クリニックへのクレーム事例と対応方法を解説

更新日 2024.04.08
投稿者:豊田 裕史

クリニックへのクレームで最も多いのが、「待ち時間が長い」ことによるクレームです。クレームに対して適切な対応を取らなければ、患者様の怒りがさらにエスカレートする可能性もあります。
さらに、クリニック業務に支障をきたす恐れもあり、スタッフの負担も大きいです。最悪の場合、患者様が離れ、スタッフの離職にも繋がってしまいます。

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患者様からよくクレームが発生する理由

患者様はどのような事でクレームや苦情を伝えるのでしょうか。ここでは、患者様からよくあるクレームの事例を紹介します。

具体的には以下のとおりです。

  • スタッフの態度が悪い
  • 待ち時間が長い
  • 診療、薬の処方に関するクレーム
  • 治療費に関するクレーム
  • 医師が話を聞いてくれない

これらの事例をあらかじめ知っておけば、クレーム対応もしやすくなるでしょう。

スタッフの態度が悪い

まず挙げられるのが、スタッフの態度が悪いことです。患者様は不安を抱えながらクリニックを利用するため、電話対応や受付時での対応が悪い場合、クレームに繋がりやすくなります。

主に以下の3つが原因で「スタッフの態度が悪い」と患者様からクレームが発生します。

マナーがなっていない

社会人としての基本的なマナーがなっていないスタッフは、患者様からクレームを言われるでしょう。

たとえば、「タメ口で患者様と会話をする」「派手なメイクやアクセサリー」「清潔感がない見た目」などです。

これらの事例は、医療機関としてふさわしくないと判断され、患者様からクレームを発生させます。

私語が多い

患者様の人数が少なくスタッフも手が空いている時は、ついついスタッフ同士で会話をしてしまう場面もあるでしょう。

しかし、患者様にとって私語は不快になる恐れがあり、クレームを発生させる原因になります。

会話の内容によっては、個人情報の漏洩やクリニック自体のイメージを下げてしまう恐れもあるのです。

そのため、患者様の前では私語を控えるようにするのが無難といえるでしょう。

愛想が無い

クリニック業務が忙しく、余裕がなくなると患者様に対して愛想がない返答をしてしまいがちです。

患者様は不安を抱えてクリニックに来訪しているため、愛想がないスタッフに不満を感じる方もいらっしゃるでしょう。

スタッフに愛想がない返答をしたつもりがなくても、何気ない一言が患者様にネガティブに捉えられてしまいます。

たとえば、高齢者の方であれば自動精算機などの使い方に困る場面も多いです。簡単な操作でも患者様の気持ちに寄り添って対応するのが大切といえるでしょう。

待ち時間が長い

クリニックへのクレームで最も多いのが、「待ち時間が長い」ことによるクレームです。クレーム対応に時間が割かれると、業務効率が悪くなり、さらなる待ち時間の悪化に繋がりかねません。

では、なぜ待ち時間が長くなるのでしょうか。主な原因として、以下の3つが挙げられます。

  • 診察に時間をかけている
  • 電話対応などの問い合わせに時間がかかっている
  • 診療、受付・会計業務を手動で行っている

これらの原因を把握し対策することで、待ち時間の短縮が可能です。

診療、薬の処方に関するクレーム

診療・薬の処方に関するクレームも多い事例といえます。

たとえば、診療後に処方された薬が効果がなかった・悪化したなどのクレームです。

「要望通りに薬を出してくれなかった」、高齢の患者様の家族から「服薬コントロールができないので薬を減らしてほしい」など、薬の処方に関するクレームもあります。

クレームに対応できる状況であればよいですが、一方的に口コミやネットサイトに悪評を書かれてしまうことも多いです。

治療費に関するクレーム

治療費に関してクレームを伝える患者様もいらっしゃいます。

たとえば、診察や治療内容に納得いかず返金を求めるケースや、生活保護の受給者の患者様が薬の支払いを拒否するケースなどです。

また、不払いを理由として診療拒否をすることが基本的にできないため、医師にとっては悩ましい問題となるでしょう。(悪意のある不払いは拒否できる)

医師が話を聞いてくれない

受付のスタッフや看護師だけでなく、医師の対応でもクレームは発生します。

たとえば、「医師の診療時間が短く、相談内容を伝えられなかった」「パソコン作業ばかりで患者の話を聞いてくれなかった」などです。

患者様は不安を抱えてクリニックを訪れているので、話をしっかり聞くことはクレーム件数を減少させるためにも大事といえるでしょう。

患者様からのクレームをできる限り少なくする方法

患者様からクレームが発生する原因を理解した後は、クレームへの対応方法について知っておかなければなりません。

ここでは、患者様からのクレームを少なくする方法について解説します。

具体的には、以下の4つの方法です。

  • スタッフ教育
  • クリニックの理念を共有
  • 患者様からのアンケートを取る
  • 待ち時間対策ツールの導入

スタッフ教育

「患者からよくクレームが発生する理由」でも挙げたように、スタッフの態度が悪いことでクレームが発生します。

スタッフに関するクレームは、ネットサイトの口コミに書かれやすいため、クリニック運営に悪影響を与えかねません。

そのため、スタッフ教育を行い、患者様への対応を改善してもらう必要があります。

実際にクレームが発生している件も伝えながら、どのような対応が適切か伝えましょう。

クリニックの理念を共有

前述のスタッフ教育で大切なことの一つに、クリニックの理念の共有も挙げられます。

理念を明確にし、スタッフ全員に共有すれば、全員がその理念に向かって行動しやすくなるでしょう。

クリニックの理念を実現する一員だという意識を高めることができれば、スタッフの対応も変わってくるはずです。

患者様からのアンケートを取る

患者様からのアンケートは、クレーム発生を少なくするための重要な情報源となります。「どのスタッフの対応が悪かったのか」、「どんな対応に不満があったか」など、患者様の本音を聞けます。

患者様の不満を放置しておくと、口コミサイトにネガティブな意見を書かれることになり、クリニックの信用喪失に繋がりかねません。

そのような事態を防ぐためにも患者様からアンケートを取って、改善策に繋げましょう。

待ち時間対策ツールの導入

待ち時間の長さは、クレームにつながる最も多い原因です。そのため、待ち時間の解消がクレーム発生の減少に大きく繋がります。

待ち時間を解消する方法として、待ち時間対策ツールを導入するのはおすすめです。

待ち時間対策ツールには、主に以下の3つがあります。

  • Web問診システム
    来院前にWeb上で問診票に記入できるシステムです。来院時に問診票を記入する時間がなくなり、受付での事務処理時間を短縮できるため、待ち時間の短縮に繋がります。
  • 自動精算機
    会計を自動で計算してくれる機器です。会計業務をスムーズに行え、スタッフの介入もなくなるため、順番を待たずに会計が可能できるようになります。
  • 診療予約システム
    患者様自身がネット上で診療予約できるシステムです。パソコンとスマホから予約できるため、いつでもどこでも好きなタイミングで利用できます。
    患者様は待ち時間や順番を把握できるため、待ち時間の長さを感じることが少なくなるでしょう。

これらのツールを導入することで、待ち時間の短縮だけでなく、スタッフの業務負担の軽減にも繋がります。

クレームが発生してしまった場合に備えて

前述した対策をとっても患者様からのクレームを0にすることはできません。そのため、万が一クレームが発生しても適切に対応できるようにマニュアルを準備しておくのが大切です。

ここでは、クレーム対応のマニュアルを作成するメリットや注意点などについて解説します。

クレームの対応マニュアルを作成する

クリニック運営において、クレーム発生は少なからず発生することを想定しておかなければなりません。万が一に備えて対応マニュアルをスタッフに共有することで、全スタッフが適切な対応を取ることができます。

対応マニュアルの利点

対応マニュアルの作成には手間と時間がかかるため、作成していない医院も多いでしょう。しかし、対応マニュアルの作成には以下のような利点があるので、作成することをおすすめします。

  • クレームに迅速に対応できる
  • クレーム対応の画一化
  • 悪質なクレーマーの抑止力になる

クレーム対応に慣れているスタッフが出勤していない場合、他のスタッフが対応を求められます。そのような時でも、迅速に、適切な対応が取れるようにマニュアルの作成が大切です。

また、クレームの中には悪質なものもあるでしょう。悪質なクレームが発生した場合も、「当院では対応できません」と毅然とした対応が可能となり、悪質なクレーマーへの抑止力にもなります。

マニュアル作成時の注意点

マニュアル作成はクレーム対応において利点が多いですが、注意しなければならない点もいくつかあります。

具体的に以下の点には注意が必要です。

  • 法律や判例などに抵触する内容は書かない
  • 定期的にマニュアルを見直す
  • 抽象的ではなく、具体的な対応方法を書く

マニュアルの内容が法律に抵触しており、そのマニュアルに従ったスタッフの対応が後に裁判沙汰となる可能性もあります。

そのため、法律や判例が現在の実務に整合する内容かどうかは、マニュアル作成で非常に重要です。

また、抽象的な表現は避け、具体的な事例とともに対応方法を説明しているマニュアルが理想的といえるでしょう。

マニュアルを定期的に見直すことも大切です。自動精算機やWeb問診システムなど、新たなシステムを導入した際は、マニュアルに記載されていないクレームも発生します。

法律や業界の慣行も変わっていくので、定期的にマニュアルは見直しましょう。

クレームが発生してしまった場合の対応原則

クレームが発生してしまった場合に備えてマニュアル作成も大切ですが、対応原則を理解しておくこともクレーム対応では重要です。

まずは、以下の対応原則10項目をおさえておきましょう。

  • 複数人で対応
  • 別室に案内する
  • 役割分担を決める
  • 否定せず患者の話を聞き、丁寧に説明
  • 正確なメモをとる(記録をとる)
  • 初動対応の場で、結論提示や約束を行わないこと
  • クレーム内容は院内で共有
  • できないことや特別扱いはしない
  • 困ったら弁護士へ切り替える
  • 違法行為に気を付ける

クレーム対応では、臆することなく迅速な対応が必要となります。

応召義務と正当な理由

応召義務とは医師法19条1項で、医師は正当な理由がない限り、患者の診療を拒むことができないと定められている法律です。

では、診療を拒むことができる正当な理由とは、一体何が当てはまるのでしょうか。

2019年12月25日に厚生労働省が発表した応召義務の内容によると、以下の4つは「正当な理由」として診療を拒むことができるとされています。

  • 応急処置を取ることが望ましいが、診療時間外の対応は責任に問われない
  • 医師の専門性・能力では対応できない専門外の疾患の対応を求められた
  • 患者の迷惑行為(診療内容と関係のクレームを繰り返し続けるなど)
  • 支払い能力があるにも関わらず悪意を持って医療費を支払わない

上記のようなケースでは、正当な理由として見なされ、診療を拒むことが可能です。

クレーム等が理由で診療を拒む際の注意点

患者様の悪質なクレームが理由で診療を拒む際は、以下のような注意点があります。

  • 医師に説明責任がある項目については十分な説明を行う(弁護士立ち合いのもと説明を行うのが最も良い)
  • 診療を拒否する理由(暴言や暴力など)について詳しく説明できるように「いつ、どこで、どのような状況で、どんなことがあって、どのような対応をしたのか」詳細にまとめたメモを残しておく
  • 悪質なクレームが長時間にわたる場合は、説明できることがないとして帰ってもらい、帰らない場合はその点についてもメモに残す
  • 「必要な説明は文書で行います」という内容の文書を患者様に送りメモに残す

上記のようにしっかりと記録に残しておかないと、具体的な内容や経緯を説明することができません。説明が十分にできない場合の診療拒否は、違法と判断されてしまう可能性があるため、注意が必要です。

また、医師に説明責任があるにも関わらず、十分な説明を行なっていないケースも違法となる可能性があります。

万が一、診療拒否が違法と判断されれば、患者様に損害賠償を命じられる場合もあるため、注意してください。

まとめ

本記事では、クリニックへのクレーム事例と、その対応方法について解説してきました。

クリニックへのクレーム事例として、

  • スタッフの態度が悪い
  • 待ち時間が長い
  • 診療、薬の処方に関するクレーム
  • 治療費に関するクレーム
  • 医師が話を聞いてくれない

などが挙げられます。

これらのクレームが発生しないために、「スタッフ教育」や「患者様からアンケートを取る」「待ち時間解消ツールの導入」などの対応策があります。

患者様からクレームが発生しないように対応することは大切です。しかし、その対応に追われることで、クリニックの利益減や負担の増加があってはクリニック運営の継続が困難になるでしょう。

悪質なクレーム対応などで困った際は弁護士へ依頼するのも一つの手です。クレーム対応に困った際は、本記事の内容を参考にしてみてください。

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セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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