「循環器内科の開業にはどの程度資金が必要なの?」「莫大な自己資金を用意しなければならないのでは」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では循環器内科クリニックの開業に必要な資金、開業後の年収のイメージなどを解説していきます。
自己資金がそれほど多くなくても開業を成功させるケースも少なくないため、必要な資金のイメージをおさえ計画を立てることが大切です。
開業を検討している方はぜひチェックしてみてください。
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目次
循環器内科の診療所数は、内科全体のうちで約20%弱程度と言われています。一般の方からすると「循環器内科」という名前から、どのような疾患に対応する内科なのかイメージしづらく、少々認知されづらい診療科目と言わざるを得ません。
そのため最初の集患が課題となるケースが多いようです。
再診の方やかかりつけ医として選んでくれる人が増えると、患者さんが定着し他に流れづらいのも特徴の一つと言えるでしょう。
診療するのは高齢者が中心となりますが、現代では高齢の方でもインターネットを利用して情報を得ている場合が多いため、いかにインターネット上で情報を発信するかが鍵になります。
ホームページを充実させるなどして集患をはかり、経営の安定化につなげていくことが循環器内科クリニック開業のポイントとなるのです。
耳鼻咽喉科クリニックの開業においては、まず開業資金がどの程度になるのかおさえておくことが大切です。
立地や設備など様々な要件により開業に必要な資金は変わってきますが、テナント開業で5,000万〜8,000万円ほど、戸建て開業では1億円〜程度かかると言われています。
循環器内科クリニックの開業費用の内訳について、一例を以下にまとめました。
項目 | おおよその資金 |
---|---|
不動産(敷金/礼金/仲介料など) | 4,000,000円 |
施工(設計/施工/看板など) | 25,000,000円 |
機器(診療に必要な医療機器) | 10,000,000~20,000,000円 |
家具や家電 | 2,000,000円 |
システム(電子カルテ/予約システムなど) | 4,000,000円 |
マーケティング・資材(ホームページやロゴ作成/広告/パンフレットなど) | 4,000,000円 |
その他 | 2,000,000円 |
循環器内科クリニックで必要な医療機器は、X線設備やエコーは高額ですが、それらを買いそろえれば他の心電図等の設備はそれほど費用がかさみません。
患者さんは高齢者の方の割合が多くなると予想されるため、廊下などは車いすでも通りやすいよう広くするといった必要は出てきますが、大量の患者さんを一気に診療するといった科ではないため、必要な広さも想定ができます。
先に述べたように開業には莫大な資金が必要となりますが、全て自己資金でまかなうわけではなく、融資を受けるなどして用意するのが一般的です。
資金調達については後述しますが、どの程度最初に自己資金があれば開業できるのか、気になっている方もいるかもしれません。
自己資金が少なくても開業できないということはありませんが、循環器内科は立ち上がりが遅い傾向にある科でもありますので、開業資金総額の少なくとも2割程度の自己資金があることが望ましいでしょう。
開業の際に融資を受ける場合、その金額は資金の2倍が目安になりますので、金額で言うと1,500万円〜程度の貯蓄があることが必要になります。
循環器内科クリニックの開業においては、融資を受けて資金を調達しようと考える方も多いでしょう。
資金調達においては以下3つのポイントをおさえておくことが大切です。
まず、資金の調達に利用できる金融機関には様々な種類があり、特徴も異なることを理解しておきましょう。
日本政策金融公庫では比較的低金利で借り入れることができ、民間金融機関では融資までのスピード感が早いという特徴があります。
その他助成金や補助金を利用できるケースもありますので、いかに資金を調達するべきか良く調べておくと良いでしょう。
また、必要な資金の内訳を整理しシミュレーションをしておくことや、事業計画をしっかり作成しておくことも必要です。
これらの明確さによって融資額が変わるといった場合もあるので軽視できません。
知見のある専門家やコンサルタントに相談しつつ進めるのが有効です。
内科の開業医の平均年収は2,400万円程度という統計が出ております。この金額は他の診療科を含む全体平均と同水準だといえます。以下の表は、内科クリニックの収益と費用を、個人クリニックと医療法人に別に分けまとめたものになります。個人と法人の場合で損益額に差が生じていますが、法人の場合は給与に院長の収入も含まれています。
個人クリニック | 医業収益・介護収益 | 約7,600万円 |
経費(人件費/薬品費など) | 約5,200万円 | |
損益差額 | 約2,400万円 | |
医療法人(※入院診療収益なし) | 医業収益・介護収益 | 約15,500万円 |
経費(人件費/薬品費など) | 約14,600万円 | |
損益差額 | 約900万円 |
出典:第22回医療経済実態調査
患者さんが定着すればそれほど集患の必要性は高くなく、時期によって患者数が増えるなどの大きな変動はあまりないのが循環器内科の特徴です。経営基盤が整ってきたら、安定した働き方も可能になるでしょう。立ち上がりにおいては情報の発信に力を入れる、時には間口を広げて様々な症状の診察を行うといった対応も必要になるかもしれません。
循環器内科クリニックの開業を成功させるには、いくつかのポイントを抑えておくことが大切です。
詳しく解説していきますのでぜひ参考にしてください。
まず開業資金がどの程度になるのか、いかに調達するかを専門家に相談しつつしっかり計画を立てていきましょう。
必要な機器や設備を整えるにあたって、費用をおさえより良いものを使うという観点から、どのメーカーのものを使用するかの選択も慎重に行うことをおすすめします。
できれば複数社に相談して、相見積もりをとって比較するようにしてください。
集患の目的も含め、適した立地を選ぶようにしましょう。
高齢者を対象とする場合が多いため、駅近くなど分かりやすい立地が適していると言えます。
近くの内科の専門範囲と被って、患者さんの取り合いにならないように注意することも必要です。
周辺の環境なども事前に調べておきましょう。
先にも述べたように、循環器内科は立ち上がりに一つ壁があることが特徴の科と言われています。
一般の方に認知してもらいづらく、いかに伝わりやすいキーワードを用いて情報を出すかが重要となってくるでしょう。
ホームページを充実させたり、各症状について専用のページで紹介するなどの工夫が考えられます。
クリニック開業については【成功へ導く】クリニック開業ロードマップ|成功に大切なポイントとはでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
今回は、循環器内科の開業に必要な資金や年収イメージ、開業を成功させるポイントなどについて解説してきました。
開業には確かに相当な資金が必要になりますが、必ずしも自己資金が多く必要になるわけではありません。
しっかりと開業にかかる費用を整理し、事業計画を練ることでゆとりのある資金計画が組めますし、融資を受ける際にも有利になります。
まずは戦略を立てるところからはじめて、開業への一歩を踏み出しましょう。
開業コンサル選びの専門知識・時間がない方
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横山 洋介
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://twitter.com/yoko_2ndLabo/
セカンドラボ株式会社の社員。マスコミ業界から転職しました。医療福祉業界の人手不足を知り、大きく業務効率化できる可能性を感じています。医療福祉の業務効率化につながるツールを研究しています。
カケル
フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152
元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。