神経内科(脳神経内科)クリニックの開業成功ポイント|開業資金も

更新日 2023.11.20
投稿者:豊田 裕史

「神経内科クリニックの開業を成功させたい!」
「人気のある神経内科クリニックを開業するにはどうしたらいいか知りたい!」

神経内科クリニックの開業を検討している方は、どのようにすれば上手くいくか知りたいでしょう。
今回の記事では、開業前に知っておきたい神経内科クリニックの開業成功ポイントを中心に、開業資金などについても解説していきますので参考にしてください。

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目次

神経内科クリニック開業を取り巻くマーケットの状況

神経内科では頭痛をはじめ、脳卒中や認知症など、脳・脊髄・神経・筋肉の疾患に関する診療を行います。

近年、高齢化によって各医療機関は慢性的な人手不足の問題を抱えていますが、神経内科も例外ではありません。神経内科医を専門としている医師は非常に少なく、全体の医師の2.5%だと言われています。

しかし、高齢化が進んでいる日本において、神経内科は在宅医療にも応用が利くため、ニーズが高い診療科だと言えるでしょう。

神経内科医の場合、脳神経内科がある大きな病院に就職しやすいですが、地方では神経内科を扱っているクリニック・病院は少ないです。そのため、地域医療への貢献として地方での開業を目指す方も少なくありません。

地方での開業は簡単ではなく、CTやMRIなどの高額な医療機器の導入が不可欠なケースが多いです。他の診療科目よりも開業資金が高額なため、開業に踏み切れないという方も少なくないでしょう。

神経内科クリニックの開業資金はどれくらい?自己資金はいくら準備すればいいの?

神経内科クリニックの開業資金に関してですが、医療機器の有無によって変動します。なお、開業当初から大型機器を入れるケースは多くありません。 最初はCTやMRIは導入せず、近くの医療機関と連携をとるケースが多いです。

そのため、開業資金は、5,000~6,000万円が初期の運転資金として必要になると考えておくといいでしょう。最初からCTやMRIを所有する場合、開業資金は億単位になります。

CTやMRIは、開業して経営が安定してきたころに導入を検討しても遅くありません。その他、リハビリ施設を設置するか否かでも開業資金は大きく異なります。

神経内科クリニック開業時の考え方・モデルケース

ここでは、神経内科クリニック開業時の考え方・モデルケースについて、一般的な例を紹介していきます。

【面積】50坪以上がおすすめ

まず面積ですが、例えば脳血管疾患リハビリを実施するにあたり「脳血管疾患リハⅢ」の施設基準を取得する場合、リハビリ室(14坪以上)が必要です。そのため、クリニックの面積は50~60坪くらいは必要になります。

立地はバリアフリーで1階がおすすめで、できたら駐車場も合ったほうがいいでしょう。

【設備】最小限のリハビリ機器でスタートするのもOK

神経内科クリニックを開業する際の医療機器は、電子カルテとリハビリ用の器具が最低限あれば問題ありません。

CTやMRIは、患者が増えてきて経営してから増設を検討すればいいでしょう。しかし、首都圏であれば画像センターが多いので問題ありませんが、地方の場合は画像センターがないため開業時にCTやMRIを導入せざるを得ない場合が多いです。

MRIメーカーについては【2023】MRIメーカー主要5社・製品28選を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

医療用CTメーカーについては医療用CTメーカー主要5社・製品30選を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【採用】PT・OT・STの採用を最優先

「脳血管疾患リハⅢ」を取得する場合は「PT・OT・STのいずれか1名常勤雇用すること」が要件となっています。

PT・OT・STを採用して採算がとれるか心配になるかもしれませんが、積極的に採用したほうが結果的に患者満足度向上や売上につながりやすいです。

神経内科クリニックで開業成功した場合の収支・年収・働き方のイメージ

厚生労働省が行った『第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)』によると、内科の年収中央値は1,500万円で、神経内科の年収中央値は1,472万円となっています。

ただし、これはあくまで年収中央値であり、施設基準を満たしていれば、別途収入があがる可能性があるでしょう。

出典:第23回医療経済実態調査

脳血管疾患等リハビリテーション料とは?施設基準もチェック!

脳血管疾患等リハビリテーション科には(Ⅰ)から(Ⅲ)の区分があり、それぞれ算定できる点数が異なります。原則、リハビリテーションの開始から180日以内に限り算定できることになっているので覚えておきましょう。

患者に個別でのリハビリテーションを行う際は、管轄の厚生局へ施設基準の届けを提出しなければなりません。
以下では、施設基準をそれぞれ解説していきます。

対象患者

  • 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血その他の急性発症した脳血管疾患又はその手術後の患者
  • 脳腫瘍・脳膿瘍・脊髄損傷・脊髄腫瘍その他の急性発症した中枢神経疾患又はその手術後の患者
  • 多発性神経炎・多発性硬化症・末梢神経障害その他の神経疾患の患者
  • パーキンソン病・脊髄小脳変性症その他の慢性の神経筋疾患の患者
  • 失語症・失認及び失行症並びに高次脳機能障害の患者
  • 難聴や人工内耳植込手術等に伴う聴覚・言語機能の障害を有する患者
  • 顎・口腔の先天異常に伴う構音障害を有する患者
  • 舌悪性腫瘍等の手術による構音障害を有する患者
  • リハビリテーションを要する状態の患者であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能 力、言語聴覚能力及び日常生活能力の低下を来しているもの(ただし、心大血管疾患リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリ テーション料、障害児(者)リハビリテーション料又はがん患者リハビリテーション料の対象患 者に該当するものを除く。)

算定要件・点数

  • 定期的な機能検査等に基づいたリハビリテーション実施計画書の作成
  • 患者又はその家族等に対するリハビリテーション実施計画書の内容説明

届出要件

脳血管疾患等リハビリテーション料の取得要件は、届出を行う区分によって異なるので注意してください。

面積要件

  • (Ⅰ)の場合:160㎡以上の機能訓練室
  • (Ⅱ)(Ⅲ)の場合:45㎡以上の機能訓練室

人員要件

脳血管疾患等ハビリテーション料(Ⅰ)の場合

  • 専任の常勤医師が2名以上勤務していること
  • 専従の常勤理学療法士が5名以上勤務していること
  • 専従の常勤作業療法士が3名以上勤務していること
  • 専従の従事者が合わせて10名以上勤務していること

脳血管疾患等ハビリテーション料(Ⅱ)の人員基準の場合

  • 専任の常勤医師が1名以上勤務していること
  • 専従の常勤理学療法士及び専従の常勤作業療法士が合わせて4名以上勤務していること

脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)の人員基準

  • 専任の常勤医師が1名以上勤務していること
  • 専従の常勤理学療法士又は常勤作業療法士がいずれか1名以上勤務していること

その他の施設基準

以下は、クリニック毎のコンセプトによって要不要があります。

脳神経内科疾患

  • 神経学的検査
  • 運動器リハビリテーション料

かかりつけ医機能の評価

  • 地域包括診療加算
  • 時間外対応加算
  • 在宅療養支援診療所
  • 在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料
  • 機能強化加算

がん治療関連

  • がん性疼痛緩和指導料
  • がん治療連携指導料

禁煙外来

  • ニコチン依存症管理料

まとめ

神経内科クリニックの開業成功ポイントはさまざまであり、施設基準によって収入が変わってきます。非常に高額な解消資金が必要になるので、必要な面積を確保し、最初は最低限の設備で始めるのがいいでしょう。

神経内科クリニックの開業を検討している方は、今回の記事の内容を参考にしてみてください。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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