泌尿器科クリニック開業を検討する際資金の問題に悩む方も多いですが、どの程度の金額になるのかイメージしづらいものです。本記事では、泌尿器科の開業に必要な資金や開業成功のポイント、働き方や年収などに至るまで幅広く解説していきます。泌尿器科の開業においては、資金計画をしっかり練ることや集患対策が大切です。開業を検討されている方はぜひ参考にしてください。
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目次
厚労省の調査によると、クリニックで働く医師は全体で107,226人いるのに対し、泌尿器科医は2,032人しかいないことが分かります。泌尿器科医は全体のわずか1.9%しかおらず、他の診療科と比べて非常に人数が少ないことがわかります。その分、泌尿器科での開業については競合相手自体が少ないとも言えるでしょう。
また、高齢社会の進展により泌尿器疾患の患者様数は増加傾向にあります。泌尿器科の需要はますます増えていくと考えられます。
では、泌尿器科のクリニックを開業するのにはどれくらいの開業資金が必要なのでしょうか。自己資金として準備した方がいい金額や、開業資金の調達方法についても解説します。
泌尿器科クリニックの開業資金は、ビルなどの賃貸の場合、おおよそ7,000万円~1億円程度になります。導入する医療機器の種類や、立地の選定などによっても金額に大きく差が出てきます。下記の表は開業資金の一例です(40坪・ビル診)。
項目 | 投資額 |
---|---|
内装工事費用 | 2,300万円 |
医療機器 | 3,000万円 |
医師会入会金 | 400万円 |
敷金保証金 | 500万円 |
開業費 | 500万円 |
運転資金 | 2,300万円 |
合計 | 9,000万円 |
出典:泌尿器科で失敗しない開業ポイント・年収や開業資金も解説
開業において自己資金はどの程度必要なのか、自己資金が十分にないと開業できないのかと不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。実際のところクリニック開業に伴う融資は受けやすいものになっており、自己資金が少ないからといって開業できないわけではありません。
しかし経営が軌道に乗るまでの運転資金は一定必要ですし、金銭的な余裕がないと計画も難しくなってしまいます。目安としては開業資金の2割程度、金額で言うと1,000万円~程度の貯蓄があることが望ましいでしょう。
開業資金は全て自己資金でまかなうわけではなく、融資などを受けて準備をするのが一般的です。開業資金を準備する方法は民間の金融機関からの借り入れの他に、日本政策金融公庫・医師会・地方自治体などの融資を利用する選択肢もあります。融資制度ごとに金利や融資上限額などが異なるため、それぞれの違いをしっかり把握しておきましょう。
クリニックの開業資金については診療科別の医院・クリニックの開業資金|開業医の資金調達方法まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
泌尿器科医師単体での平均年収の統計は出ておらず、「勤務医の就労実態と意識に関する調査」を見ると眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科の4科全体で1,078.7万円と出ています。これは全体平均と比べると低い水準となっていますが、診療の範囲や患者数、立地など様々な条件により大きく差が出ることをおさえておきましょう。
高齢化により泌尿器科の需要が伸びている背景を考えると、開業後経営が安定すれば高収入にも期待できます。病院の急性疾患を扱う現場だと手術への対応なども多く多忙になる傾向にありますが、開業医だと診察の範囲次第でバランスを取った働き方も可能になるでしょう。
泌尿器科の1人あたり1日単位の平均診療単価は約6,500円です(院外処方の場合)。下記の表からも分かるように、他の診療科と比べて泌尿器科は診療報酬が高いのが特長です。
診療科 | 平均診療単価(院外処方の場合) |
---|---|
泌尿器科 | 6,500円 |
精神科 | 6,000円 |
産婦人科 | 6,000円 |
内科 | 5,400円 |
小児科 | 4,000円 |
眼科 | 3,200円 |
耳鼻咽喉科 | 2,800円 |
皮膚科 | 2,500円 |
整形外科 | 2,000円 |
出典:絶対成功する クリニック建築・企画開業マニュアル(関根裕司・湯沢勝信著)
先にも述べた通り、尿に関わるデリケートなお悩みを対象としている泌尿器科クリニックは、患者さんが受診することにハードルを感じているケースが多いです。そのためいかに受診しやすいクリニックを目指すかが集患の肝になるでしょう。泌尿器科の開業を成功させるためのポイントについて詳しく解説していきますので、ぜひ事前にチェックしてください。
泌尿器科クリニックは、腎臓や透析、内科と併せて標榜されることが多くあります。泌尿器科は尿や性器にまつわるイメージから、受診することを人に知られたくないと敬遠されやすい診療科です。泌尿器科単体よりも、他の診療科も併せて標榜されている方が患者様も心理的に来院しやすくなります。他の診療科も標榜することで、患者様の間口も広がり、泌尿器科に限らない集患が可能になる点もメリットです。
一方で内科も標榜する場合には、レントゲン等の医療機器の導入もあるため、泌尿器科単体の場合よりも広めのスペースが必要になります。内科を標榜するクリニックは多く、他院と競合も増えると予想できます。
いずれにしろ、標榜する診療科は物件選びにも影響してくるため、開業前にしっかり診療コンセプトを固めるようにしましょう。
泌尿器科は”尿”というイメージがあることから、恥ずかしくて受診を取りやめる患者さんもいらっしゃいます。来院のハードルを下げることは集患を成功させる上で、大切なポイントです。以下のような患者さんと接触する部分で細かな配慮をすることが重要です。
ここでは、泌尿器科クリニックの経営を考えるうえで知っておきたい収支(損益)分岐点の考え方を解説していきます。まずは収入面。泌尿器科の収益構造は以下の計算式で求めることが可能です。
「診療収入 = 1日当たりの患者数 × 1人1日当たりの診療単価 × 通院回数」
泌尿器科の平均診療単価は他の科目より高めで、7,500円程度※です。また、平均通院回数は1.5日程度というデータが出ています。
続いて経費はどうでしょうか。泌尿器科クリニックの経営で必要な経費の内訳は下記の通りです。
収入から経費を差し引いた金額がクリニックの利益となり、院長の生活費となります。泌尿器科クリニックは潜在的な患者数が少ないため、35〜40人日が損益分岐点となるように経費をコントロールする必要があります。反対に経費が高くなり、損益分岐点となる患者数が50人/日を超えるようであれば、その計画での開業は一度慎重に再検討した方が良いでしょう。
泌尿器科クリニックの患者は高齢者が中心なので、訪問診療に対してもニーズがあります。訪問診療を実施することも視野に入れましょう。
膀胱鏡や全自動尿分析装置、結石破砕装置を入れるかどうかも開業時の重要な検討ポイントです。膀胱鏡と全自動尿分析装置は広い専用部屋を設ける必要があるので、内装設計前に導入するかどうか決断しておく必要があります。
また、結石破砕装置は導入費用が高いにも関わらず、診療報酬が低いので、あまり開業時に導入するケースはありません。
尿分析装置については尿分析装置のおすすめメーカー4選|仕組みや耐用年数もでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
結石破砕装置については結石破砕装置(ESWL)のメーカー7選比較|選び方や基礎知識まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
立地・内装を工夫し少しでも訪れやすいクリニックを目指すこともポイントです。泌尿器科は受診しづらいとお思いの患者さんもいらっしゃいますので、大通り沿いやテナントの場合一階は避けるといった配慮も必要かもしれません。またクリニック内部においても、他の患者さんと多く対面しないよう導線をつくる、女性の方用の待合室をも受けるなどの工夫も考えられます。患者さんの立場になって利用しやすいクリニックを目指す姿勢が大切です。
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専門的な領域ということもあり、一般の方にとってはどういった症状の際に泌尿器科を受診すべきかあまり明確でない場合も多いです。集患対策として病診・診診・介護施設との連携を強化することも視野に入れましょう。婦人科などと連携することで、通常来院されづらい女性の患者さんを紹介してもらえるケースもあります。この際紹介してもらった患者さんはしっかり返して丁寧に結果報告を行うなど、適切なコミュニケーションと信頼構築が欠かせません。
泌尿器科の一般的な内科クリニックの違いとして、ある程度広域のエリアからも患者さんが訪れる点です。よくある来院までの導線としては、EDなど症状に関するキーワードをwebで検索➡クリニックを見つける➡来院といった形です。
そのため、webで自分たちのクリニックをまずは見つけてもらうという施策が重要になります。SEOとMEOは、例えば「○○駅 泌尿器科」と検索している方に見つけてもらいやすくする施策です。検索している方の居住エリアとしてはクリニックの近郊にお住いの方になります。
一方で広域の患者さんに対策する場合は、リスティング広告を打つ、SEOで医療情報に関する検索キーワードに対策するといった手法があります。後者は難易度が高く、時間・予算もかかるので開業間際には不向きです。手っ取り早く効果の出る手法としてリスティング広告を有効活用している泌尿器科クリニックも多くいらっしゃいます。
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来院してくれた患者さんひとりひとりを大切に、丁寧で親切な対応を心がけましょう。よりよい医療を提供するのに加えて、適切なコミュニケーションを取ることも重要です。再診患者は初診患者よりも集患にかかるコストが低いので、また来たいと思ってもらえるようなクリニックを目指しましょう。
ここでは、泌尿器科クリニック開業時のコストを抑える方法を解説していきます。
泌尿器科クリニック開業時には様々な機器やサービス、業者を利用するかと思います。各サービスに問い合わせる際には相見積もりを取っていただいた方が、コストを抑えられる可能性が高いです。一つのベンダー、業者に問い合わせるだけでなく、複数問い合わせて見積りをもらい価格交渉を進めて導入費用を抑えましょう。
高額な医療機器は基本的にリースで導入するのがおすすめです。リースとは、希望した機器やサービスをリース会社が代わりに購入し、賃借することです。リースは月額払いになるため導入費用を抑えることができます。初期コスト削減以外にも減価償却をする必要がなくなり、全額経費として計上可能な点も挙げられます。
泌尿器科は診療部位が泌尿器のため、患者様のプライバシーの確保が重要です。診療する上での検査項目も多いため、患者様が院内を移動することも多くなります。泌尿器科クリニックの内装・レイアウトで気を付けるべき点は下記の通りです。1つずつみていきましょう。
一般的に泌尿器科は尿や性器に異常のある人が受診するというイメージを持たれています。包茎や性感染症など人には打ち明けにくい悩みを抱える患者様も多く来院されます。自分が受診していることを知られたくないという、患者様の気持ちに寄り添うことが重要です。例えば、診察室や処置室の壁を防音仕様にすることや、患者様同士が対面や密にならないような広めの待合室のスペースを確保すること等の工夫が必要です。患者さまを名前でなく番号で呼び出すのもよい方法です。
診察案内表示システムについては診察案内表示システムおすすめ11選|選び方や導入メリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
患者呼び出しシステムについては患者呼び出しシステム12選比較|待ち時間減少で患者満足度UP!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
泌尿器科は採尿検査や、ウロフロー検査など検査項目が多くあり、患者様の動線が多岐にわたります。患者様が動きやすいように誘導するのと同時に、スタッフの移動もしやすいようなレイアウトにすることが重要です。
トイレ設備は万全に整えましょう。初診の場合、ほとんどの場合に尿検査を行いますので、患者様向けのトイレは最低でも2つは欲しいところです。
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泌尿器科は患者様のセンシティブな問題と向き合います。誰にも知られずに受診したいと考える患者様も一定数いることでしょう。院内での待ち時間が長くなれば、「知り合いに会うかもしれない」と患者様の不安も大きくなると考えられます。
患者様の待ち時間を少しでも短くするためには、予約システムや問診システム、その他ICTツールの活用が効果的です。開業時に余裕があるようであれば、ぜひ併せて検討をしてみましょう。
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今回は泌尿器科クリニックの開業について、資金やポイントを詳しく解説してきました。泌尿器科クリニックは他の科と比べて大幅に開業資金が高いといったことはなく、集患をしっかり行うことができれば高収入にも期待ができる診療科です。高齢化に伴い需要も増加している背景もあり、受診へのハードルを下げる工夫が必要になってきます。目指すクリニックのコンセプトや資金計画を練り、開業を成功させましょう。
現在、上記のようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひとも私たち「2ndLabo」にご相談ください。開業に必要な情報をまとめた業界最大級の独自データベースとコンシェルジュの知見で開業準備、そして開業成功に向け伴走いたします。
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