開業医の年収・働き方とは?勤務医時代とどう違う?

更新日 2023.10.05
投稿者:豊田 裕史

医師の働き方には、開業医と勤務医があります。いつかは開業医として医療を提供したいという方もいると思いますが、年収や働き方に関して不安がある方もいるでしょう。今回の記事では、開業医と勤務医の年収や働き方の違いを中心に解説していきますので、参考にしてください。

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開業医の年収はどれくらい?勤務医の年収との比較

厚生労働省が公表している「第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」によると、開業医の平均年収は2,725万円です(個人クリニック・青色申告者を含む場合)。勤務医の平均年収は1,175万円なので、開業医の平均年収は倍近い金額になります。

開業医の手取りの金額はどれくらい?

開業医の手取り金額は約1,600万円になると言われています。勤務医と開業医では手取り金額の計算方法が異なります。勤務医の場合、給与から社会保険料が控除された後の金額を手取りとして受け取ります。それに対して、開業医の手取り金額は、クリニックの収益から経費(人件費・医薬品費・水道高熱費など)や税金等の支払い、借入金の返済を行った後に手元に残るお金になります。

開業医の手取り = 収入 ー ( 経費 + 返済 + 税金 )
勤務医の手取り = 給与 ー 税金

先述の通り、開業医はが高い年収が期待できますが、その分課税金額も高くなるので注意が必要です。開業医が支払わなければならない税金には「所得税」、「住民税」、「事業税」などがあります。この中でも一番負担が大きいのが所得税です。例えば、3,000万円の所得(収入ー経費)の個人開業医の場合、40%の所得税が課税されます。つまり、所得税だけで1,200万円差し引かれることになります。

診療科目別の年収ランキング

以下の表は診療科別の平均年収をランキングにしたものです。開業医の平均年収は個人クリニック(青色申告者を含む)の場合の金額になります。開業医の場合、診療科によって大きく平均年収に開きがあることがわかります。

診療科 開業医の平均年収 勤務医の平均年収
1位 産婦人科 4,551万円 1,466万円
2位 眼科 3,379万円 1,078万円
3位 整形外科 2,998万円 1,289万円
4位 小児科 2,827万円 1,220万円
5位 皮膚科 2,792万円 1,078万円
6位 耳鼻咽喉科 2,597万円 1,078万円
7位 内科 2,582万円 1,247万円
8位 精神科 2,455万円 1,230万円
9位 外科 2,020万円 1,374万円

出典:第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告

出典:令和元年賃金構造基本統計調査

産婦人科の開業医の平均年収

最も給与水準が高いのは産婦人科の開業医で平均年収は4,551万円になります。開業医だけでなく、勤務医でも産婦人科の給与水準は最も高くなっています。産婦人科の給与水準が高い理由は、分娩がいつ始まるか分からないため、オンコール対応や当直が多くなることや、分娩のトラブルによる訴訟リスクが高いことがあげられます。産婦人科医が不足する地域で開業をする場合や、不妊治療などに特化した専門クリニックを目指す場合は、さらに年収は高くなることでしょう。

眼科の開業医の平均年収

眼科の開業医の平均年収は2番目に高く3,379万円となります。眼科の平均年収が高い理由は、1件あたりの手術時間が短く患者様の回転率が高いこと、コンタクトレンズ利用者への処方箋があることがあげられます。コンタクトレンズを作る際は眼科の処方箋が必要です。そのため、コンタクトレンズの使用者がレンズを使い終わったタイミングで定期的に受診してもらえれば、安定的な収入源になります。

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整形外科の開業医の年収

整形外科の開業医の平均年収は2,998万円で、開業医の平均年収を上回っています。患者様がリハビリ目的で、月に複数回来院することも多く、患者様の来院頻度が多いのが特長です。

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小児科の開業医の平均年収

小児科の開業医の平均年収は2,827万円で、開業医全体の平均年収を上回っています。小児科は通常の診察に加えて、ワクチン接種や乳児健診を行うこともあります。

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皮膚科の開業医の平均年収

皮膚科の開業医の平均年収は2,792万円で、開業医全体の平均年収をやや上回っています。保険診療だけでなく、美容皮膚科として自由診療を行うかどうかも、年収に関わってきます。

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耳鼻咽喉科の開業医の平均年収

耳鼻科の開業医の平均年収2,597万円で、開業医全体の平均年収と比べるとやや低い給与水準になります。耳鼻咽喉科は診療単価も高くないため、いかに多くの患者様に来てもらうかが大事になります。近年は花粉症等のアレルギー患者が増えており、また高齢社会が進展することで難聴に悩む患者様も増えていくと考えられます。患者数を増やす努力をすることで、さらなる年収アップも期待できます。

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内科の開業医の平均年収

内科の開業医の平均年収は2,582万円です。一般内科では競合となるクリニックも多いため、消化器内科や循環器内科などの専門性を訴求することで、他院との差別化を図ることが出来ます。

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精神科の開業医の平均年収

精神科の開業医の平均年収は2,455万円です。他の診療科と比べた際に、導入する医療機器が少ないため、初期費用を抑えることができ、利益を出しやすいという特長があります。

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外科の開業医の平均年収

外科の開業医の平均年収は2,020万円で、開業医の中では1番低い給与水準になっています。他の診療科と異なり、継続的に患者様が来院することは見込めません。そのため、常に新しい患者様に来てもらえるように、HPや広告による集患が大事になってきます。

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地方と都市部の開業医で年収には差はあるの?

地方で開業する場合、都市部で開業する場合よりも平均年収は高くなる傾向があります。地方の開業医の平均年年収は3,385万円となり、開業医の平均年収より1千万円近い高い金額となっています。

地方の開業医の年収が高い理由

都市部で開業する場合、競合となる病院やクリニックは多数あります。患者様を集めるのは難しく、数多くある医療機関の中から、自院を選んでもらう工夫が必要です。それに対して、地方ではそもそもの病院やクリニックの数が少ないため、患者様の選択肢も絞られてきます。患者様は通院できる場所にある医療機関を選択することが多くなり、自院を選んでもらえる可能性は高くなります。また地方で開業する場合、土地・建物代や人件費を都市部と比べて安く抑えることができるため、利益を確保しやすくなっています。

地方で開業する場合の注意点

地方で開業する方が年収も高くメリットのあるように思えますが、注意すべき点が2つあります。1つがスタッフの確保が困難であることです。地域によっては働き手が不足しており、募集をしても応募者がすぐに集まらない事態も想定できます。もう1つが将来的に患者数が減る可能性があるということです。高齢化や人口流出が進行している地域では、将来的に患者数が頭打ちになる可能性があります。

開業医の生涯年収はどのくらい?

それでは開業医の生涯年収はどのくらいなのでしょうか。開業医として活躍出来る期間は、開業する年齢によって変わってきます。開業してからの年収は毎年2,500万円、医師として74歳まで働くと想定した場合の生涯年収は下記のようになります。30代、40代で開業した場合の生涯年収は勤務医時代の年収とあわせて10億円前後になります。開業医の方が勤務医よりも平均年収が高いため、開業する時期が早いほど、生涯年収も高くなってきます。

開業年齢 35歳 45歳 55歳
勤務医の年収合計 9,050万円 23,050万円 40,700万円
開業医の年収合計
(2,500万円/年)
100,000万円 75,000万円 50,000万円
生涯年収 109,050万円 98,050万円 90,700万円

出典:開業医の生涯年収は?診療科目や開業年齢別に紹介!

開業医の働き方は?1日のスケジュール例を紹介

ここでは、勤務医と開業医の1日の働き方を紹介していきます。

勤務医の1日のスケジュール

勤務医の場合、基本的に勤務時間は9時から17時までです。ただし、診療科目によっては緊急の手術や、患者の急変などで呼び出される可能性がないわけではありません。入院患者がいるため、緊急の処置を施すことも珍しくないです。

勤務医は非常に多忙ですが、そこにやりがいを感じている方も多くいます。また、勤務医は収入を増やしたい場合、空いた日にアルバイトとして外勤先に外来勤務に行くこともよくあることです。

開業医の1日のスケジュール

開業医の場合、勤務時間は医院によって異なります。 たとえば、9時から19時までの場合は休憩が2時間入り、基本的に時間内に診察を終了することが多いです。

勤務医と違い、緊急の手術などが入ることは少なく、外来患者との会話や診察が主な業務となっています。休みも医院によって異なり、木曜日は水曜日を休診日にしているところが多いです。

開業医のライフプランや将来設計は?事例を紹介

ここでは、開業医のライフプランや将来設計について、開業に成功した事例を紹介します。

開業医は順調にいけば大幅に収入が増え、収入以外に経費を自由に使うことが可能です。勤務時間も自分で決めることができ、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休みにできます。

収入は勤務医の2倍以上になることも珍しくなく、生活費や子供の教育費に余裕を持つことができます。家族との時間を大切にでき、自分自身の趣味の時間を増やすことも可能です。また、クリニックを医療法人化することで退職金がもらうことも出来ます。

開業医と勤務医で人付き合いやスタッフとの関係性はどう違う?

ここでは、開業医と勤務医の1月文スタッフとの関係性の違いについて解説していきます。

スタッフとの関係性

勤務医の場合、一緒に働くスタッフは以前から勤務していた人や採用されて仲間に加わる人達です。自分で一緒に働くスタッフを選べるわけではありません。

そのため、人間関係が悪くなった場合、働きづらくなる可能性があります。逆に言えば、お互いずっとそこで働くわけではないので、割り切った関係として捉えればそれほど負担にはならないでしょう。

開業医は勤務医と異なり、自らが採用したスタッフと日常的に顔を合わせなければならず、採用した責任も伴います。

採用の際は非常に慎重になり、関係性が悪化してしまうと修復するのは難しいでしょう。そのため、良好な人間関係を保てるように注意しなければなりません。

プライベートの人付き合い

勤務医の場合、勤務する病院の医師や看護師と長い時間を過ごすため、自然と仲良くなります。 病院の飲み会が行われることも少なくありません。

開業医の場合は、勤務医のような関係性に加えて、地域の医師会の医師とのコミュニケーションの機会も増えます。

開業を成功させるためのポイントとは?

ここでは、開業を成功させるための4つのポイントを解説していきます。開業を成功させるためには、以下の4点に気をつけましょう。

  • ①開業場所の選定は特にこだわる
  • ②院長の役割は「医療」だけではない
  • ③スタッフをとにかく大切にする
  • ④患者さんをとにかく大切にする

①開業場所の選定は特にこだわる

開業場所は、開業を検討する際にもっとも重要視するべきです。開業立地の選択を誤ってしまうと、新規患者が獲得できなかったりする場合があります。

賃料やスタッフの通勤にかかる交通費などの経費も考慮しなければならず、診療科によって適切な立地を選ばなければなりません。たとえば、心療内科や泌尿器科などは、患者のプライバシーに配慮して人通りの少ないところの方が入りやすいでしょう。

②院長の役割は「医療」だけではない

開業医の場合、院長の役割は診察などの医療だけではありません。開業医には以下の3つの役割があります。

  1. 医師としての役割:適切な医療を提供できる環境を整える
  2. 経営者としての役割:経営面における戦略や決断
  3. 管理者としての役割:共に働くスタッフの教育や組織運営

勤務医であれば、医師としての役割と管理業務の一部を請け負うだけで十分でしたが、開業医として院長の立場になると、医院経営全般のタスクを行う必要があります。

そのため、 医療技術だけではなく、管理・経営スキルも身につけなければなりません。

③スタッフをとにかく大切にする

勤務医であれば、関わりたくない相手とはできるだけ関わらないようにすればいいですが、開業医の場合はそうもいきません。

スタッフ間でトラブルがあった際は、放置せずに院長が間に入る必要があります。放置してしまうと、院内の雰囲気が悪くなったり、スタッフが辞めてしまったりする可能性もあるでしょう。

そのため、常にスタッフへの気配りを忘れないことが大切です。

④患者さんをとにかく大切にする

開業医の場合、集患力が大きな病院と比べて劣ります。そのため、一人一人の感情を大切にして、継続的に来院してもらわなければなりません。診察や対応が丁寧だと、それが口コミで広がり、新患獲得につながります。今の時代は、ネット上での口コミの影響も大きいため、そのあたりも配慮する必要があるでしょう。

まとめ

開業医の年収は勤務医と比べて大幅に高いですが、医師としてのスキルだけではなく、経営全般のスキルが必要になります。勤務医より自由度は高いものの、大変な部分が多いのも事実です。

開業を検討している方は、今回の記事の内容を参考にしてみてください。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。


フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152

元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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