クリニック開業の際は、標榜科目を決めなければなりません。ただし、適当に決めて良いものではなく、ルールや組み合わせをしっかりと理解する必要があります。
今回の記事では、開業医が知っておくべき標榜科目のルールや、変更手続き・届出などについて解説しますので参考にしてください。
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標榜科目というのは、そのクリニックなどの医療機関が専門としている診療科目を明確に患者へ伝えるために、看板やホームページなどに掲げる診療科名のことです。
標榜科目を掲げることで、患者が正しい医療機関を選ぶことができます。ただし、麻酔科以外の診療科名は医師の専門性に関係なく、ルールさえ守れば自由に掲げても問題ありません。
麻酔科標榜医とは、麻酔科標榜の許可を得ている医師のことです。麻酔科の標榜だけは、厚生労働大臣の許可が必要であり、医療法で定められています。なお、麻酔科標榜医の許可基準は以下の通りです。
出典:麻酔科標榜医制度の概要
クリニック開業の際は、厚生労働省が定めているルールなど、標榜方法をしっかりと把握しておくようにしましょう。以下では、標榜方法について解説しますので参考にしてください。
標榜方法の基本ルールとして、標榜科目は以下の4つのパターンで決めることが定められているので覚えておきましょう。
なお、2008年(平成20年)4月1日以前に掲げた診療科名は、経過措置としてルールに則っていなくても、これまで通り標榜を続けられます。ただし、新しく看板などを設置する際は、新ルールに則った診療科名を決めて、変更手続きを行わなければなりません。
標榜科目数に制限は定められていませんが、厚生労働省は以下の2点を推奨しています。
内科・外科とその他の事項との組み合わせは、次の4つのパターンで定められています。
部位・器官・臓器・組織またはこれらの果たす機能 | 頭頸部/頭部/頸部/胸部/腹部/呼吸器/気管食道/気管/気管支/肺/消化器/食道/胃腸/十二指腸/小腸/大腸/循環器/肛門/血管/心臓血管/心臓/腎臓/脳神経/脳/神経/血液/乳腺/内分泌/代謝/脂質代謝/肝臓/胆のう/膵臓 |
---|---|
疾病・病態の名称 | 感染症/性感染症/腫瘍/がん/糖尿病/アレルギー疾患 |
患者の特性 | 男性/女性/小児/周産期/新生児/児童/思春期/老人/老年/高齢者 |
医学的処置 | 整形(内科との組合せは不可)/形成(内科との組合せは不可)/美容/心療(外科との組合せは不可)/薬物療法/移植/光学医療/生殖医療/不妊治療/疼痛緩和/緩和ケア/ペインクリニック/漢方/化学療法/人工透析/臓器移植/骨髄移植/内視鏡 |
たとえば、外科の場合は「外科」と「脳神経」を組み合わせて「脳神経外科」と掲げることができます。逆に、「男性産婦人科」や「消化器皮膚科」のような、組み合わせが合理的ではない標榜は認められないです。
単独標榜ができる診療科名は以下の通りです。
ここでは、標榜できない診療科名について解説していきます。
不合理な組み合わせの、認められない診療科名は以下の表を参考にしてください。
診療科名 | 不合理な組合せ |
---|---|
内科 | 整形または形成 |
外科 | 心療 |
アレルギー科 | アレルギー疾患 (「アレルギー疾患アレルギー科」) |
小児科 | 小児、老人、老年または高齢者 (例「高齢者小児科」など) |
皮膚科 | 呼吸器/消化器/循環器/気管食道/心臓血管/腎臓/脳神経/気管/気管支/肺/食道/胃腸/十二指腸/小腸/大腸/肝臓/胆のう/膵臓/心臓または脳 (例「消化器皮膚科」など) |
泌尿器科 | 頭頸部/胸部/腹部/呼吸器/消化器/循環器/気管食道/心臓血管/脳神経/乳腺/頭部/頸部/気管/気管支/肺/食道/胃腸/十二指腸/小腸/大腸/肝臓/胆のう/膵臓/心臓または脳 (例「胸部泌尿器科」など) |
産婦人科 | 男性/小児または児童 (例「男性産婦人科」など) |
眼科 | 胸部/腹部/呼吸器/消化器/循環器/気管食道/肛門/心臓血管/腎臓/乳腺/内分泌/頸部/気管/気管支/肺/食道/胃腸/十二指腸/小腸/大腸/肝臓/胆のう/膵臓または心臓 (例「呼吸器眼科」など) |
耳鼻いんこう科 | 胸部/腹部/消化器/循環器/肛門/心臓血管/腎臓/乳腺/内分泌/胃腸/十二指腸/小腸/大腸/肝臓/胆のう/膵臓または心臓 (例「循環器耳鼻いんこう科」など) |
以下のような診療科名は、患者に誤解をあたえる可能性があるため標榜できません。
以下のような診療科名は、法的根拠がないため標榜できません。
ここからは、標榜科目の変更手続きと届出について解説していきます。
平成20年4月1日より前に標榜している診療科名については、そのまま標榜することが可能です。ただし、看板の変更や、新しい広告を出すときなどは、新たな診療科名を掲げる必要があります。
標榜科目を変更する際は、都道府県知事(保健所設置市の場合は市長・特別区の場合は区長)に新たな届出を提出しなければなりません。具体的な届出方法については、各都道府県の担当部局に問い合わせるようにしましょう。
クリニック開業に伴い標榜科目を決める際は、医療広告ガイドラインに則り、医院のコンセプトやマーケティングの観点から考えて決めるようにしましょう。
たとえば、耳鼻咽喉科で小児患者も診る場合は、小児科も合わせて標榜して、近隣の小児患者を集患できるようにすることもあります。
標榜科目は、麻酔科以外はルールに則れば自由に掲げることができます。しかし、不合理な組み合わせとして認められないものもあるので気をつけなければなりません。
また、標榜科目はマーケティングの観点から見ても重要な要素なので、しっかりと考えて適切な診療科名にしましょう。
標榜科目のルールや変更手続きなどにについてはクリニック開業の流れを徹底解説|時期別のやることリスト・成功に大切なポイントでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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