医師の働き方には、開業医と勤務医があります。いつかは開業医として医療を提供したいという方もいると思いますが、年収や働き方に関して不安がある方もいるでしょう。
今回の記事では、開業医と勤務医の年収や働き方の違いを中心に解説していきますので、参考にしてください。
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目次
今回の記事では、以下の4つの項目に分けて開業医と勤務医の違いを解説していきます。
開業医 | 勤務医 | |
---|---|---|
年収 | 勤務医より高い | 開業医より低い |
働き方 | 基本的に決めた時間で終了 | 緊急時の対応が多い |
ライフプラン・将来設計 | 老後の心配が少ない | 貯金をしておかなければ厳しい |
人付き合い・スタッフとの関係 | 採用責任があり管理が大変 | 割り切った関係でもいい |
開業医の平均年収は約2,527万円です。対して勤務医は約1,440万円と開業医より大幅に低くなっています。ただし、勤務医とはいえサラリーマンです。開業医は個人事業主のため、お互いに年収の意味が異なります。
勤務医の手取り=給与-税金 |
開業医の手取り=売上-(経費+返済+税金) |
勤務医と開業医の所得は、上記の表のように計算します。個人事業主の場合、経費を計上できるため、経費の額によって収める税額が異なり、経費を多くして所得を少なくすることで税額を軽減させることが可能です。
勤務医の場合も給与所得控除がありますが、自分で調整することはできません。このように、表面上の年収が同じでも勤務医と開業医の年収の意味は異なります。
以下の表は診療科目別の年収ランキングです。平均年収は勤務医の場合、どの診療科目も大きな差はありませんが、全体的な平均年収で見ると1位の小児科と9位の眼科医は倍以上の差があります。
診療科目 | 平均年収 | 勤務医の平均年収 | |
---|---|---|---|
1位 | 小児科 | 約3,068万円 | 約1,220万円 |
2位 | 整形外科 | 約2,988万円 | 約1,289万円 |
3位 | 皮膚科 | 約2,709万円 | 約1,078万円 |
4位 | 精神科 | 約2,587万円 | 約1,230万円 |
5位 | 内科 | 約2,424万円 | 約1,247万円 |
6位 | 外科 | 約1,977万円 | 約1,374万円 |
7位 | 耳鼻咽喉科 | 約1,890万円 | 約1,078万円 |
8位 | 産婦人科 | 約1,834万円 | 約1,466万円 |
9位 | 眼科 | 約1,512万円 | 約1,078万円 |
出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)-令和元年実施-
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」
ここでは、勤務医と開業医の1日の働き方を紹介していきます。
勤務医の場合、基本的に勤務時間は9時から17時までです。ただし、診療科目によっては緊急の手術や、患者の急変などで呼び出される可能性がないわけではありません。入院患者がいるため、緊急の処置を施すことも珍しくないです。
勤務医は非常に多忙ですが、そこにやりがいを感じている方も多くいます。また、勤務医は収入を増やしたい場合、空いた日にアルバイトとして外勤先に外来勤務に行くこともよくあることです。
開業医の場合、勤務時間は医院によって異なります。 たとえば、9時から19時までの場合は休憩が2時間入り、基本的に時間内に診察を終了することが多いです。
勤務医と違い、緊急の手術などが入ることは少なく、外来患者との会話や診察が主な業務となっています。休みも医院によって異なり、木曜日は水曜日を休診日にしているところが多いです。
ここでは、開業医のライフプランや将来設計について、開業に成功した事例を紹介します。
開業医は順調にいけば大幅に収入が増え、収入以外に経費を自由に使うことが可能です。勤務時間も自分で決めることができ、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休みにできます。
収入は勤務医の2倍以上になることも珍しくなく、生活費や子供の教育費に余裕を持つことができます。家族との時間を大切にでき、自分自身の趣味の時間を増やすことも可能です。また、クリニックを医療法人化することで退職金がもらうことも出来ます。
ここでは、開業医と勤務医の1月文スタッフとの関係性の違いについて解説していきます。
勤務医の場合、一緒に働くスタッフは以前から勤務していた人や採用されて仲間に加わる人達です。自分で一緒に働くスタッフを選べるわけではありません。
そのため、人間関係が悪くなった場合、働きづらくなる可能性があります。逆に言えば、お互いずっとそこで働くわけではないので、割り切った関係として捉えればそれほど負担にはならないでしょう。
開業医は勤務医と異なり、自らが採用したスタッフと日常的に顔を合わせなければならず、採用した責任も伴います。
採用の際は非常に慎重になり、関係性が悪化してしまうと修復するのは難しいでしょう。そのため、良好な人間関係を保てるように注意しなければなりません。
勤務医の場合、勤務する病院の医師や看護師と長い時間を過ごすため、自然と仲良くなります。 病院の飲み会が行われることも少なくありません。
開業医の場合は、勤務医のような関係性に加えて、地域の医師会の医師とのコミュニケーションの機会も増えます。
ここでは、開業を成功させるための4つのポイントを解説していきます。開業を成功させるためには、以下の4点に気をつけましょう。
開業場所は、開業を検討する際にもっとも重要視するべきです。開業立地の選択を誤ってしまうと、新規患者が獲得できなかったりする場合があります。
賃料やスタッフの通勤にかかる交通費などの経費も考慮しなければならず、診療科によって適切な立地を選ばなければなりません。たとえば、心療内科や泌尿器科などは、患者のプライバシーに配慮して人通りの少ないところの方が入りやすいでしょう。
開業医の場合、院長の役割は診察などの医療だけではありません。開業医には以下の3つの役割があります。
勤務医であれば、医師としての役割と管理業務の一部を請け負うだけで十分でしたが、開業医として院長の立場になると、医院経営全般のタスクを行う必要があります。
そのため、 医療技術だけではなく、管理・経営スキルも身につけなければなりません。
勤務医であれば、関わりたくない相手とはできるだけ関わらないようにすればいいですが、開業医の場合はそうもいきません。
スタッフ間でトラブルがあった際は、放置せずに院長が間に入る必要があります。放置してしまうと、院内の雰囲気が悪くなったり、スタッフが辞めてしまったりする可能性もあるでしょう。
そのため、常にスタッフへの気配りを忘れないことが大切です。
開業医の場合、集患力が大きな病院と比べて劣ります。そのため、一人一人の感情を大切にして、継続的に来院してもらわなければなりません。診察や対応が丁寧だと、それが口コミで広がり、新患獲得につながります。
今の時代は、ネット上での口コミの影響も大きいため、そのあたりも配慮する必要があるでしょう。
開業医の年収は勤務医と比べて大幅に高いですが、医師としてのスキルだけではなく、経営全般のスキルが必要になります。勤務医より自由度は高いものの、大変な部分が多いのも事実です。
開業を検討している方は、今回の記事の内容を参考にしてみてください。
クリニック開業までの流れについては【成功へ導く】クリニック開業ロードマップ|成功に大切なポイントとはでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
開業コンサル選びの専門知識・時間がない方
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横山 洋介
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://twitter.com/yoko_2ndLabo/
セカンドラボ株式会社の社員。マスコミ業界から転職しました。医療福祉業界の人手不足を知り、大きく業務効率化できる可能性を感じています。医療福祉の業務効率化につながるツールを研究しています。
カケル
フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152
元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。