「循環器内科の開業にはどの程度資金が必要なの?」「莫大な自己資金を用意しなければならないのでは」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では循環器内科クリニックの開業に必要な資金、開業後の年収のイメージなどを解説していきます。
自己資金がそれほど多くなくても開業を成功させるケースも少なくないため、必要な資金のイメージをおさえ計画を立てることが大切です。
開業を検討している方はぜひチェックしてみてください。
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目次
循環器内科の診療所数は、内科全体のうちで約20%弱程度と言われています。一般の方からすると「循環器内科」という名前から、どのような疾患に対応する内科なのかイメージしづらく、少々認知されづらい診療科目と言わざるを得ません。そのため最初の集患が課題となるケースが多いようです。
再診の方やかかりつけ医として選んでくれる人が増えると、患者さんが定着し他に流れづらいのも特徴の一つと言えるでしょう。
診療するのは高齢者が中心となりますが、現代では高齢の方でもインターネットを利用して情報を得ている場合が多いため、いかにインターネット上で情報を発信するかが鍵になります。ホームページを充実させるなどして集患をはかり、経営の安定化につなげていくことが循環器内科クリニック開業のポイントとなるのです。
循環器内科は内科クリニックの中でも、患者さんが定着するまでに時間がかかる診療科です。安心して開業するためには十分な資金の確保や詳細な事業計画が重要です。
立ち上がりを良くして患者さんを定着させるためには、間口を広げて診療することが有効です。開業時には感染症や花粉症などの患者さんも受け入れ、ファミリークリニックとして診療を行うとよいでしょう。循環器内科の患者さんは他のクリニックに流れづらいため、だんだんと専門領域の患者さんも定着していきます。
また、近隣の専門医がいる病院・クリニックとの連携も有効です。連携を見込んで適切な時期に医師会に加入できるとよいでしょう。呼吸器内科や糖尿病の患者さんについては、信頼できる近隣の専門医に紹介状を出すのも戦略のひとつです。適切な紹介を行うことで患者さんからの評判があがり、他院からの紹介患者の来院も期待できます。
耳鼻咽喉科クリニックの開業においては、まず開業資金がどの程度になるのかおさえておくことが大切です。立地や設備など様々な要件により開業に必要な資金は変わってきますが、テナント開業で5,000万~8,000万円ほど、戸建て開業では1億円~程度かかると言われています。循環器内科クリニックの開業費用の内訳について、一例を以下にまとめました。
項目 | おおよその資金 |
---|---|
不動産(敷金/礼金/仲介料など) | 4,000,000円 |
施工(設計/施工/看板など) | 25,000,000円 |
機器(診療に必要な医療機器) | 10,000,000~20,000,000円 |
家具や家電 | 2,000,000円 |
システム(電子カルテ/予約システムなど) | 4,000,000円 |
マーケティング・資材(ホームページやロゴ作成/広告/パンフレットなど) | 4,000,000円 |
その他 | 2,000,000円 |
分類 | 項目 | 数量・期間 | おおよその資金額 |
---|---|---|---|
不動産 | 敷金 | 6カ月 | 3,000,000円 |
礼金 | 1ヶ月 | 500,000円 | |
仲介料 | 1ヶ月 | 500,000円 | |
施工 | 設計・施工 | 30坪 | 15,000,000円 |
看板 | 1式 | 500,000円 | |
機器 | レントゲン装置 | 1台 | 3,000,000円 |
超音波装置 | 1台 | 2,000,000円 | |
その他機器 | 1式 | 15,000,000円 | |
家具・家電 | 家具・家電 | 1式 | 2,000,000円 |
システム | 電子カルテ | 1式 | 3,000,000円 |
予約システム | 1式 | 1,000,000円 | |
マーケティング・資材 | ホームページ | 1式 | 1,000,000円 |
ロゴ作成 | 1回 | 100,000円 | |
広告 | 1回 | 2,000,000円 | |
パンフレット | 1式 | 300,000円 | |
診察券 | 1式 | 50,000円 | |
封筒 | 1式 | 50,000円 | |
その他 | その他 | 1式 | 2,000,000円 |
循環器内科クリニックで必要な医療機器のうち、X線設備やエコーは高額ですが、それらを買いそろえれば他の心電図等の設備はそれほど費用がかさみません。
患者さんは高齢者の方の割合が多くなると予想されるため、廊下などは車いすでも通りやすいよう広くするといった必要は出てきますが、大量の患者さんを一気に診療するといった科ではないため、必要な広さも想定ができます。
先に述べたように開業には莫大な資金が必要となりますが、全て自己資金でまかなうわけではなく、融資を受けるなどして用意するのが一般的です。
自己資金が少なくても開業できないということはありませんが、循環器内科は立ち上がりが遅い傾向にある科でもありますので、開業資金総額の少なくとも2割程度の自己資金があることが望ましいでしょう。
開業の際に融資を受ける場合、その金額は資金の2倍が目安になりますので、金額で言うと1,500万円~程度の貯蓄があることが必要になります。
循環器内科クリニックの開業においては、融資を受けて資金を調達しようと考える方も多いでしょう。資金調達においては以下3つのポイントをおさえておくことが大切です。
まず、資金の調達に利用できる金融機関には様々な種類があり、特徴も異なることを理解しておきましょう。
日本政策金融公庫では比較的低金利で借り入れることができ、民間金融機関では融資までのスピード感が早いという特徴があります。その他助成金や補助金を利用できるケースもありますので、いかに資金を調達するべきか良く調べておくと良いでしょう。
また、必要な資金の内訳を整理しシミュレーションをしておくことや、事業計画をしっかり作成しておくことも必要です。
これらの明確さによって融資額が変わるといった場合もあるので軽視できません。知見のある専門家やコンサルタントに相談しつつ進めるのが有効です。
クリニックの開業資金については【診療科目別】クリニック開業資金はどれくらい?自己資金の必要額まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にして見て下さい。
内科の開業医の平均年収は2,400万円程度という統計が出ております。この金額は他の診療科を含む全体平均と同水準だといえます。以下の表は、内科クリニックの収益と費用を、個人クリニックと医療法人に別に分けまとめたものになります。個人と法人の場合で損益額に差が生じていますが、法人の場合は給与に院長の収入も含まれています。
診療単価はクリニックの診療コンセプトによって異なります。循環器内科の場合平均診療単価は6000円くらいが目安です。専門性が高いほど診療単価は高くなる傾向にありますが、患者さんの層や検査・治療内容によって変わります。
個人クリニック | 医業収益・介護収益 | 約7,600万円 |
---|---|---|
経費(人件費/薬品費など) | 約5,200万円 | |
損益差額 | 約2,400万円 | |
医療法人(※入院診療収益なし) | 医業収益・介護収益 | 約15,500万円 |
経費(人件費/薬品費など) | 約14,600万円 | |
損益差額 | 約900万円 |
出典:第22回医療経済実態調査
患者さんが定着すればそれほど集患の必要性は高くなく、時期によって患者数が増えるなどの大きな変動はあまりないのが循環器内科の特徴です。経営基盤が整ってきたら、安定した働き方も可能になるでしょう。立ち上がりにおいては情報の発信に力を入れる、時には間口を広げて様々な症状の診察を行うといった対応も必要になるかもしれません。
循環器内科クリニックの開業を成功させるには、いくつかのポイントを抑えておくことが大切です。詳しく解説していきますのでぜひ参考にしてください。
まず開業資金がどの程度になるのか、いかに調達するかを専門家に相談しつつしっかり計画を立てていきましょう。
必要な機器や設備を整えるにあたって、費用をおさえより良いものを使うという観点から、どのメーカーのものを使用するかの選択も慎重に行うことをおすすめします。できれば複数社に相談して、相見積もりをとって比較するようにしてください。
循環器内科では高齢者の患者さんが多いため、駅近くなど分かりやすい立地が適していると言えます。
また、近くの内科の専門範囲と被って、患者さんの取り合いにならないように注意が必要です。診療圏内では同じ診療科のクリニックが少ない方が有利です。周辺の環境を事前に調べておきましょう。
現在病診連携を積極的に行っている病院に勤務している場合、その病院の近くで開業するのがおすすめです。循環器内科では継続的に通う患者さんが多いです。現在勤めている病院でひとりでも多くの患者さんを獲得して開業できると、集患への不安を解消できます。
物件の選定についてはクリニック開業の物件探しのポイントとは|物件の種類や注意点などでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
高齢の患者さんや足が不自由(車椅子の方など)な患者さんもいらっしゃる診療科目なので、バリアフリーに配慮した設計が必要です。その他、以下のポイントを踏まえて内装設計を進めましょう。
クリニックの内装についてはクリニックの内装の基本を解説|設計時の注意点やおすすめ業者まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クリニックのレイアウトについては内科クリニックの基本レイアウトを解説|患者・スタッフの動線などでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
循環器内科は医師・看護師・医療事務で構成されているケースがほとんどです。ただし中には、放射線技師や臨床検査技師などを雇用している循環器内科クリニックもあります。
循環器内科クリニックの集患・マーケティングのポイントは下記の4点です。それぞれ解説していきます。
循環器内科クリニックはホームページにある程度力を入れることが大切です。ホームページに力を入れるといっても単にデザインが凝ったサイトを作成するというより、「わかりやすく」なおかつ「多くの方に見られる」サイトを作成することが大切です。
まず「わかりやすく」とは、HPに訪れた患者さんが知りたい情報を短時間で誰もが分かるように配置することです。
次に、「多くの方に見られる」とは、患者さんが検索している以下のような言葉(検索キーワード)に対して、ホームページが上位表示されるようにSEO対策をすることです。
<検索キーワード例>
検索キーワードタイプ | キーワード例 | 上位表示難易度 |
---|---|---|
近くのクリニックを探している方が検索しているキーワード | ・○○駅 循環器内科 ・○○市 内科クリニック ・循環器内科クリニック※ ・内科クリニック※ など |
低い |
症状の解決法を探している方が検索しているキーワード | ・心臓 痛い ・高血圧症 ・不整脈 ・息切れ など |
高い |
※検索エンジン(グーグルやヤフーのこと)の仕様で、検索している人位置情報に合わせて近くのクリニックが上位に表示されます。
SEO対策の解説をするとこの記事には収まらないので、下記の記事をご覧いただくとわかりやすいです。また補足ですが、ホームページ制作において凝ったデザインは優先度が低い点もおさえておきましょう。
SEO対策についてはクリニックのSEO対策おすすめ企業5選【徹底解説】でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ホームページ制作会社については【2023】クリニック・病院におすすめのホームページ制作会社17選でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
循環器内科の開業は、独立前に患者さんを獲得しておくことが大切です。
循環器内科に通う患者さんは治療に要する期間が長いため、医師との付き合いが長くなるケースが多いです。そのため、今勤めている病院の患者さんに独立後も新しいクリニックに来てもらえるようにしておくことが重要です。
開業時には間口を広げて循環器内科以外の診療も行うのがおすすめです。感染症や花粉症などの患者さんも受け入れることで、立ち上がりが良くなります。循環器の患者さんが定着するようになると、周辺の慢性疾患の患者さんがかかりつけ医として通ってくれるようになります。ここまでくれば、他の診療科の患者さんは自然に減っていくでしょう。
循環器内科では、心臓や血液を検査するための医療機器が必要です。心エコーや頸動脈エコー、心電図、心臓カテーテル検査装置などの基本的な医療機器は揃えておく必要があります。より専門的な症状を扱う場合は、心筋シンチグラフィ検査機器、心筋マーカー迅速測定装置、CTなどが必要です。必ずしも高性能な最新機器を導入する必要はなく、地域のかかりつけ医として近くの信頼できる病院に紹介を行う選択もあります。
その他電子カルテ、レセコン、レジなど各種設備の導入が必要です。開業時の機器やシステムの導入・選定ポイントは下記の通りです。
循環器内科の開業を成功させるポイントとして、成功しているクリニックの施策を積極的に真似して取り入れることをおすすめします。いきなり自己流で進めるより、始めは他院の真似をしながら徐々に自分達のスタイルを形作っていくのが効率的です。
クリニック開業については【成功へ導く】クリニック開業ロードマップ|成功に大切なポイントとはでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ここでは循環器内科クリニック開業の成功事例を紹介します。ぜひ開業時の方針や戦略の参考にしてください。
予約システムを活用して成功した事例です。循環器内科で高齢な患者さんも多いクリニックですが、診療終了後に受付スタッフが地道に予約システムの使い方を説明することで、予約システムの利用を浸透させました。患者さんが予約システムを使えるようになってからはスタッフの負担も減り、患者さんの待ち時間もほぼなくなりました。他院と比べて待ち時間が少なく人気のクリニックとなりました。
開業時から積極的なマーケティングを行い成功した事例です。初診率や再診率を測定し分析することで、リスティング広告やSEO・MEOにかける費用の調整を行うことで患者さんを増やしていきました。地域で認知されるクリニックになった時期に、内科の標ぼうを取り下げ、より専門的な領域に特化した診療を行えるようになりました。
近隣の内科や消化器内科の専門医と連携することで成功した事例です。こちらのクリニックの先生は地域の連携を深める会などに積極的に参加し、信頼できる近隣の医師との関係を作っていきました。周囲の専門医との関係を深めることで、地域の循環器専門医として認識され、患者さんを紹介してもらえるようになりました。
循環器内科クリニックが取得することの多い施設基準は以下の通りです。自院のコンセプトに合ったものを選択しましょう。
今回は、循環器内科の開業に必要な資金や年収イメージ、開業を成功させるポイントなどについて解説してきました。開業には確かに相当な資金が必要になりますが、必ずしも自己資金が多く必要になるわけではありません。
しっかりと開業にかかる費用を整理し、事業計画を練ることでゆとりのある資金計画が組めますし、融資を受ける際にも有利になります。まずは戦略を立てるところからはじめて、開業への一歩を踏み出しましょう。
現在、上記のようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひとも私たち「2ndLabo」にご相談ください。開業に必要な情報をまとめた業界最大級の独自データベースとコンシェルジュの知見で開業準備、そして開業成功に向け伴走いたします。
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