病院・クリニックのトイレ改修|患者に選ばれ、管理も楽になる設計のコツ

更新日 2026.01.20
投稿者:豊田 裕史

「診察の内容は良いのに、トイレが残念だった」 もし患者さんにそう思われていたら、非常に大きな損失です。 トイレは、患者さんが院内で最も清潔感をチェックする場所です。きれいで使いやすいトイレを整えることは、「患者さんを大切にしている」という姿勢を伝えることにもつながります。

ただ、いざ改修を検討し始めると、以下のような悩みも尽きません。

  • 診療を休まずに工事ができるのか
  • 限られた予算でどこまで新しくできるのか
  • 毎日の掃除をもっと楽にしたい

こうした不安から、つい改修を後回しにしてしまうケースも多いのが実情です。 この記事では、病院やクリニックのトイレ改修で失敗しないためのポイントを、無理のない進め方や最新の工夫を交えて分かりやすくお伝えします。

この記事でわかること
  • リフォームにかかる費用の目安と補助金の活用方法
  • 診療を継続しながら工事を完了させる具体的な手順
  • 医療機関に強いリフォーム会社の選び方
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目次

なぜトイレ環境が「クリニックの経営」を左右するのか

「診察の内容は良いのに、トイレが残念」 こうした患者さんの声は、医療機関の評価に直結します。なぜトイレを整えることが、経営において重要なのか。その理由は3つあります。

清潔感は「医療への信頼感」に直結する

患者さんが院内で最も清潔感を厳しくチェックするのは、実はトイレです。水回りの汚れや古さは「衛生管理への不安」に繋がりかねません。「トイレまで綺麗」という安心感こそが、クリニックへの信頼の土台となります。

再診率や口コミに現れる、患者さんの本音

昨今、施設の綺麗さはクリニック選びの重要な基準です。特に女性や高齢の方にとって、清潔なトイレは「また来たい」と思える大きな動機になります。逆に不快な思いをさせてしまうと、無言のまま足が遠のく原因にもなり得ます。

スタッフの負担を減らし、働きやすい現場へ

古い設備は汚れが落ちにくく、清掃スタッフの大きな負担になります。リフォームで「掃除のしやすさ」を改善すれば、業務効率が上がり、スタッフの満足度も向上します。結果として、現場全体のサービス向上という良いサイクルが生まれます。

リフォームの予算目安と知っておきたい補助金

リフォームを検討する際、最も重要な判断基準となるのが費用です。 工事の規模によって金額は変動しますが、一般的な目安を把握しておくことで、具体的な計画が立てやすくなります。

規模別に見る工事費用の相場

具体的な費用の目安を以下の表にまとめました。

リフォーム内容 費用の目安 主な工事内容
便器の交換(部分改修) 約20万〜50万円 最新の節水型トイレへの入れ替え。古さやニオイの改善に効果的です。
化粧室の刷新(内装改修) 約50万〜150万円 自動水栓への変更、壁紙や床の張り替え。パウダールームの機能が高まります。
空間全体のフルリフォーム 約150万円〜 和式から洋式への変更、車椅子対応の間取り変更など、大規模な工事です。

最新設備の導入による「水道光熱費」の削減

最新のトイレは、10年前のモデルと比較して洗浄水量が半分以下で済む製品が多くあります。初期費用はかかりますが、毎月の水道代や電気代を抑えられるため、長期的な視点ではコスト削減につながる投資といえます。

活用を検討したい公的支援と税制優遇

リフォーム費用を軽減するために、国や自治体の制度を活用できる可能性があります。代表的な制度を以下の表にまとめました。

制度の種類 内容の例 メリット
バリアフリー助成金 手すり設置、段差解消、洋式化など 自治体から工事費の一部が補助される
省エネ関連の補助金 節水型トイレや高断熱窓への交換など 国の事業から補助金が交付される
税制優遇措置 最新設備の導入(中小企業投資促進税制等) 法人税の税額控除や特別償却が受けられる

※助成金制度は地域や時期によって内容が異なります。
詳細は専門の施工業者や税理士にご相談ください。

診療を止めずに工事を進めるための工夫

トイレ改修における大きな不安は、工事中の診療への影響です。しかし、医療機関の実績が豊富な施工業者と連携すれば、診療を継続しながらの工事は十分可能です。

診療への影響を抑えるための施工計画

休診日や夜間を活用することで、患者さんのいない時間帯に集中して作業を進められます。また、院内にトイレが複数ある場合は、一箇所ずつ順番に工事を行う「ローテーション施工」が効果的です。これにより、院内のトイレがすべて使えなくなる事態を回避できます。

工事の進め方とスケジュールの例

リフォームの規模に応じた一般的な工期と、診療に配慮した工夫をまとめました。

工事の規模 工期の目安 診療への配慮と工夫
便器の交換のみ 約半日〜1日 休診日や午後の休診時間を利用して完了させます。
内装を含めた改修 約2日〜4日 連休や夏季・冬季休暇を利用し、診療への影響を防ぎます。
全体のフルリフォーム 約1週間〜 複数箇所を順番に工事し、常に一部のトイレを使える状態にします。

化粧室を「おもてなし空間」に変える設計のコツ

トイレを単なる「用を足す場所」ではなく、診察後の身だしなみを整える「パウダールーム」として整えることで、患者さんの満足度は大きく向上します。

診察後の身支度を支えるパウダーコーナー

診察室を出た後の患者さんは、髪を整えたり、メイクを直したりしたいものです。大きめの鏡と明るい照明を設置することで、気持ちを落ち着かせてからお帰りいただけます。また、手荷物を置くスペースや、杖を立てかけられるフックを用意するだけでも、使い勝手は格段に良くなります。

衛生面とデザインを両立する工夫

「おもてなし」には清潔感が欠かせません。非接触の設備を導入することで、衛生面への配慮を形にできます。

設備・工夫 メリット
自動水栓・自動石鹸 蛇口に触れる必要がなく、感染症対策として安心感を与えます。
ボウル一体型カウンター 継ぎ目がないため汚れが溜まりにくく、清掃もスムーズです。
演色性の高い照明 顔色を自然に明るく見せることで、患者さんの安心感を高めます。

患者さんにとって快適な空間は、クリニック全体の丁寧な姿勢を伝える大切なメッセージになります。

診療科目や用途に合わせた「特殊リフォーム」の視点

医療機関のトイレには、一般の施設とは異なる「医療現場ならではの機能」が求められます。診療科目によって、配慮すべきポイントを整理することが重要です。

診療を円滑にする機能的な設計

内科や泌尿器科では、検査をスムーズに進めるための工夫が欠かせません。例えば、採尿カップをトイレ内から直接スタッフへ渡せる「パスボックス(採尿小窓)」を設置することで、患者さんのプライバシーを守りながら、スタッフの動線も短縮できます。

患者さんの特性に合わせた配慮

診療科ごとに、患者さんの身体状況や必要となる設備は大きく異なります。

内科・泌尿器科:プライバシーの確保

検査を目的とした利用が多いため、パスボックスの設置に加えて、音漏れへの配慮も重要です。擬音装置などを設置し、周囲を気にせず検査に集中できる環境を整えることで、患者さんの心理的な負担を軽減できます。

産婦人科・小児科:親子が安心して使える工夫

ベビーカーのまま入れる広い個室や、おむつ替えシート、ベビーチェアの設置が必須となります。親子で利用しても窮屈さを感じないスペースを確保し、子供の手が届かない位置に鍵を配置するなど、安全面への工夫も求められます。

整形外科・透析科:徹底したバリアフリー対応

足腰が不自由な方や車椅子を利用する方が多いため、段差の解消はもちろん、車椅子がスムーズに回転できる広さが必要です。また、立ち座りの動作を安全に支えるため、患者さんの身体状況に合わせた適切な位置への手すり設置が欠かせません。

安全を守るための緊急対応設備

どの診療科においても、トイレ内での急変への備えは必須です。万が一の際に患者さんが押しやすい位置へ、ナースコール(緊急呼び出しボタン)を設置します。リフォーム時には、こうした電気系統の配線確認もあわせて行う必要があります。

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どこに頼むべき?医療機関のリフォーム依頼先の種類

トイレのリフォームを検討する際、まず迷うのが「どこに相談すればいいのか」という点です。主な依頼先は以下の3つに分けられますが、それぞれ得意分野が異なります。

メーカー認定店や地元の工務店

最新設備を安く導入したい場合や、電球交換のような軽微な修繕であれば、メーカー認定店や地元の工務店が適しています。しかし、これらは「住宅や一般事務」を主戦場としているため、医療現場特有のルールや法規制に詳しくないケースが少なくありません。

医療専門のリフォーム会社(推奨)

病院やクリニックの改修に特化した専門会社は、保健所の設置基準や医療法を熟知しています。また、診療を止めないための特殊な工期設定や、ナースコール等の電気系統、特殊な配管トラブルへの対応にも慣れています。

失敗のリスクを避けるために

一般の業者に依頼した場合、「保健所の検査基準を満たせず再工事になった」「工事中に水が止まり診療に支障が出た」といったリスクが考えられます。失敗が許されない医療現場だからこそ、現場の特性を深く理解している「医療専門」のパートナーを選ぶことが、最も確実でコストを抑える近道となります。

失敗しない施工業の選び方

リフォームの成否は、業者選びで決まります。医療現場のルールを理解している会社を選ぶことが、トラブルを防ぐ近道です。

チェック項目 選び方のポイント
医療施設の実績 専門設備やバリアフリー基準に慣れている業者を選びます。
診療への配慮 夜間や休診日の工事など、運営を優先した提案があるか確認します。
事前の現場調査 配管や配線を事前に細かく調べる業者は、トラブルが少ないです。
迅速なサポート 万が一の故障時に、すぐ駆けつけてくれる体制かを確認します。
明確な見積書 項目が細かく分かれている業者なら、内容が把握しやすく安心です。

まとめ

トイレ改修は、単に設備を新しくするだけではありません。診療を継続しながらの工事や、ナースコール等の電気系統、特殊な配管への対応など、医療機関ならではの配慮が欠かせません。

こうした細かな調整をスムーズに進めるには、医療施設の改修を専門に扱うリフォーム会社へ相談するのが一番の近道です。

  • 診療への影響を最小限に抑えるスケジュール提案
  • 診療科目ごとの使い勝手を踏まえた設備選定
  • 医療法や保健所の検査基準を遵守した設計

これらを熟知した専門会社であれば、院長やスタッフの皆様の負担を最小限に抑えつつ、患者さんに喜ばれる空間を実現できます。

トイレ環境の改善は、患者さんからの信頼を高め、クリニックの経営を支える価値ある投資です。まずは現在の小さなお悩みから、理想の空間イメージまで、私たちにぜひお聞かせください。貴院にとって最適なプランを一緒に作り上げていきましょう。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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