クリニック開業時のスタッフ採用から、定着率向上の方法まで徹底解説

更新日 2024.10.03
投稿者:豊田 裕史

クリニックを開業する際に決めるべきことは多岐にわたりますが、中でもスタッフの採用は非常に重要です。しかし、

  • 「クリニックにはどんな職種の人が、何人いれば良いのか分からない」
  • 「診療科毎に、クリニックスタッフの適正人数は違うのだろうか」
  • 「スタッフを採用する方法は、どんな手段があるかさっぱり見当がつかない」

など、お悩みの先生も多いのではないでしょうか。

この記事では、開業時にスタッフを採用してから定着してもらうまでのポイント、クリニックのスタッフの離職率が高い理由などを解説。国内最大級の医療福祉の求人サイト「コメディカルドットコム」を運営してきた「求人のプロ」が執筆しています。

初めてのクリニック開業を控えている方、現在スタッフ育成・定着率向上に四苦八苦している先生方はぜひ参考にしてください。

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目次

開業前のスタッフ採用スケジュール

クリニックを安定した状態で開業するには、施設に見合ったスタッフの確保が必要不可欠です。ここでは開業前に行うスタッフ採用のスケジュールについて解説します。

スタッフの採用計画の検討

求人を募集する前に賃金や勤務時間など、労働条件についてを決めていきます。この労働条件ですが一定の目安に比べて条件が良くないと、せっかく求人を出しても良い人材は集まってきません。多くの求職者が目安として比較するのは、近隣にある医療機関になります。

より良い人材を確保するためにも、近隣医療機関の労働条件を調べて見劣りしないように設定していきましょう。賃金が高ければ必ず良い人材が集まるとは限りませんが、低く設定した時より応募者数ははるかにアップします。

同時に、クリニック開業者は上に立つ人間としてスタッフに気を遣わなければなりません。スタッフの不満を抑えるためにも、労働条件には気を配りましょう。賃金の決定が難しい場合は、専門コンサルタントのアドバイスを聞くのもおすすめです。

キーマンになる人材の採用

クリニックの開業は何もないところから流れを作っていかなければならないため、一人では負担が大きすぎます。自身の負担を少しでも軽くするために、現場のキーマンとなり得る存在の確保が必要不可欠です。

有力な人材としては、有資格者である看護師が第一候補としてあげられます。以前働いていた病院に優秀な看護師がいた場合、声をかけて引き抜こうとする方もいるほどです。キーマンがどんな人材かによってクリニックの雰囲気は大きく左右されます。

しかし、いくら人柄が良くても技術が追い付いていなければ開業後に現場の流れが悪くなるリスクもあるでしょう。難しい立ち位置に置くべき高レベルな人材は、周りに与える影響も大きいので特に時間をかけて採用を検討した方が賢明です。

もちろん、賃金や福利厚生などの労働条件の優遇も合わせて検討することで優秀な人材が集まりやすくなります。

通常スタッフの採用

通常スタッフの採用は、一般的に4カ月程度あればスムーズに開業を進められるでしょう。とはいえ、通常スタッフもクリニックにとって重要な役割を果たします。クリニックは病院と比べて施設の規模が小さいのが一般的です。

そのため、スタッフ1人が与える影響力は自然と大きくなります。実際に、たったひとりのスタッフが放った言葉で患者様からの評価を著しく下げてしまうこともあるのです。地域の方から信頼できるクリニックとなるには、慎重な人材選びは避けて通れない問題でしょう。

人材選びに失敗しないポイントとして、まずは「理想のクリニック像」を明確にしておくことが大切です。ビジョンをはっきりさせておくことで、自然とどのような人材が必要か分かるようになります。

同時に看護師・事務スタッフといった業種や正社員・パートなどの就業形態ごとの人数を決めておくことが大切です。人件費が関係する重要な部分ですので、十分シュミレーションしたうえで検討していきましょう。

何を使って採用を進めるか

賃金や労働条件・スタッフの人数などが決まったら、いよいよ求人を出します。この求人の掲載先も重要なポイントです。具体的な掲載先としては、以下の方法があります。

  • 自院のホームページ
    求人広告の中で一番おすすめの方法です。一般的な求人サイトにある文字制限や掲載料など制約がないので、自由にクリニックの魅力をアピールできます。きっかけは他の求人媒体だとしても、クリニックの雰囲気を知るためにホームページをチェックする方も多いです。

    ホームページでクリニックの様子や理念・院長の顔が分かれば、求職者が応募をするハードルもグッと下がります。開業後に施設の様子を知るためにチェックする患者様も多いので、ホームページは早い段階で充実させておきましょう。

  • ハローワークや新聞折込、求人誌
    費用は比較的安価ですが、地域によって有効となる方法は変わってくるため検討が必要な方法です。例えば若い年齢層に届けたい・都市部で人材を探したい場合は、インターネットを活用した求人広告が有効でしょう。

    逆に地方で求人を募集する場合は、新聞折込や求人広告も有効な手段となってきます。

  • 人材派遣会社
    地域によって異なりますが、看護師などの有資格者は時給1,500〜2,500円程度で派遣してもらえます。ちなみに事務職では、1,200〜1,800円程度が基準値です。直接雇用よりは割高な傾向にありますが、トラブル発生時には人を変えてもらうこともできます。

  • 人材紹介会社
    希望条件に合う方が見つかりやすい・書類審査や面談を人材紹介会社が請け負ってくれるなどのメリットがあります。ただし、手数料を年収の3割程度と定めているところも多く、費用が高いのがデメリットです。

ここまで紹介したいずれの方法も、メリット・デメリットがあります。自院が希望するスタッフ像を検討しつつ、最適な方法を選んでいくと良いでしょう。

採用面接スタート

スタッフ採用は開業の4カ月前から募集を開始し、3カ月前から面接をスタートさせると慌てずに人材を探せます。現在、他の医療機関に勤務している方であれば引継ぎにも時間がかかり、すぐに転職することができません。そのため、早めの対応が望ましいといえます。

転職を希望している応募者の状況によっては、面接できる日程が限られている方も多いです。しかし、時間が限られていることで、焦ってスタッフを決めてしまうのもおすすめできません。有能な人材を逃さないためにも、あらかじめ予備日もいくつか決めておきましょう。

採用したスタッフは長いお付き合いとなるため、クリニックの理念に沿った人材を求める方がトラブルを避けられます。もしも、クリニックにとって良いと思える人材が見つからない場合は、開業日の見送りも視野に入れつつ検討しましょう。

スタッフへの採用通知

優秀な人材は引く手あまたで、すぐに就職先が決まってしまうものです。採用通知を出すのが遅れたばかりに、他のクリニックで就職を決めてしまう…ということも十分にあり得ます。自身が良いと感じた人材は、早めに採用通知を出して確保しておきましょう。

採用が決定したら内定通知をお渡しすることで、正式な採用となります。現在、他の医療機関で勤務している場合には退職の手続きを進めてもらいましょう。医療機関の退職は他業種よりも時間がかかってしまうので、早めに準備をしてもらう必要があります。

採用通知以上に気を配らなければならないのが、不採用者への対応です。多くの場合、求人応募者は近所に住んでいる方が中心となってきます。そのため、不採用者の言葉は地域の人にとってリアルな口コミとして信憑性が上がってしまうのです。

例え誤解だとしても不採用者が不満を感じて良くない噂を広めてしまえば、クリニックにとっては痛手でしょう。今後患者様として関わる可能性もあるため、対応には細心の注意が必要です。

スタッフの研修

採用スタッフの研修は、遅くとも開業の3週間前にはスタートさせましょう。これから一緒に働くことになるスタッフ同士のコミュニケーションも大切にすることで、準備を円滑に進められます。

また、研修を行いながら看護師と相談しつつ必要な医療備品などを揃えていくと開業後の流れがスムーズです。同時に、スクラブやサンダルなどを一緒に決めることでチームの統一感や働くモチベーションを上げられます。

電子カルテや医療機器など取り扱い方のレクチャーも、この時期に行うのが望ましいです。開業前のクリニックはルールがあいまいな部分もあります。気になった部分はスタッフの声を聞きながら、できる限り明文化しておくことが今後の運営で重要なカギです。

クリニックスタッフの適正人数

スタッフの適正人数を算出する際に「最大患者数の7割が目安」という考え方があります。例えば、1日に最大300人の患者様が来院する施設であれば7割である210人が平均の来院数であるという考えです。

一般的には来院患者数20に対して1人のスタッフが適しているとされています。この計算に当てはめると、先ほどのクリニックでは11人のスタッフが最適です。正社員でなくても、パートを雇って1日の中で混雑しやすい時間帯のスタッフ数を増やすという方法もあります。

自院の適正人数が分かったとしても、クリニックの収入が十分でなければスタッフを雇うことはできません。そこで、続いては適正人数を予算の観点から見ていきましょう。クリニックを運営していく上での一般的な予算配分として、人件費は収入の15%と言われています。

例えば、年収が4,000円のクリニックの場合、人件費を算出する計算式は次の通りです。

4,000万×15/100=600万円

この計算で見ると、人件費として年間600万円を使えるということになります。この数字で何人雇えるかというと、正社員2人といったところでしょう。もちろんこれは目安であり、パートを採用するなど工夫次第で運営しているクリニックも多く存在します。

クリニックの運営状況から安易に雇用を増やすだけではなく、収支の状況を把握し無理のない運営を目指しましょう。

適正人数にとらわれ過ぎないことも大事

一見すると、適正人数を揃えておけば患者様へ十分なサービスを届けられると感じられます。しかし実は、スタッフの能力が見合っていなければいくら人数が足りていても患者様は不満を抱えてしまうのです。

やはり大切なのは、患者様に寄り添える人間力と確かな技術を持ったスタッフの確保になるでしょう。加えて人手不足が深刻化している医療業界では、優秀な人材に出会うこと自体が困難な状況にあります。

では、優秀な人材はどのような場所に集まるのでしょうか。彼らは常に前向きな精神で取り組み、自身の能力が客観視できている方も多いです。そのため、給与が高くキャリアアップに繋がる職場を選ぶと同時に、そのような施設からも選ばれやすい傾向にあります。

優秀な人材を確保したいのであれば、施設としてスタッフになにを与えられるかについて検討することが必要です。良いスタッフがクリニックに入ってくれれば、それだけで患者様からの評判も上がります。結果としてクリニックの収入アップも見込めるようになるでしょう。

開業後はスタッフをいかに定着させるか

せっかく採用したスタッフもすぐに辞めてしまっては、それまでの労力が無駄になってしまいます。スタッフがすぐに入れ替わるとなると、患者様にとっても落ち着ける空間とは言い難いでしょう。ここでは、スタッフの定着率を上げる方法を紹介します。

クリニックの離職率について

日本看護協会では、毎年「病院看護・助産実態調査」というものを行っています。それによると、2022年の正規雇用看護職員離職率は11.6%です。さらに、新卒採用者離職率では10.3%・既卒採用者離職率は16.8%となっています。

ちなみに2020年の調査では、正規雇用看護職員離職率11.5%・新卒採用者離職率8.6%・既卒採用者離職率16.4%でした。これを見ても離職率は軒並み増加傾向にあることが分かります。近年は新型コロナウイルスの影響もあり、離職に追い込まれるケースも少なくありません。

出典:2020 年 病院看護実態調査 報告書

出典:2022 年 病院看護・助産実態調査 報告書

なぜクリニックは離職率が高いの?

そもそも、なぜクリニックの離職率は高くなってしまうのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。

人間関係

クリニックは少人数で運営していくため、チームワークが大切です。毎日患者様が来院してくるもののクリニックの特色が強く、どうしても閉鎖的になってしまいます。そのため、院内の人間関係に悩む人も少なくありません。

スタッフ同士はもちろん、院長との人間関係に悩むこともあります。最悪の場合はパワハラやセクハラなど、深刻な問題にも発展しかねないのです。

業務が忙しい

業務の忙しさも、少人数で運営するクリニックにとって避けて通れない問題です。特に、内科や整形外科といった来院者数が多い医科では、すばやく診察する必要があるため忙しくなってしまいます。

診療時間が終了しても清掃やレセプトの整理などがあり、すぐに帰れるわけではありません。自然と1人あたりの業務量が増えるため、心身ともに疲弊してしまう人が多いのです。

休みが取りづらい

業務が忙しいことに付随してきますが、休みが取りづらい点も大きな問題です。日々十分な休息が取れずにいると、少しずつ疲労が蓄積して心身に影響が出てしまいます。また、休みたい日に出勤しなければならない環境であれば不満を感じるスタッフも出てくるでしょう。

実際に「休みがとれない」といった理由で医療機関での仕事から離れてしまう人も一定数います。

クレーム・トラブル対応が辛い

クレームやトラブル対応に関しては、特に医療事務が多く抱えることになる悩みです。医療事務は来院時の受付や会計など、クリニック内で一番患者様と対面することが多くなります。そのため、患者様にとっては感じたことをすぐに伝えられる対象となってしまうのです。

良いことだけであればストレスはありませんが、クレームなど施設にとってマイナスとなる内容を聞くこともあります。時には患者様と院長と板挟みになることもあり、苦しい立場に置かれてしまうこともあるでしょう。

クレーム対応に追われていく中で患者様とのやりとりに疲れてしまい離職を決めるのも、よくあげられる理由です。

クリニックにおけるスタッフの離職についてはクリニックのオープニングスタッフが辞める!理由や回避方法を紹介でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

離職率を下げる方法

ここからは、クリニックでの離職率を下げる方法について解説します。

労働環境を見直す

クリニックにおける労働環境の見直し・改善は、離職率を下げる大きなカギになります。具体的な内容については、過去に離職した人の理由をもとにすると明確化しやすいです。同時に地域のクリニックの労働環境と比較するのも良いでしょう。

クリニックは女性スタッフが多い環境になります。そのため、女性視点での環境改善を作り上げていくのがおすすめです。例をあげると、休みが取りやすい環境であれば結婚・出産後も長く務めることができます。

労働条件の改善はスタッフの心の余裕をもたらすとともに、クリニックの雰囲気や評判をあげる有効な手段です。

休暇を取得しやすい雰囲気

良い状態のモチベーションで働いてもらうには、休息時間の確保が必要不可欠です。働き始めの体力がある状態であれば休まずに働ける人もいるでしょうが、長期的に続けるのは不可能といえます。

長く続けてほしいと考えるのであれば、日々の休憩はもちろん休暇もしっかり取れる体制づくりをしましょう。忙しさを緩和させるためのシフトの見直しや人員確保など、運営者ができることはたくさんあります。

せっかく育った優秀な人材が離れないようにケアすることが、結果として求人広告費を含む人件費削減になるのです。

スタッフの不満に耳を傾ける

スタッフが伝えてくれる不平や不満も、環境改善するための有効な材料となります。運営者にとっては耳の痛いこともあると思いますが、できる限り聞くようにしましょう。スタッフの言葉の内容を理解し、適切な対応をとることで環境だけでなく信頼度を高められます。

職場の人間関係はスタッフ一人ひとりの人柄も大切ですが、上に立つ人間の采配力も大きなポイントです。運営者がスタッフの言葉を聞かないばかりに、スタッフ同士で潰し合いが発生してしまえば取り返しがつきません。

クリニックを安定して運営するためにも、スタッフの不満にはなるべく早く対処をするように心がけましょう。

スタッフルームを充実させる

診察時間中が忙しいとしても十分な休息が取れれば、スタッフが不満を感じることは少ないです。そのような観点から、スタッフルームを充実させる方法は有効な手段になります。スタッフルームは、スタッフが休憩するための大切な空間です。

電子レンジや冷蔵庫・ポットといった設備があれば、持ち込める食事のバリエーションを増やすことができます。休憩している様子を患者様に見られないようにする工夫も、必要になってくるでしょう。

「どのような設備が欲しいか」「どんな空間がいいか」をスタッフにヒアリングすることで、最適な空間づくりが可能です。

スタッフ同士の相互理解を深める

スタッフ同士の相互理解を深めるのも、離職率を下げる方法として役立ちます。先ほどクリニックを辞める理由のひとつとして、人間関係があると述べました。逆にいうと、人間関係が良好であれば離職率を下げられるということになります。

チーム一人ひとりが自身の役割を理解し行動することで、より良い相互関係を生み出すことができるでしょう。業務の効率化や人件費削減・患者様の満足度向上など、得られる効果は非常に大きいです。

このようなチームワークは渦中にいるスタッフだけでは、なかなか築き上げられません。やはりここは、一歩引いた視点で見られる運営者の力が必要とされる場面となるでしょう。

1on1ミーティングの実施

仕事を続けるうえで大切なのは「自分が必要とされている」「心地よいと思える環境である」と感じることです。そのような空間を作り上げるためには、スタッフ本人の声を聞くことが大切になります。

1on1ミーティングは、スタッフ一人ひとりの声を聞くことができる貴重な機会です。不満や不平を直接話すことができるスタッフであれば、ミーティングも必要ないかもしれません。しかし、中には不満をなかなか吐き出せない人もいるのです。

普段の業務で忙しいかもしれませんが「現場の意見は宝の山」と捉えて、機会を設けることをおすすめします。

スタッフ教育も重要なポイント

ここまで、スタッフが働きやすい環境の整え方について解説してきました。それと同時に、スタッフが向くべき方向を揃えるのも必要です。以下では、スタッフ教育のポイントについて具体的に解説します。

クリニックの理念に共有してもらう

クリニック理念の共有は、採用前に伝えておくべき重要事項です。この理念に沿うか否かで、採用を検討する際の指針にもなります。もしも、すでに働いているスタッフに理念を伝えていないようであれば、できる限り早く周知しておきましょう。

理念が明確であれば、クリニックにとって求められる人間像がはっきりします。これまで自身の方向性が分からなかったスタッフも、目指すべき方向を見いだせるでしょう。やりがいを見つけるきっかけにもなります。

院内ルールの周知・徹底

院内ルールはスタッフを押さえつけるだけでなく、どんな立場の人も安心して働ける環境を確保するためにも必要です。身だしなみや言葉遣いを始めとして、就業規則やスタッフごとの役割を明確にすることができます。

ある程度のルールがあれば、運営者がいなくてもスタッフ同士で解決することが可能です。スタッフだけで話し合い・解決まで導ければ、チームワークの向上にも繋がります。

目標の設定

目標を立てることで、従業員のモチベーションアップに繋げられます。明確な目標を提示されるだけで、やる気が出て自主的に行動できる人もいるほどです。目標をクリアするという行為は、スタッフの精神面の成長や日々のチーム力向上も期待できます。

注意すべきは目標の設定方法です。いきなり高すぎる目標を立ててしまうと「自分には無理だ」と諦めてしまう人が続出するでしょう。一方で、簡単な目標でも「達成できた」という感覚が得られるだけで、次もがんばろうと思えるものなのです。

最終目的は明確にしつつ、そこに向けた段階的な目標設定が人材育成において大切だといえます。

まとめ:離職の理由を理解して、長く働いてもらえる雰囲気を作りましょう

クリニック開業時のスタッフ採用について解説してきました。記事内容を振り返り、スタッフの採用、定着率向上に向けて大切なことを4点にまとめます。

  1. 複数の採用チャネルを使って採用を進める
  2. 複数の観点でスタッフの適正人数を見極める
  3. クリニックの離職率が高い理由を把握する|給料、人間関係
  4. スタッフ間のコミニュケーションを意識的に取る

医療業界では慢性的に人手不足が続いており、クリニック運営を続ける限り、スタッフの確保・教育は考え続ける必要があります。看護師を初めとした資格職は、「転職し放題」のような状態です。

制度面でもソフト面でも、自院で働いてもらえるような雰囲気のクリニックづくりを院長先生は心掛けるようにしましょう。

クリニック開業についてはクリニック開業の流れを徹底解説|時期別のやることリスト・成功に大切なポイントでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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