形成外科クリニックの開業を検討する中で、開業資金について気になったり、開業の進め方に悩んだりしている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、形成外科開業を成功させるためのポイントや、開業資金の目安、必要な自己資金、開業スケジュールなどについて詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、形成外科クリニック開業の要点を抑えることが出来るでしょう。
形成外科クリニックの開業を検討している方はぜひご覧ください。
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目次
ここでは、開業資金の目安や、必要な自己資金、資金の調達方法などについて解説していきます。
形成外科の開業に必要な資金は、おおまかに4,000万円〜5,000万円になるでしょう。
ただし、形成外科のみの診療を行うのか、美容外科なども標榜するのかにより、必要な開業資金が大きく異なるため注意が必要です。
下記の表では、形成外科の開業に必要な資金のおおまかな内訳例を示しています。
テナント/内装工事 | 1,500万円~ |
---|---|
設備費(医療機器など) | 1,500万円~ |
運転資金 | 1,000万円~ |
その他 | 1,000万円~ |
美容外科などを標榜する場合は、上記で示したデータより医療機器などの設備費が高額になるため、必要な開業資金も増えるでしょう。
開業初期は安定した収益が見込めないため、開業当初はあまり手を広げず、必要に応じて診療内容の拡充を検討していくことをおすすめします。
では、自己資金はどれくらい準備すれば良いのでしょうか。
開業資金の全額を自己資金として準備する必要はなく、資金の大部分は金融機関からの融資などでまかなうことが可能です。
自己資金は、開業資金の1〜2割必要と言われており、自己資金ゼロで融資を受けることは非常に難しいため、最低でも1割は準備しておきましょう。
資金調達については次章で解説しますので、ご参照ください。
ここでは、開業資金の調達方法とポイントをご紹介します。
日本政策金融公庫はクリニックの資金調達先として有力な選択肢の一つです。
比較的低利で融資を受けることができ、開業時に活用しやすい制度もそろっていることがメリットとしてあげられます。
しかし、融資限度額には注意が必要です。
融資限度額は3,000万円となっていますが、創業2期以内は1,000万円が上限とされているため、実質の上限額は1,000万円と考えておいた方がよいでしょう。
クリニックの開業の場合、1,000万円では足りないため、不足分は民間金融機関からの融資で補うことになります。
福祉・医療をバックアップする独立行政法人福祉医療機構から融資を受けることも可能です。
新たに病院を建設する場合には、建築資金として最大7億2,000万円、土地取得資金として3億円の融資を受けることができます。
民間の金融機関も選択肢のひとつです。
民間の銀行や信用金庫の中には、クリニック開業専門部署を設置していたり、専用の融資プランを用意しているところもあります。
まずは専門の部署やプランがあるか確認してみてください。
民間の金融機関は開業資金のほか運転資金まで借入できるケースも多く、審査がスピーディーなため、条件が合えば有力な資金調達先となるでしょう。
医療機器のリース会社が、開業資金の貸し付けを行っているケースもあります。
リースとまとめて資金調達もできる手軽さが魅力ですが、金利は高い傾向があるため注意が必要です。
地域の医師信用組合(医療信用組合)が用意するクリニック開業向けのローンも、有力な資金調達のひとつです。
信用組合では、医師会員の相互扶助を目的とした金融機関なので、金利や返済期間などにおいて有利な条件が期待できるメリットがあります。
しかし、医師会と組合への加入が必須条件となり、県外へ転出すると追加融資が受けられないなどのデメリットもあるので注意しておきましょう。
クリニック開業では政府や地方自治体が運営する補助金や助成金制度を活用できるケースもあります。
補助金や助成金は返済の必要がないことが最大のメリットであり、借入金を減らすことができるため、活用を検討してください。
形成外科クリニックの開業に成功した場合の収支や年収はどれくらいなのでしょうか。
形成外科クリニックの場合、他の診療科とは異なり収支の公的なデータが公開されていません。
しかし、形成外科医の年収は他の外科医師よりも多い傾向にあります。また、開業医の働き方としては、外来患者が予想外に多く来院しない限りは、基本的に時間内に終了する特徴があります。勤務医と違い大きな手術や緊急手術をすることは少なく、外来の患者さんと会話する時間や診察が主な業務内容となるでしょう。
ここでは、形成外科クリニックの開業を成功させるためのポイントや注意点を解説します。
形成外科クリニックの場合、WEBマーケティングからの集患割合が高くなるため、立地は駅からのアクセスが良い場所にすることをおすすめします。
来院しやすさを考えると、駅出口の近くや、シンボリックな建物の近くであると良いでしょう。
駅からの視認性が悪い場合は、駅出口からの行き方を説明する写真や動画を公式サイトに掲載するなど、工夫をする必要があります。
内装については下記のようなポイントをおさえると
上記のポイントを参考に、女性らしい細やかな気遣いを大切にし、かつ可能であればSNS拡散を意識した内装をつくりましょう。
形成外科では、受付・カウンセラー・看護師を採用しているクリニックが多く、受付スタッフがカウンセラーを兼ねている場合もあります。
スタッフ報酬は他診療科よりも高い傾向があり、カウンセラーに対しては、受注に応じてインセンティブを設定しているケースも多いです。
形成外科の場合、クリニックの基本的なマーケティングの他に、エステやスポーツジムなどの店舗に似たマーケティングがも求められます。
具体例を挙げると、紹介キャンペーンやコース割引、SNSインフルエンサーの活用、患者さんアンケートから接遇改善の実施なども有効でしょう。
マーケティングにかけるコストは高く、売上の30%に及ぶケースも多いです。
医療機器の導入時に複数社から見積りをとることも重要なポイントです。
医療機器の導入費を抑えることができれば、開業時の費用負担が軽くなり、経営をより安定させることができるでしょう。
そのためには、見積りを1社だけでなく複数社から取り、適正価格を確認したり、価格交渉をしたりして、医療機器の導入費用を抑える必要があります。
また、見積りを取る際には、本体の価格だけではなく、メンテナンス費用や搬入設置費用も含めたトータルの金額で取ることも重要です。
医療機器の導入時には、トータル金額の見積もりを複数社から取るようにしましょう。
形成外科の場合、患者に施術を納得してもらえないケースも出てきます。
契約書・同意書を作成するとともに、医師賠償責任保険の加入や顧問弁護士との契約などで守りも固めておきましょう。
クリニックの開業コンサルについてはクリニックの開業コンサル14選|コンサル会社の選び方も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
この記事では、形成外科開業を成功させるためのポイントや、必要な開業資金と自己資金、開業資金の調達方法やスケジュールなどについて詳しく解説しました。
形成外科の開業資金は4,000万円〜5,000万円と言われていますが、美容外科の診療をどれくらい行うかにより大きく異なります。
地域性や患者のニーズを見極めながら戦略を立て、徐々に診療内容を拡大していくと良いでしょう。
開業コンサル選びの専門知識・時間がない方
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豊田 裕史|中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://twitter.com/toyoda_2ndLabo
セカンドラボ株式会社の社員。前職では都内近郊の医療機関を中心に医療機器の営業。日々、医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。
カケル
フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152
元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。