クリニックにおいて、税理士や社労士は必要なのでしょうか?そもそも、税理士や社労士が、クリニックでどのような役割を担ってくれるのか分からないという方もいるでしょう。
今回の記事では、クリニック向け税理士・社労士の選び方の他、顧問料の相場などを紹介していきますので参考にしてみてください。
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ここでは、クリニック専門の税理士の重要性を、以下の3つに分けて解説していきます。
まず、医療業界の知識と経験がある税理士のメリットについて解説していきます。以下の3つのメリットがあるので参考にしてください。
将来医療法人化することを考えると、医療業界の知識と経験がある税理士のほうが、適切な対応やアドバイスをもらえます。
そのため、医療法人に関しての税務ノウハウがあるのかも、税理士選定の際に確認しておくといいです。
開業後は、毎年税務申告が必要です。そのため、開業後ではなく開業準備の段階から、節税や税務上の留意点についてアドバイスがもらえる税理士を選ぶことで、適切なアドバイスをもらえます。
税理士の中には、医療に詳しくない方も多いです。そのため、制度変更や法律の変化に対応できない税理士も少なくありません。
しかし、医療業界に詳しい税理士であれば、これらの変化にもしっかりと対応可能です。
一般的な税理士は、誰でも税務報告書の作成はできます。しかし、医療業界に詳しい税理士でなければ、診療科目ごとの留意点が分かりません。
また、クリニックの規模によっては数年に一度、税務調査が入ることがあります。その際、医療現場の知識がない税理士だと、適切な受け答えができない可能性があるので注意しなければなりません。
税理士は、クリニックの税務会計を担ってくれる存在であり、一言で言えば、クリニックの税金を計算してくれる人です。税理士には、以下の3つの独占業務が認められているので覚えておきましょう。
なお、これらの税理士業務は税理士法第52条により、以下のように規程されています。
ただし、クリニックにおいて税理士が必須というわけではありません。税務・会計分野に関して、すべて自身やスタッフで対応できる場合は、税理士と契約する必要はないです。
しかし、自身の業務に集中するためにも、税務・会計に関しては税理士に任せた方がいいでしょう。
ここでは、クリニックにおける税理士の選び方を解説していきます。
【クリニック税理士を選ぶ際のポイント】
まず、専門分野や資格をもつ税理士を選ぶのが重要です。
医療法人の設立を視野に入れている場合、すべての税理士が対応できるわけではないので、医療法人化に対応可能かどうかも確認した上で選んだほうがいいでしょう。
税理士は、税務報告書の作成は誰でもできます。しかし、医療機関の顧問経験がない税理士は、保険診療に関する医療業界特有の考え方などの知識が不足しがちです。そのため、過去に医療機関の顧問税理士の経験や実績があるか否かは確認しておきましょう。
医療機関での経験が豊富な税理士の場合、クリニックが何にお金をかけているかを把握しているため、集患に関して詳しい可能性が高いです。
広告などに関して、クリニックに役立つアドバイスをしてくれる税理士であれば、顧問契約を結ぶことで多くのメリットを得られるでしょう。
今後、医療法人化を考えているのであれば、行政書士や他の士業との連携がスムーズであるか否かも重要なポイントです。医療法人設立の手続きには行政書士資格が必要になります。
また、設立後の社会保険加入手続きの際は、社労士に依頼することが望ましいです。そのため、それぞれが連携することでスムーズに物事が進みます。
税理士に関して、掲示板情報や口コミサイトなどで評価をチェックすることも可能です。実際に依頼した方の意見なので、ホームページを見るだけでは分からない、リアルな評判を知ることができるでしょう。評判と実際に対応してもらった時の印象で決めるのもひとつの手段です。
所在地や業務エリアに絞って選ぶのもいいでしょう。クリニックから近い場所に事務所を構える税理士であれば、直接顔を合わせて相談ができます。また、クリニックがある地域に詳しい税理士であれば、その地域に適したアドバイスを得られることもあるでしょう。
ここでは、クリニックが税理士と契約するメリットを解説していきます。
【メリット】
税理士は、専門的な知識と経験から的確なアドバイスをしてくれます。そのため、クリニック経営における質の高いアドバイスを受けることが可能です。
医療機関での経験がある税理士と契約することで、他のクリニックの情報を得られる可能性があります。これは、その税理士が他のクリニックとも顧問契約を結んでいる可能性が高いためです。
もちろん守秘義務はありますが、差し支えない範囲で他のクリニックの最新の情報を得られることがあります。また、他のクリニックの情報を踏まえたアドバイスを受けられるので、メリットは大きいです。
クリニックが税理士と契約することで、専門的な視点からのアドバイスによって経営の安定化を図ることができます。また、さらなる発展の支援をしてもらうことも可能です。
税務・会計に関しては煩雑な部分が多く、専門的な知識がなければミスやトラブルにつながる可能性があります。少しのミスで信用を失ったり処罰を受けたりすることもあるので、専門的な知識がある税理士と契約を結ぶことで、これらのリスクを低減することが可能です。
クリニックで税理士と契約するデメリットは、強いて言えば、顧問料の負担でしょう。それ以外は、基本的にデメリットはありません。
クリニックを経営するのであれば、税理士と契約を前向きに検討するのがおすすめです。顧問料の相場に関しては後述します。
ここでは、クリニックに強みのある税理士を見つけるポイントを紹介していきます。
【クリニックに強い税理士を見つけるポイント】
まず、医療機関での経験が豊富な情報を選ぶようにしましょう。ホームページを見れば過去の実績が掲載されているので確認してみるといいです。
逆に、実績が掲載されていない事務所の場合は、どの程度の経験があるか事前にしっかりと確認する必要があります。
医療機関での経験が豊富な税理士は、同時に複数のクリニックなどと契約しています。先輩ドクターや医療機関の知り合いなどから紹介してもらうことで、探す手間を省くことが可能です。
税理士は多忙な方が多いですが、それでもコミュニケーションが円滑な事務所は、良い事務所だと言えるでしょう。契約前の相談の段階で、コミュニケーションが円滑かどうか、対応は丁寧かどうかを見ておくといいです。
税理士を探す際は、税理士紹介サービスを利用するのも有効です。条件を絞って探すことができるので、自院に適した税理士を見つけられるでしょう。
ここでは、クリニック税理士の顧問料の相場を解説していきます。
クリニック税理士の顧問料の相場は、月33,000円~55,000円が相場です。しかし、事務所によってさがあるので、事前にしっかりと確認した上で契約するようにしましょう。
自身の業務に集中できることを考えれば決して高くない相場なので、やはり税理士と契約するのがおすすめです。
税理士事務所の中には、相場より安い月数千円かでサービスを提供しているところもあります。
このような激安税理士事務所は、記帳代行や給与計算を別料金にする、もしくはフォーマットを指定していることが多いです。また、初年度のみなど、特別な条件で割安にしています。
基本的に、売上に応じて料金が上がることはなく、単一料金です。これは税理士側、クリニック側両方にメリットがあります。
税理士側は、契約書や債権の管理が煩雑化せず、手間がかかる契約初年度からしっかりと顧問料を徴収することが可能です。クリニック側は、料金形態が分かりやすく、契約後に顧問料を増額される事を心配しなくて済みます。
クリニックにおいて、社労士は税理士より重要性は下がりますが、従業員が増えていけば重要性が増していきます。以下では、3つのポイントを解説していきますので参考にしてください。
社労士の主な役割は以下の通りです。
クリニックが社労士を選ぶ際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。
基本的な医療用語を理解しているか否かは、コミュニケーションをとる上で重要です。医療用語を理解していない場合、コミュニケーションがスムーズにとれないため、やり取りに時間がかかってしまうでしょう。
労務トラブルのなかには、緊急性が高いものもあります。そのため、緊急時に営業時間外でも柔軟に対応してくれる社労士は、クリニックに大きく貢献してくれるでしょう。
可能であれば、税理士同様、医療機関の顧問を務めた経験がある社労士が理想です。医療機関での経験が豊富な社労士であれば、さまざまな事例をもとにアドバイスしてくれるでしょう。
社労士の相場は、月額20,000円程度です。依頼する内容を限定すれば、もう少し料金は安いでしょう。たとえば、給与計算や社会保険に関する手続きのみを依頼すれば、料金を抑えられます。
クリニックにおいて、税理士・社労士との契約は経営に大きくかかわるため重要です。自身で対応できるとしても、業務効率化の視点で考えればコストを割いて契約したほうが、結果的に売上増や質の高い医療サービスの提供につながるでしょう。
税理士・社労士との契約を検討しているクリニックは、今回の記事の内容を参考にしてみてください。
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