クリニック開業準備に関する費用は経費になります。この記事では開業費とは何かをはじめ、開業費の仕訳や計上方法、経費として認められる範囲について解説します。領収書の管理や開業医の必要経費についても参考にしてください。
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開業費というのは、開業の準備に使用したお金のことを指します。クリニックを開業することを決めてから、開業に至るまでは多くの資金が必要です。
なお、開業費は節税にも関わる費用であり、特別控除として扱えます。そのため、開業準備に伴う出費は、領収書などをしっかりと保管しておくようにしましょう。
開業費は経費ではなく、「繰延資産」という資産科目で償却可能です。一旦、繰延資産は資産の科目で処理し、毎年分割して経費にします。そうすることで、節税効果を得ることが可能です。
なお、「開業前」「開業後」どちらのタイミングで購入したかで、会計上の仕訳は異なるので覚えておきましょう。
例:開業前に事務用品を1,000円分購入した場合
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
開業費 | 1,000円 | 元入金 | 1,000円 | 文房具購入 |
例:開業後に事務用品を現金で1,000円分購入した場合
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
事務用品費 | 1,000円 | 現金 | 1,000円 | 文房具購入 |
開業前に発生した費用も開業費として償却することが可能です。医院開業に関係する費用であれば、経費となる可能性が非常に高いでしょう。
勤務医の間(医院開業の準備中)は経費にできませんが、医院を開業した後に開業準備に使ったお金を経費として申告することが可能です。
医院開業の準備は半年~1年半ほどかかるので、そのあいだに発生した医院開業に関係する書籍代や飲食代などは、開業後に経費にできる可能性があります。
ここでは、以下のような開業費として認められる費用例を紹介していきます。
以下のような、開業に伴うセミナーや勉強会に参加した際の費用は開業費として認められます。
以下のような、開業に伴う情報収集を目的に食事をした際の費用は開業費として認められます。
以下のような、開業に伴う情報収集を目的にクリニック見学をした際の費用は開業費として認められます。
以下のような、開業のための備品を購入した際の費用は開業費として認められます。
以下のような、開業における根回しとして贈答品を送った際の費用は開業費として認められます。
以下のような、クリニックスタッフ採用のための費用は開業費として認められます。
以下のような、開業案内や内覧会の費用は開業費として認められます。
一方、以下のように開業費として認められない費用もありますので紹介していきます。
原則として、10万円以上の設備消耗品は資産として計上されます。たとえば、クリニックで使用する自動受付機やセルフレジなどは数百万円かかることもあり、準備期間に購入した場合は資産で計上する必要があるのです。
なお、パソコンや応接セットなどの高額な有形固定資産は減価償却しなければなりません。減価償却の際は、資産ごとに定められている法定耐用年数に応じて、購入費用を分けて経費に計上します。
クリニックを開業する際は、土地や賃借料などの資産取得にも費用がかかります。これらは、事業においての資産です。そのため、資産取得に伴う費用は、開業前でも開業費として認められません。
具体的には、以下のような資産取得にかかる費用は開業費として認められないです。
領収書・明細書などが残っていない場合は、開業費にできません。これは、領収書や明細書などがないと、いつ購入して支払いを行ったか分からないためです。開業に伴う支出であるかどうかが判断できないので、開業費として認めてもらうことはできません。
そのため、開業を決めた後の関連する領収書・明細書などしっかり受け取るようにし、厳重に保管しておくようにしましょう。
クリニック開業を決めた時点で、レシートや領収書・明細書は基本的にすべて残しておきましょう。
領収書は、証拠書類として残しておきましょう。宛名は個人名で問題ありません。但し書きは具体的に「飲食代」などにします。
また、1つの値段が10万円を超えて、その他の商品と合わせて総額30万円となった場合、内訳がはっきり分かるようにレシートがあったほうがいいです。
日付・購入商品・買った場所・商品1つあたりの金額が明確であれば、領収書でもレシートでも問題ありません。
開業費は、明細を保管しておきましょう。そのため、エクセルやスプレッドシートに支払いする度に記録しておくといいです。節税は、基本的に地道な作業の積み重ねになります。この作業をしっかりこなすことで、開業費の信頼度が高くなるので面倒くさがらずに取り組むようにしてください。
税務上、証拠書類は7年間(法人の場合は10年間)の保管義務があるので覚えておきましょう。開業費専用のファイルなどを用意し、厳重に保管しておく必要があります。支出年月別に区分して、ファイリングしておくのがおすすめです。
最後に、開業後に必要経費として計上できるものも確認しておきましょう。
まず、必要経費は所得税においては、「収入金額を得るため直接に要した費用及びその業務について生じた費用」と規定されているので覚えておいてください。
収入や業務との明確な関連性が必要とされる費用が、必要経費であるという認識で問題ありません。
以下は、開業医が計上できる経費となるので、参考にしてください。
人件費は、クリニックで働くスタッフに関する経費です。クリニックの経費のなかでも、特に大きな割合を占める経費です。給与・賞与の他、社会保険料なども該当します。
社会保険料はクリニックで働くスタッフに支払う賃金・給与、賞与等の15~20%程度になるため、注意しなければなりません。なお、人件費として認められる額の上限は定められていないです。
設備費は、クリニックの土地や建物などに関する費用です。地代家賃や医療機器の整備・部品交換などで発生する修繕費・機器のリース代・有形や無形の固定資産の減価償却費も含まれるので覚えておきましょう。なお、設備費として認められる額に上限はありません。
交際費は接待などを目的とした経費で、近隣のクリニックや関係者との食事代などが該当します。情報交換などに伴って使われたと認められれば経費として計上可能です。
打ち合わせやミーティングに関連する経費は会議費になります。貸会議室を使用した場合の賃料や、会議の際に出すお茶やお菓子なども会議費として経費に計上可能です。
従業員に対する福利厚生のための費用は、福利厚生費として経費に計上可能です。たとえば、衛生・教育訓練などにかかる費用が該当します。
病院会計準則では「福利施設負担額、構成比など従業員の福利厚生のために要する法定外福利費」とされており、経費に計上する際はスタッフに対する費用なのかどうか気をつけなければなりません。
クリニックを経営する中で、よりよい医療サービスを提供するために、学会などに参加して最先端の医療技術を習得することは大切です。学会などに参加する際の移動費などは出張費として経費に計上できます。
新幹線代・飛行機代・宿泊代などが該当しますが、家族が同伴する場合は、経費に計上できるのは医師の分のみです。
ここまで解説してきたように、クリニック開業の準備費用は経費に計上することが可能です。しかし、経費として認められるものと認められないものがあるので、そのあたりはしっかりと理解しておく必要があります。
経費に関しては面倒に感じる部分が多く、つい疎かにしてしまいがちですが、地道に積み重ねることで節税することができるので、しっかりと行いましょう。
これからクリニックを開業しようと思っている方は、今回の記事の内容を参考にしてください。
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