「クリニック開業の失敗事例にはどんなものがあるの?」
「どうやったらクリニックの経営がうまくいく?」
クリニック開業をお考えの先生の中には、開業の成功事例だけでなく、失敗事例も知ることで自身の参考にしたいと思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、開業医のよくある失敗事例を紹介しながら、クリニック開業を失敗しないための注意点を紹介していきます。
現在、上記のようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひとも私たち「2ndLabo」にご相談ください。開業に必要な情報をまとめた業界最大級の独自データベースとコンシェルジュの知見で開業準備、そして開業成功に向け伴走いたします。
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目次
クリニックの“開業前”によくある失敗事例は以下の4つです。
それでは、それぞれの事例の内容を次項で詳しくお伝えしていきましょう。
開業前のよくある失敗例の1つ目は、高額な医療機器の導入です。勤務医時代と同様の設備を利用して良質な医療を提供したい気持ちは理解できますが、使用頻度が低い医療機器の導入は、開業資金を圧迫してしまう原因になりかねません。
また機器導入のために借入金が膨大に増えてしまい、返済の負担が大きくなってしまうのも問題です。医療機器は高額なものが多いため、開業直後に用意する医療機器は必要最低限に留めておくのが無難でしょう。そのため、開業前に診療方針や診療範囲をしっかり定めておくことが重要です。導入機器を増やしたい場合、経営が黒字化してから導入の計画を立てるのがよいでしょう。
なお、医療機器の導入方法は新規購入だけではありません。中古機器の購入や、リースするといった方法も挙げられます。特別な診療のためだけに医療機器を導入するのではなく、必要に応じてほかの医療機関へ外部委託するのも1つの手段です。
開業前のよくある失敗例の2つ目は、スケジュール管理・計画が甘いことです。内装工事などの遅れで、開業までのスケジュールが後ろ倒しになってしまうと、すべての準備に余裕がなくなってしまいます。その結果、開業の広告チラシの用意や機器・備品の搬入が遅れてしまうなど、ギリギリまで準備に追われてしまうでしょう。
また、事業計画が大幅に遅れていると、融資元の金融機関によくない印象を与えてしまい、今後の取引に支障が出てくる可能性もあります。上記のようなリスクを避けるために、開業のコンセプトが定まった段階で各分野の専門家への相談をおすすめします。開業までのスケジューリングに参加してもらうなど、工程の管理・計画のアドバイスをもらうようにしてください。
開業前のよくある失敗例の3つ目は、開業地の選定ミスです。多くの患者を呼び込むために、開業地は慎重に選ばなければなりません。患者にとってクリニックは日常的に訪れる場所ではありません。立地が良い場所であれば、人々の目に留まりクリニック名を認知してもらうことができますが、人目につかない場所で開業しても集患は望めません。
また、車を利用する人が多い郊外や地方で開業する場合、駐車場を確保できる土地であることは必須です。開業地は集患数を大きく左右する要素ですし、簡単に改善できるものでもありません。そのため、希望の開業地の周囲はどんな場所なのかを必ず調査するようにしてください。今後のエリア開発などで見込みの集患数が変わる場合もあるため、役所に問い合わせして確認してみるのもよいでしょう。
開業前のよくある失敗例の4つ目は、内装設備が患者様の属性に適していないことです。クリニックの内装は先ず来院される患者様に寄り添ったものであるかを考える必要があります。例えば、壁の色が派手すぎたり、照明が明るすぎたりする内装では落ち着かない患者様もいることでしょう。小児科のように小さな子供が来院するクリニックでは、キッズスペースを設けたり、子供と一緒に親御さんも診察室に入れるように診察室を広く設計したりするなどの工夫があるといいでしょう。患者さまの目線が反映されていない設計だと、集患や評判にも悪影響が出てしまいます。
同時に、診療・検査・処置などの様々なシチュエーションで、患者様とスタッフ双方がスムーズに移動できる動線が確保されているかも大事なポイントです。患者様の動線を確保した上で、患者様と交わることなくスタッフが自由に動けるように動線をしなければいけません。その他、導入する医療機器のことも考慮が必要です。あらかじめ医療機器の設置場所を定め、建物の構造が医療機器の使い勝手の制約にならないようにしなければいけません。
クリニックの“開業後”によくある失敗事例は以下の4つです。
それでは、それぞれの事例の内容を次項で詳しくお伝えしていきましょう。
開業後のよくある失敗例の1つ目は、スタッフが定着しない・非協力的なことです。スタッフの質はクリニックの評判や経営に直接影響してくるため、人材の採用は慎重に行ってください。採用に時間をかけられない場合、開業後の業務に支障が出てしまう可能性があります。本人のスキルや知識だけで判断するのではなく、人柄の良さやマナーが身についているのかについてもじっくり見るようにしましょう。
また採用のミスマッチを防ぐため、求人情報の発信に気をつけなければなりません。クリニックの診療方針や求める人物像をしっかり記載した求人票を出すようにしてください。
採用面接は客観的な視点で評価できるよう、筆記試験を実施するなどの工夫も必要です。採用後のミスマッチでトラブルが起きないよう、給与や休暇など待遇について文書で交付するようにしましょう。
開業後のよくある失敗例の2つ目は、コンサルに丸投げしてしまうことです。コンサルは開業医にとって貴重なアドバイスやサポートを提供してくれる存在ですが、開業後の経営を軌道に乗せるためには、医師自身が主体的に開業準備を行うことが重要です。
上記のような苦境に陥らないよう、最低限の経営知識は身につけておきましょう。経営分析ツールが搭載された電子カルテなどを活用すれば、経営状況をグラフで可視化することができ、時間を掛けずに質の高い分析を行うことができるでしょう。
自身の経営スキルで足りない部分を補いたいのなら、事務長を雇うのもよいでしょう。いずれにせよ、院長が主体的に考えることが大切です。
開業後のよくある失敗例の3つ目は、Web集客をしないことです。近年は患者が病院を選ぶ際にインターネットの情報を重要視する傾向があるため、Webを活用した集患戦略が非常に有効です。特にホームページ開設は、開業したばかりで周囲の認知が低いクリニックにとって優先すべき集患対策と言えるでしょう。
ただし、せっかくホームページを開設しても更新や管理を怠っていると、ほかの競合クリニックに患者が流れてしまう可能性があります。そのため、新しい情報を更新し続けたり、SEO対策を強化したりするなど、常にWeb戦略に力を入れていく必要があります。ホームページとオンライン予約システムを連携できれば、さらなる集患に効果的でしょう。ほかにも、Googleビジネスプロフィールへの登録がおすすめです。実際に来院した患者による口コミ評価は、新患の呼び込みにとても役立ちます。
開業後のよくある失敗例の4つ目は、評判・口コミが悪く患者さんの足が遠のくことです。近年は多くの人がインターネットの情報をもとに病院を選ぶ傾向にあるため、口コミサイトなどに低評価が多く寄せられてしまうことは避けなければなりません。
たとえば、医療者側の都合を優先して患者側に対する配慮が欠けている場合は、患者に悪い印象を与えてしまいます。患者への接遇対応が良くないスタッフがいる場合、クリニックの評価に大きく影響するでしょう。
開業後のよくある失敗例の5つ目は、新型コロナウイルスなどの外的要因です。予期せぬ感染症が流行してしまうと、感染防止対策で外出する人が減ってしまいます。その結果、院内感染を避けるため患者の来院控えが起きてしまい、経営の悪化が予想されます。新型コロナウイルスなどの外的要因が原因で経営が傾いた場合、金融機関から緊急融資を受けられるケースもあります。
しかし、救済措置としての融資で一時的に廃業を避けられたとしても、数年後には借入金の返済が始まります。追加で費用が発生するのは頭が痛いと思いますが、期間限定のスポットコンサルを依頼するなどして、日々の経営のあり方を見直す必要があります。
クリニックを開業する上で大きな失敗を防ぐために、以下の2点をおさえておいてください。
それぞれについて次項でお話ししていきましょう。
開業医である院長には、クリニックの代表者として以下3つの役割があります。
「医師」としての役割は、地域患者のプライマリーケア医であることです。専門分野のスキルや経験だけでなく、幅広い臨床経験の実績を積んでおくと患者からの信頼度も高まります。
開業後も最新の医療技術を磨き、知識やスキルを更新していくのはもちろん、クリニック全体の「管理者」としての役割も果たさなければなりません。スタッフたちをまとめ、チームとして地域医療を提供する義務があります。
そして、開業医は「経営者」として経営戦略を立てたり、長期の事業計画を策定したりする責任があります。クリニック開業を成功させるため、目指すビジョンや戦略を明確に持つことが重要です。そのため、経営スキルや管理スキルを学び、実践していかなければなりません。
クリニックの経営が失敗してしまうほとんどの原因が、スタッフとの軋轢や人材採用のミスマッチです。スタッフ同士の仲が悪いと、人材は定着せずに離職者が増えてしまいます。
スタッフの人員不足が続けば十分な医療サービスの提供が難しくなるなど、集患や口コミの評判にも影響してくるでしょう。そのため、スタッフ一人ひとりを大切な仲間として育成したりサポートをしたりする必要があります。
定期的な面談を設けるなど、スタッフの不満や不安を取り除く工夫も大切です。全員が同じ方向を向いた、一枚岩のクリニック経営を目指していきましょう。
クリニックの開業にあたり、コンセプトや事業計画策定、資金調達、内装工事など対応すべきことは多岐にわたります。開業半年前を目途に、クリニックのホームぺージも用意する必要があります。セカンドラボでは医療機関向けホームぺージ・採用サイト作成事業も行っているので、ご不明な点があればお申し付けください。
最近は、「開業プレサイト(プレオープンサイト)」という形で、新規開業に先駆けて、地域の皆様にクリニックを認知してもらうサイトを作るケースも見られます。開業前にコンテンツ記事の執筆を一定数行えば、開業直後からウェブ経由の新規患者さまを獲得することも十分実現できます。
サイトが完成しない段階でホームぺージを公開してしまい、不完全な部分は開業までに少しずつ仕上げていくイメージです。ホームぺージは公開してから検索エンジン上に掲載されるまで一定の時間がかかるので、不完全でもまず公開することは理に適っているといえます。
本記事では、開業医のよくある失敗事例をご紹介しました。開業後の経営の仕方だけでなく、開業前の準備段階で失敗してしまうおそれもあるため気をつけなければなりません。もし失敗やミスが起きてしまった場合、適切な対処法を取ることが重要です。
クリニック開業の大きな失敗を防ぐため、開業医としての意識だけでなく、管理者でもあり経営者でもあるという意識を忘れてはいけません。一緒に働くスタッフと一致団結し、理想の医療を目指しましょう。
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