美容クリニックの開業成功ポイント|開業資金やスケジュールも徹底解説

更新日 2024.02.06
投稿者:豊田 裕史

美容クリニックは、医療と美容を融合させたサービスで、近年人気が高まっています。しかし、美容クリニックを開業するには、多額の資金や高度な技術、独自のコンセプトなどが必要です。

この記事では、美容クリニック開業に関する市場動向や資金計画、経営戦略、開業支援などの情報を紹介します。美容クリニックを開業する前に知っておきたい基礎知識やポイントも解説します。美容クリニック開業に興味のある医師の方は、ぜひ参考にしてください。

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【はじめに】美容クリニック開業の今!市場動向を紹介

美容クリニックを開業するには、市場の動向や競合の状況を把握することが重要です。美容医療市場は拡大傾向にありますが、参入障壁も高く、差別化戦略が必要です。まずは美容クリニック開業のために知っておくべきポイントを紹介します。

美容クリニックとは?美容外科、形成外科との違いまで

美容クリニックとは、美容目的で皮膚や体の一部を治療する医療機関のことです。美容皮膚科や美容外科が代表的です。形成外科とは異なり法律上の定義はありませんが、一般的には以下のような特徴があります。

  • ・美容皮膚科や脱毛クリニックなど、専門分野に特化したクリニックが多い
  • ・手術を行わないか、あるいは局所麻酔で済むような軽度な手術が中心
  • ・自由診療が主体で、保険診療はほとんど行わない

形成外科は、美容目的だけでなく、先天性や外傷性の欠損や障害を修復する医療も行います。手術を行う場合も多く、全身麻酔や入院が必要な場合もあります。保険診療も一部行います。

都市部に開業する必要がある

美容クリニックを開業する場合、都市部に立地することが望ましいです。理由は以下の通りです。

  • ・都市部の方が美容に対する関心や需要が高い
  • ・都市部では交通の便が良く、患者の集客がしやすい
  • ・都市部では医療機器や薬剤の調達やメンテナンスが容易

ただし、都市部では競合も多く、家賃や人件費などの経営コストも高くなります。そのため、開業資金や収支計画をしっかりと立てる必要があります。

競合が多く患者獲得競争が激しい

美容クリニックは自由診療が主体であるため、患者獲得のためにはマーケティングや広告活動が不可欠です。しかし、同じようなサービスを提供する競合も多く存在し、インターネットやSNSなどで情報発信を行っています。そのため、患者獲得競争は激しくなっています。

競合と差別化するために、以下のような戦略を立てることができます。

  • ・自分の得意分野や特色を明確にする
  • ・患者のニーズや満足度を把握し、フィードバックを活用する
  • ・口コミや紹介で信頼感を高める
  • ・オンライン予約やカウンセリングなどで利便性を向上させる

女性医師はそれだけで強みになる

美容クリニックの患者は女性が多いので、女性医師であることはそれだけで強みになります。女性医師は、女性の悩みや感覚に寄り添いやすく、安心感や信頼感を与えやすいというメリットがあります。また、女性医師自身が美容に関心が高く、自分の体験や知識を活かしてアドバイスできるという点も魅力的です。

女性医師は、自分の性別をアピールすることで、患者の選択肢になりやすくなります。例えば、以下のような方法があります。

  • クリニック名に「女医」や「レディース」などのワードを入れる
  • ホームページやSNSで自分のプロフィールや写真を掲載する
  • 女性向けの雑誌やメディアに広告や記事を掲載する

大手グループクリニックが多数存在しており、差別化戦略が必要

美容クリニックは他の診療科に比べて大手グループクリニックが多数存在しています。広告費をふんだんに使える大手といかに差別化して、患者を獲得するかという戦略が重要です。

美容外科 湘南美容クリニック、TCB東京中央美容外科、高須クリニック、城本クリニック、THE CLINIC、など
美容皮膚科 ㇷレイアクリニック、リゼクリニック、エミナルクリニック、アクネクリニック、品川スキンクリニック、など

個人の美容クリニックが、大手チェーンクリニックと正面から価格競争を行うのは現実的ではありません。

戦略としては、大手と同じ低価格を望む患者層を狙うのではなく、付加価値を高めた中〜高価格の患者層をメインターゲットとするなど、独自のコンセプトを検討するとよいでしょう。

美容クリニックの開業資金はどれくらい?自己資金はいくら準備すればいいの?

ここでは、開業資金の目安や、必要な自己資金、資金の調達方法などについて解説していきます。美容クリニックの開業資金は5000万円〜1億円と他の診療科に比べて高額になりがちです。

下記の表では、開業資金のおおまかな内訳をまとめています。

不動産(敷金・礼金・仲介手数料) 1,000万円~
設備・内装工事 2,500万円~3,000万円
医療機器 3,000万円〜3,500万円
マーケティング 500万円~
その他 500万円~

上記のデータからもわかるように、美容医療機器費用は美容クリニックの開業資金のうち、大きな割合を占めています。美容医療の中でも特に人気の、シミ取りやシワ改善に用いられるレーザー機器は数千万円を超えることも多く、開業時には大きな負担となるでしょう。

また、美容クリニックは集患のために、都心の駅からアクセスの良い好立地を選ぶことが多く、テナント料も高額になりがちです。さらに、内装には高級感を求められるため、内装費や家具購入費なども他の診療所より高くなることが予想されます。

美容クリニックの開業には、他診療科に比べて多額の資金が必要となることは確認しておきましょう。

自己資金はいくらくらい準備すればいいの?

開業をするにあたって、自己資金はどれくらい必要なのでしょうか。

開業資金の全額を自己資金として用意する必要はなく、資金の大部分は金融機関からの融資などでまかなうことが可能です。一般的に、自己資金は開業資金の1〜2割程度を準備しておくと良いとされています。

自己資金0で融資を受けることは難しいので、最低でも1割程度は準備しておきましょう。

資金調達については次章で解説しますので、ご参照ください。

開業資金の資金調達方法とポイント

開業資金の調達方法は複数あり、それぞれに特徴があります。

どのような選択肢があるのか確認し、自身にあった方法を選択しましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は取引実績の無い場合も利用しやすく、クリニック開業の資金調達方法としてメジャーな選択肢の一つです。

比較的低金利で融資を受けることができ、開業時に活用しやすい制度もそろっています。

融資限度額は3,000万円となっていますが、創業2期以内は1,000万円が上限とされているため、実質的に上限額は1,000万円と考えておくとよいでしょう。

クリニック開業の場合、1,000万円の融資では足りないため、残りは民間金融機関などからの融資で補うことになります。

民間金融機関

民間の金融機関を利用する場合は、都市銀行よりもクリニック開業の融資に積極的に取り組む地方銀行や信用金庫などに相談すると良いでしょう。

銀行によっては、診療所開業専門部署を設置しているところもあるので、まずは専門部署があるか確認をしてみてください。

また、民間金融機関は審査から融資までがスピーディーなため、迅速な資金調達が必要な場合には特に有効でしょう。

リース会社

医療機器のリース会社が、開業資金の貸し付けまで対応しているケースもあります。

リースとまとめて資金調達もできる手軽さが魅力ですが、金利は高い傾向があるので注意が必要です。

医療信用組合

医療信用組合は医師会・歯科医師会・薬剤師会を母体として設立された医療系専門の金融機関で、開業時には有利な条件で融資をしてもらえることがあります。

ただし、利用できるのは医師会会員の方のみのため、ご注意ください。

美容クリニックの開業資金を抑える方法

ここでは、美容クリニックの開業資金を抑える方法を解説していきます。

美容医療機器はできるだけ最小構成で

美容医療機器は、さまざまな種類があり、最初はメニューを増やすためにどうしても多くの機器を導入しようとしがちです。たしかに施術メニューは多く増やせますが、その分経費も増えます。また、メニューが増えた結果、各施術メニューに対して集客コストがかかるので結果的に広告費も増えることになります。リソースが少ない初期の内は、ある程度集客の目途が立つカテゴリーに予算を集中し、美容医療機器導入や広告費の投下をするのがおすすめです。

電子カルテやその他の設備もクラウド型などお得なサービスを選ぶ

美容クリニックの開業時は、電子カルテや会計に必要なPOSレジ、キャッシュレス決済端末、スタッフの採用や管理に必要な、求人媒体、勤怠管理システム、シフト管理システム、その他予約システムやweb問診システムなど多岐にわたるサービスを導入する必要があります。

これら各種サービスの選定を慎重に行うことで大幅にコストを削減することが可能です。例えば電子カルテであれば、100万円未満で導入できる製品もあれば、400~500万円程度かかる製品があります。安い方が良いとは一概には言えませんが、製品によって大幅に価格面位差があることを頭に入れておきましょう。美容クリニック開業段階では、希望条件に合致しつつ、できるだけ費用の安い製品を選ぶことが大切です。

ただし、予備知識がない中、製品・サービスをひとつひとつ選定するのは大変ではないでしょうか。当サイトではそういった先生方のために無料で、希望条件にあった最適価格の製品をご案内するサービスを実施しています。

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内装工事やホームページ制作など業者に依頼するタイプのサービスは必ず相見積もりをとる

内装工事やホームページ制作など、業者に委託するタイプのサービスは複数の業者に問い合わせ,相見積もりを取るようにしましょう。ひとつの業者にしか問い合わせなかった場合、相場より割高な費用を請求されるケースがあります。また、開業コンサル経由で紹介してもらった業者にも注意が必要です。開業コンサルが、中間にたって代理店手数料を上乗せしているので通常より高額で内装工事やホームページ制作をすることになる場合があります。(一部の開業コンサルのみ)

適正価格かどうか判断する、より費用が安い業者を見つけるという意味でも相見積もりを取ることがポイントです。

美容クリニック開業成功した場合の収支・年収・働き方のイメージ

美容クリニックの開業に成功した場合の収支や年収はどれくらいなのでしょうか。

美容クリニックの場合、他の診療科のように収支の公的なデータが公開されていません。

しかし、美容クリニック勤務医の求人情報をみると年収2,000万円を超えるような高額求人が多く、事業の収益力の高さがうかがえます。

開業医の場合、年間の収益が5,000万円を超える例も多いと言われており、他の保険診療クリニックに比べて大きな収益が得られるといえるでしょう。

美容クリニックの開業を成功させるためのポイント・注意点

ここでは、美容クリニックの開業を成功させるためのポイントや注意点を解説していきます。

  • アクセスの良い立地
  • 内装は”SNS映え”を意識
  • WEBを使った患者獲得にリソースを割く
  • SNS戦略を重要視する
  • 見積りは複数社から取る
  • 余裕のある資金計画|看護師への報酬制度も

アクセスの良い立地

美容クリニックの場合、WEBマーケティングからの集患割合が高くなるため、立地は駅からのアクセスが良い場所にすることをおすすめします。

来院しやすさを考えると、駅出口の近くや、シンボリックな建物の近くであると良いでしょう。

アクセスの悪い立地になってしまう場合は、駅出口からの行き方を詳しく説明する写真や動画を公式サイトに掲載するなど、工夫をする必要があります。

内装は”SNS映え”を意識

来院した患者にSNSなどで拡散してもらえるように、内装を工夫することも重要です。

特徴的なデザインの写真撮影スペースを設ける取り組みなども、SNSで拡散されるためには有効でしょう。

綺麗で高級感があり、写真映えする内装を意識してみてください。

WEBを使った患者獲得にリソースを割く

競合が乱立しているクリニックはwebを使った積極的な集患施策の実施が必須です。

以下はある有名美容外科・皮膚科クリニックのweb戦略です。かなりの予算を使っていることがわかります。

※弊社のwebスクレイピング技術で調査したデータですので、クリニック名は伏せさせていただきます。また、数値はツールにより割り出していますのであくまで参考程度にご確認ください。

SEO コラムページへの流入から新規施術(カウンセラー)予約につなげています。
例:「鼻を小さくする方法」で検索上位となるコラムページを作成。ページ内から鼻形成術のカウンセリングへと誘導。
大量のコラムページを作成し、月間の総PV(閲覧)数は30万件程度
リスティング 月間予算は150万円程度
ランディングページはトップページ
狙っているキーワード例
・汗止め注射
・小顔エラ注射 など他多数
ディスプレイ広告 月間予算100万円程度
リスティングやSEOで流入したユーザーに対するリターゲティング(リマケ)広告中心
アフィリエイト広告 新規カウンセリング予約単価10,000円でアフィリエイト広告を出稿。各種比較メディアにて紹介を受けている。

大手とは広告にかけられる予算が違うので、勝ち残るためには競合のクリニックと正面衝突しないようにコンセプトを差別化することが重要です。

WEBマーケティングの手法に関しては、コンサル等を利用すればある程度他社と同レベルの水準で実施できます。

一方で提供するサービス(医療)の開発・コンセプトというのは、自院でしか考えられません。いかに顧客にニーズがありつつ、他社とぶつからないサービスを開発できるかどうかが、成功の大きな分かれ目となるでしょう。

SNS戦略を重要視する

web広告と並行して、SNSを使った集患も重要です。例えば、大手美容外科の東京美容外科では以下のような戦略を取っています。

公式LINE@ キャンペーン情報やクーポンを配信。再来患者数増加のための各種販促施策を実施。LINEを使ってそのまま予約することも可能になっている。
3つのYoutubeチャンネルの運用 ・チャンネル名:ドクターA(理事長の情報発信チャンネル)
・チャンネル名:豊胸ちゃんねる(豊胸手術やバストのお悩みに関する情報発信)
・チャンネル名:輪郭・鼻専門ちゃんねる(輪郭形成・鼻形成の解説をしている)
公式instagram、x(旧twitter)、facebookの運用 美容関連の情報提供やキャンペーン情報を発信。
理事長の公式instagram、x(旧twitter)、アメブロの運用 美容関連の情報提供やキャンペーン情報を発信。
各院の院長が公式instagram運用 美容関連の情報提供やキャンペーン情報を発信。現在院長・副院長計18名が各自のアカウントを運用。

ご覧の通り東京美容外科ではなんと、計28のSNSアカウント・Youtubeチャンネルを運用し、新規患者獲得や再来患者の誘因施策を実施しています。

このように、SNSからいかに患者を獲得するかは、多くのクリニックが重視する施策の一つですので、積極的に取り組んでいきましょう。

見積りは複数社から取る

医療機器の導入時に複数社から見積りをとることも重要なポイントです。この記事の中でもお伝えしましたが、美容医療機器は非常に高額で、開業費用の大きな割合を占めます。

医療機器の導入費を抑えることができれば、開業時の費用負担が軽くなり、経営は安定するでしょう。

そのためには、見積りを1社だけでなく複数社から取り、適正価格を確認したり、価格交渉をしたりして、医療機器の導入費用を抑える必要があります。

また、見積りを取る際には、本体の価格だけではなく、メンテナンス費用や搬入設置費用も含めたトータルの金額で取ることも重要です。本体価格の安さに惹かれて選んだものの、思ったよりもメンテナンス費用が高額で、経営を圧迫してしまった、というケースもあります。

医療機器の導入時には、トータル金額の見積もりを複数社から取るようにしましょう。

余裕のある資金計画|看護師への報酬制度も

開業時の資金計画を立てる際には、余裕を持った見積もりをすることが大切です。予想外の出費や収入減に備えて、初期費用や運転資金に余裕を持っておくことで、安心して経営をスタートさせることができます。

また、開業医として経営を行う上で、看護師への報酬制度も重要な要素の一つです。看護師は医師の右腕として、患者さんの診療や治療に欠かせない存在です。看護師への報酬制度は、固定給だけでなく、歩合給やボーナスなどを導入することで、看護師のモチベーションやスキルアップを促し、クリニックの売上や利益にも貢献することができます。

開業後にスムーズにクリニックを運営していくためには、、看護師などを考慮した開業時の資金計画を立てることが必要です。そして、その資金計画には余裕を持っておくことが大切です。これらのポイントを押さえておけば、開業医として成功する可能性が高まります。

美容クリニックのコンセプトを差別化させるための経営戦略

美容クリニックの開業は競合が多いため、ふんだんにリソースがあるという場合をのぞき、クリニックの「コンセプト」で他院と差別化する経営戦略が求められます。

施術するカテゴリーを狭め専門性を打ち出す

開業当初は、さまざまな美容医療機器を導入し幅広いメニューを提供したいと考える方が多いです。しかし、施術メニューの幅を広げることで、医療機器の導入費用や集客に必要な広告費など、初期投資が膨らみます。思うように集客ができなかった場合に経営を圧迫することになるのでリスクの大きい経営戦略となります。

まずは特定のカテゴリーに絞って開業することで、専門性のあるクリニックとしてもブランディングできるので、開業初期にうまくいくケースが多いです。専門化するカテゴリー例として、「脂肪吸引・瘦身専門」「二重術専門」などが挙げられます。

男性特化など、ターゲットを絞る

男性特化など、ターゲットを絞るのも差別化戦略として有効です。上記のカテゴリーを絞るという話にも共通しますが、開業初期のリソースが少ない段階では、競合がいないところに予算を集中させる「ランチェスターの法則」の考え方が重要です。

ランチェスターの法則とは、古くから多くの企業に活用されてきた考え方で、戦力に勝る「強者=大手企業」と戦力に劣る「弱者=中小企業」のそれぞれがどのように戦えばよいかを考えるための理論です。ランチェスターの法則では、弱者にあたる新規開業のクリニックが勝つための戦略として、セグメントした市場に資源を一点集中させることが大切だと説かれています。

市場をセグメント(細分化)しなおかつリソースを集中させることで、その市場においては弱者が強者のリソースを上回ることができます。その結果、圧倒的な力をもつ強者にも、その市場であれば弱者が勝利することができます。

美容クリニックも多数の大手競合がいるため、このランチェスターの法則の考え方を取り入れた戦略論が求められます。

美容クリニック開業までのスケジュール

美容クリニック開業までのスケジュール例は下記の通りです。遅くとも、開業の半年前までには準備を開始しましょう。

開業までのスケジュール例

ここからは、美容クリニック開業までの流れをステップ形式で解説していきます。

開業目的・コンセプトや開業計画の策定

まず、美容クリニックを開業する目的や目標を明確にします。どのような施術を行うのか、ターゲット層は誰なのか、競合他社はどのようなクリニックなのかなどを分析し、開業計画を作成します。

開業場所・物件を探す

美容クリニックを開業する場所は、ターゲット層のアクセスが良く、集客しやすい場所を選ぶ必要があります。また、物件の広さや構造、賃料なども考慮する必要があります。

開業資金を調達する

美容クリニックを開業するためには、開業資金が必要です。開業資金は、物件の賃料や内装工事費、医療機器の購入費、人材採用費、広告宣伝費などです。開業資金は、自己資金と金融機関からの融資で賄うケースが多いです。自己資金は500万円~1,000万円用意しておくことが推奨されます。

内装工事を進める

美容クリニックの内装は、清潔感と高級感、SNS映えする空間を意識して設計する必要があります。また、施術室や待合室、トイレなどの設備も整える必要があります。

医療機器を選定する

美容クリニックでは、施術を行うための医療機器が必要です。医療機器は、メーカーや種類によって価格が異なりますので、予算に合わせて選ぶ必要があります。

各種設備・備品・ITツールを導入する

レジやキャッシュレス決済端末、予約システムやweb問診システム、その他各種設備・備品の導入を進めましょう。できるだけコストをおさえて過大装備になりすぎないようにするのがポイントです。

開業手続き・各種申請を進める

美容クリニックを開業する際には、開業届を税務署に提出する必要があります。開業届は、開業日から1ヶ月以内に提出する必要があります。

広告宣伝・集患活動を開始する

美容クリニックを開業したら、広告宣伝を行い、患者を集客する必要があります。広告宣伝には、チラシやポスターの配布、インターネット広告、ホームページのSEO対策、アフィリエイト、テレビCMなど、さまざまな方法があります。

人材採用を行う

美容クリニックでは、医師や看護師などの医療スタッフを採用する必要があります。また、受付や受付などの事務スタッフも必要です。医療スタッフの採用は、医療専門の転職サイトや求人サイトを利用すると良いでしょう。

開業

広告宣伝を行い、患者を集客したら、いよいよ営業開始です。美容クリニックの運営は、患者の満足度を高め、リピーターを増やすことが重要です。美容クリニックを開業するには、多くの準備が必要ですが、成功すれば大きな収益を得ることができるでしょう。

クリニック開業までの流れについては【成功へ導く】クリニック開業ロードマップ|成功に大切なポイントとはでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

美容クリニックの開業相談先は?

ここでは、美容クリニックの開業相談先を紹介していきます。

開業コンサルタント

美容クリニックの開業では、多くの場合開業コンサルタントを活用します。コンセプトの策定や開業までのスケジューリング、機器や業者の選定・紹介、各種申請のサポートなど、包括的な支援を請け負ってもらえます。

ただし、一部の開業コンサルタントにおいては、サポート力が低い、機器や業者の紹介時に高額な手数料を上乗せする、クリニックのニーズに関係なく懇意にしている業者のサービスを紹介するといった、質の低いサービスを提供している企業もあります。優良な企業も多くあるので、コンサルタントに相談する前の見極めが非常に重要になります。

税理士

税理士に開業相談を請け負ってもらえる場合もありますが、開業コンサルタントに比べるとあまり事例は多くありません。税理士側にノウハウがない場合が多いので、基本的にはおすすめしません。

ただし税理士は、ほとんどの美容クリニックで開業後に必須となる外部委託先です。主に税金関係の処理を請け負ってもらえます。自力で税金処理を行うことは大変なうえに、ミスも多くなるのでケースとして非常に少ないです。

社会保険労務士

社会保険労務士に開業相談を請け負ってもらえる場合もありますが、こちらも税理士同様あまりケースとして多くありません。ノウハウも少なく非常に稀です。

ただし、社会保険労務士はクリニック開業し、スタッフを雇用した後には必要性が増します。日常的な労務相談に対応してもらえます。スタッフとトラブルがあった際などは、間にたって対応いただけるので非常に頼りになる存在です。

美容クリニック開業支援実績が豊富なコンサルティング会社4選

ここでは、美容クリニック開業支援実績が豊富なコンサルティング会社として以下の四つの企業を紹介していきます。

  • 株式会社エスエス・エフ
  • 株式会社船井総合研究所
  • KSメディカルサポート株式会社
  • 株式会社Kwin(クイーン)

株式会社エスエス・エフ

株式会社エスエス・エフ

出典:株式会社エスエス・エフ https://ss-f.co.jp/

株式会社エスエス・エフは、自費診療専門の開業コンサルティング会社です。メンバーには、大手美容クリニックや全国展開のAGAクリニックでのマーケティング担当経験者がおり、集患対策面で頼りになるサポートを提供しています。開業コンサルティングのほかに、自費診療導入支援や、法人設立サポートなども実施しています。

株式会社船井総合研究所

株式会社船井総合研究所

出典:株式会社船井総合研究所 https://www.funaisoken.co.jp/

株式会社船井総合研究所は、クリニックの開業コンサルティング会社として極めて豊富な実績をもつ企業です。美容クリニックの開業においても、豊富な実績をもっています。45年間のコンサルティング経験で培ってきた独自のデータやノウハウの提供が受けられる点が最大の魅力のひとつです。短期的なサポートだけでなく、長期にわたって安定した経営を実現できるようにクリニックの開業支援を行います。

KSメディカルサポート株式会社

KSメディカルサポート株式会社

KSメディカルサポート株式会社 出典:https://www.ks-m.co.jp/

KSメディカルサポート株式会社は、自由診療に特化した開業コンサルティング会社です。 美容外科クリニックを中心として開業・経営支援に15年以上取り組んでいる実績豊富な会社です。過去に開業支援を行ったクリニックでは、初年度黒字率・初年度院長報酬1,200万円以上率ともに100%と、高い成果を出し続けています。また、初年度以降も継続的な支援を行うことで各クリニックが継続的な成長を続けている点も魅力です。

株式会社Kwin(クイーン)

株式会社Kwin(クイーン)

出典:株式会社Kwin(クイーン) https://kwin.co.jp/

株式会社Kwinは、美容皮膚科、美容外科の開業・集客・求人の支援を行う会社です。WEB制作や広告媒体運用、SEO/MEO対策のノウハウもあり、集客面でサポート力が高い点が特長です。その他、クレジットカード決済手数料削減サービスなど、幅広いサービスを提供しています。

美容クリニックの基礎知識|美容医療の種類やメニュー例を紹介

ここでは、開業前に知っておきたい美容クリニックの基礎知識として、種類やメニュー・料金について解説していきます。

美容クリニックの種類

美容クリニックは大きく分けると、美容外科と美容皮膚科の2種類に分けられます。それぞれ概要を簡単に解説します。

美容外科とは

美容外科とは、見た目の改善を外科的な施術により目指す臨床医学を指します。美意識に基づく改善を目指した医療なので、人体の機能上の欠損や変形の矯正を目的とした形成外科とは異なります。

美容外科の施術は、大きく分けると「切開する手術」と「切開をしない手術」に分けられます。切開する手術には、二重まぶたの手術、鼻の整形、脂肪吸引などがあります。一方で、切開をしない手術には、ヒアルロン酸注射、ボトックス注射、レーザー治療などがあります。

美容皮膚科とは

美容皮膚科とは、外科手術などで身体を美しく整える美容外科とは違い、美しい皮膚を生み出すことに特化した臨床医学です。シミ治療やニキビ治療など、メスを使わない施術で羽田悩みの解決を目指します。

美容皮膚科と一般皮膚科はどう違うのでしょうか?一般皮膚科では、保険が適用される範囲内で対処的な治療を施します。一方で、美容皮膚科は保険に限定されず、クリニックオリジナルの施術など、さまざまな美肌治療を施すことができます。

美容外科のメニュー例

美容外科の代表的なメニュー例をいくつか紹介していきます。

二重術

二重術とは、まぶたを二重にするための施術です。需要が高く人気の施術なので、多くの美容外科クリニックで標榜されています。二重術は大きく分けると、埋没法と切開法に分けられます。それぞれの料金帯は、下記の通りです。

種類 料金帯 施術内容
埋没法 7,000円~330,000円 皮膚を切開しない方法
切開法 70,000円~350,000円 皮膚を切開する方法

鼻・フェイスラインの美容整形

鼻・フェイスラインの美容整形も二重術と同様に人気メニューです。鼻縮小・鼻尖形成・鼻を高く・隆鼻術といった施術を行います。例えば、鼻プロテーゼ(隆鼻術)であれば手術の価格対10万円~40万円程度になります。

プチ整形

プチ整形も、若い方を中心に需要が高く、メニューとして取り入れている美容クリニックは多くあります。代表的なプチ整形の例として、埋没法による二重術やヒアルロン酸によるシワ改善、ボツリヌス注射、注入による鼻・輪郭形成などが挙げられます。

美容皮膚科のメニュー例

ここでは、美容皮膚科の具体的なメニュー例を紹介していきます。

ニキビ治療

ニキビ治療は、多くの美容皮膚科クリニックで標榜されています。一口にニキビ治療と言っても、保険の縛りの無い美容皮膚科では、ピーリングや、LED治療、炭酸ガス治療、ニキビ圧出など数多くの種類の治療が行われています。

シミ治療

シミ治療も多くの美容皮膚科で取り入れられています。30,000円程度と比較的に低価格な料金設定をしているクリニックが多いのも特徴です。シミ治療ではレーザー治療が人気です。専用のレーザーをシミの上から照射して、色素を破壊します。

ヒアルロン酸注射

手軽にほうれい線を目立たなくする、顔のリフトアップができるということでヒアルロン酸注射も人気メニューです。手軽に施術ができるので、美容皮膚科だけでなく一般の保険診療の皮膚科が実施しているケースもあります。

医療脱毛

医療脱毛を取り入れている美容皮膚科も多くあります。医療脱毛は非常に競争が激しいですが、その分需要も高く、うまくマーケティングができれば大きな売上となります。大手のㇷレイアクリニックやリゼクリニック、アリシアクリニックなど、リソースが多くあるクリニックが競合になるので、マーケティングの戦略が重要になります。webはアフィリエイトメディアをうまく活用する、snsを活用するといった施策が求められます。

美容クリニック開業に資格は必要かどうか

結論として、美容クリニック開業に特別な資格は必要ありません。医師免許があれば問題ないです。医師免許を持っている人が管理者として院長になれば、開業が可能です。診療や施術などの医療行為は院長が対応し、経営に関しては別の人が行っても問題ありません。

美容クリニック開業に特別な資格は必要ありませんが、持っていると便利な資格はいくつかあるのでご紹介いたします。

美容クリニック開業にあたり、持っていると便利な資格

美容クリニック開業時に持っていると便利な資格として、以下の2つが挙げられます。

  • 医療経営士
  • 病院経営管理士

それぞれ簡単に紹介していきます。

医療経営士とは?

医療経営士とは、医療機関の経営に必要な知識とスキルを身につけた人材に与えられる資格です。医療経営士は、医療機関の経営戦略の策定や実行、予算管理、人材マネジメント、リスクマネジメント、マーケティングなどの分野で活躍しています。

医療経営士の資格は、一般社団法人日本医療経営実践協会が認定しています。医療経営士の資格試験は、1級、2級、3級の3つのレベルに分かれています。1級は、医療経営の専門家として活躍できる人材を対象とした資格試験です。2級は、医療経営の基礎知識を身につけた人材を対象とした資格試験です。3級は、医療経営の基本的な知識を身につけた人材を対象とした資格試験です。

医療経営士の資格は、医療機関の経営に携わる人にとって、非常に役立つ資格です。医療経営士の資格を取得することで、医療機関の経営を効率的かつ効果的に行うことができるようになります。また、医療経営士の資格を取得することで、医療機関の経営に携わる人材としての市場価 値を高めることができます。

病院経営管理士とは?

病院経営管理士とは、病院(美容クリニック含む)の経営管理を円滑かつ積極的に実行する能力および適応力を身につけた人材が取得できる資格のことです。

病院経営管理士の資格は、一般社団法人日本病院会が認定しています。病院経営管理士の資格試験は、39科目49単位で構成されており、リポート・スクーリング・試験・卒業論文の提出をし、全ての要件について合格基準を満たした方に卒業資格が認められ、一般社団法人日本病院会認定の「病院経営管理士」として登録されます。

病院経営管理士の資格は、美容クリニックの経営に携わる人にとって、非常に役立つ資格です。病院経営管理士の資格を取得することで、美容クリニックの経営を効率的かつ効果的に行うことができるようになります。

まとめ

この記事では、美容クリニックの市場動向や開業を成功させるためのポイント、開業資金の調達方法やスケジュールなどを詳しく解説しました。美容クリニックは他の診療科に比べて開業資金が高額になってしまいますが、開業に成功した場合は大きな収益が見込めます。開業成功のポイントをおさえて、美容クリニック開業を成功させましょう。

クリニック開業関連コンテンツ一覧

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  • 「そもそも何から手を付ければいいのかわからない」
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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。


フリーランスWEBライター
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元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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