クリニック開業を成功させるチラシ作成のポイント|広告規制の解説も

更新日 2023.11.20
投稿者:豊田 裕史

クリニック開業にあたって、チラシ作成は重要な広告手段です。しかし、医療広告には厳しい規制があり注意が必要です。本記事では集患に役立つチラシ作成について解説します。失敗事例やホームページなどの集患方法も解説します。

クリニック開業のご相談はこちら
  • 「勤務医として働きながら膨大な準備や情報収集、情報の精査をするのは大変」
  • 「そもそも何から手を付ければいいのかわからない」
  • 「大きな決断となる医院開業。信頼できる企業にコンサルティングを依頼したい」

現在、上記のようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひとも私たち「2ndLabo」にご相談ください。開業に必要な情報をまとめた業界最大級の独自データベースとコンシェルジュの知見で開業準備、そして開業成功に向け伴走いたします。

相談は無料です。コンサルティング会社を複数比較したい、開業準備や計画に対するアドバイスが欲しいなど、何でもお気軽にお問い合わせください。
特典資料「時期別!クリニック開業までのやることリスト全まとめ」もプレゼント中です。

無料相談はこちら
目次

クリニック開業時の集患の重要性

ここでは、クリニック開業時に行う集患の重要性を解説していきます。クリニック経営において、集患は欠かせません。質の高い医療を提供でき、最新設備を備えていても黙ってクリニックを開けているだけでは患者は来ません。集患を疎かにすると、経営が難しくなってしまう可能性もあります。

また、一言で集患と言っても、その方法はさまざまで、診療科目によってターゲットにする患者の層は異なるため、しっかりと考えて集患を行わなければなりません。たとえば、集患のなかでも、チラシ広告は開業時の集患方法として有効です。

クリニック開業でのチラシ広告の効果は?

では、チラシ広告にはどんな効果があるのでしょうか?クリニックの集患において、チラシ広告は以下のような効果があります。

  • 特定のエリアに訴求できる
  • 受け取った人の手元に残る
  • 他の広告に埋もれにくい

特定のエリアに訴求できる

クリニックのチラシ広告の場合、エリアを限定して配布することができます。そのため、一般的なWeb広告よりもコストを抑えつつ効果的にターゲットに訴求することが可能です。

受け取った人の手元に残る

たとえば、Web広告やテレビのCMは情報を目にした直後に流れてしまうため、思い出したいときに正確な情報を思い出せない場合があります。

しかし、チラシであれば、一度目にした後も残してあれば再度確認することが可能です。また、複数人の世帯の場合、1枚で複数人にアプローチできます。

他の広告に埋もれにくい

Googleなどのリスティング広告やメディアへ出向した場合、広告料の額で上位表示されるか否かが決まることが多いです。
しかし、チラシであれば紙1枚分のスペースを独占してクリニックの情報を伝えられます。

クリニック開業のチラシ作成では医療広告ガイドラインに注意

クリニック開業時のチラシ作成は集患に有効ですが、医療法による広告規制に注意する必要があります。

まず、基本的な考え方として、医療広告ガイドラインでは
「医療広告を行う者は、その責務として、患者等が広告内容を適切に理解して、適切に治療等を選択できるよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならない。」
とされています。これは、客観的かつ正確な情報を伝える必要があるということです。

具体的には、以下のような禁止項目があります。

「(1) 比較広告 (2) 誇大広告 (3)広告を行う者が客観的事実であるこ(1) 比較優良広告(2) 誇大広告(3) 公序良俗に反する内容の広告(4) 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告(5) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告とを証明できない内容の広告 (4)公序良俗に反する内容の広告」

極端に言うと、「当クリニックに来れば、必ず症状が良くなります」というのは客観的事実ではありません。そのため、記載できないです。

これらはチラシ以外の広告にも適用されるため、注意する必要があります。また、チラシの制作にあたっては、「医療広告ガイドラインQ&A」も確認しておきましょう。

医療広告ガイドラインについては【最新版】医療広告ガイドラインをわかりやすく解説!NG・OK表現もでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

出典:医療法における病院等の広告規制について|厚生労働省

出典:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)|厚生労働省

出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A|厚生労働省

クリニック開業時のチラシ作成スケジュール

チラシ作成のスケジュール

ここでは、実際にチラシを作成する際のスケジュールや工程を解説していきます。

クリニック開業時のチラシ作成のスケジュールについては、開業の4〜5カ月前にデザインを検討し、3〜4カ月前に決定し、3カ月前に納品することが理想的です。ポスティングは、開業1か月前くらいがいいでしょう。

クリニック開業の流れについてはクリニック開業の流れを徹底解説|時期別のやることリスト・成功に大切なポイントでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

クリニック開業を周知するチラシの配布方法

では、作成したチラシはどのように配布すればよいのでしょうか?ここでは、クリニック開業を周知するチラシの配布方法を紹介していきます。

街頭での配布

街頭で配布することで、多くの人にクリニックの開業を伝えることができます。しかし、街頭での配布は受け取ってもらいにくく、時間と労力がかかります。依頼して行う場合はコストも発生するので、そのあたりも考慮して行うようにしましょう。

ポスティング

近隣への広告を漏れなく行う場合、ポスティングが効果的です。内覧会の1か月~1週間前までにポスティングを行うことで、開業と内覧会について多くの人に伝えることができます。

新聞折り込み

ポスティングと併用して、新聞折り込みも活用するのがおすすめです。内覧会の1週間前の日曜日と、内覧会前日にチラシの折り込みを入れるといいでしょう。

ちなみに、新聞の折り込みチラシは、金曜日が一番多いです。そのため、金曜日に出すとせっかく作ったチラシが他のチラシに埋もれて見てもらえない可能性があります。

クリニックの周知に効果的なチラシの配布タイミング

チラシは、配布方法だけでなく、いつ配布するかも重要です。たとえば、土曜日の折り込みは家族内でチラシが回される可能性が高く、反響を得やすいと言われています。

クリニックの場合、ターゲットとなる層を意識して配布曜日を設定するのもいいでしょう。小児科の場合、親は週初めが忙しいです。そのため、週末に配布するのがいいかもしれません。

このように、少しでも目に留まる可能性が高い曜日を検討して配布するようにしましょう。

クリニック開業時にチラシの作成・配布で注意するポイント

ここでは、その他チラシの作成や配布で注意するポイントを解説していきます。

チラシ内に導きたい「ゴール」を明記する

まず、チラシを受け取った人をどこに導きたいのか?「ゴール」を明記するようにしましょう。たとえば、クリニックまでの地図やホームページのURLなどです。

また、多くの人はスマートフォンで検索して調べるので、チラシとサイトの写真やトンマナを合わせるように意識する必要があります。

クリニックの外観写真や従業員の写真を使用する

クリニックの外観写真や従業員の写真を使用して、雰囲気が分かるようにするのもいいでしょう。しかし、従業員の写真を使用する際は、必ず本人の許可を取らなければなりません。無断で使用すると、被写体の権利侵害になる可能性があるので注意してください。

反響測定やABテストを行う

チラシの反響を把握するために、 反響測定を行いましょう。しかし、それだけでは不十分です。チラシデザインや配布エリア・配布タイミングなどの観点で、条件を変えつつ施策を繰り返すことが重要になります。

その上で、結果が出た条件を次回の広告に採用し、さらに検証するという流れでABテストを行うのが最も効果的です。

クリニック開業時チラシ以外の集患方法

クリニック開業時の集患には、チラシ以外にも以下のような効果的な方法があります。

  • ホームページ
  • ブログ・SNS
  • 看板
  • 電柱広告

ホームページ

たとえば、小児科などの親が若い世代の場合、ホームページをチェックしてから来院する方が多いです。そのため、ホームページをしっかりと整えておくようにしましょう

院長やスタッフの写真やメッセージを掲載していれば、安心して来院することができます。また、チラシにホームページのURLやQRコードを掲載するのも有効な手段です。

クリニック・病院におすすめのホームページ制作会社については【2023】クリニック・病院におすすめのホームページ制作会社17選でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

ブログ・SNS

ホームページをブログやSNSと連携させてコンセプトや治療方法などを発信するのも効果的です。ブログは低コストで運用でき、SNSは無料なので上手く活用することで大きな効果が期待できます。

看板

予算がある場合は、駅看板などで広告を出すのも効果的です。掲載料は高額ですが、その分大きな効果が期待できます。

たとえば、紙媒体の駅張りポスターの場合、1週間・1枚8,500~72,000円程度が相場です。駅構内のデジタルメディアになると、1週間・15秒CMが100~300万円なので非常に高額になってしまいます。

クリニック・歯科医院の看板製作業者については【2023】クリニック・歯科医院での実績豊富な看板製作業者10選を徹底比較|選び方のポイントも解説!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

電柱広告

電柱広告は、近隣の患者をターゲットにしたもので、クリニックまでの道案内の役割も果たします。最近では、スマホで検索する人も多いため、ホームページのQRコードを掲載するのも有効です。

クリニック開業広告の成功事例と失敗事例

ここでは、クリニック開業広告の具体的な成功事例と失敗事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

クリニック開業広告の成功事例

クリニック開業広告の成功事例には以下のようなものがあります。

  • クリニックのロゴマークに動物のキャラクターを入れたところ、子供の患者の増患につながった
  • ホームページを見た新規の患者が、スタッフの顔写真やメッセージを見て、安心して来院してくれるようになった
  • Web上でこれまでの症例と治療について紹介したことで、同じ症例の患者の来院が多くなった

クリニック開業広告の失敗事例

一方、クリニック開業広告の失敗事例には以下のようなものがあります。

  • 高級感のある広告を出したところ「治療費が高額なのでは?」と思われてしまい、逆効果になった
  • コストを抑えるために自分でホームページを作成したものの素人感が否めず、集患につながらなかった
  • 電柱広告を出したが、クリニック名と連絡先しか載せていなかったため費用に見合った効果を得られなかった

クリニック開業時に利用したい広告業者の選び方

ここでは、実際にチラシ作成を業者に依頼する際の業者を選ぶポイントを解説していきます。

チラシ作成が得意な業者を選ぶ

広告業者にはそれぞれ、電柱広告・チラシ・ネットなどの得意分野があります。そのため、依頼する際は業者のホームページを見て、何が得意なのか確認するようにしましょう。また、過去の実績も確認しておくといいです。

医療広告ガイドラインの知識がある業者を選ぶ

医療広告は通常の広告と異なり、医療広告ガイドラインに則り作成しなければなりません。そのため、業者に医療広告ガイドラインの知見があるか否かも確認する必要があります。

ホームページで、医療機関の広告制作実績があるかどうかを確認するようにしましょう。

クリニック開業時に使えるチラシ無料テンプレート

業者に依頼する時間がない、コストを抑えたい場合は「アスクル」や「ラクスル」で無料のチラシ作成テンプレートが多数公開されているので参考にしてみるといいでしょう。

まとめ

クリニック開業にあたって、チラシなどの広告は非常に重要です。しかし、闇雲に出してしまうと逆効果になり、費用を無駄にしてしまう可能性があります。最悪の場合、クリニックの評判が悪くなる可能性もあるでしょう。

広告を出す際は、しっかりとした効果が見込めるか慎重に判断するようにしましょう。開業直前に焦って出すことがないように、余裕を持って広告の準備を進めるのがおすすめです。今回の記事の内容を参考に、ぜひチラシ作成を進めてみてください。

クリニック開業関連コンテンツ一覧

クリニック開業のご相談はこちら
  • 「勤務医として働きながら膨大な準備や情報収集、情報の精査をするのは大変」
  • 「そもそも何から手を付ければいいのかわからない」
  • 「大きな決断となる医院開業。信頼できる企業にコンサルティングを依頼したい」

現在、上記のようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひとも私たち「2ndLabo」にご相談ください。開業に必要な情報をまとめた業界最大級の独自データベースとコンシェルジュの知見で開業準備、そして開業成功に向け伴走いたします。

相談は無料です。コンサルティング会社を複数比較したい、開業準備や計画に対するアドバイスが欲しいなど、何でもお気軽にお問い合わせください。
特典資料「時期別!クリニック開業までのやることリスト全まとめ」もプレゼント中です。

無料相談はこちら

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

関連記事

PAGE TOP