美容クリニックの開業を検討する中で、市場動向が不安であったり、開業資金について気になったりしている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、美容クリニックの市場動向や開業を成功させるためのポイント、開業資金の調達方法やスケジュールなどを詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、美容クリニック開業の要点を抑えることが出来るでしょう。
美容クリニックの開業を検討している方はぜひご覧ください。
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目次
2022年の美容クリニック市場では、新患数の減少や新患の獲得コスト高騰などが傾向として見られました。
上記傾向の原因のひとつとしては、大手・新興チェーンクリニックの価格訴求があげられるでしょう。
美容医療に参入するクリニックは増加傾向にあり、価格競争は今後も激化していくことが予想されます。
しかし、個人の美容クリニックが、大手チェーンクリニックと正面から価格競争を行うのは現実的ではありません。
戦略としては、大手と同じ低価格を望む患者層を狙うのではなく、付加価値を高めた中〜高価格の患者層をメインターゲットとすると良いでしょう。
ここでは、開業資金の目安や、必要な自己資金、資金の調達方法などについて解説していきます。美容クリニックの開業資金は5000万円〜1億円と他の診療科に比べて高額になりがちです。
下記の表では、開業資金のおおまかな内訳をまとめています。
不動産(敷金・礼金・仲介手数料) | 1,000万円~ |
---|---|
設備・内装工事 | 2,500万円~3,000万円 |
医療機器 | 3,000万円〜3,500万円 |
マーケティング | 500万円~ |
その他 | 500万円~ |
上記のデータからもわかるように、美容医療機器費用は美容クリニックの開業資金のうち、大きな割合を占めています。美容医療の中でも特に人気の、シミ取りやシワ改善に用いられるレーザー機器は数千万円を超えることも多く、開業時には大きな負担となるでしょう。
また、美容クリニックは集患のために、都心の駅からアクセスの良い好立地を選ぶことが多く、テナント料も高額になりがちです。さらに、内装には高級感を求められるため、内装費や家具購入費なども他の診療所より高くなることが予想されます。
美容クリニックの開業には、他診療科に比べて多額の資金が必要となることは確認しておきましょう。
開業をするにあたって、自己資金はどれくらい必要なのでしょうか。
開業資金の全額を自己資金として用意する必要はなく、資金の大部分は金融機関からの融資などでまかなうことが可能です。一般的に、自己資金は開業資金の1〜2割程度を準備しておくと良いとされています。
自己資金0で融資を受けることは難しいので、最低でも1割程度は準備しておきましょう。
資金調達については次章で解説しますので、ご参照ください。
開業資金の調達方法は複数あり、それぞれに特徴があります。
どのような選択肢があるのか確認し、自身にあった方法を選択しましょう。
日本政策金融公庫は取引実績の無い場合も利用しやすく、クリニック開業の資金調達方法としてメジャーな選択肢の一つです。
比較的低金利で融資を受けることができ、開業時に活用しやすい制度もそろっています。
融資限度額は3,000万円となっていますが、創業2期以内は1,000万円が上限とされているため、実質的に上限額は1,000万円と考えておくとよいでしょう。
クリニック開業の場合、1,000万円の融資では足りないため、残りは民間金融機関などからの融資で補うことになります。
民間の金融機関を利用する場合は、都市銀行よりもクリニック開業の融資に積極的に取り組む地方銀行や信用金庫などに相談すると良いでしょう。
銀行によっては、診療所開業専門部署を設置しているところもあるので、まずは専門部署があるか確認をしてみてください。
また、民間金融機関は審査から融資までがスピーディーなため、迅速な資金調達が必要な場合には特に有効でしょう。
医療機器のリース会社が、開業資金の貸し付けまで対応しているケースもあります。
リースとまとめて資金調達もできる手軽さが魅力ですが、金利は高い傾向があるので注意が必要です。
医療信用組合は医師会・歯科医師会・薬剤師会を母体として設立された医療系専門の金融機関で、開業時には有利な条件で融資をしてもらえることがあります。
ただし、利用できるのは医師会会員の方のみのため、ご注意ください。
美容クリニックの開業に成功した場合の収支や年収はどれくらいなのでしょうか。
美容クリニックの場合、他の診療科のように収支の公的なデータが公開されていません。
しかし、美容クリニック勤務医の求人情報をみると年収2,000万円を超えるような高額求人が多く、事業の収益力の高さがうかがえます。
開業医の場合、年間の収益が5,000万円を超える例も多いと言われており、他の保険診療クリニックに比べて大きな収益が得られるといえるでしょう。
ここでは、美容クリニックの開業を成功させるためのポイントや注意点を解説していきます。
美容クリニックの場合、WEBマーケティングからの集患割合が高くなるため、立地は駅からのアクセスが良い場所にすることをおすすめします。
来院しやすさを考えると、駅出口の近くや、シンボリックな建物の近くであると良いでしょう。
アクセスの悪い立地になってしまう場合は、駅出口からの行き方を詳しく説明する写真や動画を公式サイトに掲載するなど、工夫をする必要があります。
来院した患者にSNSなどで拡散してもらえるように、内装を工夫することも重要です。
特徴的なデザインの写真撮影スペースを設ける取り組みなども、SNSで拡散されるためには有効でしょう。
綺麗で高級感があり、写真映えする内装を意識してみてください。
マーケティングにおいては、WEB広告やSNSに注力することが重要です。
美容クリニックの患者は、WEBで調べてクリニックを見つけたり、SNSの情報を見たりして来院する流れが一般的です。
そのため、チラシや看板などのアナログ広告に頼るのではなく、WEB広告やSNSインフルエンサーの活用が重要となるでしょう。
医療機器の導入時に複数社から見積りをとることも重要なポイントです。この記事の中でもお伝えしましたが、美容医療機器は非常に高額で、開業費用の大きな割合を占めます。
医療機器の導入費を抑えることができれば、開業時の費用負担が軽くなり、経営は安定するでしょう。
そのためには、見積りを1社だけでなく複数社から取り、適正価格を確認したり、価格交渉をしたりして、医療機器の導入費用を抑える必要があります。
また、見積りを取る際には、本体の価格だけではなく、メンテナンス費用や搬入設置費用も含めたトータルの金額で取ることも重要です。本体価格の安さに惹かれて選んだものの、思ったよりもメンテナンス費用が高額で、経営を圧迫してしまった、というケースもあります。
医療機器の導入時には、トータル金額の見積もりを複数社から取るようにしましょう。
クリニック開業までの流れについては【成功へ導く】クリニック開業ロードマップ|成功に大切なポイントとはでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
この記事では、美容クリニックの市場動向や開業を成功させるためのポイント、開業資金の調達方法やスケジュールなどを詳しく解説しました。美容クリニックは他の診療科に比べて開業資金が高額になってしまいますが、開業に成功した場合は大きな収益が見込めます。開業成功のポイントをおさえて、美容クリニック開業を成功させましょう。
開業コンサル選びの専門知識・時間がない方
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豊田 裕史|中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://twitter.com/toyoda_2ndLabo
セカンドラボ株式会社の社員。前職では都内近郊の医療機関を中心に医療機器の営業。日々、医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。
カケル
フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152
元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。