建築については医院建築について徹底解説|メーカーの選び方、坪単価まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
以前、クリニックとして経営していた物件を借りるパターンになります。 メリットは新築よりも費用を抑えられる点です。 しかし、以前のクリニックの評判が悪く、マイナスイメージがついていれば開業後に悪影響を及ぼします。対策としては、外装リフォームが挙げられますが、物件を所有しているオーナーとの話し合いが必須です。そのため、建物一棟を借りるときは、以前のクリニックの評判や口コミを事前に調査しましょう。
ビルの一室を借りて開業する場合は、上記で紹介した2つよりも費用を抑えられる可能性が高いです。 しかし、地価の高いエリアであれば、家賃や税金が高くなります。さらに、築年数が経っていると、維持管理費が高くなるため家賃に加えて出費が多くなってしまいます。
リフォームについてはクリニックのリフォームについて徹底解説|検討時の注意事項もでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クリニックを開業する際、重要な要素の1つが「立地選び」です。希望する物件の周辺地域の状況を把握しなければ、開業しても患者が来ないということになりかねません。 そこで、集患・増患につながる立地とはどのような場所なのか解説していきます。
駅から近い場所や商業ビルの1階など、利便性が高い場所は好立地です。通勤や買い物などの生活動線上に通院できるクリニックがあれば集患につながります。しかし、利便性が高い場所は目に入るものが多くなりますので、看板を設置し、認知してもらう必要があります。
開業するクリニックの診療科と、ターゲットとなる患者の年齢層が合致した地域を選びましょう。高齢者が多い地域であれば内科や整形外科、眼科などのニーズが高まります。 一方、ファミリー世帯が多い地域では小児科や耳鼻科のニーズがあるなど、ある程度の需要予測が立てられるため、ぜひ周辺地域の人口構成を調べてみてください。
競合するクリニックが少ない場所を選ぶと、患者を取り合う必要がなくなるため好立地になります。しかし、競合クリニックが少なすぎると、そもそも地域にクリニックの需要のない可能性があるため、しっかりとしたリサーチが必要です。 利便性やターゲットとなる患者の年齢層が地域にいるのかを調べて、なぜ競合クリニックが少ないのか、好立地と言える開業場所なのか考えてみましょう。
次に、クリニック開業時の物件探しで見るべきポイントについて説明します。これから紹介する6つのポイントはクリニックを開業する上で確認必須です。不動産担当者へ事前に情報をもらうなどして効率よく物件探しをしましょう。
開業する診療科目によって必要な設備が異なるため、クリニックの広さが変わります。例えば、内科や小児科であれば30坪、産婦人科は60坪と、患者やスタッフが快適に過ごせる広さが必要です。
また、高い回転率で患者を診察したいか、ゆっくり会話して診察したいかなど、自身が望む診療スタイルを明確にしておけば必要な広さが決まってきます。 そのため、物件探しをする前に自身の診療スタイルを決めておきましょう。
クリニックの内装についてはクリニックの内装の基本を解説|設計時の注意点やおすすめ業者まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
大型医療機器を導入する場合は、搬入する十分な広さを設けなければなりません。物件を決めた後に機器搬入ができなかったとならないように、確かめておきましょう。なお、X線装置などの医療機器設置には天井高さが最低でも2.4mは必要です。もし、2.7m以上の天井高さがあれば医療機器を設置でき、患者が圧迫感を感じずに済みます。
また、地方でのクリニック開業を予定している場合、車での来院が多くなるでしょう。そのため、公道が「一方通行ではないか」「反対車線からでも入りやすいか」を配慮します。
トイレや流し台などの水回りはクリニックに必須の設備です。医療施設は複数箇所で水を使用するので給排水設備が不十分だと、利便性が低くなってしまいます。 どこに流し台があればスタッフが効率よく働けるか想像しながら、物件選びをすると良いでしょう。
X線などの大型検査機器を導入する場合は、電気の容量を確かめます。また、供給できる電源が足りなければ電源増設工事が必要です。電源増設工事はテナントビルのオーナーに確認しなければならないため、工事期間に影響を与える可能性があります。
クリニックの電気容量については開業時は建物の電気容量もチェック|医療機器が使える物件選でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
患者が車椅子を利用して来院する可能性があれば、段差をなくし通路幅を80cm〜90cm取りましょう。また、トイレのバリアフリー化や車椅子専用の駐車スペースを用意するなど、配慮した設計を心がけます。
看板設置はクリニックの集患・増患に大きく関わる重要な要素です。駐車場など他の施設と共有する場所に看板を設置したければ、看板が設置できるか確認する必要があります。 どこにどのような看板を設置したいか考えて、内覧中や物件の申し込み時に看板設置について担当者へ相談すると良いでしょう。
クリニックの看板製作については【2023】クリニック・歯科医院での実績豊富な看板製作業者10選を徹底比較|選び方のポイントも解説!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クリニック開業の物件探しには、専門知識が必要になります。また、働きながら物件探しをするのは時間と労力がかかるため、開業支援コンサルタントに相談するのが最も効率の良い方法でしょう。 「豊富な実績」と「要望をしっかり聞いてくれる」開業支援コンサルタントを選べば、自院に最適な物件を探してくれます。
クリニックの開業コンサルについてはクリニックの開業コンサル14選|コンサル会社の選び方も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
最後に、クリニックの開業物件探しで注意すべきポイントを3つ解説します。「立地だけで決めない」「診療圏を広く考えない」「診療科目によっては立地が良すぎると逆効果になる」これらのポイントは集患・増患を妨げる要因になりますので、参考にしてみてください。
クリニック開業予定場所の周辺に土地や物件が余っていれば、新たな競合クリニックが参入してくる可能性があります。すでに競合クリニックが開業していないか確かめるのは当たり前ですが、開業後に競合が参入してきそうな物件があるか確かめておきましょう。
患者の心理状況からすると、病気やケガの際、わざわざ遠くのクリニックに行こうとは思いません。そのため、一次診療圏の半径0.5kmを目安にします。診療圏を広げて来院推定患者数を楽観的に捉えないようにしましょう。また、診療圏範囲内の地域住民がどのような移動手段を使っているか知るのも大切です。地方では地域のコミュニティバスが通っている所があります。ターゲットとなる患者が利用する移動手段を確かめておきましょう。
精神科や美容外科に通う方は、知り合いに知られたくないと思っていたり周囲からの視線を気にしたりします。そのため、立地が良すぎると「知り合いに合うのではないか」と通いたがらない患者もいるのです。診療科によっては好立地な場所が逆効果になる恐れもありますので、立地にこだわりすぎるのは注意しましょう。
クリニック開業の物件探しでは大きく分けて2つのポイントがありました。
クリニックの開業物件探しは一般的な物件探しとは異なり、集患をするためのマーケティングと医療施設として機能する建物の専門知識が必要です。 開業支援コンサルタントでは、マーケティングと建物の専門知識があるため、クリニックのコンセプト立案から物件探しまで行います。開業支援コンサルタントに自身の要望をしっかりと伝えれば、忙しい医師の強い味方になってくれるでしょう。
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