クリニック開業と薬局の関係性は?医薬分業の仕組みまで

更新日 2023.11.21
投稿者:豊田 裕史

クリニック開業において、薬局との関係性は非常に重要です。しかし、具体的にどのような関係があるのか分からないという方もいるでしょう。
また、医薬分業についてもしっかり理解できていない方は少なくないと思います。

今回の記事では、クリニック開業と薬局の関係性について詳しく解説しますので参考にしてください。

クリニック開業にあたって、薬局との関係性は非常に重要です。そのため、双方のメリットを理解した上で、関係を築いていく必要があります。

クリニック開業のご相談はこちら
  • 「勤務医として働きながら膨大な準備や情報収集、情報の精査をするのは大変」
  • 「そもそも何から手を付ければいいのかわからない」
  • 「大きな決断となる医院開業。信頼できる企業にコンサルティングを依頼したい」

現在、上記のようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひとも私たち「2ndLabo」にご相談ください。開業に必要な情報をまとめた業界最大級の独自データベースとコンシェルジュの知見で開業準備、そして開業成功に向け伴走いたします。

相談は無料です。コンサルティング会社を複数比較したい、開業準備や計画に対するアドバイスが欲しいなど、何でもお気軽にお問い合わせください。
特典資料「時期別!クリニック開業までのやることリスト全まとめ」もプレゼント中です。

無料相談はこちら
目次

開業クリニックと薬局の関係

ここでは、開業クリニックと薬局の関係について詳しく解説していきます。なお、ガイドラインでは「薬局は医療機関から経済的、機能的、構造的に独立していなければならない。」とされているので覚えておきましょう。

経済的な独立

経済的な独立とは、以下のようなことを指します。

  • 患者紹介料禁止
  • 資本の提供を受けないようにする
  • 資産の提供を受けないようにする
  • 賃貸借関係を持たないようにする

機能的な独立

機能的な独立とは、以下のようなことを指します。

  • 役員がかぶらないようにする
  • 雇用関係がかぶらないようにする
  • 薬局・クリニック間でそれぞれの開設者・役員同士で三親等以内の関係が無いようにする
  • 会計処理を連結しないようにする

構造的な独立

構造的な独立とは、以下のようなことを指します。

  • クリニックと薬局が構造的に分離していなければならない
  • 構造的な誘導設備が無いようにしなければならない
  • 薬局入り口が公道に面していなければならない
  • 設備の共用がないようにしなければならない

医薬分業とは【おさらい】

ここでは、医薬分業とは何か?を詳しく解説していきます。

医薬分業とは?

医薬分業とは、言葉の通りの意味で薬を処方するのが医師、調剤するのが薬剤師というように、医師と薬剤師で役割を分業することです。医薬分業を行うことで、医師と薬剤師それぞれが専門性を発揮できます。そのため、業務上のミスを減らすことが可能です。

なぜ医薬分業が進んでいるの?

医薬分業は、以下の3点をの目的としています。

  1. より質の高い医療サービスの提供
    医薬分業を行うことで、患者は自分の受けている薬物治療について正確な説明を聞くことができます。また、ひとつの薬局に薬歴管理を任せられるため、患者は安心して服用することが可能です。

  2. 高齢化社会に向けてより安全な薬の利用
    高齢患者が「かけもち受診」した場合、診療科ごとに薬が処方されるため、薬害を引き起こす可能性もゼロではありません。薬局に薬歴管理を任せることで、このような事態を未然に防ぐことが可能です。

  3. 医療費の適正化
    現在の医療は、薬を使えば使うほど儲かります。しかし、患者に必要以上の薬が処方される可能性があるため、これは決していいことではありません。このような状況は、医薬分業を行うことで防ぐことが可能です。
    薬の処方が診療機関の収入に関係なくなることで、不必要な処方が少なくなる可能性は高いでしょう。薬の過剰投与や薬害も未然に防げます。

医薬分業のメリット

医薬分業を行うことで、処方箋のダブルチェックが可能です。医師が処方箋を発行後にチェックし、処方箋を受け取った院外の薬局に在籍している薬剤師が再度チェックします。そうすることで、用法・用量や薬剤の記載ミスを防ぐことが可能です。

また、クリニックで保管する医薬品の量を大幅に減らすことができます。これにより、医薬品の仕入れコストを削減可能です。その他、重複投与や相互作用を確認しやすいというメリットもあるため、医薬分業は非常に有効な手段と言えるでしょう。

クリニック開業では院外処方と院内処方どっちが良いの?

院内処方は、クリニック内で処方箋を発行して薬を患者に渡すこと、院外処方はクリニックの処方箋をもとに薬局で薬を受け取ることです。なお、一般的には院外処方を選びます。

以下では、院外処方・院内処方のメリットを解説しますので参考にしてください。

院外処方のメリット

院外処方は、先述したように処方箋をダブルチェック可能です。そのため、重複投与や調剤ミスを減らすことができます。また、薬を発注して在庫管理する必要がないので、管理コストを削減可能です。結果的に、薬剤師やスタッフの人件費を削減できるため、安定した経営が期待できます。

院内処方のメリット

院内処方は患者に安価で薬を提供でき、会計も一度で済みます。そのため、患者にとってメリットが大きいです。院内で薬を処方するため、クリニック側の収入も増えます。しかし、近年は制度変化もあり、実施するところが少なくなっているのが現状です。

医療モール開業と薬局の関係

近年、店舗数が拡大している薬局が、医療モールにクリニックを誘致する流れが増えています。薬局の売上は、患者に出す薬が主です。そのため、新規開業のクリニックの近くに出店することが重要であり、医療モールという形態は大きな存在となります。

薬局側は医療モールに入るクリニックを募集しますが、これはクリニックが入ることで大きな利益を得られるからです。

また、薬局側の誘致によってクリニックが医療モールに入るメリットとして、複数科目が集まることでの相乗効果があります。しかし、他にもメリットがあるのです。

薬剤の相談ができ、開業にあたっての賃料交渉なども一般的なビルテナントに入るより融通が効きます。
その他、集患に伴う内覧会についても、何を準備すればいいか、当日の運営はどのように行うかなど、アドバイスがもらえることも少なくありません。

ただし、その場合、調剤薬局から医療機関への役務提供は法令上のリスクがあるため、当日の運営の手伝いなどの役割には注意しましょう。

まとめ

クリニック開業にあたって、薬局との関係性は非常に重要です。そのため、双方のメリットを理解した上で、関係を築いていく必要があります。クリニックと薬局の関係性に関しては、今回の記事の内容を参考にしてください。また、医療モールに入ることも検討してみるといいでしょう。

クリニック開業関連コンテンツ一覧

クリニック開業のご相談はこちら
  • 「勤務医として働きながら膨大な準備や情報収集、情報の精査をするのは大変」
  • 「そもそも何から手を付ければいいのかわからない」
  • 「大きな決断となる医院開業。信頼できる企業にコンサルティングを依頼したい」

現在、上記のようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひとも私たち「2ndLabo」にご相談ください。開業に必要な情報をまとめた業界最大級の独自データベースとコンシェルジュの知見で開業準備、そして開業成功に向け伴走いたします。

相談は無料です。コンサルティング会社を複数比較したい、開業準備や計画に対するアドバイスが欲しいなど、何でもお気軽にお問い合わせください。
特典資料「時期別!クリニック開業までのやることリスト全まとめ」もプレゼント中です。

無料相談はこちら

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

関連記事

PAGE TOP