ナースコールを選定するにあたって、こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?
本記事では、そういったお悩みを持つ方向けに「おすすめナースコールの紹介」や「ナースコールの選び方解説」を行っていきます。
本記事を読んでいる方は、介護施設や病院などで勤務されている方が多いと思います。施設別におすすめのナースコールも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
まず最初に当サイトが選定したおすすめのナースコール3製品を紹介いたします。他の製品もじっくり検討したい方は、ナースコールの製品サービス・企業一覧もご覧ください。
企業名 | 名電通株式会社 | インフィック株式会社 | 株式会社パシフィック湘南 |
---|---|---|---|
お問い合わせ |
お問い合わせ
|
お問い合わせ
|
お問い合わせ
|
対象施設 | 医療機関、介護施設 | 介護施設 | 介護施設、医療機関 |
参考価格 | 月額7800円~※7年リースの場合。初期費用なし、小規模施設向けスモールパッケージ「ナースエコTEL」の場合 | 2,178円/月~(別途Wi-Fi、インターネット回線が必要) | 要問合せ |
連携機器 | PHS、スマートフォン、各種センサー、インカムなど | スマートフォン、見守りセンサーなど | 量77g、単4アルカリ乾電池×2本 |
設置方法 | 有線 | 無線 | 無線(呼び出しベル) |
お問い合わせ |
お問い合わせ
|
お問い合わせ
|
お問い合わせ
|
ナースコールシステムで高いシェアを誇るのは、アイホン株式会社と株式会社ケアコムです。病院や規模の大きな介護系施設に多く導入されています。一方でサービス付き高齢者向け住宅やグループホームなどの小規模施設には、上記2社のシステムはオーバースペックなため適さないことがあります。介護施設向けに開発された無線式ナースコールを扱うインフィック株式会社や株式会社平和テクノシステムなどの新興勢力ナースコールメーカーが、介護業界でシェアを伸ばしています。
病室とナースステーションをつなぎ、患者様が意思表示をするだけの用途だったナースコールが、見守りシステムやICT機器との接続ができるようになってきました。これまでのナースコールと区別して、「ナースコールシステム」や「コンピュータナースコール」と呼ばれることもあります。
国内で50%以上のシェアを誇るとのデータもあるのが、アイホンのナースコールシステムです。昭和23年創業時から続く高い実績と信頼が、安全性を重視する医療機関や介護施設から受け入れられています。
アイホンは病院や大規模介護施設向けの利用を前提に作られており、小規模施設で導入するには高価に感じられるかもしれません。一方、スマートフォンや各種システムとの連携実績は豊富なので、将来的に施設のICT化を進めていきたい事業所には向いているといえます。
各製品の詳細は、以下のリンク先のページで紹介しています。気になる方は確認してみてください。
アイホンのナースコールについてはアイホンのナースコールの評判は?価格や導入に向いている施設も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ケアコムのナースコールも、アイホンのナースコールと並んで有名です。ケアコムは病院向けと介護施設向けにそれぞれ製品ラインナップを用意しています。
病院向けのPLAIMH NICSSはケアコムのコンピュータナースコールの最上位機種。院内のあらゆるネットワークに接続可能で、広い拡張性が魅力です。NICSS-EX8はコンピュータナースコールのスタンダードなモデル、.NICSS-EX3はベーシックなモデルとなっています。モデルのグレードが下がるにつれて、連動できるシステムが限定されてきます。
介護施設向けも同様で、フルスペック型のCICSS-EX5と、エントリーモデルのCICSS-EX3が用意されています。より詳しい情報を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
ケアコムのナースコールについてはケアコムのナースコールの評判は?価格や導入に向いている施設も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールといえば、以前は病院の病室に設置されていることがほとんどでしたが、最近は施設数がふえている介護施設でナースコールを導入するニーズが高まっています。施設別のおすすめナースコールシステムをまとめました。
なお、「従来型」、「電話設備一体型」、「その他タイプ」はナースコールを設置する方式を示したものです。医療機関の方は「従来型」、介護施設(老人ホーム含む)の方は「電話設備一体型」、「その他タイプ」をご確認ください。
病院や入所系の介護施設で導入実績の高いアイホン、ケアコムのナースコールは、小規模施設ではオーバースペックであることがほとんどです。有料老人ホームの新設や、既存ナースコールの入替の場合は、電話設備一体型のナースコール導入から検討すると良いでしょう。
従来型 | 電話設備一体型 | その他タイプ | |
---|---|---|---|
中~大規模病院 | ◎ | 〇 | △ |
小中規模の病院、介護施設 | 〇 | 〇 | ◎ |
小~中規模の介護施設 | △ | 〇 | ◎ |
ここでは、ナースコールのタイプを大きく以下の3つに分けて説明します。
ナースコール専用システムをメインの制御装置とするタイプです。安定性や信頼感が高く、大学病院をはじめ、これまで多くの医療機関が導入しています。ナースステーションに設置する親機には、PCデスクトップ型の機器やモニター付き電話機などがあります。さらに大型のサブディスプレイを設置すれば、多くのスタッフが通知を見れるようになります。
ナースコール専用システムはハンディナースやビジネスフォンと連携できますが、別途費用が発生します。導入に高いコストがかかるため、中大規模の病院におすすめです。小規模施設には高コストとなってしまいます。
ナースコールと電話設備が一体化されたシステムです。電話設備が一体化しているため、ナースコール専用システムよりもコストを抑えられるのがメリットです。見守りシステムや介護記録ソフトなどと連携でき、拡張性も高いです。中小規模の病院や、中規模の介護施設におすすめです。
先述した2タイプ以外にも多彩なタイプのナースコールシステムが増えています。それぞれ解説します。
ハカルプラス株式会社の「CAREaiコンセントコール」は、コンセントに挿すだけで使える簡易ナースコールです。工事やWi-Fiの用意が不要で、すぐに使うことができます。緊急でナースコールシステムが欲しい場合や、コストを抑えて導入したい小中規模の介護施設におすすめです。コールがあると、通知音やバイブで各スタッフが持つ携帯型の受信機にお知らせします。
インフィック株式会社の「LASHIC-CARE」は、ナースコールから見守りセンサー、離床予測などが一体化されたシステムです。各スタッフが持つスマホを使って双方向での通話ができ、スタッフから居室へ発信ができます。居室側からは操作不要で応答することができます。
フードコートやファミレスで使われているような呼び出しボタンを、医療福祉施設のナースコール用に提供しているタイプです。株式会社マイコールの「SMADIO(スマジオ)」や、株式会社パシフィック湘南の「ソネット君」といった製品があります。患者さんや利用者さんにとっても見慣れたシステムのため、使い方が分かりやすいでしょう。
ナースコールの種類についてはナースコールの種類別の特徴を解説|無線型、電話設備一体型の違いもでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ここからは、ナースコールの代表的なメーカーを紹介します。まずは「従来型(制御盤-主装置個別型)」、つまり病院向けナースコールメーカーを紹介します。
病院のナースコールは、患者様が看護師を呼ぶのはもちろん、職員間の連絡手段としても使われています。患者様の命を預かる医療機関として、ナースコールを設置するのは必須といえます。病院でナースコールを導入する際、これまで紹介してきたアイホン、ケアコムが最初の検討候補になります。多くの病院で採用されている実績だけでなく、充実のアフターフォローやサポート体制も病院から支持されています。
株式会社ケアコムのナースコールは業界シェアが大きく、一般的なナースコールとしてイメージされやすい「インターホン型」を提供しています。
たとえば「PLAIMH NICSS(プライマ ニックス)」はスマートフォンとも連携できるため、ナースステーションから離れた場所で作業していても通知を受け取ることが可能です。
画面上で複数の患者様による呼び出しを同時に表示できることから、対応の優先度を判断できます。
「NICSS-EX8」は、さまざまなシステム・機器と連動できる病棟業務支援プラットフォームです。トイレ離座検知システムでは、患者様の立ち上がり動作を離座センサーが検知し、転倒前にスタッフが駆けつけられるようサポートします。
株式会社ケアコムの比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設 |
---|---|
参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | PHS、スマートフォン、院内情報システム(医事システム、オーダリングシステム、電子カルテ、介護ソフト)など |
設置方法 | いずれも対応(商品により異なる) |
ケアコムのナースコールについてはケアコムのナースコールの評判は?|特徴や価格、導入に向いている施設も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
アイホン株式会社のナースコールは病院を中心に多くの施設で導入され、ケアコムと並んで「インターホン型」の二大大手として知られています。
同社の「Vi-nurse(ビーナース)」は、映像や情報の見える化を実現したスマートフォンとも連携できるナースコールシステムです。独自のセンサーでバイタルサインの測定が可能なスマートベッドシステムをはじめ、さまざまなサービスや機器と連動できます。「緊急通報装置」は、緊急ボタンやセンサーの作動により、あらかじめ設定した連絡先へ異常を知らせるシステムです。スタッフ不在時は、ケアセンターが通報内容を確認します。「緊急通報装置」は、サービスつき高齢者向け住宅に最適です。
アイホン株式会社の比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設、一般住宅など |
---|---|
参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | PHS、スマートフォン、位置情報システム、電子カルテなど |
設置方法 | いずれも対応(商品により異なる) |
アイホンのナースコールについてはアイホンのナースコールの評判は?価格や導入に向いている施設も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ここでは、介護施設向けのナースコールメーカーを紹介します。介護施設といってもさまざまな規模の施設がありますが、ここでは新規開設予定の老人ホームなど、比較的小規模な介護施設におすすめのナースコールを紹介します。
アイホンやケアコムのように、他システムとの連携を前提とした大規模システムではなく、施設数の増加が見込まれる介護施設を主な対象としたナースコールが複数登場しています。
名電通株式会社は、1974年の創業以来、ビジネスフォン業界で長く活躍し続けている企業です。信頼と実績をもとに、現在も多くの通信機器を販売しています。
同社のナースエコールは、従来式ナースコールの約半額で導入できる「電話機一体型ナースコールシステム」です。一元管理システムにより、複数施設で「拠点間内線通話」「拠点間着信転送機能」を活用できます。高い拡張性を備えたナースコールシステムを低価格で導入できる点が特徴です。また、無線と有線の両方で運用できるハイブリッド型のナースコールでもあります。非常時のみ、親機と子機を有線で接続することも可能です。
名電通株式会社の比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設 |
---|---|
参考価格 | 月額7800円~※7年リースの場合。初期費用なし、小規模施設向けスモールパッケージ「ナースエコTEL」の場合 |
連携機器 | PHS、スマートフォン、各種センサー、インカムなど |
設置方法 | 有線 |
株式会社ナカヨは、「電話機一体型ナースコールシステム」を扱っています。1944年の創業以来、電話機部品メーカーとして電気通信分野に携わってきました。
介護連携ソリューション「NYC-Si緊急呼出コールシステム」は、介護業務の効率化やスタッフの負担軽減にもこだわったコミュニケーションツールです。インカムや介護ソフトなどさまざまなシステムと連携でき、ICT導入支援事業の対象でもあります。インカム機能を使用してハンズフリーで情報共有することで、別な業務の対応中でもスタッフ間の声での連携が可能です。同製品は、介護施設や高齢者住宅向けの施設におすすめです。
電気通信分野が主力事業であることから、「ナースコール」でなく「緊急呼出コールシステム」と呼んでいるそうです。
株式会社ナカヨの比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
---|---|
参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | PHS、スマートフォン、介護ソフト、見守りセンサー、インカムなど |
設置方法 | 無線 |
岩崎通信機株式会社は、情報通信・電子計測・印刷システムの3分野を軸に事業領域を築いてきた企業です。ナカヨとともに、「電話機一体型ナースコールシステム」の主要メーカーとして知られています。
同社の「ナースコール連動システム」は、PHS連動型のナースコールシステムを低コストで導入することが可能です。PHS端末を利用することで、職員がナースステーションにいなくても呼び出しに対応できます。端末の種類は、全部で以下の3タイプです。
PHS端末は、スタッフ同士の連絡にも使えます。
岩崎通信機株式会社の比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設 |
---|---|
参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | PHS、ベッドセンサー、ネットワークカメラなど |
設置方法 | 有線 |
ここでは、その他多彩なタイプを提供しているナースコールメーカーを紹介します。
インフィック株式会社は、介護総合支援事業を展開している企業です。介護のIoT化にチャレンジする、新興勢力ナースコールメーカーでもあります。グループ会社が介護・福祉を専業としてきたため、介護事業運営ノウハウをもとにした製品開発が強みです。
「LASHIC-call」は、家庭用ナースコールとして、簡単な操作で緊急時にすぐ通話ができます。別売りの居室センサー「LASHIC-room」と併用することで、介護施設と同様に24時間の見守りを自宅で受けることが可能です。インターネット環境を利用しますが、もしWi-Fiがない場合は通信端末をレンタルできます。
インフィック株式会社の比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
---|---|
参考価格 | 2,178 円/月~(別途Wi-Fi、インターネット回線が必要) |
連携機器 | スマートフォン、見守りセンサーなど |
設置方法 | 無線 |
株式会社パシフィック湘南は、飲食店や工場などに無線機器を製造・レンタルしている企業です。病院・クリニックに対しても、患者様の呼び出しに使用できる呼び出しベルシステムを提供しています。
同社の「ソネット君」は、医療福祉施設でもナースコールとして活用できるオーダーコールシステムです。受信機と送信機のラインナップが多く、設置場所や活用シーンに応じてさまざまな種類を選べます。1台の受信機でエリア別に呼び出し音を分けることもでき、チャイムの種類は全部で14つです。オプションで人感センサーを導入すれば、人の動きをキャッチして受信表示機に音や番号で知らせることも可能です。
株式会社パシフィック湘南の比較ポイント
対象施設 | 介護施設、医療機関 |
---|---|
参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | 量77g、単4アルカリ乾電池×2本 |
設置方法 | 無線(呼び出しベル) |
ジーコム株式会社は、近距離無線の能力を活用したワイヤレスネットワークシステムの開発・製造を手がける企業です。新興勢力ナースコールメーカーとして、医療福祉施設へも無線ケアコールを提供しています。
同社の「ココヘルパ」は拡張性が高く、見守りシステムや介護ソフトなどとも連携できる 無線式のナースコールです。映像会話機能が搭載されており、複数の呼び出しがあった場合でもスマートフォンの画面上で緊急度を把握できます。また、見守りセンサーごとに通知音の切り替えや居室名の音声読み上げができるため、状況判断がしやすくなります。ココヘルパはシリーズ化されており、医療福祉施設の目的に応じた製品を選ぶことが可能です。施設の規模や求める機能に応じて適したシステムを選ぶことがおすすめです。
ジーコム株式会社の比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
---|---|
参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | スマートフォン、介護ソフト、見守りセンサーなど |
設置方法 | 無線 |
ハカルプラス株式会社は、電気計測機器やメディカルケア機器などの開発・製造を手がけています。1916年創業と歴史は古く、今では国内外にネットワークを持つ老舗企業です。
「コンセントコール」は、工事不要の呼び出し通知システムです。Wi-Fiも必要なく、コンセントに挿すだけですぐ使えます。呼び出しボタンを押すと親機とペンダントに部屋番号が表示され、呼び出し音が流れる仕組みです。最短10日で利用でき、いきなりの導入に不安がある場合はデモ機貸出サービスで実際の機器を試せます。予算がない施設や緊急でコールシステムが欲しい施設などにおすすめです。
ハカルプラス株式会社の比較ポイント
対象施設 | 介護施設、医療機関 |
---|---|
参考価格 | ライトシリーズ合計:¥65,000 スタンダードシリーズセット(上限20床):¥136,000 スタンダードシリーズセット(上限100床):¥176,000 |
連携機器 | ー |
設置方法 | コンセント接続 |
株式会社マイコールは、ワイヤレスチャイムや呼び出しベルなど飲食店や福祉施設に必要な機器を提供している企業です。ワイヤレス機器を通じて、日本の高齢化社会に役立つ事業を展開しています。
ワイヤレスコールシステム「SMADIO(スマジオ)」は、配線工事をしなくても導入できる無線呼び出しシステムです。同製品は工場や飲食店で使用されていますが、介護施設や病院用のナースコールタイプ送信機も用意されています。呼び出しボタンを押すと受信機へ番号が表示されるだけでなく、腕時計型レシーバーでも受信することが可能です。そのため、腕時計型レシーバーを身につけていれば本体受信機から離れた場所での作業もできます。
株式会社マイコールの比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
---|---|
参考価格 | 40万円程度(30床程度の施設の場合) |
連携機器 | 呼び出しベル、レシーバー |
設置方法 | 無線 |
株式会社iSEEDは、ICT技術を活用して明るい高齢化社会の実現をめざす企業です。これまでに徘徊感知システムや位置情報検索システムなどを販売してきました。
さまざまな機能をスマートフォンで一元管理できる「パルモスマートコール」を提供しています。パルモスマートコールは、長距離での無線通信を可能にした新世代の無線ナースコールです。見守りシステムと連動したバイタルサインの管理や、スマートフォン上での介護記録の入力もできます。同製品は拡張性が高く、施設の規模に応じてシステムを自由に選択することが可能です。
費用を抑えて導入したい方向けには、ナースコール機能のみを備えた「ナースコールシステム R-A型」があります。他にも大声を出したり、暴れたりした時に自動で呼び出しをかける「セーフティモニタ付システム」やエリア内であればどこでも呼び出しを受けられる「ハンディナースコールシステム」などが用意されているので、あらゆる状況に対応できるでしょう。
ナースコールシステムを選ぶ際は、以下3点が重要です。それぞれ、説明していきます。
職員の業務効率化につながる観点で、ナースコールシステムの導入を検討する施設も多いと思いますが、やはり一番に考えるべきは、患者様が気持ちよく過ごせるかどうかです。
デモ利用や試験運用など、試行期間があるかを業者に確認しましょう。患者様の呼び出しを見落とす恐れはないか、職員の業務フローが増えてしまうことはないか、などチェックポイントを決めておくと良いでしょう。
病院や介護施設で、ナースコールシステムを新たに接続できるWi-Fi環境があるかどうかも重要です。アイホンやケアコムなど伝統的なナースコールシステムでは、配線工事や電話交換機の設置が必要になります。
一方、「第3のナースコール」と呼ばれることもある無線ナースコールの場合は、Wi-Fi環境さえあれば利用が可能です。価格も安く、手間と費用を抑えられる点が魅力です。株式会社iSEED、ジーコム株式会社、名電通株式会社などが無線ナースコールを扱っています。
Wi-Fi環境下で使える無線ナースコールについては無線ナースコール徹底解説|仕組みやメリットも詳しく紹介!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールシステムは、見守りシステムや離床センサーとの連携ができる商品があります。見守りシステムや離床センサーの通知がナースステーションの親機に届くイメージです。
また、通知の時間や状況などの履歴がシステムに保存されるため、施設内での効果検証に役立てることもできます。前述のWi-Fi環境も整っていれば、スマホ連携も可能です。
最新のナースコールシステムでは、音声以外のデータをやりとりすることもできます。ケアコムのナースコールの場合、職員のスマートフォンに画像を配信したり、担当医の名前や患者情報も確認したりできるようになっています。
スマホと連携できるナースコールについてはナースコールシステムとスマホ連携で業務効率化|仕組みやメリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールの価格相場はメーカーや導入する機器構成、工事費によって大きく変動しますので一概には言えませんが、1床あたりで割ると10万円~50万円になるケースが多いです。
ナースコールを設置する際に発生する費用の内訳は大きく分けると下記の通りです。
初期費用として「①機器の購入費用」「②配線工事費」がかかり、ランニングコストとして「③保守費用」が発生することになります。
施設規模や更新時期など、施設ごとに異なる要素が多いため具体的な費用を示すことはできませんが、ここからは各費用について詳しくみていきましょう。
ナースコールシステムの価格についてはナースコールの価格はいくら?相場や各メーカーの参考価格まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールとは、患者様が看護師などのスタッフを呼び出すために使うツールです。ここではナースコールの概要や仕組み、できることを解説します。
ナースコールとは、医療福祉施設の患者様や利用者が、スタッフをすぐ呼べるように設置するツールのことです。ナースコールは、患者様にとって重要な「ライフライン」としても機能します。単純に患者様とスタッフ間で会話するだけのものから、介護記録システムや人感センサーと連携できるものまで、システムによって使える機能はさまざまです。
法律により病院や介護施設での設置が義務づけられているため、各事業者は自施設の規模や目的に応じて適切なナースコールを選択する必要があります。
ナースコールの基礎についてはナースコールの基礎知識 | 仕組みや構造、選び方を解説【2024最新】でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールは配線の違いで、有線と無線の2種類に分けられます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
基本的にナースコールは有線タイプが多いです。壁やベッド横の接続口から配線するナースコールです。線があることで安定性が高く、電波が届きにくくて使えない・うまく通知がされないといった心配がありません。ベッドの上で過ごす方、看護師さんとの通話ができる方、ナースコールを押せる方におすすめです。導入の際は配線工事が必要です。
無線タイプのナースコールは、BluetoothやWi-Fiで電波を送受信して使用します。押しボタン式であれば、患者さんが軽くタッチするだけで呼び出しを行えます。無線タイプの中でも完全に配線工事が不要なものと、スタッフルームから各居室までは配線工事が必要なものがあります。導入を検討する際は事前の確認が必要です。
国が推進する医療・介護現場の生産性向上やICT化の流れを受け、医療福祉施設でもICT化の機運が高まっています。たとえば、患者様の対応後にナースコールで介護入力できるものやインカム連携できるものは、業務の効率化にも効果的です。さまざまな電子機器を相互に連携させて使う動きは、今後もますます加速していくでしょう。
新たな運用形態として、ナースコールとスマートフォンを連携できるシステムを導入する施設があります。PHSの子機がスマートフォンに置き換わることを想像してもらえばよく、同システムの活用により以下3つのメリットを享受することが可能です。
スマートフォンと連携できるナースコールは、主に介護施設向けとして導入が進んでいます。
ナースコールとスマートフォンの連携については 「ナースコールとスマホ連携で業務効率化|対応できるメーカー一覧も」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
スマートフォンと連携できるナースコールが注目されている背景として、公衆PHSサービスの終了があります。PHSは長きにわたり多くの医療福祉施設で利用されてきましたが、PHS提供事業者から2021年1月31日でサービス終了することが発表されました。また、旧規格のPHS(アナログ簡易無線機)も、2022年11月30日から使えなくなることが決まっています。
補足として、PHSサービスが終了するのは屋外の外線番号を使った通話サービスであり、院内の内線番号による通話は今後も問題なく使用できます。ただ、公衆PHSサービスの終了に伴い、故障をはじめ不具合が出た際のメンテナンス依頼は今までより困難になるかもしれません。PHSを使わない連絡手段としても、スマートフォンの活用は検討が迫られているといえます。
ナースコールとPHSについてはPHS連動ナースコールシステムのメーカー6選を紹介|選び方まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
主に介護施設向けのシステムとして業務効率化にも役立つのが、ナースコールとインカムの連携です。インカムとハンディナース(子機)の2台持ちが解消され、ハンディナースだけで両方の機能を満たせます。ハンズフリーで常に会話ができるため、スタッフ同士の情報共有を円滑化することも可能です。
徘徊が心配な利用者や転倒の早期発見に効果的なのが、ナースコールと見守りシステムの連携です。たとえば介護施設の居室に離床センサーを設置することで、利用者がベッドから離れた際にセンサーが反応し、自動でナースコールを鳴らせます。他にも患者様のバイタル情報を感知するセンサー、利用者の動きを感知するマットセンサーなどとナースコールを連携することが可能です。
見守りシステム(離床センサー)についてはおすすめ離床センサーのメーカー10選|種類や価格も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ナースコールと介護システム(介護ソフト)の連携は、スタッフの業務効率化に効果的です。たとえば、以下のようなメリットを享受できます。
ナースコールと介護システムを連携させれば、ハンディナースの端末と介護記録を入力する端末で2台持ちする必要はありません。
介護記録システム(介護ソフト)については【最新2023年版】介護ソフト比較10選|価格や特徴を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
その他にナースコール関連でよくお問い合わせいただく内容を解説します。
ナースコールは、場合によっては償却資産となる可能性がある曖昧な扱いのため、メーカーから法定の耐用年数は示されていません。ですが、物理的に使用できる推奨使用期間としての耐用年数は、メーカーや業界団体から示されています。おおよその示されている耐用年数としては8~12年となっています。ナースコールは、故障した際のリスクが大きく命にかかわる場合もあるので、長年使っている場合は入れ替えも検討しましょう。
ナースコールの耐用年数や減価償却についてはナースコールの耐用年数を詳しく解説|故障した時の対応方法まででさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
結論から申し上げますと一部の施設においては設置義務があります。ただし厳密にいうと、法律上ナースコールとは明記されておらず、ブザーや緊急通報装置の設置が義務付けられており、それを実現するツールとしてナースコールが広く普及しています。
施設毎のナースコール設置義務や設置基準については病院・介護施設のナースコールの設置義務・必要性について法律面から解説でさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
本記事では、病院や介護施設といった施設向けのナースコールについて主に紹介しています。家庭用のナースコールには、LASHIC「LASHIC-call」があります。
一人暮らしの老人向けの緊急通報システムとして、「ボタンを押すと親族など関係者にメール通知が届く」運用を実現したい方は多いと思います。「高齢者緊急通報システム」や「見守りペンダント」など安価に高齢者の見守りを実現できるツールが販売されているので、気になる方は検索してみると良いでしょう。
ナースコールは、法律によって病院や介護施設での設置が義務づけられているツールです。単純にスタッフを呼び出すだけでなく、ICT製品との連動により業務効率化ツールとしても活躍します。以前はインターホン型が主流でしたが、今では電話設備一体型や無線型など、さまざまな種類のナースコールを選べるようになりました。導入までの期間や費用は、メーカーごとに差があります。本記事の内容を参考にして、自施設に適したナースコールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。